side 熱斗
フェイトたちと別れたオレは早速、異世界の温泉を一人で堪能していた。
「ふぅ~気持ちいいな~ロックマンも一緒に入れたら良かったんだけどなぁ」
話は数十分前に遡る、オレは意気揚々と脱衣所で服を脱ぎPETを持って温泉に入ろうとしたんだそうしたら他のおじさんに『君!そんなおもちゃをお風呂に持って行っちゃダメだよ!』と注意されたのだ。そう俺たちは重大なことを忘れていたんだ……この世界はPETがない!
「ロックマン残念だけどけど……」
「うん、仕方がないよ楽しんでおいで熱斗君……」
俺たちは小声で話し合い、残念だがロックマンには待っていてもらうことに……
といったことがあったのだ。
「さて、そろそろ上がろうっと景色もいいし気持ちいいんだけどやっぱり一人はつまんないしな」
全ての湯を堪能し終えたオレは温泉から出てロックマンの待つ脱衣所に向かった。
「お待たせ~」
「おかえり熱斗君、どうだった?温泉は」
「気持ちいいし景色もよかったし最高だったぜ!まりこ先生やトオル君に話したら羨ましがるだろうな~」
「電子制御一切なしの天然温泉だもんね」
俺たちが行ったよかよか温泉は温泉なのにネット上で湯沸かしプログラムを使っているなんちゃって温泉だったので天然温泉に入るのは初めてだったのだ。
「そうそう、もちろん隠し扉にサーバーなんてなかったしな」
「あるわけないじゃない~」
「だよな~」
ロックマンと軽く話しながら着替えた俺は脱衣所を出てフェイトたちとの集合場所へと向かいしばらくするとフェイトたちがやってきた。
「おまたせ熱斗、ごめんねこの服を着るのに戸惑っちゃって」
「けど近くにいたおばちゃんに教えてもらってこの通りばっちりさ」
そういって胸を張るアルフに集合時間に少し遅れたのが気になっているのか少しモジモジしているフェイトは貸し出しの浴衣を見事に着こなしていた。
「うん、二人とも似合ってるよ!ねっ熱斗君」
「……」
「ねっ熱斗?ど、どこか変かな?」
「あ、あぁ、いや大丈夫、二人ともすっげぇ似合ってるぜ」
「そ、そう?ふふっ良かった~」
オレは見惚れていて返事をするのが遅れてしまった。
アルフは窮屈なのが嫌だったのか少し着崩して胸元をはだけさせていて目のやり場に困るしフェイトはフェイトで普段ツインテールにしている髪を下ろしていて雰囲気が違うのに加えてもともと肌が白いからか温泉で温まって頬や首筋がほんのりとピンク色に染まっていてなんだかドギマギしてしまう。
「さっさぁ!そうしたら少しぶらっとしようぜ」
オレは気をそらすために周りを散歩しようと提案する
「でも、そろそろジュエルシードを探さないと」
「むっそっか、そうだなそっちが本当の目的だもんな」
「でも、探索は私一人で大丈夫だから熱斗はアルフとこの辺りを散策してていいよ」
「むむむ、フェイト一人だけ仕事させてオレ達だけ遊ぶのはなぁ……」
フェイトは探索は一人で十分と言うが年下のそれも女の子一人に仕事をさせるのはさすがに憚れる。
「熱斗たちは探索の魔法もジュエルシードの感知もできないでしょ?」
「だから大丈夫だよ、それに熱斗には封印の時にしっかり手伝ってもらうから、ねっ?」
「熱斗くん、確かにフェイトちゃんの言う通り探索については僕たちに出来ることはほとんどないからさ、少し耳貸して……ごにょごにょ……はどうかな?」
「さっすがロックマン!良いじゃんそれ!」
ロックマンからの提案を聞いたオレはその案でいこうと即断する。
「??」
フェイトは話が見えないからだろうキョトンと首を傾げてこっちを見ていた。
「フェイトの言葉に甘えてオレたちは散策することにするよ!」
「うんわかった、それじゃあアルフ、熱斗たちをお願いね」
「あいよ~フェイトも何かあったらすぐ連絡するんだよ」
「うん、それじゃあ行ってくるね」
フェイトはそういってジュエルシードの探索へと赴いた。
フェイトとと別れてアルフと歩いていると
「あのがきんちょ……ふふっ」
急にニヤっと笑ったアルフは前から歩いてくる女の子たちの方へスタスタと近づいていく。
「あっおいアルフ!」
オレも慌てて追いかけるがアルフは女の子たちに声をかけてしまった。
「はぁーい、オチビちゃんたち」
「ふむふむ、君かねうちの子をあれしてくれちゃってるのは」
「えっ?えぇ」
見ず知らずの人に突然声をかけられた女の子は困惑している。
よく見ると女の子の肩にはあの白い魔法使いの女の子と一緒に居たイタチが乗っていた。
「なぁロックマンあのイタチってあの大きい家で会った」
「うん、フォルテに変身した女の子だね、あと熱斗くんあれはフェレットだと思うよ」
「似たようなもんだろ?アルフはわかって話しかけに行ったんだろうな」
「そうだね、でもまだお昼で知らない子もいるし取り敢えずアルフを止めないと」
「だな」
「あんまかしこそうでも強そうでもないしただのがきんちょに見えるんだけどねぇ」
「なのは、お知り合い?」
「う、ううん」
「この子、あなたを知らないそうですがどちら様ですか?」
ロックマンと相談していると女の子たちの中の金髪で気の強そうな子がアルフに話しかけていた。
見るからに不機嫌そうでオレは急いでアルフを止めに向かった。
「ストップストーップ!何やってんだよ!」
「貴方のお連れ様ですか?私たちはあなたのこと知らないんですけど」
アルフを止めると金髪の子が止めに入ったオレを睨んでくる。
「そうなんだけどいきなりごめんなすぐ連れて行くから」
「ほら行くぞ」
アルフに声をかけると
「あっはっはっごめんごめん人違いだったかな?知ってる子に良く似てたからさぁ」
「そっそうなんですか」
「よーし行こうか」
オレ達が女の子達の横を通り過ぎるときアルフが何かやったのか魔法使いの女の子がびくっと反応してこちらを見てきた。
「アルフ、あの子に何かしたのか?びっくりしたような顔でこっちを見ていたけど」
「なーに少し念話で忠告しただけさね」
「はぁまったくなんて言ったんだよ」
「あっはっはちょっとね~」
女の子達から離れたところでアルフに聞いてみたがはぐらかされてしまった。
アルフと温泉を散策しているとフェイトから念話が入りジュエルシードの位置特定が進んだので夜に落ち合うことになった。
……そして夜
オレ達は集合しジュエルシードを見つけた。
「うっひゃーすごいねこりゃこれがロストロギアのパワーってやつ?」
「ほんと、魔力なんてわからないけどこのビリビリくる感じはすごいな」
『そうだね、強いナビと対峙した時みたいなプレッシャーを感じるよ』
ジュエルシードの近くは何が起こるかわからないのでオレとロックマンはクロスフュージョンを済ませている。
「ずいぶん不完全で不安定な状態だけどね」
「さて、何かが起こる前に封印しちゃおうぜフェイト」
「そうだね、バルディッシュ起きて」
『Yes Sir』
フェイトはバルディッシュを待機状態から起動させジュエルシードを封印した。
「これで二つ目……」
そこにジュエルシードを集めようとして来たのだろう、昼間に会った白い魔法使いの子が現れた。
「あらあらあら子供は良い子でって言わなかったっけか?」
「それを、ジュエルシードをどうする気だ!それは危険な物なんだ!」
「ジュエルシードが危険な物だって?」
『あのフェレットは何か知ってるみたいだねもう少し話を聞きたいけど』
ジュエルシ-ドが危険な物と聞いてロックマンと話していると
アルフが人型から狼に変身し魔法使いの子に飛びかかった。
「ちょっと待ったアルフ!もう少しその子の話を聞きたいんだ」
「何言ってんだい!どんな話を聞こうとあたしたちはジュエルシードを集めなきゃなんないんだ!」
「いやけど!」
アルフと言い合っているとオレとアルフの足元に魔法陣が浮かび次の瞬間には違う場所に移動していた。
「なんだこれ?」
「転移魔法、ちっやられたあいつ!」
アルフは逃げるフェレットを追いかけていった。
「転移魔法?ってアルフ待てって!」
『追いかけよう熱斗くん!』
「もち!」
追いかけていると上空で黄色の光と桃色の光がぶつかり合うが桃色の光が打ち勝ちフェイトを飲み込んだがフェイトは間一髪避けていて白い魔法使いの子にサイスモードのバルディッシュを突き付けると相手のデバイスからジュエルシードが排出された。
「帰ろうアルフ、熱斗」
「さっすが私のご主人様!じゃあねぇオチビちゃん」
「待って!」
「出来るならあたしたちの前にもう現れないで、もし次があったら今度は止められないかもしれない」
「名前!あなたの名前は?」
「フェイト、フェイト・テスタロッサ」
「あっわたしは……」
名乗ったフェイトは返事も聞かずそうそうに離脱した。
フェイトに付いていかないと帰る場所がないため仕方なくオレも後を追いその場から離れた。
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