「エルザさん、その方は?」
「今この駅を取り囲んでる魔風壁を解除出来る
「包帯探してきます!エルザさんはその人の意識が途切れないよう声をかけ続けてください!」
多分包帯は駅員室にあるだろう、幸い駅員室はすぐそこだ、そこから包帯を借りればいい。
私は急いで駅員室に入り包帯を見つけた、私はすぐに服を脱ぎあの人が怪我をしていた場所に包帯を巻き、急いでエルザさんの所に向かう。
「包帯見つけて来ましたよ!まだその人の意識はありますか?」
「あぁ大丈夫だ、まだ意識はある」
私はすぐにその人に駆け寄り話しかける
「聞こえてますか?私が今からあなたの治療をしますが問題ありませんよね」
「何で…俺なんかを助けるんだ?」
「人が死ぬところなんてもう見たくないですから…」
「俺はお前たちの敵なんだぞ」
「そんなことどうでもいいですよ、それで私は治療してもいいんでしょうか?」
「はっお人好しが…」
それを肯定と受け取った私は魔法を使う、するとみるみるうちに傷口が塞がっていき遂にはきれいさっぱり消え去った。
「ふぅ治療終了です!」
「サイカって治療まで出来るのね」
ルーシィさんが驚いている。
「サイカよくやった!」
そう言ってエルザさんが私をガシッと掴む。
痛っと声を出した私にエルザさんがどうした、大丈夫かと聞いてくる
「いや、さっきの戦いで少し怪我をしまして、今掴まれた時に少し痛かっただけです」
「あぁ、それはすまなかった、怪我は大丈夫なのか?」
「たいした怪我ではないので大丈夫ですよ」
するとルーシィさんが不思議そうに声をかけてきた。
「いつの間にサイカ怪我してたの?」
「えっと…ルーシィさんがハッピーを押さえるのに必死になってる時ですよ 」
「そうなんだ…?」
「それよりも早く魔風壁を解除しろ!」
エルザさんが剣を向けて脅す。
「そんな脅しで俺がお前たちの言うことでも聞くとでも?」
「本当に切るぞ」
「エルザさん、やめてあげてください、私解除の魔法も使えますから、私に任せてください!」
「な、サイカは治癒に加えて解除魔法まで使えるのか」
「だからその人を離してあげてください、私がまた治療するはめになるじゃないですか~」
「サイカ、お前解除の魔法使えるなら何でもっと早くに言わなかったんだよ」
「言うタイミングがなかったからですよ、さぁそれよりも早く魔風壁を解除しに行きましょ~」
そう言ってアイゼンヴァルトの方の手をとり魔風壁が見える場所まで向かった
「ちょっ、何で俺を連れてくんだよ!」
急に走り出したサイカ達に遅れをとった他の四人は走りながら話し合う
「何でサイカはあいつを連れてったんだ?」
「さぁ、けどサイカにも何か考えがあるんじゃないか?」
「それよりもサイカって色んな魔法使えんだな!」
「ロストスペルである治癒魔法、それに解除魔法、まで使えるとは驚きだ」
「それに植物の魔法、あれも凄かったよ、あ、ほら、ここからホール見えるでしょ」
そう言ってルーシィがクーちゃんを指差す
「「な!なんじゃありゃ!」」
グレイとナツが同時に叫ぶ
「あれはたしかに凄いな……」
「でかすぎだろ!サイカってそんなに強かったのか!後で勝負してくんねぇかな!」
「やめとけ、やめとけ、お前いっつもギルドで眠らされてるじゃねぇか」
「なんだとグレイ!ぶっとばすぞ!」
「やめないかナツ!今は喧嘩してる場合じゃない!」
「お、おう…」
「あ、サイカいたよ!お~いサイカ~」
その言葉にサイカは気づいたようで振り返り手をふった
「あ、皆さん!ちょうどよかったです~魔風壁、今とけますから~じゃあいきますよ~」
そう言って私が魔風壁に手を添えるとすぐに風が晴れ遠くの景色まで見渡せるようになった
「ふぅ~成功です、じゃあ早くエリゴールの所に…」
そこまで言うと私の足に力が入らなくなり後ろに倒れてしまい、ろくな受け身もとれずに背中を打ち付け鈍い痛みが走る
「大丈夫!?」
「大丈夫ですよ、少し魔力をを使いすぎちゃったみたいです、エリゴールさんの方は任せて良いですか?今の私が行っても役に立てなさそうですし…」
「そうかわかった、ルーシィ、サイカを家まで送ってやってくれ」
「わかったわ、サイカ立てる?」
「大丈夫ですよ、一人で帰れますから、皆さんはエリゴールを追ってください」
そう言って立とうとするが、力が入らずまた倒れそうになったところをルーシィさんが支えてくれた
「大丈夫じゃないじゃないの!ほら、家まで送るから」
「うぅ…じゃあルーシィさんのお言葉に甘えさせてもらいます…」
と不本意ながら私は答えた
「それじゃあルーシィ、サイカのことは頼んだぞ、エリゴールのことは私達に任せておけ、サイカはきちんと休憩するんだぞ!」
「はい、わかってますよ、それよりもナツさんとハッピーが一緒に先にいっちゃってますよ」
「なっあいつら!いくぞグレイ、早くナツ達を追いかけるぞ!」
そう言うとすぐに二人は行ってしまった
「忙しないですね~ルーシィさん、いやカゲさん、すみませんけどクーちゃんの所に連れていってもらえます?」
「何で俺が!それに親しげに名前を呼ぶな」
「もし、私が治療したことに少しでも感謝してるなら運んでくださいよ~」
「お前が勝手に助けただけだろ」
「はぁ、そうですか…それとこれからは罪を償っていくんですよ?」
「はぁ?冗談じゃねぇ何で俺が捕まらないといけないんだよ!」
「反省の色も無しですか……
やっぱり闇ギルドはクズだらけですね…もういいですから寝ててください」
そう言って睡眠作用のある花粉を出す花を口元に張りつける。
カゲさんは外そうと花を引っ張るが全くとれる気配はない、それならと魔法を使おうとしたようだがカゲさんの魔法が発動することはなく、そのまま眠りに落ちていった。
私はカゲさんの近くまで行き
「お借りしたものは返しますね、あとあのギルドについての情報ありがとうございました」
そう言って手を握ると、その場を離れルーシィの方へ向かった
「サイカ辛そうね、おぶろうか?」
ふらふらと足元がおぼつかない様子の私に声をかけてくれる
「お願いしても良いですか、大分きついです……」
ヨイショと私をルーシィさんが背負う
「ところでサイカがカゲってやつから借りてたものって何なの?」
「ルーシィさん、絶対誰にも言わないって約束できます?もちろんナツさんとかにも言っては駄目です、言うときは私が言いますから」
「わかったわ……」
「えっと、私が心の滅竜魔道士なのは言いましたよね」
「ここに来る前に教えてくれたわね」
「心の滅竜魔法には大きく分けて二種類あるんです、一つは自分の心情で効力が変化する基本攻撃用の魔法でお姉ちゃんが得意としてました、もう一つは私が使ってる魔法で心を通わせる魔法なんです」
「滅竜魔法って二種類あったりするのね」
「他の方のはわかりませんが、私達は双子で得意な魔法がわかれてしまったので別々のものを教えてもらったんです」
「そうなんだ」
「私の魔法は詳しく言うと、心を通わせることで心を通わせた人と色々なものを貸し借りしたり、あげたり貰ったり、交換したり出来るんです。例えばですね、今ルーシィさんに私の筋力を貸しました~」
「あ、ほんとだ、少し楽になった!他にはどんなものを貸したり出来るの?」
「感情や思考、記憶に人格、それに魔法も対象ですよ」
「え!?それってサイカが私の魔法を使ったりも出来るってこと?」
「鍵と魔法を貸してさえもらえたら使えますよ~ちなみにそれするとルーシィさんは私が魔法を借りてる間はいくら鍵があっても魔法は使えないですよ」
「その魔法って強すぎない!?」
「使い方によってはどんな魔法でも使える化け物が産まれます、なのでこの魔法は絶対悪用してはいけないんですよ、まぁこの魔法は闇ギルドからしたら喉から手が出るほど欲しいんでしょうけどね。あ、ちなみに私自身は他の魔法使えないので闇ギルドが私を狙う必要は100%この魔法なんですよね……」
「ん?サイカが使える魔法がそれだけってことは植物とか解除とか治癒の魔法は?」
「あぁ植物は心を通わせて力を借りてるだけですよ、成長の促進を助けたりはしますけどね~やり方はギルドに入る前おじいちゃんに教えてもらいました。
解除の魔法はカゲさんから借りただけですし、治癒に関してはその人の怪我を私が請け負ってるだけですよ」
「え!?じゃあ今サイカは!?」
「背中がとんでもなくいたいですね~」
私は笑いながら言う
「笑い事じゃないでしょ!何でそんな無茶するの!早く病院に連れてかないと」
「大丈夫ですよルーシィさん、病院より先にクーちゃんのところに連れてってください、そうすれば傷もどうにか出来ますから~」
「本当、クーちゃんって治療もできるの!?」
「いやいや、あくまでクーちゃんの所に行くのは魔力の供給のためですよ、すみませんがルーシィさん少し急いでもらっても良いですか?そろそろヤバイです…」
「え、何が?」
「さっき背中を打ちつけた時から傷口から出血してるんです……」
「もうちょっと待って!
もうすぐつくから!絶対クーちゃんのとこに連れてってあげるから、死なせたりなんてしないから!」
ルーシィさんやっぱり優しいなぁ
「少しだけ寝ますね、クーちゃんのとこに着いたら起こしてください…」
「サイカ!寝ちゃだめ!」
「あはは、大丈夫ですよ、寝たら良くなりますから、それでは後はお願いしますね…」
ルーシィさんの背中温かいなぁ、これならぐっすり眠れそう……
「サイカ、サイカ!起きて!」
その声を聞き私は目を覚ます
「良かった、起きてくれて良かった……クーちゃんのところに着いたのよ」
背中の怪我は少しだけではあるがましにはなっているようだった、リラックスして眠ったからだろう
「おはようございます、ルーシィさん、ここまで運んでくださってありがとうございます、寝たことで少し良くなりました」
「本当に心配したんだからね!死んじゃったのかと怖かったんだから……」
「心配かけてすいませんでした」
私は頭を下げる
「それで、魔力の供給するんでしょ」
「はい、じゃあクーちゃんそろそろ闇ギルドの方々出してあげて」
クーちゃんがそれを聞くとペッペッと闇ギルドの方を吐き出していった。
吐き出し終えたクーちゃんに
「吸った魔力をちょっと私にもわけて」
というと蔦を私の前までのばしてくれる
「ふふ、じゃあいただきまぁ~す」
そう言うと私はクーちゃんの蔦をくわえ蜜を吸いだす
「サイカ何やってるの?」
少し驚いているルーシィさんが聞く
「はひっへはひょひゅひょうひゅうへふよ(何って魔力供給ですよ)」
「いや、何言ってるかわからない…」
「おいひいへふよ~(美味しいですよ~)」
「うん、わかんない」
「ひょっほはっへふははいへ~(ちょっと待ってくださいね~)」
「ぷはっ、ごちそうさまです~、クーちゃんの蜜はいつも美味しいですね~」
「サイカ、説明してもらえる?」
「はい!クーちゃんの蜜には吸いとった魔力がとけてるんです~蜜を普通にわけてもらう方法もあるんですが早く欲しいときはさっきみたいに蔦から吸わせてもらうんです~」
「ふーん、クーちゃんって凄いのね、魔力を回復することが出来る蜜って凄い便利だと思うわ」
「時間が経つと蜜の中の魔力が空気にとけるので持ち運びは出来ませんよ」
「ん~持ち運びは出来ないんだ、それよりも背中の怪我はどうなの?」
「魔力も回復したので少し寝れば治りますよ~」
「いや、寝てれば治るって少し無理があるでしょ」
「そんなことないです、すぐに治りますよ、じゃあ私は寝ることにします~」
「え!?ここで寝るの!床にでも寝そべる気!?」
「あはは、そんなわけないですよ~」
そう言って花のベッドを咲かせる
「それではおやすみなさい」
「ちょっとクーちゃんそのままなの!?」
「はわわ、そうでした」
私はクーちゃんに触れて手のひらサイズまで縮め肩にのせる
「ルーシィさんも一緒に寝ますか?」
「私はいいわよ、こんなとこでは寝たくないし、」
「そうですか~それじゃ私は寝ますね、おやすみなさ~い」
私はバフンとベッドに倒れこむ。
ふかふかしてます~それにいい香りが……あ、すぐに眠気が……
まわりが騒がしくなり私は目を覚ます、ムクッと体を起こし伸びをする、寝ぼけ眼を擦りながらまわりを見渡すと、何故か記者さんや駅員さんがベッドを囲んでいた
「なんのようですかぁ?」
「この駅を占拠していた闇ギルドがそこにのびていたんだけど、それは君がやったのかい?」
「はい~私ですよ、ふぁ~」
あくびをしながら答える
「君も魔道士なのかい?」
「はい、フェアリーテイルの魔道士です~」
少しずつ頭がはたらくようになり、なぜ今の状況になっているのか気になった
「あれ?そう言えば金髪の女の人が私と一緒にいませんでしたか?」
「その子なら駅入り口辺りにいるよ」
そう言って記者さんが指をさす
「ありがとうございます記者さん!
私はこれで帰りますので!
あ、記事は自由に書いてもいいんですけど私の写真はのせないでくださいね~
そこだけはよろしくお願いします!」
そう言うと私は急いでルーシィさんのところへ向かった。
「ルーシィさん、すいません寝すぎました!」
「あ、サイカ体は大丈夫なの?」
「もうふさがったみたいです~」
「それはなんの魔法?」
「お姉ちゃんとも心を通わせてたってことですよ」
「え、どうゆういみ?」
「どうゆういみでしょうね~
またお話しますね!
それより何で私の周りに記者さんとかがいたんでしょう?」
「そりゃあ闇ギルドが占拠していた場所で寝てる人がいれば気になるでしょ」
「たしかに……」
その日私達は家に帰ったのだが次の日ある事件が起きた
次の日発売した週刊ソーサラー(通称週ソラ)に私の事が書いてあったのだ
『フェアリーテイルには本物の妖精がいた!』等という内容だった……
「これ、サイカのことよね…」
「うぅ~たしかにどんなこと書いてもいいとは言いましたけど、これはないですね……
多分服に魅了花の香りが染み付いていたせいでしょうけど、この記事はきついですね……」
「まだ、化け物とかいわれないだけいいんじゃないの?」
「それでも妖精は恥ずかしいです…それに駅長さんが私にお礼が言いたいとかいってますし…
これまた行かないといけない感じのやつですよね…
行きたくないんですけど……」
「置いてきた花のベッドどうするの?」
「それが一番気がかりなんですよね……
こっそり回収にいこうかな」
「サイカ、朝から元気ないねどうしたんだい?」
「あぁカナさんですか、実はこの記事が……」
「あっはっはっ、サイカが妖精か、いいんじゃないの、可愛いじゃんか!」
「よくないです!私すっごく恥ずかしいんですからね!」
『別に良いじゃん、サイカほわほわしてるし妖精って例えあってるじゃん』
私の頭の中に声が響く
『ほわほわしてないもん!きっちりしてるよ!』
『いやいや、それならこの前のチンピラの術式にかからないでしょ』
あの時の事が脳裏に浮かぶ
『うぅお姉ちゃんひどいよ~思い出さないようにしてたのに~』
『妖精って呼ばれるのなんてあれがバレるよりましでしょ?』
『たしかにそうだけど~』
『じゃあ良いじゃんか、まだましなほうだよ』
『まぁそうだね、うじうじ言っても意味無いしね、ふふっありがとお姉ちゃん』
『別にたいしたことしてないよ、じゃあまたな』
『またねお姉ちゃん!』
「おおい、サイカ?聞こえてる?」
ぶんぶんとカナさんが私の前で手を振っている。
「ん?なんですかカナさん」
「いや急に反応しなくなったからどうしたのかと思って」
「あ、すいません考え事してました、それじゃ私は花のベッドを回収しに駅に行ってきますね~」
「え!?急にどうしたの、さっきまであんなにいやがってたのに!」
「心変わりですよ~」
「そっか……?」
私はその後、駅でお礼を貰ったり花のベッドを回収したのだがその事も小さくではあるが次の週の週ソラにのっていたことにまたサイカはうぅ~と唸っていた
アイゼンヴァルト編終了です!