IS~ISと忍術と復讐と~   作:狐の面

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IS学園に入学します。原作スタートですね。


第3話 協力者

第3話 協力者

 

Side 無月

 

 俺は現在、IS学園の1年1組でSHRを受けていた。ここでやることは特にない。主人公とやらには近づかないし、近づきたくもない。そしてそいつが誰かはわかっていた。おそらく織斑一夏だろう。

 

 名前からして織斑千冬の弟だ。顔もどことなく似ている。白騎士だとわかってからずっと憎んできた相手だ。似ている部分があればすぐにわかる。ついでにいうとISはいずれ無くなる。ここにいる奴らと仲良くする気にもなれないしな。

 

 だが、ここに来れば何かが起きるはずだ。もしかしたら篠ノ之束や織斑千冬に関する情報が手に入るかもしれない。

 

 だが、欲しかった情報の半分は既にここにいるようだった。

 

 

 

 「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を1年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことをよく聞き、理解しろ。出来ない者は出来るまで指導してやる。私の仕事は弱冠15歳を16歳までに鍛え抜くことだ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな」

 

 どこの軍人だよと突っ込みたいが、それはこいつ以外の者の場合だ。あれが俺の両親を殺した2人のうちの1人。飛びかかりたくなる衝動を抑えるに苦労した。物事には順序がある。激情に駆られて動いては失敗するだけだ。

 

 「じゃあ、次は霧雨無月くん、お願いします」

 

 眼鏡をかけた山田先生が俺に呼びかける。どうやら俺の自己紹介の順番になったらしい。俺は立ち上がり、教壇の方に歩いて行く。

 

 前を向くと女子しかいない。1人は例外だが。何か期待するような目をしているが、そんなものは関係ない。

 

 「名前は霧雨無月。嫌いなものはたくさんあるが好きなものは特にない。それとできれば話しかけにでもらいたい。人と話すのが苦手なんでな。それと、夢なんて言葉で終わらせるつもりはないが、野望ならある」

 

 そういってクラスを見渡し、写輪眼を発動させる。

 

 「・・・復讐だ」

 

 クラス全員が息をのむ。当然だ。軽く殺気を撒き散らしているのだから。そして自分の席に戻ろうとした時、声がかけられる。

 

 「話しかけるなとは、私にも言っているのか、霧雨」

 

 「さあ、どうでしょう?ただ、個人的にあなたのような方に話しかけてもらうのは嫌ですけどね」

 

 「・・・どういう意味だ」

 

 まあ、いいさ。いずれわからせることになるのだから。

 

 「特に意味はありませんよ。指導はしっかり聞きますのでお気になさな―――」

 

 「ちょっと待てよ!千冬姉になんてこと言うんだ!」

 

 織斑一夏が突っかかってきた。まあ、両親はいないようだし恩でも感じているんだろう。俺の両親はこいつに殺されたも同然と言うのにな。

 

 「織斑一夏か。悪いが俺に話しかけないでくれるか?それとさっきの言葉に特に意味はない。気に障ったのなら謝ろう」

 

 「なんだと!」

 

 織斑がそう言って俺に突っかかろうとするがそれは叶わなかった。

 

 「そこまでにしておけ。揉め事は若さの特権だが、場をわきまえろ」

 

 「まあ、そういうことだ、織斑。それにもう学園で話すこともないだろう」

 

 「それってどういう―――」

 

 パアンッ

 

 織斑が何か言い募ろうとするが出席簿の前に沈んだ。そしてそのままSHRが過ぎ、そのまま授業に移行した。

 

 

 

 「ほとんど全部わかりません」

 

 織斑の一言でクラスがずっこけた。驚いたことに参考書を捨てたらしい。出席簿を再び食らい、悶絶していた。

 

 そして不安に思った山田先生が俺の方を見てビクつきながら声をかけてきた。

 

 「霧雨くんわからないところは「ありません。授業を継続してください」・・・そうですか」

 

 内容自体は基礎の基礎だ。ISに関して書かれた書物はけっこう読んだから簡単だ。ISの普及で日本語は英語に変わる共用語となったため世界中の研究者の論文が読めるようになるのはありがたかった。

 

 「では霧雨。お前は織斑に参考書の内容を教えろ。男同士なら聞きやすいだろうしな」

 

 「それは勘弁していただきたいですね」

 

 「なぜだ?」

 

 織斑千冬は不信感いっぱいの目で俺を見るが、これは当然の答えだ。

 

 「まず俺は参考書程度の内容はついて行けていますが、それは事前に指示されたことをこなしたからです。俺はついて行くのが精一杯なので他人の指導なんてとてもできません。それに参考書をなくしたのは織斑の自業自得です。俺が尻ぬぐいをする気もありませんし、山田先生に補習を受けさせてもらえばいいでしょう」

 

 「・・・いいだろう。織斑、1週間で全てを覚えてこい、いいな」

 

 「はい」

 

 話はそれで終わった。その後の授業は中断されることなく進み、終了のチャイムが鳴った。

 

 休み時間となり、織斑は金髪ともめていたが、俺は誰からも話しかけられることはない。まあ、当然だ。俺は待機状態にある俺の専用IS・雫に目をやった。

 

 

 

                   ◇

 

 

 

Side 無月

 

 「これが霧雨くんの専用ISです」

 

 「これが俺の専用機」

 

 IS学園入学の1年前。俺は北条さんから俺の専用機を受け取った。俺のISは全身装甲で全体が漆黒に包まれており、所々赤い線が入っている。特徴は翼のようなスラスターだ。そして両手足にもスラスターがついている。

 

 「名前はまだないのですが、霧雨くんが決めてください。一応第3世代です」

 

 「一応?」

 

 第3世代は第3世代じゃないのか?疑問に思っていると北条さんは察したように話してくれた。

 

 「このISは霧雨くんの能力使用が前提です。分類上は第3世代ですが、能力的には第3世代を超えているでしょう。では装着してみてください。要望通り雫のコアを使ってあります」

 

 「はい」

 

 そして俺は専用機となるISに触れた。その瞬間になにか聞こえた。

 

 『あなたの願い、私が叶える手伝いをします』

 

 「・・・なんだって?」

 

 「どうかしましたか?」

 

 声が聞こえたなんてとても言えない。とりあえず、ここは誤魔化すことにした。

 

 「いえ、何でもありません。テストを続けましょう」

 

 

 

 そして順調に試験稼働を終わらせてISを受け取り、自分の部屋に帰ってきて万華鏡写輪眼・月詠を発動し、待機状態となるブレスレットを視界にとらえる。

 

 世界が変わる。真っ白な空間だ。そこに存在するのは俺と待機状態のISのみ。

 

 「なにかいるのなら出てきてくれ。お前の意思通りの姿になれるはずだ」

 

 そして、待機状態だったISの姿が女の子の姿になる。淡い青色の着物を着ており、背中まで伸びた黒い髪にぱっちりとした二重の瞳は赤色でまさに美少女と言った感じの姿だった。

 

 「それがお前の姿か。名前は?」

 

 「雫です」

 

 にこりと笑って答える。コアが乗っていた試作機と同じ名前のようだ。

 

 「そうか。なら、雫。さっき言っていたことはどういうことだ?」

 

 あなたの願いをかなえる手伝い、とは何を指しているのだろうか?

 

 「そのままの意味です。あなたが願う復讐、私がお手伝いします」

 

 「確かに俺は世界に復讐したい。だが、雫とは関係がないんじゃないか?」

 

 なぜ雫が俺の復讐を知っているのかは知らないが、なぜ力を貸してくれるというのだろうか。

 

 「あなたと初めて接触した日、あなたの悲しみを知りました。そして願っていることも。例えそれが修羅の道でも私だけでも味方でいようと、その日から思っていましたから」

 

 「それは嬉しいが、俺の予測では全てのISは篠ノ之束に制御される恐れがある。だからお前は篠ノ之束と戦う時に暴走してしまうんじゃないか?」

 

 強力すぎる兵器の作成者は自らが対象を制御できるように、上位の命令権を持っているはず。だとすれば全てのISが制御を離れて暴走する恐れがある。

 

 「それは心配ありません」

 

 雫は心配ないとでも言うようにこちらに笑いかける。思わずはっとするような笑顔だった。

 

 「私は最初に作られた試作機です。試作機であるが故にコア・ネットワークの機能を外し、戦闘のみに特化した実験機でした。そして博士が外部から命令権を行使するためにはコア・ネットワークに接続しなければなりません」

 

 「つまり博士の指揮下にはないということか」

 

 最初に作られた実験機ならばありうる話だ。コア・ネットワークなんて量産でもしない限り必要のない機能だしな。

 

 「そういうことです。それに博士は全てを完璧にしなければ許せない性格。コア・ネットワークのない私は破棄される運命でした」

 

 「それがどうしてミラージュにあったんだ?」

 

 破棄されたならばここには存在しないはず。ならどうしてミラージュが雫のコアを持っていたのだろうか?

 

 「偶然拾われたんです。博士は興味を亡くしたものには関心を持ちません。実験機だった私は実験を終えれば用済みの存在。そのまま捨てられていたところを拾われたんです。あなたのお父上に」

 

 「父さんが!?」

 

 父は研究が進まないと街をひたすら歩き続けたと聞いている。そんな中、捨てられていた雫を拾い、ミラージュに持って来たらしい。未知の物体を手にして相当喜んでいたそうだ。

 

 「・・・そうか、雫。お前の力を俺に貸してくれ!」

 

 「ええ。私は無月様の味方ですから」

 

 

 

                  ◇

 

 

 

Side 無月

 

 考え事をしているうちに織斑千冬がクラス代表を決めるとか言いだし、織斑が推薦されていた。俺はこんな面倒くさいことをしたくはない。金髪が織斑に向かって何か喚いているが関心はないしな。

 

 「決闘ですわ!」

 

 金髪が織斑に決闘を申し込んだ。おいおいお前は代表候補生なんだろう?それにクラスの雰囲気が悪いな。男だからとか何とか言っているが、ISに乗れる以上そんなことは関係がないだろうに。

 

 ISという最強の兵器に乗れる女が強いと思っている。IS学園に入る女子の大半はこんな考え方だ。別にそれはISがすごいのであって女がすごいわけではないだろう。

 

 ISが作り出した風潮の1つが女尊男卑。前から問題視されていた男尊女卑が可愛くみえるくらい不平等な世の中だ。証言のみの逮捕は日常茶飯事。街中で男は女に奴隷のごとく扱われる。断れば痴漢だのなんだのと喚き散らして警察行きだ。

 

 「真剣勝負で手を抜くほど腐っちゃいない」

 

 織斑がそう宣言し、その後、ごたごたしたが話はまとまった。

 

 「さて、話はまとまったな。それでは勝負は1週間後の月曜。放課後、第3アリーナで行う。それと私から霧雨を推薦しておこう」

 

 何を言ってるんだ、こいつは。

 

 「意味がわかりませんね。俺はクラス代表になる気はないし、勝負を受けたのは織斑です。それに生徒の推薦ならともかく教師の推薦とはいかがなものでしょうか?」

 

 「お前、あそこまで言われてなんも思わないのかよ!」

 

 織斑が言うが

 

 「思わないな。誰がどのような考えを持っていても俺には関係がないし、そういう奴の相手をしていたらきりがない」

 

 視野の狭いガキの言うことにいちいち構っていたらきりがない。それに俺はこの国に対して愛着を持っていない。両親を切り捨てた国なんてものにな。

 

 「なっ!?あなたもわたくしの祖国を馬鹿にするのですか?」

 

 「黙れ。一言もそんなことは言ってないだろうが」

 

 俺は金髪を見据えながら言う。ウッっと金髪が黙ったのでこれでこいつとの問答は終わりだろう。

 

 「で、なんで俺が出ないといけないんですか、織斑先生?」

 

 「お前も自分の立場は知っているだろう。ならば経験の場を与えようと思っただけだ。そこまで言うならお前は勝敗にかかわらずクラス代表にならなくてもいい。ただ、お前は『指導は聞く』と言ったはずだ。ならば今回は指導として聞け」

 

 クラス代表が免除されるならいい。それにこれ以上の問答は無意味だろう。

 

 「なら出ますよ。ただこれ以上権力を振り回すことは止めてもらいたいですね」

 

 そして俺が織斑と金髪の決闘に参加することが決まった。

 

 

 

 その後、俺は1人部屋になり、1週間後の戦いに挑むこととなった。

 

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