この日私は仕事に来ていた。
少し前に山菜取りの依頼を受けた村の子供達に好かれた様で、今回もまた村での依頼が来たからだ。
まさか私を指名で依頼がくるなんて思ってもみませんでしたが、やっぱり嬉しいものですね~、まぁそういうわけで村まできたのですが……
「お姉ちゃんこっちで遊ぼ~」
「お姉ちゃんはこっちで俺たちと遊ぶんだ!」
「お姉ちゃん…本読んで……」
村に入ってすぐに子供達が私を取り合い始めてしまい山菜取りに行けません……
「ごめんね、みんな、先に山菜取りにいかないといけないの、だからちょっと待っててね、山菜取り終えたら遊んであげるからね」
そう言って子供達の拘束から逃れ山菜を取りに行こうとすると、1人が私も行くと言いついてこようとした。
それを聞いた他の子は私もいく、私もいくと連鎖的に言い始め、結局みんなが私も私もと言い始める始末…
そうして私は村長に了承を得て村中のほとんどの子供を連れていくことになった……
どうしてこんな大所帯に、わたしの後ろに十数人いるんだけど……
そんなことを思っていると後ろにいた女の子が
「お姉ちゃんどれ採ればいいの?」
と聞いてきた。
「もう少し行ったら山菜採りに良い場所があるからちょっと待っててね」
「「はーい」」
私は植物と心を通わせ山菜が多くある場所を教えてもらえるから山菜採りみたいな依頼は得意なのだ。
山菜が多く生えているところに着き子供達に採って欲しい山菜を教えると、子供達は我先にと山菜を採りに動き出した。
「私がお姉ちゃんの役にたつの!」
などという声がそこかしこから聞こえてくる気がするけど気のせいだろう……
もし本当に言ってくれてるなら私どれだけ好かれてるんだ?私特にこれといってなにもしてないと思うんだけど……
山菜採りは子供達のお陰もありお昼までには必要数を軽く越えるほど集まった。
「よし、帰ろっか~ありがとうね、みんなのお陰で早く終わったよ~」
「ふふっ、お姉ちゃんのためならこれくらいどうってことないよ!」
ありがとうね、とみんなの頭を撫でると子供達は笑みをこぼした。
さっそく私は子供達と村まで歩いていくと、そこには田畑を荒らされ、家を壊された村があった。
私はすぐに村長の所に向かい何があったのか話を聞いた。
「何があったんですか!?」
「あぁサイカさんか、最近ここらで噂になってたチンピラどもがこの村で暴れよってな、作物や金品を盗んでいってしもおた、わしらも応戦はしたのじゃがチンピラどもは魔法を使えるようで、手も足も出んかったんじゃ……」
そう言って悔しがる村長も右手にけがをしていた。
「村長さん、右手出してください、治療しますので」
私は出された手に左手をかざし魔法を使う、すると村長さんの右手のけがはみるみるうちに消えていった。
村長は驚いた顔をしていたが、そんな事はお構い無く、話を続ける。
「そのチンピラはどこに行ったんですか?私が全て取り返してきますんで」
「無理です!サイカさんがいくら魔導士とはいえどまだ子供じゃないですか!大人が何人でかかっても全く歯が立たなかったんですよ!それに相手は三人いたんですよ!」
「子供扱いしないで下さいよ、それに私はこれでもフェアリーテイルの魔導士ですよ、そこらのチンピラに負けるわけありませんよ!だから早く教えて下さい!」
「…わかりました、村の南の門からチンピラは出ていきました、南側は一本道なので急げば追い付けると思います」
「了解です!じゃあ大船に乗ったつもりで待っていてください!」
そう言って私は村長の家を出た。
家の前には子供達が集まっており、どうやらさっきの話が聞こえていたのか不安そうな顔をしていた。
「ふふっ、大丈夫ですよ~お姉ちゃんは強いですから」
「本当に?けがもしない?」
それを聞いてさっと右手を隠す
「けがもしないように気を付けるね~」
そう言ってポンポンと頭を叩く
「それじゃあ、行ってくるね~」
そう言って私はチンピラどもを追いかけた
はてさて、大見得切って来たのはいいけど強い人たちだったらどうしようか、困ったな私の魔法はあんまり戦闘向きじゃないんだけどなぁ……
けがしないでっていわれたけど現時点でもう右手けがしてるし……
とりあえず包帯巻いとこうかな。
いや、負ける事を考えたりするのはよくないな、村の人達を傷つけて金品を奪ってく酷い人は許せないからね。
例えどんな人でもあんまり傷つけたくないけどこの場合は仕方ないかな。
そう覚悟を決めたとき前の方に荷車を押した三人組の人影が見えた、私はすぐに近づき話しかける。
「こんにちは、すごい荷物の量ですね、手伝いましょうか?」
「はぁ!?急になんだよ!」
「ところで皆さんはどこから来たんですか?この辺なんて村くらいしかありませんけど?」
「え、あぁ俺たちは旅してんだよ、それでたまたまここを歩いてるってわけ」
「そんな大荷物で旅ですか~あと知ってます?この辺の村で金品を盗む三人組が現れたんですって~」
それを聞き 三人組は敵対心を剥き出しにする。
「あんた、村の人間か?」
「いえいえ違いますよ~私はあなた方が持ってる盗品を元の持ち主に返してあげたいだけですよ~」
そう言って笑顔のまま三人をこっそり出しておいた蔦で締め上げる。
「さっさと返してくるなら、特別にけがさせませんし、痛いおもいもしませんよ」
「はっ、これくらいで勝った気かよ」
三人組の一人がそう言うと蔦を全て切り全員を助け出す
「はぁ、返してくれないんですね……」
「はん!てめぇみたいな子供に負けるかよ、魔法を多少使えるらしいが俺達は三人もいるんだぞ」
「だからどうしたんですか?どうせ三人とも少し魔法が使えるだけでしょう」
「はぁ、これだからガキは、身の丈を知れっての!」
そう言って剣を私に向けてくる、魔法剣士だろうか?
他の一人は自分の筋力を強化する魔法だろうか、一回り大きくなった気がする。
もう一人は何の魔法を使うんだろうか?
とりあえず私は魔法剣士との間合いを一気につめ、顔の間近で爆発花を咲かせ爆発させるよろめいた魔法剣士に足払いをし、倒れたところの草を成長させ全身に巻きつけ地面に固定する。
それを見てすぐに強化の魔導士がこちらに走って来たが、彼の周りに爆発花の花畑をつくりだし一言
「その花には触れない方がいいですよ、触れたら爆発しますから、一つ爆発すれば全てに誘爆しますよ」
とだけ言うと大人しくその場から動かなくなった。
「じゃあ、あとはあなただけですね」
そう言ってもう一人のチンピラを見る
「すまない許してくれ!俺達が悪かった金品は返すから許してくれ!」
「はじめからそう言ってくださればこんなのことしなくても良かったのに……では盗品は返してもらいますね、あとこれから、こんなことしないようにしてくださいね、もしまた同じような事をしているところを発見しようものなら容赦しませんよ」
そう言っていつの間にか荷車から落ちていた盗品を拾おうと屈みそれに触れた瞬間私の動きが止まった
「え、体が動かない……」
「はっ、かかったな俺の術式に!」
「術式なんて使えるんですか!?なら盗みなんてせずに魔導士ギルドに入ればいいのに」
「そんな事言ってる余裕はあるのかな、自分が今どういう状況かそしてどういう格好をしているのかわかってるのか?見方によったら俺に尻を突きだしてるようにも見えるぞ」
「下劣です……クーちゃんよろしく」
私がそう言うと術式使いの足元から生えたウツボカズラの様な植物が彼を飲み込んだ、中で彼が暴れているのがわかるが時間がたつごとに抵抗は小さくなり、ついには抵抗しなくなった。
私にかかっていた術式は数分でとけ、私は何とかあの恥ずかしいたいせいから戻ることができた。
私は三人(特に術式使い)をこっぴどくしかりつけて、盗品を持って村まで帰った。
村に帰ると今度は私がこっぴどくしかられるはめになったのだけれど……
子供達にけがしてる事を責められた……
金品等は返ってきたものの、田畑や家屋の修復にはまだ時間がかかりそうなので、私も手伝うために村に泊まらせてもらうことになった。
その事を子供達に伝えるとけがの事など忘れて喜んでくれていてたのでまぁ良しとしよう…
数日は子供達が私を取り合う生活が続くのかなぁ……
まぁ悪くはないかなこんな風な息抜きも、そう私は思うのだった。
クーちゃんはこれからもたびたび登場すると思います~
いつか詳しい説明もするかも……