IS~ISと忍術と復讐と~   作:狐の面

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更新が遅くなってしまい申し訳ありません

今回の更新を期にしばらく更新を停止いたします

活動報告に書いておきますので、時間がございましたらそちらもお読みください




第22話 決着

 

Side マドカ

 

「どうしたの?さっきから避けてばっかりじゃない?」

 

スコールがマテリアル・ハイを無月に向かって飛ばしているみたいだ。さすがにISの攻撃をすれば死んでしまうと思っているからなのだろう。無月が見えることをわかって遊んでいるのだ。

 

「つまらないわね。もうこれでおしまいよ」

 

そういうとスコールは無月に向かって瞬時加速し、死なない程度の力で殴りつけた。すると無月は煙となって消えた。

 

「なあ、ナターシャ。無月は大きい技は使えないと言っていたよな?」

 

「そうね。でもさっきのは十分大技よ。あの様子だと避けているのが精いっぱいだったんでしょう」

 

雷の獣に床の一部を水浸しにし、水の圧縮弾を飛ばす。無月の能力について知らないことは多いが、規模の大きさから見ても大技と言える。バテて当然だろう。

 

「・・・バカだ」

 

「それは否定しないけど、何か考えてるんじゃないかしら?」

 

確かに無月が無駄なことをするとは考え難い。

 

「あなた達はずいぶん余裕ね。彼が消えたのは驚いたけど、もうこの戦いも終わりにしましょうか」

 

スコールがそう言うが、私達は動かなかった。諦めたのではなく、ここに来た奴がいるからだ。

 

「おいおい、待ってくれよ!」

 

次は仮面を外している無月が現れたのだった。

 

「そっちはもう終わったのか?」

 

「ああ、大まかにはもう終わっている。後はこいつらだけだ」

 

そういうと無月はISを展開して飛び上がった。

 

「あら、あなた、本当に霧雨無月だったのね。さっきの消えた方はなんだったのかしら?」

 

「まあ、あとから教えてあげますよ。まずは決着をつけましょう」

 

これが亡国機業最後の戦いになるのだろうか?私はナターシャを見るとナターシャもこくりと頷き、私達はISを解除して邪魔にならないように移動した。

 

 

 

Side 無月

 

「第2回モンド・グロッソ優勝者の実力・・・楽しみだなぁ」

 

ナターシャさんとマドカが2人がかりでも完封された実力者。急いで駆け付けてきた価値があるはずだ。

 

「結果はわかっているんでしょう?私にとっては不本意なものよ」

 

確かにそうだ。当時の優勝候補の筆頭は織斑千冬。スコールは結果的に優勝したとはいえ、真の優勝者は織斑千冬、というのが世論だった。

 

「そんなことはない。あなたの実力はあの2人が勝てないほどのものだ。織斑千冬が棄権しなくても勝つ自信はあったんでしょう?」

 

「・・・どうかしらね」

 

スコールの表情は動かない。どうやら複雑な思いがありそうだな。

 

「まあ、これ以上の問答は無用でしょう。俺が勝ったら話くらいは聞いてもらいますよ」

 

「それができるといいわね」

 

スコールは強いだろう。少なくとも並の国家代表レベルの強さではない。だが、負ける気はない。

 

「・・・できますよ」

 

そういって俺は新月を展開し、風遁のチャクラを込める。

 

「じゃあ、こちらからいかせてもらいましょうか!」

 

風の刃をスコールに向かって飛ばす・・・が、当たる、と思ったところで避けられた。

 

「・・・あれは真空波かしら?真空波を飛ばすなんてとんでもないわね」

 

スコールは言うが、俺の方が驚いた。初見で風の刃を避けられたのは初めてだったからだ。

 

「あれを避けられたのは初めてなんですが、どうやったんです?」

 

「さあ、どうやったんでしょうね」

 

スコールは笑みを見せる。ヴァルキリーの実力は健在、ということだろう。準備運動も終わった。ここからが本当の勝負だろう。スコールが手をかざし始め、俺は再び新月にチャクラを込めた。

 

 

 

Side マドカ

 

「とてつもないな」

 

無月とスコールの戦闘が続く。モンド・グロッソ優勝者の実力もそうだが、それに張り合う無月も大概だった。そして戦いは無月の方が優勢だろう。

 

近距離での熾烈な剣の打ち合いから遠距離での攻防もレベルが高い。スコールのマテリアル・ハイを見切れる無月はそれを避けつつ、合間から攻撃を仕掛ける。スコールはマテリアル・ハイを瞬間的に発動させることで攻撃の速さに対抗しているようだ。

 

「そうね。でも彼、まだ本気じゃないみたいよ」

 

「そうなのか?」

 

無月も少なからず攻撃を受けてはいるがまだ本気ではないのだろうか?確かにスコールが無月の攻撃をぎりぎりで回避して致命傷を避けるため、決め手には欠いている。そう思って無月の方を見ると無月は短刀をばら撒いた。

 

 

 

Side 無月

 

スコールは強かった。近距離から遠距離まで高水準の戦闘技能を持ち、ワン・オフ・アビリティー、マテリアル・ハイの使いどころが上手い。俺より経験値が高いため、戦術の引き出しも多い。

 

写輪眼に経験の豊富さで対抗してくるなんて予想外だった。おかげでダメージもいくつかもらってしまった。ただ、あのマテリアル・ハイの弱点はもうわかっていた。

 

マテリアル・ハイは銃撃やエネルギーに対しては絶対防御ともいえる性能を発揮するが、斬撃系の攻撃や貫通力の高い攻撃に対して比較的弱い。実際に新月で切り裂くことができる。

 

こちらもダメージを受けているが、スコールの方がダメージは大きいだろう。いつまでも戦っていたいが、そろそろ決めさせてもらおう。

 

「想像以上ですよ。ぜひ仲間になってもらいたいですね。ここで終わるにはもったいない人だ」

 

攻撃を止め、スコールに話しかける。

 

「・・・ひとつ聞いていいかしら?」

 

「内容によりますね」

 

スコールからの質問とは気になる。

 

「あなたの目的は何?わざわざ組織を潰す理由もわからないし、あなたの行動は不可解すぎるわ」

 

確かにそうだな。しかし、今、それを答える必要はない。

 

「それもあとで話しましょう。これからは全力でいきます。すぐに墜ちないでくださいよ?」

 

「まだ隠してる力があるの?本当に面白い子ね」

 

スコールは軽く言うが、決して気を抜いているわけではない。俺は短刀を展開し、この場にばら撒いた。片手には新月を持ち、もう片方の手には短刀を持つ。そして飛雷神の術を使いスコールの後ろに回った。

 

 

 

Side マドカ

 

無月が短刀を使い始めてから戦況は一気に無月が有利となった。短刀から短刀へと飛び、攻撃の的を絞らせず、神速の攻撃を浴びせ続ける。なんとか対応しようとしたスコールも防御が追い付かなくなっている。

 

「・・・まるで閃光だな」

 

瞬きをした瞬間に、もうその場からはいなくなり、別の場所から攻撃を仕掛けてくる。しかも攻撃の一撃が重く、そう何発も食らえるものではない。

 

「もう決まるわね」

 

ナターシャがそうつぶやく。無月の方を見ると飛ぶ斬撃を四方八方から移動しては飛ばしている。今回の斬撃は目に見えている。いや、見せているのか。そして両手に短刀を展開し、一気にスコールに向かって投げた。

 

スコールはマテリアル・ハイで短刀を防御しようにも飛ぶ斬撃に気を取られているので防御できない。斬撃はスコールに防御されたが、防御が終わると同時に無月はスコールに殺到した短刀に飛び、スコールを背後から斬りつけた。

 

その一撃でエネルギーが切れたのだろう。スコールは地面へと落下し、その後、ISが解除された。この瞬間に亡国機業は敗れ去り、壊滅が決定的となったのだった。

 

「私たちも行きましょうか」

 

「ああ」

 

無月がスコールの元に下りて行くのを見て、私たちもオータムを連れてその場へ向かうことにした。

 

 

 

Side 無月

 

「ふう、俺の勝ちですね」

 

「負けたわ。負けるなんて久々だけど、最後のじゃ仕方ないわね」

 

スコールは強かった。飛雷神の術でなければ勝ててもぎりぎりだっただろう。能力では勝っていても経験というものはやはり大きい。

 

「さて、お話といきましょうか?」

 

「あら、勝ったら問答無用で仲間にするんじゃないの?」

 

スコールは意外そうな顔をする。

 

「無理矢理仲間にしても仕方ないですから。それに俺のやることは危険が多い。あなたほどの方は欲しいですが、俺の計画に同意できなければ仲間になってもらわなくても構いません」

 

無理なつながりでは裏切りの恐れが大きい。それに仲間になるには納得して加わってもらいたい。

 

「なるほどね。じゃあ、聞かせて持っていいかしら?その計画を」

 

マドカ達もオータムを連れてやってきた。オータムも聞いているので二度話す手間が省けた。

 

「なんてことはないですよ。世界を相手取って戦う。それだけです」

 

「話が大きすぎるわ。そんなことできるの?」

 

確かにそうだ。しかし、本当の目的は別にある。

 

「最終目標は篠ノ之束と織斑千冬を殺すことですが、その前段階として世界からISをなくす。そのために戦争になるでしょう。だから世界を相手に戦うんです」

 

「なぜその2人を?」

 

そして俺は自らの目的について話した。

 

「なるほどね。でもそれと世界からISをなくすこととどう関係するの?」

 

「ISは元々宇宙開発のために作られたもの。世界からISを取り上げ、宇宙開発を推進させますよ。本当はISを全て破壊することも考えたんですが、ISには意思がある。それを無視して壊すなんてできませんから」

 

そう、ISは雫やゴスペルのように意思を持っている。決して道具ではないのだ。

 

「壮大な話ね。そんなことが本当に可能なの?」

 

「そのためにスコールやオータムをスカウトしに来たんですよ。やはり仲間は必要ですし。まだまだ誘うつもりです」

 

最低でも10人は欲しい。少人数では限界がある。

 

「組織を潰したのは?」

 

「その理由はいろいろあります。1つはスカウトするのに後腐れをなくすため、2つ目はマドカのため、3つ目は残しておいて下手に動かれるのが嫌だった。そんな感じです」

 

それに2人をスカウトしても追手が来ては面倒だ。それにマドカも同様に追われるリスクがある。だったら潰してしまえ、というわけだ。潰しても亡国機業の名前を隠れ蓑にして動けばいい。

 

それに俺を狙ってきたのも迷惑だった。対外的に俺は行方不明だが、嗅ぎつけてくる可能性は十分にある。計画の妨げになりかねないしな。

 

「私が入るメリットはあるのかしら?」

 

「大抵のものは手に入りますよ。そもそもあなたほどの人が何を亡国企業に望んだんです?」

 

スコールが亡国機業に入った理由は一体何なんだ?第3回モンド・グロッソが開催されるまでは世界最強のヴァルキリーだ。それほどの人物がなぜ、と思う。

 

「私が組織に入った理由は・・・ないわ」

 

「どういうことです?」

 

理由なく組織に所属するなんてことがあるのだろうか?

 

「私は第2回モンド・グロッソで優勝したわ。織斑千冬が棄権したためにね。けど、それからが大変だった。毎日続く誹謗中傷。優勝したはずなのにそんな空気は全くなかったわ」

 

確かにスコールはモンド・グロッソで優勝したが、戦って勝ったのではない。織斑千冬は予選を圧倒的な力で勝ちあがった。そのために真の優勝者は織斑千冬だと思われているのも事実だった。

 

「私は酒に溺れたわ。やっとの思いで勝ち取った優勝。それなのにもらえたのは栄光ではなく誹謗中傷。はっきり言って絶望したわ。そんな時に声を掛けられて亡国機業に入ったの。理由なんて特になかったわ。日常から逃げ出したい。それが本当の理由かしらね」

 

スコールが自嘲気味に笑う。これだけの力だ。戦っていても織斑千冬と5分に戦えるだろう。ただ、世間ではそうは思われていないのだろう。

 

「なら、もう1度世界を取りに行けばいい」

 

「もう、無理よ。ドイツからは行方不明という扱いだし」

 

もうドイツには国家代表がいるし、再び戻ることは難しいだろう。しかし、それなら問題ない。

 

「大丈夫ですよ」

 

「・・・簡単に言ってくれるわね」

 

したり顔の俺を見たのか、スコールは怪訝な表情をする。

 

「最近できたユーゴスラビア。あそこは俺達が作った国です。そこの国家代表でも目指したらどうです?」

 

国家である以上、次回のモンド・グロッソには出る予定だ。計画は2年後。モンド・グロッソはその半年前。時期的にも問題はない。

 

「情報が決して入手できなかった国をあなた達が作った?」

 

「まあ、やったのはほとんど無月だ。私達は反乱の鎮圧をしたに過ぎないがな」

 

マドカが言う。確かにマドカ達にやってもらったのは主にそれだ。最初から計画に参加するとは思っていなかったから仕方がない。

 

「それって本当に言っているの?」

 

「ウソはつきませんよ。ただし、仲間になってくれないと不可能です。もちろん俺の計画には参加して下さいよ?それに国家代表の枠は未定です。マドカとナターシャさんはどうする?」

 

この2人はどうするのか?ナターシャさんはアメリカが敵に回りそうだが。マドカは元々どこにも所属していないし。

 

「私は興味がある。国家代表は2枠あるはずだ。どうせ最後の大会だ。出るつもりでいる」

 

元々好戦的なマドカだ。出るんだろうな。

 

「うーん、私は考え中だわ。でも私が出るとアメリカが黙っていないわよ?」

 

「そこですよね。偶然、保護したってことでどうです?」

 

正直この言い訳じゃ厳しいだろう。また考えないとな。

 

「弱いわね。一応、アメリカじゃ英雄扱いなのよ?」

 

「じゃあ、対策が見つかるまで保留ってことで。オータムはどうするんだ?」

 

当然、仲間になるオータムにも振る。が、オータムはいきなり話を振られて驚いている。

 

「わ、私もか?」

 

「スコールが来たらお前も当然来るだろう?」

 

最初からそう想定していた。ここで断られたらISを取り上げて記憶を消して別れるしかないが、言わないことにした。完全に脅迫になり、仲間にする者への礼儀に欠ける。

 

「スコールが行くなら私も行くぞ。なんなら国家代表だって目指してやる!」

 

こいつも好戦的だってマドカが言ってたな。それにアメリカのこともある。

 

「ただ、お前はIS学園でやらかしてくれたからな。指名手配の恐れが高い。顔も割れているらしいからな。お前も保留で頼む。で、来てくれるか?」

 

ここで断られたら本当に‘やる’しかないが。

 

「・・・わかったわ。どうせ行くとこもないことだし、あなたについて行くわ。あなたの目的にも協力してあげる。オータムはどう?」

 

「スコールが行くなら私も行く」

 

どうやら承諾してくれたみたいだ。それにオータムもついてくるのはマドカの言ったとおりだったな。

 

「よろしくな、2人とも。改めて自己紹介をしよう。俺は霧雨無月だ」

 

そう言って手を差し出す。

 

「私はスコール・ミュラー。お世話になるわ」

 

スコールと握手する。うん、ナターシャさんもそうだが、スコールも同系統の美人だな。なんか、こう大人って言う感じだ。

 

「オータム・ヴァンガードだ。よろしく頼む」

 

そう言って握手をする。うん、黙っていれば美人だ。そう黙っていればな。ただ、ひとつ間違えているぞ、オータム。自分の名前を。

 

「あれ?オータムってのは偽名で、本名が巻紙礼子じゃないのか?自分の名前を間違えるのは感心しないぞ」

 

そういうとみるみる顔が赤くなるオータム。おそらく思い出したのだろう、自分が失態を犯したことを。

 

「て、てめえ、どこでその名を!」

 

「巻紙礼子で合っているよな、マドカ?」

 

そういってマドカに話を振る。教えてくれたのはこいつだ。マドカは笑いをこらえながら言った。

 

「ああ、こいつは巻紙礼子で合っている。オータム・ヴァンガードというのは組織で使う偽名だったはずだ」

 

「てめえが原因か、M!!逆だ!逆!巻紙礼子が偽名でオータムが本名だ!というか、お前は行方不明で死んだんじゃなかったのか!何で当たり前みたいにそっちにいるんだよ!」

 

Mというのはマドカのコードネームだったはずだ。というかオータムはノリが良いな。ちょうどいじられ役が不足していた組織だ。これはいい仲間を見つけたものだ。

 

「まあ、いろいろあってな。後々話してやる」

 

うん、話すと長くなるしな。さて、目的も果たしたことだし、ここらで退散しますか。1度ユーゴスラビアに戻ってから計画を立て直さないとな。

 

「さて、まずはここから出よう。仲間ができた記念だ。さっさと街に行ってうまいものでも食べに行くとしようか」

 

「もちろん、あなたの奢りでしょ?」

 

尋ねてくるのはナターシャさん。この人、けっこう飲むんだよなあ。酒が強いのなんの。特におごりの時は高い酒ばかりだし。

 

「と、当然じゃないですか。任せて下さい!」

 

「ふふ、言い返事よ。さあ、行きましょう」

 

ヤバい。財布の中身がなくなるかもしれない。今月けっこうヤバいんだよなあ。

 

「まあ、諦めろ。ヤバくなったら貸してやる」

 

「本当か、マドカ!?今日のお前は女神に見えるぞ!」

 

けっこう貯め込んでいるマドカだ。こうも心強い味方がいるとは!

 

「崇めろよ。でないと利子がといちになる」

 

ドヤ顔のマドカ。崇めましょう、奉りましょう。

 

「ははっ!マドカお嬢様、荷物を持たせて頂きます!って、ナターシャさーん!待って下さいよ!オータム、お前も来い。研究用のISの回収だけは済ませておく。場所は知ってるだろ?」

 

「ああ、わかった。こっちだ」

 

というかマドカって荷物持ってないよな。俺はとりあえずISを回収することにしてオータムに案内してもらうことにした。

 

 

 

Side マドカ

 

無月はオータムとISを回収しに行った。ナターシャは飲む。とにかく飲む。奢る無月に心の中で手を合わせる。すると、スコールが意外そうな顔をしていた。

 

「あなた、なにか変った?」

 

今までの私はそうだっただろう。だが、亡国機業を抜けて以降、自分の中でもすっきりしたような感じはあった。

 

「まあ、亡国機業を抜けた時に1度死んでるんでな。2度目の人生は楽しく生きることにした」

 

「・・・あのナノマシンのことね。本当にどうやって助かったの?帰ってこないあなたは任務に失敗して死んだものだと思っていたわ」

 

私は無月に助けられた経緯をスコールに話した。スコールは無月のした行為に驚いていたが、1度死んだ、という意味はわかったようだ。

 

「それにしてもいい顔になったわ。組織にいた頃のあなたは刺々しかったもの」

 

「それは自覚している。だが、もうそんなことはないと思う。これからも頼むぞ、スコール」

 

再び仲間になるスコールに改めて握手をしようと手を伸ばす。意外そうな顔をしたスコールだったが、手を握り返してきた。

 

「本当に変わったわね。彼が関係しているのかしら?」

 

ふむ。無月か。確かにあいつの影響かもな。

 

「さあな」

 

だが、そんなことはおくびにも出さない。

 

「もしかして惚れちゃったのかしら?あなた、周りに男の人がいなかったから」

 

「な、何を言っているんだ?そんなことあるはずないだろう?」

 

惚れたとか、そんなことは断じてないはずだ。うん。

 

「まあ、そういうことにしといてあげるわ。さあ、行きましょう。私もなんだか楽しみになってきたわ」

 

「ああ、少なくとも退屈はしないぞ」

 

そういってスコールと共に出口に向かって歩き出した。

 

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