乃木若葉はモテモテである   作:もちまん

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白鳥歌野、藤森水都が登場するお話です。


白鳥歌野は危険である (諏訪一族登場編)

2018年某日の昼。丸亀駅を降りる2人の影があった……

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

LOCATION:丸亀駅前広場

 

 

丸亀駅~丸亀駅です。

 

 

 

白鳥「……キタワ!ここが四国!」

 

藤森「来るのは初めてだね」

 

ひなた「はじめまして。白鳥さんに、藤森さん。私は上里ひなた。大社で巫女をしています。よろしくお願いします」

 

白鳥「はじめまして!私は白鳥歌野。長野で勇者をやっています。そして巫女の……」

 

藤森「藤森水都です」

 

ひなた「まぁ、藤森さんも巫女なんですね」

 

藤森「は、はい。よろしくお願いします」

 

白鳥「うんうん、みーちゃん。礼儀正しいのは良いけど、あんまり畏まっちゃうとお互いに緊張しちゃうよ?」

 

藤森「うっ……うたのんだって来る前は緊張してたくせに」

 

白鳥「ノン!今でも緊張しっぱなしだよーこれから乃木さんに会えるかと思うと……」

 

ひなた「ふふ、すぐに会えますよ。それより、長旅だったでしょう。どうやって来られたんですか?」

 

白鳥「(はっ!みーちゃん、私たちどうやって来たんだっけ)」

 

藤森「(ああ、まずいよ……たぶん作者さん、そこまで考えてないよ……)」

 

白鳥「(オウ……こうなったら……)」

 

藤森「(え!?本当のこと言うの?)」

 

ひなた「?」

 

白鳥、水都「……始発で」

 

ひなた「始発!?長野から!?夜行バスではなく!?」

 

藤森「(そこ問題なんだ……)」

 

白鳥「ええ。ふふ、長野の勇者となればこれくらいイーズィーポッシブルですよ……」

 

藤森「私は勇者じゃないけど……」

 

白鳥「ノープロブレム!私にとってみーちゃんは勇者だから!」

 

藤森「な、なにそれ」

 

ひなた「それでは丸亀城まで案内しますね。若葉ちゃんたちもそこで待っています」

 

藤森「よろしくお願いします、上里さん」

 

白鳥「よろしくお願いします!ヘイタクシー!」

 

ひなた「徒歩で行きます!徒歩で!」

 

白鳥「じゃあレンタサイクル」

 

ひなた「いつ返すんですか……それにこの荷物じゃ無理です!」

 

藤森「(大丈夫かな……こんな調子で)」

 

 

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LOCATION:教室

 

 

急な白鳥と藤森の来訪……事は前日に遡る。

 

 

 

ひなた「……はうっ!」

 

球子「おっ、便通か?」

 

ひなた「違います!なんでそんなキャラなんですか」

 

球子「す、すまん……なんか反応?があのときのあんずにそっry

 

杏「タマっちぃー!ん先輩!ソオィッ!」

 

 

 

ガッ!

 

杏、球子の顔面に自身の右腕を振り当てる。

 

 

 

球子「グハッ!?」

 

友奈「おおっ!アンちゃんのラリアット!」

 

千景「特に理由のない暴力……これは効くわね」

 

杏「(はぁ……言う寸前で止められて良かった……)」

 

球子「(むぐ、むぐ……前が見えねェ)」

 

若葉「だが球子の言う通り、ひなたは同年代と比べ貫禄があると言うか……誰よりも便秘をしてそうな雰囲気はする」

 

ひなた「わっ、若葉ちゃん!」

 

千景「褒めてる……のかしら」

 

友奈「きっと褒めてないね!」

 

千景「そうね(確信)」

 

若葉「ひなたはこの中で唯一の巫女だからな。他とはまた違った苦労もあるのだろう……」

 

ひなた「若葉ちゃん、それ以上触れたら、怒りますよ?」

 

若葉「?」

 

友奈「でも意外性で言ったらぐんちゃんもそれっぽいよね」

 

球子「ほう……」

 

若葉「そうなのか?」

 

千景「た、高嶋さん。これ以上は話がややこしくなるから、その辺で」

 

ひなた「(怒りゲージ蓄積)」

 

 

 

ひなたの怒りの様子を見ていた杏は、話題を戻す。

 

 

 

杏「ひ、ひなたさん。それで、さっきのは結局何だったんですか?」

 

ひなた「神託が下りました」

 

杏「神託が……」

 

球子「下したのか!」

 

杏「なんで嬉しそうなの……」

 

ひなた「キエエエエエエエエーーーーー!!!違います!」

 

球子「あ……いやほんとすまん、マジで」

 

若葉「私からも謝ろう」

 

球子「なんで?」

 

若葉「わかるだろう。あれ以上いけない」

 

ひなた「はぁはぁ……人の、話を……聞いてください。神託によると、明日にでも来るそうです」

 

若葉「敵か!?数は?」

 

ひなた「敵ではありません。2人です」

 

若葉「2人?」

 

ひなた「ええ。若葉ちゃんが以前呼んだ、白鳥歌野さんと藤森水都さんです。明日の昼前にはここに来るそうですよ」

 

若葉「本当か……!」

 

球子「んあ……その白鳥さんって人は、若葉とよく通信してる人だっけ?」

 

若葉「ああ、直に会うのは初めてだ」

 

友奈「どんな人だろう?」

 

杏「恋愛小説に出てくるような属性を持った女の子がいいですね」

 

球子「これも小説だろ!」

 

千景「メタいわね……」

 

若葉「明日か……胸が高鳴るな……」

 

ひなた「ふふ、美味しいうどんを用意しておきますね」

 

若葉「任せる」

 

 

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LOCATION:丸亀駅前広場

 

 

ひなた「ってはずだったんですが……荷物、多過ぎません?100ℓザックって……私も持ちます」

 

藤森「助かります。上里さんは、そちらの方を持ってもらえますか?」

 

ひなた「はい。ちょっと待ってくださいね……それと、私のことは『ひなた』でいいですよ」

 

藤森「は、はい。えと……ひなたさん……」

 

ひなた「はい、水都さん♪」

 

 

 

2人が持参したもの……それは、100ℓザック×3。

白鳥と藤森は、それぞれ馴れた手つきでその塊を背負う。

ひなたも手を貸すものの、その重量は想像以上にヘビー。

『何か』をパンパンに詰め込まれたと思われるそれには、一体何が入っているのか……

 

 

 

白鳥「持ってくれてありがとうございます、ひなたさん!」

 

ひなた「よいしょ……それにしても、この荷物は一体……」

 

白鳥「ソーリー、香川に行くって伝えたら長野のみんなが向こうの勇者たちにって『蕎麦粉』を大量に……量的には1年分くらいかな?」

 

ひなた「い、1年……!?これ全部が蕎麦粉なんですか?」

 

白鳥「さすがひなたさん!鋭い!私的にはもっと欲しかったんだけど」

 

ひなた「キエエ……」

 

藤森「すみません……お、重くないですか?」

 

ひなた「え、ええ。これくらい持てる体力がなくては大社の巫女は務まりません。でも大丈夫でしょうか……賞味期限とか」

 

白鳥「ノープロブレム!作り方のレクチャーは私に任せて!それに栽培用の蕎麦粉の種もいっぱい持ってきたから!」

 

ひなた「聞いてません」

 

藤森「うたのん、種なら蕎麦以外にもいっぱい持って来てるよ?」

 

白鳥「あっ、そうだったね。キュウリにトマト、茄子にじゃがいも他……あとはスイカの種とかも少し……」

 

ひなた「そ、そんなにたくさん……それはこちらにとってもありがたいです」

 

白鳥「こういうときはお互い様!ひなたさんたちには蕎麦だけじゃなくて、こっちの野菜も好きになってくれたら嬉しいわ!」

 

ひなた「……はい!」

 

白鳥「ちなみにひなたさんはどんな野菜が好きなの?」

 

ひなた「私は……トマトとか」

 

白鳥「GJ!トマトは得意料理」

 

ひなた「(料理じゃなくないですか?)」

 

 

 

そうして3人で歩くこと10分……丸亀城が姿を現す。

 

 

 

藤森「……あ!ひなたさん、あれが丸亀城ですか?」

 

ひなた「はい。今は私たちの学校です」

 

白鳥「へぇ……あの天守閣が……」

 

藤森「……でも見た目的には全然普通のお城と言うか……学校には見えませんね」

 

ひなた「学校に改築したと言っても、内装を少し変えただけなんですよ。生徒は6人しかいませんし……外観はそのままを維持しています。歴史的建造物は大切にしないといけませんからね。さあ、若葉ちゃんたちのいる場所まで、もう少し歩きますよ」

 

 

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LOCATION:教室

 

 

一方その頃、若葉たちは……―――

 

 

 

若葉「……ん、ひなたからL○NEだ」

 

千景「(無言のゲームボーイ)」

 

友奈「ひなちゃん、無事に会えた?」

 

若葉「ああ、そのようだ。もうすぐ着くらしい。我々も迎えに行くか」

 

友奈「楽しみだなぁ!」

 

杏「恋愛小説に出てくるような」

 

球子「まだ言ってら……」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

LOCATION:丸亀城・天守閣前

 

 

若葉「おーい!」

 

 

 

丸亀城の頂上で若葉たちが手を振る。

坂を登っているひなたたちも、その存在に気づく。

 

 

 

ひなた「あ!若葉ちゃん!2人とも見えますか?向こうにいるあの5人が香川の勇者たちです」

 

白鳥「のっ……!」

 

ひなた「?」

 

白鳥「乃木さぁん……!」

 

ひなた「は?」

 

 

 

遠くにいる若葉を見つけた白鳥。

背中の荷物、急な坂道をものともせず、ダッシュで若葉に駆け寄る。

 

 

 

球子「なっ、なんだぁ!?何者かがすごい勢いで向かっているぞ!?」

 

友奈「こっ、こっちに来るよ!」

 

若葉「このプレッシャーは……敵か!」

 

千景「いやたぶん違うわよ」

 

白鳥「乃木さん!」

 

若葉「なっ……?」

 

 

 

ドサッ

 

 

 

若葉「うっ……な、何なんだ一体……」

 

白鳥「乃木さん……」

 

若葉「……まさかあなたは、白鳥さん?長野の……」

 

白鳥「お、オフコース!はじめまして!」

 

 

 

白鳥の突進を受け、倒れる若葉と白鳥本人。

そのとき、偶然にも白鳥の体勢は若葉に覆い被さる形になっており……

その光景は所謂食パンダッシュの結末……その上位互換である。

 

 

 

杏「……はっ!つまりラッキースケベ」

 

球子「違うと思うぞー……」

 

 

 

乃木若葉に初めて出会った白鳥歌野。

その顔色はまるで、熟れたてのトマトのように赤く染まっていた。

 

 

 

白鳥「わっ、私白鳥歌野!香川の勇者、乃木若葉さんに会うため、只今参上致しました!」

 

若葉「うむ……それはわかったから、白鳥さん。そこを退いてくれると嬉しいのだが……」

 

白鳥「ごめん……もう少し……このまま……」

 

若葉「ど、どうしたんだ白鳥さん」

 

白鳥「ハァ……乃木さぁん……///」

 

 

 

白鳥は起き上がることもせず、若葉に身体を擦りつける。

若葉の胸元で、猫のようにゴロゴロと甘えだした。

彼女の積極的な行動に、若葉も戸惑いを隠せない。

それを見ていた杏は……

 

 

 

杏「濃厚!濃厚ですね!出会って間もない2人が、路上で寝転がり、抱き合うシチュエーション……良い!非常に良いですよこれはー!」

 

球子「いや、これ単に白鳥さんが若葉に覆い被さってるだけだと思うぞ」

 

友奈「……起こさなくていいの?」

 

杏「いいんです!」

 

ひなた「みなさーん!た、只今戻りました……今そちらにいるのが長野の白鳥歌野さん……ーって!何ですかこの状況は……!」

 

 

 

一足遅れて駆けつけたひなたと藤森。

しかしその光景は、ひなたの想像だにしないものであった。

 

 

 

杏「ひなたさん!シャッターチャンスは今ですよ!」

 

ひなた「じゃかぁしいッ!それより説明を!」

 

 

 

路上で抱き合う若葉と白鳥……

みんなに見られている中、せめて若葉は冷静を保とうとした。

白鳥は全開である。

 

 

 

若葉「……今日は暑いな、白鳥さん」

 

白鳥「そうだね///ああ、乃木さんの匂いだぁ……スンスン///」

 

ひなた「キィエエエエエエエエエエエーーーーー!!!ししし白鳥さん!今すぐ若葉ちゃんから離れなさい!わ、私の若葉ちゃんが傷物に……!」

 

白鳥「うぐ……」

 

藤森「うたのん、動けないの?(あ、これ挨拶のタイミング逃したやつだ)」

 

白鳥「うん……立ち上がろうにも……せ、背中の蕎麦粉が重くて、起き上がれ……」

 

友奈「……ん?」

 

球子「?どうした友奈」

 

友奈「……あわわっ!破れてる!白鳥さん、リュックの袋から粉みたいなのが溢れてるよ!」

 

白鳥「ええっ!?たぶん今の衝撃で……貴重な蕎麦粉が!」

 

若葉「何だと!?みんな手伝ってくれ!」

 

球子「タマに任せタマえ!」

 

千景「……珍しく普通の台詞ね」

 

球子「千景と友奈はそっちを持て」

 

友奈「任せて!」

 

若葉「すまない白鳥さん、もう少し待っててくれ」

 

白鳥「うん……いいよ。乃木さんがそう言うなら……///」

 

若葉「……?」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

LOCATION:教室

 

 

この珍事から凡そ30分後。

気を取り直した勇者と巫女……一同は教室に集合していた。

 

 

 

白鳥「みなさん、初めまして。私は白鳥歌野。14歳。長野の勇者です。よろしくお願いします」

 

藤森「わ、私は藤森水都と言います。私も14歳で……巫女です。よろしくお願いします」

 

友奈「香川へようこそ!」

 

 

 

パチパチ……(拍手の音)

 

 

 

若葉「2人とも、わざわざ遠くから来てくれてありがとう。急な頼みだったことは重々承知しているのだが……」

 

白鳥「イエイエ、私たちも事情はわかった上で来てるから、全然問題ないわ。それにこうしてみなさんにも会えたわけだし。ね、みーちゃん」

 

藤森「うん、そうだね」

 

若葉「2人には、しばらくここで生活してもらうことになる。まぁ何と言うか……普段通りに過ごしてもらって構わない。2人の部屋も後で案内しよう」

 

白鳥、藤森「お世話になります」

 

杏「あの、どっちに聞けばいいかな……ひとつ質問が……お2人がここにいる間、長野地方の防衛はどうなっているんですか?」

 

ひなた「あっ、そう言えば……」

 

若葉「たしかに……それは気になるな」

 

藤森「えっと、たしか大丈夫だよね?」

 

白鳥「ええ、それは大丈夫。安心してください。今は私の代わりである『勇者ロボット1号』が守ってくれてるから!」

 

球子「パー○ンかよ……」

 

白鳥「あは、ウソウソ!私たちがいない間は諏訪の土地神様が特殊な結界を張ってくださってるの。この結界がある限り、私たちの地域は襲われなくなっているわ。バーテックスにだけ認識できない……マジックミラー的なやつよ」

 

若葉「……すごいな。諏訪にはそんなものがあるのか」

 

白鳥「でもその効力は私たちがここでお役目を果たしている間だけ……諏方の人々を1日でも早く安心させるためにも、いつかは戻らなければならない日が来ます」

 

若葉「白鳥さん……」

 

白鳥「……だからと言って、ここでのお役目を疎かにする気はありません。ここに来たからには、私は……私たち2人は諏訪の人間として精一杯頑張ります!この世界のために!」

 

若葉「ううっ……いい言葉だ……胸に染みる」

 

球子「(おお、なんだかすごくまともな話をしてる気がするぞ)」

 

千景「(無言のゲームボーイ)」

 

若葉「白鳥さん、藤森さん……ありがとう。改めて礼を言う。もしここでわからないことや、困ったこと、辛いことがあれば、いつでも私たちに相談してくれ」

 

白鳥「あっ……ありがとう……乃木さぁん!」

 

若葉「こっ、こら……抱きつくな」

 

白鳥「ふふっ。私、乃木さんの匂い……癖になっちゃったかも。だからこれからも、いいでしょ?ねぇ……」

 

若葉「……しょうがないな」

 

球子「真っ昼間から百合か……タマげたなぁ……」

 

杏「朝っぱらから便秘ネタで盛り上がってた人が何を今更」

 

千景「人前でも堂々とイチャつくその姿勢は見習いたくないものね……」

 

友奈「ふふ、仲がいいね」

 

ひなた「(この娘……危険だわ……!)」

 

 

 

………………

 

 

 

若葉「白鳥さん、もういいか?」

 

白鳥「お願い……もう少しだけ……傍に……」

 

球子「蕎麦だけにってか」

 

ひなた「やかましいですよ」

 

 

 

白鳥歌野と藤森水都が参加し、より賑わう『のわゆ』ワールド。

2人の登場は、今後若葉たちの日常にどのような波乱を巻き起こすのか……活躍に期待である。

 

 

 

続く




若葉×歌野は尊い。覚えておくように。
次回はその2人について詳しく触れます。
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