【チームのグランド】
〔小学2年生に上がって数週間後〕
「いーち、にーい、さーん・・・。」
小学部のキャプテンの声にあわせて体操をしていた。
女子は私以外にいないのだが、気にすることなく野球をしていた。
1年間ボール拾いで硬球に慣れたと思われたのか、小学部監督から近距離のキャッチボールとトスバッティングの許可が出た。
ただ、私はバッティングに関してはセンスがないこともわかっていた。
ブン
「当たらないなんて妬ましい。」
「そこ、体ができてないなら筋トレしてろ。」
「ク・・・。」
バットが重くて体を持っていかれてしまうのだ。
その後数週間、トスバッティングをさせてもらえなかった。
〔夜〕
「あぁ、妬ましい!!」
「こらこら、投手は感情を表に出したらいけないよ。」
「常にこの状態よ!!」
「なら投げてみな。このミットに。」
私はミットに投げ込んだ
シュ パン
「ほら、ボール2個分もずれてるよ。」
「なによ!!」
「君はわかってるのかい?人間の女性は男性よりも筋力が30%も違うことを。」
「知ってるわよ!!」
「なら知っているはずだよね。女子のプロ野球選手の最速は何キロ?」
「138キロ・・・。」
「ほらね。・・・しかも一軍で活躍した女子プロ野球選手の人数は?」
「5人・・・。」
「投手は?」
「2人・・・。」
「・・・君は器用だ。しかも頭が良いし、本能的に危険を回避しようとする。素晴らしい素質だと僕は思ってるんだ。・・・ならどうすべきかわかるよね。」
「・・・。」
「わかったらここに投げろ。」
私は振りかぶっり、投げた。
シュ クッ パン
「・・・いいスライダーだよ。」
私の答えは変化球と緩急、コントロールをしっかりすることだった。
「はっきり言う。・・・バットはいらない。始めは苦労すると思うよ。小学、中学は打てないとどうしても評価が下がるからね。・・・だけど高校まで我慢しな。そうすれば道は開けるから。」
「ありがとう、ドラえもん。」
私はその後数球投げるのだった。
【学校】〔数週間後〕
私は上級生に目をつけられた。
理由は教室でいつも本を読んで不気味なのと、休みの日に遊びに誘っても全然に来ないことを同学年の女子が上級生にチクったらしい。
(無駄なことをするなら他でやればいいのに・・・そんな元気があることが妬ましい。)
そんなことを考えていると
「あんたが調子のってる子って言うのは!!」
気の強い上級生の女子数人が私の席を囲んでいた。
「はい。」
心の中ではため息をつきながらそう答えた
「へぇ、返事ができるじゃん。なら、ちょっとこっちに来なよ。」
髪の毛を掴まれた私は無理矢理トイレに連れていかれた。
「飲めよ。ほら!!」
(頭がおかしいんじゃないの?)
とりあえず髪の毛を掴んでいる女子を腹パンして教室に戻るのだった。