ふわぁ~眠たいです……
疲れがとれきってないですね。
村の修復に意外と時間がかかって三日間村に泊まることになりましたよ……
子供達はすごい喜んでましたけど、まぁ三日で終わったのでまだいいんですけどね、今日は予定が入っているので手伝えないですし。
さぁて今日もお仕事です!
実は私自営業でお店をしてるんですよ!
お店といってもお悩み相談室みたいな感じですけど……
あ、ちなみに基本予約制になってます!
ガチャと急に扉が開く
そこには三ヶ月程前に相談に来た青年の方が、笑顔を浮かべてはいるが今にも倒れそうな様子で戸口に立っていた。
「大丈夫ですか!?」
「大丈夫ですよ」
「そ、そうですか…
それで今日はどうしたんですか~?」
「まずですね、この前はありがとうございます!サイカさんの言った通り勇気を出して告白したらオッケーもらえたんです!」
「それは良かった!おめでとうございます!ん?てことは彼女がいるのにこんなところに来てるんですか!?彼女さんがかわいそうです!彼女さんに内緒で女の人と二人きりで会ってるなんて知れたらどれ程悲しむか……」
「ちょっと待って、ちょっと待って、別に僕はやましい気持ちでここに来てるわけじゃないんだけど」
少し困ったようにお客様が言う
「分かってますよ、ただの冗談です、けれど女の人と二人きりで会うのはあまりよくないですよ〜」
「た、たしかに…けれどこんなこと相談しようと思ったらサイカさんのところかなぁと……」
「はぁ~まぁとりあえず相談は聞きますね~」
内容によっては早く帰らせて家で寝てもらいましょう、なんだか今にも倒れそうですし……
「実は、ここ一ヶ月彼女と会えてないんだ」
「一ヶ月もですか!?何でそんな事に?」
「仕事が凄く忙しくてまとまった休みがとれないんだよ。
まとまった休みがないと彼女に会いに行くこともできなくてね……
なんせ片道だけで半日かかるんだ」
「は、半日ですか!!しかも片道…」
行って帰るだけで一日がつぶれてしまうのですか…
「だから最低でも二日連続で休みが欲しいんだけど、しないといけない仕事があまりにも多くって二日も休んでられないんだよ、今日も仕事に行く前にここによっているくらいだしね…」
「なるほど……
わかりました、じゃあとりあえずマッサージするのでそこのベッドでうつ伏せに寝転がっててください、私はハーブティーを用意しますので~」
「え!?相談の答えは?」
「マッサージしながら言います~」
そう言ってハーブティーを用意しにキッチンへ向かう
ハーブティーを準備した私はお客様にマッサージを始める
「とりあえず今は無駄な時間を省くのが一番必要な事ですね!」
お客様は私の言っている事の真意が伝わらなかったのか
「一様使える時間は全て仕事に使ってるのですがね……」
そう言い首をかしげていた。
「正直いってその悩みを解決する方法は一つしかないと思うんです」
「それは!?」
お客様はガバっと身を起こす。
「マッサージ中なので動かないでくださ〜い」
「すいません…
それで解決法とは?」
「仕事を早く終わらせるしかないかと!」
「……それができれば苦労しませんよ」
困った顔をしてお客様が言う
「わかってますが、それしかないんです、このままだと仕事を終わらせるのにどれくらいかかりそう何ですか?」
「あと、一ヶ月位…」
「じゃあ半月もしくは一週間程我慢してください、そうすれば仕事も終わるはずです 」
マッサージ中なのにまたお客様がガバッと顔をあげる
「本当ですか!?」
「う~マッサージ中ですから動かないでくださいって!」
「すいません…」
「ようは仕事の効率をあげればいいんですよ。体が元気ですと仕事の効率が上がるので体を元気な状態に保つべきなんです」
「たったそれだけでいいんですか?」
驚いたように聞いてくる
「まぁ他にも色々やりますけどね。
まずお客様は今体中が疲れてるうえに睡眠不足、さらには彼女さんにも会えてないというストレスのせいで心身ともにボロボロなんですよ。
自分でも分かってたでしょ?昨日も夜遅くまで仕事してたんでしょ!」
「その通りです…
早く終わらせようと遅くまで仕事を…」
「それじゃあ駄目ですよ、効率が悪いです、それに頑張りすぎて倒れちゃいます~」
「すいません…」
「というわけで今から三十分程寝てください!」
ビシッと指をさす
「え!?ここで?」
「はい、ここでです!今からでは時間的に家では寝れなさそうですし。
まずこれを飲んでください」
そう言ってハーブティーを渡す
「飲んだら早く布団をかぶって目を瞑っててください」
「え、けれどさすがにここでは…」
「つべこべ言わずさっさと飲んで寝てください、なんなら無理やり眠らせましょうか?」
そう私が威圧すると、はい!と気持ちいい返事をしてハーブティーを飲んだ。
「この布団を使ってください」
そう言って布団を被せる
「じゃあ三十分後に起こしますね、おやすみなさい」
「おやすみなさい…」
そう言うとお客様はすぐに眠りについた
私はリラックス効果のある香りを出す花をベッドの近くに咲かせたあとキッチンへと向かった
さぁ三十分以内にぴったりのブレンドを探さないと!
「起きてくださ~い三十分経ちましたよ~」
そうお客様の耳元で言ってあげると、バッと体を起こした
「今何時!」
「大丈夫ですよ~あれから三十分しか経ってませんから~」
「そうですか」
「では、お仕事に行ってらっしゃいませ~と言いたいのですが、ご飯食べていきますか?」
「あ、いえ食べてきたので大丈夫です」
「そうですか~それじゃこれだけ食べてください」
そう言って草団子を渡す
「これは?」
「私が作った草団子ですよ~植物でとれる栄養素はだいたい網羅してます!これ食べてれば栄養のバランスは崩れないはずです!いつもこれを食べてれば体を壊すことはありませんよ、あと毎食これ飲んでください」
そう言ってブレンドした葉が入った袋を渡す。
「これは栄養素を体に吸収しやすくする効能のあるハーブティーの葉です、これは食事と一緒に飲んで下さい、で次はこれです」
私は他の袋をお客様に渡す
「これは寝る前に飲んで下さい、眠りの質をあげてくれます。さっき飲ませたハーブティーと同じものです、それで最後にこれを、これに関してはいつ飲んでもいいんですが仕事しているときに飲むべきですね、効能は集中力の上昇と疲労の蓄積の抑制です、けどこれは美味しく作れなかったんです……時間がもっとあればどうにかなったかもしれませんが……」
「いや正直言ってここまでしてもらっていいのかと不安になるレベルなんですけど……」
「いや、駄目ですよ…美味しくないハーブティーなんてハーブティーではありません!なので今日のお代はけっこうです、今からお仕事頑張ってきてくださいね」
「いやいや、ちゃんとお金は払わせてください、さすがにこれだけしてもらってお金を払わないわけにはいきませんよ!」
「けど…お客様にほとんど不良品みたいなもの渡していますし…」
「それで仕事の効率があがるなら味なんてどうでもいいですよ!僕の悩みは美味しいハーブティーが飲みたいじゃなくて、彼女と会いたい事なんですよ、それを達成するためのハーブティーが美味しくないからってお金はいらないですってのは理屈が通りませんよ!」
「うぅ、あ、あくまで私は悩みを解消する手助けをしているだけなので絶対叶うとはいえませんよ…」
「じゃあ!私が彼女と会えたら、お金を受け取ってください!いいですか!」
「うにゅ~わかりましたよ~もし悩みが解消されたら代金を受けとります、けれど解消されなかったら代金は払わなくていいですから!」
私がやっと折れてそう言うとお客様はニコッと笑い
「じゃあ代金また払いにまた来ますね!」と言って店をあとにした。
少しブレンドを探すのに頑張りすぎましたね…
私も三十分位寝ようかなぁ、店の前の看板を休憩中にしないとな、と店先に出てみると何人かの人が順番を待っていた…
ん~もうちょっと頑張らないとですね…
その日、結局私が休めたのは日が沈んだ頃だった……
ある週の週間ソーサラーから抜粋してきた記事である
最近少し噂になっている『ハーブヒール』今日は少しその紹介をしようと思う。
まず営業日は基本予約制、予約の入っている日だけ一日中開いている、店の前を通ってもし店が開いていたならラッキーだろう。
店主は何かにつけてお金を受け取らないようにしてくるという不思議な人で、まだ子供である、魔導士ギルドに所属しており店を開けられる日はあまりないらしい。
初めはごく一部の方々から人気があるだけだったが、最近では悩みを解消してくれる、始めて行ったらこれまでの倍は体が軽くなったと少し評判になってきている。
値段は時間や内容、それに客によっても違うらしい、噂によるとその人が楽に払える範囲の料金設定にしているとか、それにしてもその料金設定でなお料金を受け取らないようにする店主はどうなのだろう……儲ける気はないのだろうか?