パルスィとキスメの野球録   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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5年生

〔4年生後半〕

この頃からだろう・・・私と雷市が一気に選手として成長し始めたのは・・・。

ドラえもんから言われたことをやりとげながら、自分で雷市をどう打ち取る、どう空振りにさせるか必死に考え、体の成長に合わせ指が長くなったことから変化球の精度はプロ級とドラえもんと轟雷蔵の2人から言われるようになっていた。

また、雷市が内側抉るスライダー、Hスライダーを60~80メートル飛ばすようになり、それをたまたま見ていた近所の趣味で野球をやっているおじさん達が試合しているとき以外はグランドを貸してくれるようになったのだ。

彼らは孫を見るような目で私と雷市を見て励ましてくれた。

グランドを使えるようになったことで雷市は守備練ができるようになったのだ。

おじさん達と雷蔵は協力して雷市の守備特訓をした結果、サードだけなら普通の守備ができるようになった。

 

〔5年生〕

キスメが横浜リトルの2番手キャッチャーとファーストの守備位置を獲得し6番固定になった頃、私はおじさん達との紅白戦をしていた。

 

「パルスィちゃん頑張りやー!!」

 

「魚屋のすけを空振り三振にしてや!!」

 

「今日はうったるで!!」

 

(パルパルパル・・・妬ましい。大きな体が妬ましい。)

 

「パルスィちゃんここだここ!!」

 

「言われなくても!!」

 

ク ブン パン

 

「ストライクバッターアウト!!」

 

「やるわよ妬ましい。」

 

「カハハ!!今日打ったらカレーが食えるんだ!!負けたらもやしの炒め物・・・パルスィ!!勝たせてもらうぜカハハ!!」

 

「1割りが・・・調子に乗るなよ妬ましい!!」

私の投げた球は雷市の体から外に逃げていった。

 

「カハハ!!カスったけど球が上がって曲がる!!」

 

「私のカミソリは効くでしょ・・・妬みがこもったボールはね。」

 

「パルスィちゃん・・・小学生で中二病はちょっとな。」

 

「・・・私の性格よ。妬ましい。」

 

「まぁその妬みがパルスィちゃんの原動力だから良いが、気をつけろよ。知らない人は引いてくからな。」

 

「・・・わかったわ。」

 

「パルスィ次だ次!!」

 

「・・・!!」

私はブレーキストレートを投げ、一気に落下する。

球は98キロくらいでボール2つ分斜め左・・・内角に入る。

 

カコ

普通ならピッチャーフライだが、雷市のパワーなら・・・。

 

「エンタイトルツーベース!!」

センターに張ったネットをワンバンで越えた。

 

「うっしゃ!!カレーだ!!」

 

「雷市~エンタイトルツーベースだからおかわりなしな。」

 

「はぁ!!くそ親父のせいでひもじいんだぞ!!」

 

「あ、くそ引っ掻くな雷市!!」

 

「今日もやってるな。」

 

「怪我すんなよ!!」

暖かい光景だった。

私は知らない・・・これが人生で一番私が光っていた時だと・・・。

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