色々とありまして更新出来ていませんでした、本当に申し訳ないです!
これからも不定期ではありますが続けていけたらと考えています!
タグにガールズラブを追加しました
第八話 エマ=カインド
暗い狭い部屋の中で私は1人…
ここを出ればお姉ちゃんがいる…
けれど私にはここを出る力も勇気も持っていない…
外でお姉ちゃんは戦ってるのに私はいつも部屋の中…
安全な場所でいつも守られて生きている…
私に少しでも、ほんの少しでも力があれば……
夢から覚め、ガバっと私は身体を起こした。
汗に濡れたパジャマが肌に張りつき気持ち悪い…
嫌な夢だった…
もうほとんど内容は思い出せないが不快な感覚だけが胸に渦巻いている…
『サイカ大丈夫?なにか怖い夢でも見た?』
『大丈夫だよ、ちょっと嫌な夢を見ただけ…』
『早く黒い感情を捨てなさい、色々影響出てるじゃないの』
『嫌だ…これがないと私、皆の役に立てないもん…』
『暴走したら元も子もないのよ?どころか迷惑をかける可能性だってあるんだから…』
『だけど……』
『まぁ…いいわ、サイカが大丈夫だと思うなら私はそれを信じるわ
本当に無理はしてないんでしょうね?』
『大丈夫だよ、無理は全くしてないから!ふふっお姉ちゃんありがとうね!』
『はぁ…調子いいんだから…
今日から復帰するだっけ?』
『うん、そのつもり丁度ルーシィさん達も島から帰ってくるみたいだし、ギルドに行く前に駅で皆を待とうと思ってるの』
『あぁあの勝手にクエスト行ってた組ね……』
『やっぱり何か罰とかあるのかなぁ?』
『さぁ?けどまぁ何かしらはあるんじゃない?』
『だよねぇ…あんまりきつい罰じゃなかったらいいんだけどなぁ……』
『人の心配よりも自分の心配をしたらどうなの?
こないだの1件であなたが生きてることはバレちゃったんだし、これからまた狙われるかもなんだから……』
『大丈夫だよお姉ちゃん、今の私達は昔程弱くはないし、それにギルドの皆もいるからね!』
『本当にいざという時頼れるの?
昔だって2人には迷惑かけられないって頼らなかったのに……』
『うぅ…確かに……
けどあの時の2人はまだ子供だったし……』
『あらあら、友達が頼りなかったみたいに聞こえるわね〜
この事2人が聞いたら悲しむかもしれないわよ〜』
『うぅ…お姉ちゃんが虐めるぅ……』
『ごめんごめん、ちょっと言いすぎたわ』
『むぅ……今日のお姉ちゃん意地悪……』
『だけどもしギルドの皆が到底かなわないような相手が現れたとして、それでもサイカは皆を頼れるの?』
『多分頼るとかそういうのじゃないと思うの…
あの人達は無条件で私を助けてくれる、助けようとしてくれる……
私も無条件で皆を助けようとする、それがギルドってものだと思うの…』
『そっか、良いギルドに入れたんだね……あの木のおじさんのお陰だね』
『そうだね!また時間が出来たら会いに行かないと!!』
そこまで話して、私がふと時計を見ると家を出ようと考えていた時間がかなり近づいていた。
「いけない!
そろそろ準備して家出ないと!」
『ほらほら、ちゃちゃっと準備しないと遅れるよ〜』
そんな姉の声を聞きながら私は急いで支度をし、家を出た。
「み〜なさ〜ん」
私は駅から出てきた皆に声をかける。
私を見つけた皆は、すぐに駆けつけ大丈夫だったかと口々に言ってくださる。
どうやらクエスト組も拉致られた事は聞いているらしい……
「はい、問題ありません!
少しの間家でごろごろしていたので今はもう元気です!!」
「よかったぁ…向こうでミラさんにサイカの事聞いた時は本当に不安だったのよ!」
「あれ?
その時には私の無事は確認されてますよね?」
「それでも心配せずにはいられないでしょ!!」
やはり優しい方々ですね……
「すみません、心配かけて!ですが私はもう大丈夫です!
それよりも勝手に行った時の罰の心配はしなくていいんですか?」
私がそう言うと少しだけ3人の顔色が青くなった気がした。
「【あれ】は確定だろうな」
ボソッとエルザさんが言う。
あれって何ですかね?
「 【あれ】があるのか!? 」
「 【あれ】ってなんなの!? 」
「 【あれ】だけは嫌だぁ!! 」
と口々に 【あれ】について話しているが結局何なのかは分からない。
けれどとりあえず場に合わせるため私も
「 あぁ【あれ】ですかぁ…… 」
とだけ言いにこにこと笑顔を浮かべておいた。
ナツさんとグレイさんの怖がってる姿や困惑してるルーシィさんの姿見るのは割と面白いですね〜
そんな事を思いながら私は皆と一緒にギルドに帰った。
ギルドが少しづつ見えてきたのだがその光景はいつものそれとは似ても似つかないものだった……
何故か鉄の塊がギルドのそこらじゅうに突き刺さっていたのだ
私達は急いでギルドに入ったがそこには誰も居らず、地下から出てきたミラさんに連れられ私達はマスターの所に向かった。
「マスターこれはどういう事ですか!!」
開口一番エルザさんが大声でそう言い放つ。
「ファントムの奴らだ」
誰かがそう言った気がしたが、あまりの事に気が動転していた私には誰がそう言ったのかは判別出来なかった。
ナツさんが今すぐファントムに殴りこもうと、マスターに意見するがギルド間抗争の禁止でそれは出来ないとミラさんになだめられる。
確かにルールは大事ではあるがここまでされていて何もするなと言うのはあまりに酷だ……
多分ここにいる皆もこういった悔しさを今噛み締めているのだろう……
だけれどマスターが何もしないと言うのなら動くわけにはいかない……
ここは我慢するんだと自分に言い聞かせ私はギルドを後にした。
その後もやもやしたままハーブや食料品を買い歩いていると家に帰る頃には日が傾いていた。
家に入ると何故か2階が騒がしかった……
2階は私の寝室兼植物を育てるスペースになっている。
もし私以外の人間が入ったなら即座に縛り上げるよう植物達にお願いしているので2階が騒がしい時は大体泥棒が入った時だった。
一様自営業をしている身、蓄えは割とあるので念には念をと言うことで植物達に警備を任せているのだ。
「はぁ…また泥棒さんですか……」
そう呟きつつ私は階段を登り扉を開ける。
「あ、サイカ!
この蔦どうにかしてくれ!!」
扉を開けると何故かそこには蔦に縛られているナツさん、グレイさん、エルザさん、ルーシィさんの4人がいた……
「何…してるんですか?」
話を聞くとナツさん、グレイさん、エルザさんは不法侵入
ルーシィさんは私の家から謎の声が聞こえたため泥棒ではないかと思い、悪いと思いながらも確認しに来てくれたそうだ。
ルーシィさんは無罪だ。
「それで何で3人は不法侵入を?」
「ファントムがギルドを襲った時に名簿を見られていた可能性があるので、念のため出来るだけ集まっていた方が良いという事で集まった訳だ」
「何故私の家に?」
「お店でもあるサイカの家が1番綺麗なのではないかという理由だ」
「なるほど、そういう理由なら3人も無罪ですね」
『えっ!?不法侵入についてはいいの!?』
急にお姉ちゃんが反応する
『え、だってお泊まり会だよ!
楽しそうでしょ!!』
『そ、そう……サイカがそれでいいならいいわ……』
「ファントムの目的って何なんでしょうね……」
「分からない、ただの挑発にしては少し目が余る」
「ですよね……これ以上何もしてこなければいいのですが……」
「俺は黙ってられねぇぞ!今すぐにでも殴り込みに行きてぇ!!」
「もしファントムと戦ったとしたら戦力的にはどうなるの?」
「互角だろうな…向こうのマスターのマスタージョゼはマスターと同じ聖十大魔道の称号を受けている人物だ」
「聖十大魔道?」
「簡単に言うとフィオーレ内で最も優れた10人の魔道士の事ですよ」
「それにファントムにはこちらで言うS級魔道士のエレメント4という4人がいる」
「あとは私やナツさんと同じ滅竜魔導士が1人いますよね〜」
「滅竜魔導士って割といるものなの?」
「いえいえ、レアな魔法のはずですよ、何故かここに2人いたりしますが。
いや、正確には3人ですね」
「3人?」
「はい、お姉ちゃんも滅竜魔導士ですし」
「え、けれどお姉ちゃんって……」
「えっと、ルーシィさんとあの1件の時にギルドにいた方には言ったのですが3人には話していませんので、まずその話からですね」
そう言って私は連れ去られた理由の魔法の話をし始めた。
「というのが私の本来の魔法なんです」
「確かにそんな魔法なら闇ギルドにも狙われるかもしれんな…」
「まぁさっきも話した通り私は魔法や人格まで請け負えるんです。
そして私はお姉ちゃんが亡くなる寸前にお姉ちゃんの肉体以外の全てを魔法で請け負いました。
今もお姉ちゃんは私の身体の中で生きてるんです、だからほら」
「…………ってサイカ!急に交代させないで!!私にも心の準備ってものが!!」
「えっと…もしかして…サイカのお姉さん?」
ルーシィさんが恐る恐る聞く
「そ、そうよ、私はサイカの姉のエマ=カインドよ。色々妹がお世話になってるみたいだしこれからも仲良くしてあげて……
ねぇサイカそろそろ交代しましょ。
私はこの人達と別に話したい事とかないのよ」
「私はエマさんと聞きたい事があるんですけど…」
『私はお姉ちゃんに皆と仲良くなって欲しいんだけどなぁ……』
「……はぁ分かったわよ、それで何が聞きたいのかしら?
あとエマでいいわよ」
「サイカとエマの事を教えて欲しいな」
「サイカの事ならいくらでも話せるわよ!
あの子は困ってる人がいると絶対ほっておけない子なのよ!それのせいで大変な事もあるけれど……うんぬんかんぬん
それにめちゃくちゃ可愛いでしょあの子!妖精って表現が……うんぬんかんぬん」
『そろそろお姉ちゃんストップ!!』
「え、これからがいい所なのに…」
『皆が驚いてるから……』
「あ、えっとごめんなさい、ちょっと熱くなりすぎたわ」
『私もドン引きだよ……』
「え…サイカに嫌われた…………死のう…」
『ストップ!!嫌いにはなってないから!!大好きだから!!』
「ほんとうに大好き?」
『本当、本当!』
「そっかよかった……」
後に聞いたことだが、この時3人は姉の痴態を見ていて同じ事を思っていたらしい『大変な姉をもったなと』
「え、えっとそろそろエマについても知りたいんだけど……」
「あ、私はサイカの姉って認識だけで大丈夫よ」
『大丈夫ばない!!もっと何かあるでしょ!!』
「好きなものはサイカ、好きな食べ物はサイカ、好きな場所はサイカの中よ!!」
「サイカって美味しいのか!?」
『ナツさぁん!私食べ物じゃないからね!!』
しかし私の声はお姉ちゃんにしか届かない
「あと嫌いなものは闇ギルドとサイカの知り合い以外の人間よ」
「サイカが好きって事がよく分かったわ……」
『お姉ちゃん……』
「正直サイカ以外の事は自分を含めどうでもいいのだけれどサイカが仲良くして欲しいって言ってるし、まぁ仲良くしてもいいとは思ってるわ。
まぁ人格だけになってからはサイカ以外で話す人とかもいなかったし、こうやって話すのもまぁ悪くはないわ……」
それを聞くとルーシィさんはくすくすと笑い出した
「ふふっエマって素直じゃないのね」
「わ、私は素直よ!!」
「これからよろしくねエマ」
にこやかにルーシィさんが笑う
「…こちらこそよろしく」
ボソッと小さな声でお姉ちゃんは答えたがきっと恥ずかしいんだろうなぁと私は思っていた。
そこからお姉ちゃんが皆さんと仲良くなるのは早かった。
ナツさんともグレイさんともエルザさんともかなり仲良くなったと思う。
時々私の恥ずかしい話が暴露されたりしたがお姉ちゃんが皆さんと仲良くなるなら安いものだ……恥ずかしいけど…
そんな風に皆さんが仲良くしてる中突然問題が起きた。
始まりはルーシィさんの悩みは無いのかという質問だった。
「あるわ!しかもかなり重大なものが…… 」
深刻そうな声でお姉ちゃんが言う。
「どんな悩みなの?
もし私が手伝えることなら私も手伝うわ」
「ほんとに!?
あのね、サイカを抱きたいの!!」
「ん?」
さっきまで真剣に聞いていたルーシィさんの頭の上にはてなマークが浮かんでいる。
「私が身体動かせるのってクーちゃんかサイカの身体なのよね……
クーちゃんだと抱きしめは出来るけど体温が分からないし、サイカの身体だと無理があるのよね……」
「な、なるほど……?」
「だからルーシィお願い!
ちょっと身体を貸してくれないかしら?」
「それなら別に大丈夫よ、好きなだけサイカを抱きしめてあげて!」
「ありがとう、ルーシィ!!
持つべきものは友ね!!」
少し前まで私以外はどうでもいいとか言ってたのはどこのお姉ちゃんだろう……
てなことがあり私は今ピンチに陥っている……
エルザさんは気を利かせて(?)ナツさんとグレイさんを連れて1階に降りて行ったし……
姉妹水入らずの場に私達はお邪魔だな、だそうだ……
ルーシィさんは現在お姉ちゃんに身体奪われてるし……
あ、ハッピーさんがいるじゃない!!
「ハッピーさん助けて!!」
「ニャー」
「ちょっとハッピーさん!?」
「ニャー」
「この人でなしぃ!!」
違うな、猫でなしかな?
いや、それどころじゃないんだ!!
落ち着け私…
現状私を助けてくれる人もとい猫はいない
魔法はお姉ちゃんに奪われてる
手足は蔦で縛られて逃げれない
目の前にはやばい目をして息が荒いお姉ちゃん……
あーこれ詰んでるよね……
「お姉ちゃん、何するか分からないけど怖いからやめて欲しいなぁ…」
「安心して怖い事じゃないから!!
気持ちいいだけよ!!
私がサイカに怖い事するわけないじゃない!」
「もう今この状況が怖いです……」
「そうなの!?ならその感情は私が貰ってあげるわ」
にこにことしながらお姉ちゃんは言う。
あ、確かに怖く無くなった!
じゃなくて!今はピンチ!
分かって、私!
「お姉ちゃん、そろそろ正気に戻って」
「私は正気よ?何を言っているの?」
「いつものお姉ちゃんならこんな事しなよね?」
「しないわけないじゃない!」
「そうだよね、しない……わけないの!?」
「いつでも私はサイカを愛でてていたいわよ」
眩しい程の笑顔でお姉ちゃんは言っている……
こりゃダメだぁ…………
次の日起きた時私は隣りにいたルーシィさんにゆうべはお楽しみでしたねなどと言われてしまったのでした……
あとこれまでの話に多少手直しを入れさせて頂きました