IS~ISと忍術と復讐と~   作:狐の面

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第1話 消えた日常

Side 霧雨無月

 

 俺の名前は霧雨無月。突然の事故死もといチョコに殺されて、転生してから5年たった。まだこの世界がなんの世界なのか不明だが、近況の報告をしてみたいと思う。

 

 まず、能力に関しては、下忍レベルの技の練習をしている。知識はもらったが、チャクラの練り方なんて知らないのでチャクラを練ることとそのコントロールに時間がとられてしまったためだ。

 

 写輪眼、輪廻眼の発動は可能みたいだが、まだ瞳術の練習はしていない。1度使ってみようと発動させてみたが、どうやらこの小さな体では負担が大きいみたいだ。忍術に慣れていない体には特に。

 

そのため、忍術・体術が一定レベルに達したらこちらの修業をしていくつもりだ。それに瞳術は強力だが、瞳力に頼らないくらい強くなりたいと思うしな。

 

 「むっくん。何ぶつぶつ言ってるの?もう寝る時間よ」

 

 「そうだぞ、寝る子は育つんだからな」

 

 両親の声が聞こえる。父は霧雨春斗、母は霧雨優菜という。実はこの2人には俺の能力がばれている。もしかしたら捨てられてしまうかも・・・と思っていたが、全くそんなことはなかった。

 

 むしろその能力は大切にしろ、と言われ、それにどんな能力があっても俺の子だ。という父さんの言葉も大きかった。

 

 けど2人とも親バカだった。俺は2度目の人生のため、読み書きなどは他の子よりも当然できる。少しやってみたらこの子は天才か!とかいって大騒ぎしてたしな。

 

 良心が痛んだよ、本当に。でもこの2人の事は嫌いじゃない。むしろ好きだ。

 

 「はーい!」

 

 もう9時を過ぎている。成長期にしっかりと身長を伸ばすためにも今から寝ておかないとな。目指すは175cmだ。日本人の平均身長より上ぐらいは欲しい。

 

 ここがどんな世界かは知らないが、そんなことはどうでもいい。若干親バカな両親がいて、俺がいて。ただこの日常が続いてほしかった。

 

 

 

                    ◇

 

 

 

Side 無月

 

 「むっくん、早く行くわよ!」

 

 あれから1年。俺は今、避難所に向かっている。俺の家は避難所とされる位置から少し遠い ため、両親と共に急いで避難をしている。

 

 日本に向かって各国のミサイルが発射されたらしい。計2000発以上。どう考えても異常な事態だ。自衛隊が迎撃に向かっているらしいが、全て落としきることができるとは思えない。そしてミサイルは全てここ東京に向かっているらしい。

 

 だが、今の俺にはどうすることもできない。今は両親とともに逃げ切ることだ。

 

 ドオンドオンッ!

 

 上空で爆発が見える。どうやら迎撃が始まったらしい。

 

 「やばいな、優菜、無月!早く逃げるぞ!!」

 

 「ええ」

 

 俺達は歩みを早める。近くには迎撃からそれたミサイルが着弾し、建物が崩壊していく。俺はそこで初めて恐怖した。自分の命が消えるということが現実味を帯びる。俺は恐怖のあまり、足がもつれてこけてしまった。

 

 「むっくん(無月)!大丈夫(か)!?」

 

 父さんと母さんが俺に思わず駆け寄る。

 

 「うん、大丈――」

 

 そういって2人の方を見ると父さんが焦った表情をした。

 

 「父さん、一体どうし――?」

 

 全て言い終えることは出来なかった。

 

 ドオオオオオオンッ!!!

 

 これまで聞いたことがないような爆音が響き、近くにあったビルが倒壊を始めた。

 

 「無月!!逃げろ!!!」

 

 いきなりの事で気が動転する。が、次の瞬間。父さんが絶叫し、俺を担いで思いっきり遠くへ放り投げた。

 

 「父さん!?母さん!?」

 

 宙を舞っていた時間はどれくらいだろうか?一瞬だったはずなのに、永遠かと錯覚するぐらいゆっくりと時間が流れていた。

 

 視界の先では父さんが母さんを抱きしめながら大きな瓦礫が上から降り注いでいた。

 

 「父さん!!母さん!!」

 

 だが、覚えていたのはそこまでだった。次の瞬間には俺の頭にも激痛が走り、俺の意識は途絶えたのだった。

 

 

 

                    ◇

 

 

 

Side 無月

 

 「・・・ここは」

 

 俺は知らないベットの上で寝かされていた。体を起こすが、体のあちこちが痛い。それで俺は一体どうなったんだ?父さんに投げ飛ばされて、頭になんか落ちてきて、それから―――

 

 「おや、起きたようだね」

 

 そこには白い白衣を着た男が立っていた。

 

 

 

 どうやらここは病院らしい。この男の人は俺を治療してくれた医者のようだ。だから、聞いてみることにした。ここにいない両親の事を。

 

 「先生、ここは俺だけですか?父さんと母さんはどこにいるんです?」

 

 すると医者は伏し目がちになりながら俺に告げた。

 

 「すまない。君のご両親はもう・・・」

 

 「・・・そんな!?がはっがはっ―――」

 

 突然すぎる告白。それを聞いた瞬間。俺は過呼吸に陥った。上手く呼吸をすることができない。慌てた医者は俺の対処をしようと部屋から飛び出し、ビニール袋を持ってくる。そして対処をされているうちに俺はまた意識を失った。

 

 

 

 それからの事はよく覚えていない。誰かが両親の葬式の準備をしてくれたらしく、両親の葬式が執り行われた。身内のみで行う小さな葬式だった。

 

 そして通夜と火葬を終え、俺は自宅に帰ってきていた。

 

 「ただいま」

 

 というが『おかえり』と返してくれる人達はもういない。1人だけの家はいつもより大きく、寂しく感じた。

 

 あの倒壊するビルに巻き込まれた両親は助からなかったみたいだ。むしろ死体が原形を留めていただけでも奇跡だと言われた。

 

 両親は近所でも評判の仲の良い夫婦だった。俺のこともすごく大切に扱ってくれた。だから俺は転生がどうとか関係なく、2人の息子だった。だが、もう2人はいないのだ。

 

 「くっそおおおおおおお!!!」

 

 力の限り叫ぶ。

 

 白騎士事件。これが今回のミサイルを迎撃した謎の存在だ。インフィニット・ストラトス。篠ノ之束が開発した宇宙進出を目的としたパワード・スーツ。

 

 だが、そもそもとしてこの事件はおかしいことだらけだ。突然発射されて東京にのみ向かってくるミサイル。待ってましたと言わんばかりに迎撃した白騎士。

 

 そして、世界各国の最高機密であり、最高峰のセキュリティーが設けられているであろうミサイル発射装置が何カ国も同時に制御を失うなどあり得ない。

 

 だとすればこれは誰かが引き起こしたテロ事件だと考えるのが妥当だ。しかし誰が、何のためにやったのか。奇跡的に死傷者がでなかった白騎士事件を起こしたのか?

 

 そう、白騎士事件は死傷者が0とされている。公式には、だ。この事件で俺の両親は死んだし、俺も負傷した。だが、入院中に政府の役人がやってきたのだった。その時のやり取りを思い出す。

 

 

 

 「君には申し訳ないが、この事件は公にしないでほしい」

 

 白髪交じりで眼鏡をかけた男が俺に言う。

 

 「ふざけないでください!現に俺の両親は死んだんですよ!俺だって怪我をしているんです!」

 

 「それでは困るのだ。これからはISが中心となって世界が回る。君に我慢してもらう他ないのだ。それに補償は十分なものをしよう」

 

 「お金云々の話じゃないんですよ!!」

 

 だが、俺の抗議が届くことはなく、役人は同じような言葉を返すばかりだった。これが世の中なのだ。ISの有用性を示すために犠牲者の存在は不要。そして補償というのは名ばかりの口止め料だろう。

 

 

 

 そして後日、俺に送られてきた銀行口座には見たこともない数の0が並んでいた。

 

 あの役人が言ったようにこれからはISが世界の中心になるだろう。そしておそらく俺もISに乗ることになるだろう。だが、そんなことはもうどうでもいい。

 

 「こいつらは許さない・・・この世界も」

 

 俺はこの世界に復讐をすることにした。ISをいつか全て壊してやろう。そして白騎士事件の首謀者を殺そう。物語なんか関係ない。俺の物語を作ってやろう。復讐に彩られた物語を。

 

 まずは力をつけることだ・・・絶対的な力を。

 




 両親の死亡の仕方がちょっと無理やりすぎたかなーと反省しています。もうミサイルに巻き込まれるパターンも考えたんですけど。

 
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