俺の個性が知られたらヤバイ。   作:サイヤマンZ

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プロローグ

光る赤子の誕生を発端に特殊能力を持って生まれる子供たちが

爆発的に増加し、人口の八割が特殊能力者となった現在。

 

特殊能力は『個性』と呼ばれるようになり、勇気と己の力を示したい人々

がヒーローとして活躍するアニメのような世界で俺は生活をしている。

 

これは、俺が偉大な三大ヒーロー『サイヤマン』と呼ばれるまでの物語である。

 

 

・・・

 

俺の名前は斉藤(さいとう) 武(たける)。

 

中学二年生の男子中学生。

 

個性は『成長』丈夫な肉体と筋肉がつきやすいという周りと比べるとかなり地味で

泥臭い個性を持つ。

まあ母は黒髪が金髪へ、黒い瞳が青くなるだけの変身が出来るだけだし、父に関しては

地形を歪めるほどの凄い個性を爺ちゃんの代から遺伝しているのだが、発動条件がとても残念な個性で、なんと…悲しみの感情によってパワーが高まるというものだ。

 

つまり、パワーを使うたびに悲しい思いをしなくてはならないという事であり

ヒーローとして活動するにはあまりにストレスの溜まる使えない個性という事だ。

 

ただ、この個性はどうやら遺伝した人間によってパワーが発現する感情が違うらしい。

何故なら父が悲しみに対して、爺ちゃんは喜びだったのだ。

そう、俺の爺ちゃんは喜ぶ度に超人的な力を振るい若い頃はよく、田舎の道にクレーターを

作っていたらしい。

 

そして、未だに強力な身体能力を発揮したことのない俺は、

感情を使いこなせば最強になれる個性と母のしょぼい変身の個性が変な風に混ざり合って

変化したのが、俺の個性である『成長』だと専門医には言われた。

 

悲しみの感情をコントロール出来ず、ヒーローという夢を諦めた父としては

少し残念だったらしいが、特に気にすることはなく努力すれば強くなれるいい個性じゃないか

と喜んでいた。

母は、息子の俺と金髪になった状態でプリクラを撮って見たかったと悔しそうだった。

 

そんな父と母に囲まれ平穏に過ごしてきた俺だったが……。

 

 

 

「斉藤……ちょっとゲームしたいから金貸してくれね?五万でいいからさ」

 

「い、いやー。今持ち合わせがなくて貸すのは無理だよ?」

 

今、クラスメートの中で最も強い個性を持つ不良の火野に脅迫を受けています。

欲しい漫画を買う為に、本屋に向かっていた所で偶然に出会った不良の火野。

彼はゲームセンターから出てきた所で偶然視界に入った俺の元にやって来て

金を出せと脅迫をして来たのだ。

ここで金を出してはいけない。

出せば最後、味を占めたこのクズ野郎は再び俺から金を巻き上げるに違いない。

ここは勇気を持って断るのが一番だ。

 

「持ってないなら丁度あそこに銀行があるから、降ろしてこいよ。

なんなら着いて行ってもいいぜ。な?」

 

ガン!!

 

「はい」

 

『な?』と言いながら睨みと彼の鋼となった拳が電柱に拳のあとをくっきりと刻み付ける。

彼の個性は自身の体を鋼と変え、指をナイフに変形させたり腕を剣に変形させる能力を

持っている。

心がボッキリとへし折れた俺は、火野に睨まれながら一人で銀行の中へと入っていく。

 

しかし、ただではやられない!見てろよ社会のゴミめ!!受付のお姉さんに事情を話して

警察を呼んでやるぜ!!

 

意気揚々と銀行の中に入った俺は並ぶ受付を決める為に職員を見た。

おお!!さすがこの街一番の銀行!!受付は全員美人だぜ!!

俺はポニーテイルの美人な受付譲のカウンターにウキウキしながら並び

自分の番になるまで順番を待った俺はついに受付のお姉さんの前に辿りついた。

 

「○○銀行へようこそ。本日のご用件はなんでしょう?」

 

ニコニコと営業スマイルを浮かべるお姉さんに対して

俺は深刻な表情を作り、お姉さんに話しかけた。

 

「警察を呼んでください」

 

「へ?」

 

いかん。はしょり過ぎた。

緊張のあまり理由を喋らず要求だけを言ってしまった。

お姉さんも突然の要求に困惑している。

俺は落ち着いてもう一度、お姉さんに話そうとした瞬間。

 

「動くな!!小僧、な、何で俺が強盗だとわかった!?」

 

「は?」

 

後ろに並んでいた男に抱きつかれたと思ったら、黒くて光る冷たい金属の塊

を頭に突きつけられる俺。

突然の事で状況を理解出来ず困惑する俺にいらだった男は怒声を上げる。

 

「とぼけるな!!警察を呼べと言っただろう!!?」

 

「へ?」

 

強盗?マジで?

 

「キャーーー!!」

 

「逃げろーー!!」

 

黒光りする拳銃を見て逃げ惑う利用客と受付のお姉さん達。

逃げないで!!ヘルプ!!ヘーールプ!!

誰か助けてーーーー!!!

 

 

数十分後、銀行内は拳銃を持った男に占拠され、俺と取り残された利用客と受付譲

のお姉さんは人質にとられた。

警察は俺達に被害が出ないように男を説得するがまるで効果がなくヒーローたちも

駆けつけるが、やってくるのは戦闘に特化したヒーローばかり。

 

まさに絶対絶命だ。

 

ちくしょう!!

 

まだ、やりたい事は沢山ある!

ゲームにマンガに友人達と行く修学旅行。

しかし悔しがっても状況は変わらないし、時間は巻き戻らない。

くそ!!父さんの個性が遺伝していればこんな奴!!

 

そんな事を思っていると銀行内に一人の女性ヒーローがやって来た。

助かるのか!?

そう淡い期待を胸に膨らませた俺だったが女性ヒーローのコスチュームに

度肝を抜かれた。

 

「アレは十八禁ヒーロー『ミッドナイト』!!」

 

そう、人質の一人が呼んだ女性ヒーローは……。

殆ど裸のような扇情的なコスチュームを堂々とさらけ出していて片手にはムチを

持っていた。

ヒーローなんだよな?夜のお店の女王様じゃないよな?

というツッコミ満載のとんでもない格好に俺は人質であることを忘れて

彼女の格好……特に胸に視線が集中した。

 

彼女も居らず、子供の内から贅沢はしてはいけないという親の方針で

少ない小遣いでパソコンもエロ本も持って居ない俺にとって彼女の姿はとても

衝撃的で、今までに感じたことのない熱いマグマのような物が俺の中から

湧き出てくるのを感じる。

 

これは一体なんなんだ?

 

知らない感覚に戸惑っていると強盗が持っていた拳銃の銃口を俺の頭に強く当てた。

 

「はっ!!知っているぞ!!アンタは特殊なフェロモンを放って相手を眠らせる個性

を持っているんだろ?やってみろよ!!だが、少しでも俺が眠気を感じたらこの小僧

の頭をブチ抜いてやる!!」

 

強盗の宣言に後ずさりするミッドナイト。

だが俺の頭は後ずさりした事で揺れた、巨乳に視線が離せず、

湧き上がる衝動が我慢の限界を超えようとした。

 

「はははは!!ヒーローなんて人質さえ居れば役立たずだな!!

そうだ!!いい体してんだし、ここで脱いでくれよ。」

 

「なっ!?」

 

「何て奴だ!!」

 

「最低よ!!この変態!!」

 

「はぁはぁ」

 

ヒーローを手玉にとってよっぽど気分がよくなったのか強盗は上機嫌でミッドナイトに

裸を見せろと要求し、見ていた人質達も驚愕と批判の声を強盗に浴びせる。

しかし、この時の俺は自分の命が掛かっているのに犯人を刺激するなという正常な思考は

出来ていなかった。

湧き上がる感情を抑えるのに必死だった所に強盗の脱げという言葉を聞いてもう頭の中が

おかしくなりむき出しの目の前の大きなおっぱいを妄想し、

 

 おっぱい  と言う単語に染め上げられた。

 

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―――――体は……おっぱいで出来ていた。

 

 

「ッッだあああああああああああああああッ!!」

 

 

我慢の限界を迎えた俺は衝動を解き放った。

そして解き放った後、正気になった俺が見た光景は自分の周りに出来たクレーターと

後ろに吹き飛ばされて転がっている強盗。

そして、助かったと喜ぶ人質達と、何故かニヤリとこちらを見ているミッドナイトだった。

 

これは後で知ったことだが、この時の俺の姿は

全身から金色のオーラをガスバーナーのように噴出し、黒髪だった俺の髪は逆立った金髪へ、

東洋人特有の黒い瞳は鋭い緑色の目へと変貌し全くの別人へと姿を変えたそうだ。

 

ちなみにその後は、めちゃくちゃ筋肉痛になった。

 

 

斉藤武。

 

おっぱいフェチ。

 

個性は≪ムラムラによって超戦士に目覚める≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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