破軍学園理事長の秘書   作:美神楽

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episode2 模擬戦と妹

「それではこれより、模擬戦を始める。双方、固有霊装を幻想形態で展開しろ。」

「来てくれ陰鉄」

「傅きなさい妃竜の罪剣(レーヴァテイン)!」

「よし。………では、LET's GO AHEAD!」

こうしてステラと一輝の模擬戦は始まった。まず、開幕速攻を仕掛けたのはステラだった。それを一輝は受けようとするも突如中止しバックステップで避ける。そうして一輝が一方的に追い込まれる展開へとなってゆく。

「桜、ヴァーミリオンをどう見る。」

「今それ聞くの?まぁいいけど。確かにステラちゃんの才能はすごい。多分くー姉や寧々さん、……ともすれば私よりも。彼女の才能からしてみればまだ実力は1合目にも達してない。だけど……それだけじゃない。あの剣技、それに体の使い方も一級品。今までこの才能を生かすために一体どれだけ努力してきたのか私には分からないけど少なくとも彼女がただ才能に頼って生きてきたわけじゃないというのは一目でわかる。でも今のままでは一輝君にも生徒会長にもそして私にもきっと……いや絶対に勝てない。」

「そうか。」

そう呟くと黒乃は再び前を向く。展開は一輝がステラの剣技皇室剣技(インペリアルアーツ)を盗み一方的なものへと変わってゆく。それでも一輝の刃はステラの元へは届かない。彼には伐刀者としての才能がないと言っても等しい。そうして決着の時が迫ろうとしていた。

「蒼天を穿て、煉獄の焔」

「っ桜!」

「りょーかいっと。」

Aランク騎士、ステラが誇る最強の伐刀絶技。その光の刃は100mを優に超える。しかし、闘技場の天井その他の部分は焼けていない。

「幻影錯離」

そう桜は呟いた。それにより闘技場はどこも燃えることがなかった。そうして長かったようで短かった決闘は黒鉄一輝の伐刀絶技、1分で自分の持つ力全てを使い尽くす『一刀修羅』により終了した。

 

 

場所は変わってステラの自室。幻想形態に切られ極度の疲労を受けて気を失っていたステラは先程目覚め黒乃と話している。

「理事長先生。アイツは………無事なの?」

「大丈夫だ。お前よりはずっと重傷だが、命に別状はないし桜がある程度治癒している。」

その言葉を聞きステラが上を見上げてみると確かに寝ている一輝の横で桜が魔力を操る光が見えた。

「治癒ってことはサクラさん水使い何ですか?」

「いや厳密にはそうじゃないんだけどね。まぁ本来の能力の副産物ってとこかな。所で目覚めたなら少し体調見さしてもらうから。」

そう言うと桜は上から降りてきてステラの体調を確認してゆく。

「………うん、大丈夫そうだね。」

「ありがとう。」

「いえいえどういたしまして♪」

その後黒乃とステラは言葉を交わし2人は部屋を出た。

「さてはて、どうなることやら。」

クスリ「まぁどうとでもなると思うよ。」

理事長に戻るまでの間、2人は楽しそうにそう言葉を交わした。

 

その夜………………

prpr…prpr…

「あ、もしもし~久しぶりだね。そっちはどう?」

「桜か。何用だ。」

「久しぶりに幼馴染からの電話なんだからもう少し喜んでくれてもいいんじゃない?いいけどさ気にしてないし。こっちは、ステラちゃんとあの子が決闘したよ。」

「何だと?結果は。」

「あの子の勝ち。少しは認めてあげたら?あなたの実の弟でしょうが王馬。」

「俺に家族はもういない。とっくの昔に捨てた。お前もあの愚弟に気を使う必要はない。」

「いいでしょ、別に。私が勝手に構ってるだけだよ。」

「ふん。そう言えば大丈夫なのだろうな?あれは。」

「最近大したものはないから平気。心配してくれているのはうれしいけどその心配をもう少し…」

「何度言われても変わらん。もう切るぞ。」

「ちょ…待ちなさい……」

「あぁ、そう言えば今年の七星剣武祭には俺は出る。お前も出ろ。じゃあな。」ブチっ

ツーツーツー

「ああっもうたっく。にしても王馬がねぇ。これは私も今年はエントリーするか。」

 

3日後

今日は破軍学園の始業式の日である。相も変わらず2人は忙しく仕事をしていた。そこに新入生が固有霊装を使った喧嘩を始めようとしていると連絡が入った。その連絡を受け、桜は1年1組の教室へと向かう。なお、彼女は気付いていなかったが……

「ねぇ、あの人霧柳院先輩じゃない?」

「ええ!本当?」

「うわ、天空幻影(ディオーネ)だぜ。」

「まじで!?綺麗な人だな。」

「どこ向かってるんだろ~」

「あれじゃない?ほら、1年生が喧嘩してるとかなんとか」

と、まぁ噂になっていた。そうして教室に着いた。すると、

「飛沫け__宵時雨」

「ちょ、ちょっと珠雫ダメだって………」

「傅きなさい妃竜の罪剣」

「えぇ!?ステラもダメだよ…」

とまぁ、何となく双方を知る桜にしてみればある程度何が起こったか分かったので止めに入る。

「はい、二人ともそこまで。」

このとき、一輝は桜が自分の目の前に現れるまで何が起きたのかわからなかった。

(流石だな……桜さんは)

「サクラさん!?」

「お姉様!」

「久しぶりだね珠雫ちゃん。それにステラちゃんも。でもこんなところで霊装を使った喧嘩はだめだよ。なんて言ったて私たちの力は守るためにあるんだから、分かった?」

「うぅ分かったわ。」

「……分かりましたわ、お姉様。」

 

 

その後桜が口添えしてくれたおかげで罰が軽くなったステラと珠雫それの付き添いをしていた一輝は寮へと戻るために歩いていた。その途中、

「そう言えばなんで珠雫はサクラさんのことをお姉様って呼ぶのよ?」

「あなたには関係ありませんと言いたいところですが……良いでしょう。話してあげますよ。私とお兄様にはもう1人、兄がいるんです。まぁただの戦闘狂ですが。その兄がお姉様と幼馴染でして、兄は私たちに何の興味も示さないのにお姉様はよく私たちの話し相手になってくださったんです。」

そう語った珠雫はとても幸せそうだった。

「なるほどそれでなのね。所でサクラさんってどれぐらい強いの?」

「さぁ、僕たちもサクラさんが戦っているところは見たことないからね。……ただ昔兄さんが『次こそは必ず勝つ』って言っていたのを聞いたことはあるから正直今の僕で太刀打ちできるかどうか………」

「そこまでなの!?」

ステラは知っている。己を打倒した一輝は学生騎士の中でも指折りの実力者なのを。そうしてどこか恐れを含んだままその日は解散になった

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