今回、特に柳洞寺での話については何を書いているのかよく分からない方が多いかもしれません。これは、私が作っている設定を元に書いているので、見えていない部分があるからです。読者様を置いていってしまったら、ごめんなさい。
ですが、読めます!キャスターとリクオの意見が合っていない。という事だけを分かって頂けたらと思います。
後書きには、リクオのスキルを公開!次編、セイバーのステータス(仮)もありまーす!
【癒しゼロ】
場所は、近所ではそこそこの敷地面積を持ち、THE・日本の家と外国人が想像する様な造りの衛宮家。
「ちょ、訳がわからないんだけど!今すぐ説明しなさい!」
時刻は、衛宮家の主人、衛宮 士郎がアサシンから斬られて1時間後。
凡そ10時過ぎといったところか。
「なに、なんなのその身体!貴方、一体どんな手品を使ったっていうの!?」
衛宮家の夜は、普段ならガヤガヤと騒ぐ者は一人しかいない。藤村 大河という活発な女性なのだが、今日は珍しく残業だろうか。歩く騒音機の姿は居間には無く、その状況を寂しく思っていた。
「ふおぉ…!羨ましい……じゃない、身体の方は大丈夫なのかって聞いてるのよ、答えなさい衛宮くん!」
「落ち着いてください、凛。先ほどまでの、氷のように冷静な姿勢は何処にいってしまったのです!」
「これが騒がずにいられますかいっ!」
寂しく思っていた……というのは、俺が気絶していた最中の感情で、今はどうかと聞かれると。……うん、何だこれ。
例えられる感情が、士郎の頭の中に転がっていなかった。この言いようのないモノは片付けようがないので、兎に角、凛の荒ぶる感情をどうにかするのが先か。等と、起きたばかりの頭で天井を見ながら思考を巡らしていると。
「うるさいぞマスター。霊体化が出来ない今の私には、君の奇声はかなり傷にくるんだ。とっとと魔力を回したまえ」
すっごい気分が悪そうな表情で、居間のテーブル片側に横になるアーチャー。凛は気付いていないが、コイツは片手にボイスレコーダーの様なモノを持っている。何をする気だろうか。
「はぁ?魔力ならずっと送ってますけど!アーチャー、あんたが″そんな″状態だからこの状況をややこしくしてるのよ。分かってる!?」
「……なぜ重体の私に塩を塗りたくるのだ、この畜生マスター」
というよりも、だ。今、アーチャーは霊体化が出来ないと言ったのか?どういう事だろう。
「え…まてよ、アーチャー。お前、霊体化が出来ないのか?」
「そうだが、勘違いはするなよ。衛宮 士郎ォ」
敵陣で生気無く項垂れている格好はシュールだが。
コイツの隣で、かく言う俺も横になっていたりする。
「ぐっ…マスター、直ちに配置の変更を要求する!なぜ私が、この男と隣り合わせで横にならなければならんのだ!」
「なっ…てめ、それ本人の前で言うか普通!?嫌なら自分の足で移動すればいいだろ!」
「可能ならば貴様が目を覚ます前にしている!先ほどの、アサシンとの戦闘で私の全身の魔術回路はボロボロなのだ、たわけ。主に下半身を動かす事がままならん」
「なんだよその顔、どんだけ俺が嫌いなんだよお前。うわ、どうやればそんなに相手を不愉快にさせる顔が作れるんだ……」
世界の終わりを見たかのような、片眉ピクピクさせながらもう片頬をこれでもかと歪ませている。このふざけた顔で更に、目だけで同じ目線の俺を見下してるから腹立つ。そもそも、言葉を交わしたのはこれでやっと数回目なのに、なぜこいつは俺をここまで毛嫌いするのだろう。
「おいアーチャー、士郎に対する態度がやや乱暴に見えるが。なぜ彼をそこまで毛嫌いする?」
アーチャーの態度に、凛をなだめていたセイバーが口を謹めと言わんばかりに睨む。答える義理も、義務もないと顔に出すアーチャー。
「はいはい、二人とも衛宮くんの家で揉めるのはここまでにして。アーチャーについては、後で私から言っておくわ。セイバー、今はそれよりも大切な事があるでしょう?」
流石は遠坂だ。混沌としてきた場を一気に治めてくれた。その通りです、とセイバーも上げかけた腰を下ろしてくれる。
「ようやく静かになったわね…いや、これ以上言うとまた方向がズレるか。でね、大事な話ってのは衛宮くんの身体についてなんだけど………」
〜A Whole Story...?〜
▼
【魔女と百鬼】
住職者達が寝静まり、一日の平和は終わる。柳桐寺が夜を迎えた時から、この地は彼らの物ではなくなり。その″役割″を忘れ異形の世界に意味を変えていた。
柳桐寺に続く、石垣の階段を登った場所に構える門。仰ぐだけで、人々が畏れるナニカは回れ右。勇気を絞り出し、門を潜れば最後、きっとナニカは清く浄化されるのではないだろうか。
しかし、よく見れば異変に気付く。
この門、つい数週間前まで建っていた柳桐寺の入り口に聳える門とは、形さえ似ていても、以前とは大きく違う。姿形は当然と言わんばかり。なぜ住職者達は、この異変に気が付かないのか不思議だ。
それとは別に一つ。今、建っている門は、門の役割をしてはいるものの、寺へと続く門としては欠片の機能もしてはいない。
夜の門は、潜る者を選んでいるのだ。
この門は既に、妖の管轄下にあった…。正しくは、通る者を選ぶように作り変えた、とも言える。
門を潜った先、柳洞寺に続く石道の真ん中で。
「キャスター、てめぇは俺のマスターだ。その意味を、解ってるんだろう……?俺が殺りたくもない事を」
背中に『畏』と刺繍された羽織が特徴的な、鋭い目の男。言葉に含まれているのは、怒りと疑心。彼には似合わない低音が、辺りの空気をピリッと締め付ける。
「あら、気に食わなかったのかしら。私は至って普通の、最も効率良く聖杯戦争を勝ち残る手段を選んだだけよ?」
それに答えるのは顔を覆う紫色のローブが特徴的な、男の言葉を嗤うように言う女。アーチャーとの戦いでは傍観に徹していたが、両者が体力を消耗した瞬間を狙っての、奇襲はアサシンとして向いていたかもしれない。
「私は貴方の説得で、確かに冬木に住む人間から魔力を絞る事は止めたわ。だってアサシンを本気で怒らせると、私の命が危ないですもの」
鋭い目の男、アサシンもとい真名、奴良 リクオと。
キャスターは向かい合っている。
両者、身に纏う空気は酷く冷えており。バーサーカー、アーチャーと連戦の後だというのにも関わらず、更に武器を振おうといわんばかり。
手には何も持っていないが、キャスターは既に臨戦態勢に入りつつあった。令呪で強制的に命令する事も出来るが、アサシンには痒いところに手が届かない。特殊な″宝具″があるからに他ならないが。これがどうしても、キャスターには必要でもある。
「けど、言ったはずです。私は、聖杯戦争を″生き抜く″と。これに貴方は、頷いたでしょう?」
アサシンは明らかに、キャスターの進路を邪魔する障壁に違いない。だが、味方としている限り、キャスターがその身を危険に晒す必要性は無かった。
だから、どうにかしてアサシンを屈服させなければいけない。
現状で、一か八か。持てる宝具をふんだんに使い″一掃″したい感情に駆られる。
キャスターは武人などでは無い。故に、殺気は押し殺せる程に制御しきれない。
「あぁ、そうだな。確かに。だが俺は理解できない。てめぇが生きる為に、他人の命を奪って安心を得る……。その考えをするのは仕方ないかもしれんが、実行する事はないはずだ」
何かが反応をする。いや、示したのだ。キャスターから溢れた、黒い感情に。
柳洞寺を囲う木々が微かに揺れる。冷たく笑っていた。
「あるわ。敵マスターが何か仕掛けてこない、とも限らない。他のマスターと共謀して、流桐寺に攻めて来るかもしれない。下手に周りをコソコソ嗅ぎ回って、私のマスターが狙われるかもしれないわ。いい、アサシン?何度目かですけどね、私は街の人間に手は出さない、と約束しただけ。マスターを一人残らず殺さない、とは一言も口に出してないわ」
キャスターは気付かない。
現実の妖気に。
「それはダメだ。はぁ〜、性根の悪い女だなぁ全く。俺の意見がまだ全て通ってないだろ?」
「おかしいわね………アサシン、本来ならば此処の門番という役割も担っているはずよ。まぁ、令呪じゃどうも出来ない状況になってますけど」
細く笑む。
それは闇の怒りを買う行為だ。
だが、キャスターは気付かない。
「私はそれを譲った、それだけで足りてるはずでしょう?窮屈な門番から解放された訳ですもの」
彼女の首元から足先に至るまで、妖の群れは既に到着している。
「聞き捨てられん…!」
裏切りの魔女を殺さんと、過去の畏を纏わせた武器が睨んでいた。傍で待機していた。
それに続く形で、待たせたなと言わんばかりにはじける影達。
それは一気に爆発した。何者達が一斉に、闇より出でる。
「リクオ様、この女狐の言葉をこれ以上聞く必要は無いかと。現界に関してはご安心を、我々が全力でサポート致します故。ましてや総大将に、ご自身の家の門を守護させるなぞ論外でございます」
「おいキャスター、リクオ様の身体を勝手に乗っ取った挙句、殺さないと言われたマスターを斬り伏せるてめぇをこれ以上黙って見てられんぞ」
「やはり女狐は狩るか。リクオ様の邪魔をする者は、マスターでも許さんぞ……」
「リ、リクオ様!着物が破れてるじゃありませんか!あ、あぁ…顔にも!?大事なお肌がっ!
私がこの寺の修繕をしていた間に、一体何があったのですか!!!
い、いえそれよりも。先ずは氷を……傷に氷を当てて冷やしましょう!!!」
若干一名、柳洞寺の修繕から駆け付けた雪女がいるが。
リクオの周囲には、数える事が面倒になり投げ出したくなる程の妖が、もう一つの夜を作り出していた。
魔女にとって結果的に最悪に不必要で、過程で利用しなければならないソレ。
「げ、お前らぁ…やっぱりコソコソと付いてきてやがったな」
現れた妖の姿を確認し、ようやく自分の立ち位置を理解した魔女が何かを唱えようと口を開ける。が、開いた口に一人の男の羽織から飛び出した刀や銃が迫る。
詠唱の暇を与えない無慈悲なまでの詰め。不意を突かれた為に遅れをとった魔女は、うめき声を漏らす以外に行動の一切を許されない。二度は効かぬぞ……そう呟くのは、
「当然です。万が一にも、リクオ様の身に何かあれば、この黒田坊、容赦無く敵を討ち負かすつもりでした。これからも、ですけどね」
良奴特攻隊長、黒田坊。敵には憐れみこそ抱くが、キャスターにするよう基本的に、容赦が無い。譲る事も無い。
「柳洞寺に関してはご安心を。青田坊、雪女、毛嬢楼、邪魅が見張りに。異常があれば三羽烏が駆けつける次第」
アサシン、リクオの前に立ち、魔女からできるだけ遠ざけようとする首なし。名前通り、首がない。頭は常に浮遊しており、電車に乗るとかなりやばかったりする。車に轢かれれば、身体と頭が別々に吹っ飛び、目撃者と加害者はトラウマに残ってしまう事態になる事も。
「首なし、そーゆう問題じゃねえ……黒、それ以上はやめとけ。女を野郎で囲むもんじゃねえ。オラ!てめえらも離れねえか!」
…
…
「あぁ、もう嫌になるわ。百鬼夜行、でしたっけ。コレらを私で制御出来ないのがそもそもの失敗なのよ…」
此処に現界する、所狭しと出没した妖は全て、アサシンの宝具。総大将を総大将たらしめる存在であり、彼の弱点でもあるが……
数百で収まるかどうか、視認できるモノではない。
キャスターは発散出来ない怒りを、心の中で暴れる一歩手前で押さえ込んでいた。
魔女の腕を持ってしても踏み込む事の出来ない、彼女にとって非常に厄介な存在。妖の総大将として現界するアサシンは、一人ではなかった。そこに気付けなかった時点で、キャスターの思惑は大きく崩れる事になっていく。
【感想に頂いた疑問に大雑把に】
メディアが悔しさに拳を握る反対側、リクオは殺気立つ首なしの肩を掴み、門の裏へと呼び出した。
「おい、首なし。首を貸せ」
「はっ!」
「セイバーのマスター、斬られた時の反応とかが大げさ過ぎだって感想が来ちまった。お前見てたんだろ?どう思った」
「私もそう感じていました。元より、祢々切丸は人を斬る事が出来ません。仮にあの少年が斬れてしまった、としたら」
「………人じゃねえ。って事か?」
「かもしれません。しかし、妖の身としては、彼からは特に異変を感じ取る事はありません」
「俺もだ。しかし、衛宮とかゆうマスターを斬る瞬間、妙な魔力を感じたのは確かだった。今の祢々切丸は″魔力″の類も斬れちまう。あいつは間違いなく人間だ、俺が目の前で見たから間違いない」
「では、リクオ様が感じ取られた妙な魔力とは?」
「……あの時、祢々切丸はあいつの″魔術回路″を斬った。ズバッとな。肉は斬れないから見た目に異変はないが、中はボロボロだろう。キャスターは衛宮が斬られた時の認識をボヤけさせて誤魔化した。
けどよ、魔術回路を斬っちまった瞬間、魔術回路が回復したように見えた」
「回復…!」
「キャスターは、あの様子じゃ気づいてねえ見たいだが。多分、衛宮を斬る瞬間に、キャスターの認識をズラ/ボヤカしたからかもな。だけどよ、首なし」
「えぇ、いくらマスターとは言え、それ程の芸当。サーヴァントにすら出来る事ではありません」
「祢々切丸に斬られたら、魔術回路の回復には相当、回復時間が必要なはずだ」
「……」
「俺は、寝た子を起こしちまったかもしれん!なんか、変なスイッチ起動させたかもな!!」
おまけ
アサシン ボツ
・3-E『暗殺教室』
・百夜 優一郎『終わりのセラフ』
・金木 研『東京喰種』
真名:奴良 リクオ(夜) クラス:アサシン
クラススキル
陣地作成:C
騎乗(妖):C
気配遮断:-
保有スキル
鏡花水月:A+
畏の発動:A
総大将の血:B
↑読みは、ぬらりひょんのち。
-:-
宝具
明鏡止水・桜:C
百鬼夜行:A
-:-
ついでに、セイバーッ!
ステータス
筋力:A 耐久:B 敏捷:A 魔力:D 幸運:E 宝具:E
今回の話について、最後に少し。
キャスターに対して、リクオ以外の妖達が異常に冷たかったのは、リクオの意志を裏切ったからです。士郎を無理矢理、斬った訳ですから。
少々、文章が雑な事に関しては私の根気不足です。アサシン編を終えてから書き足そうと思います。
皆様、読んで頂きありがとうございました!