達也の周りは敵だらけ   作:黒以下

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結局 中知半端に


九校戦編 前編 其の十

珍しく反抗した深雪の相手をしているとエリカが戻って来た。エリカは従業員らしき制服を着た男性を連れている

 

「ねぇ エリカ もしかしてその人・・・」

 

「うん コイツが さっき話してた ミキだよ」

 

「僕の名前は幹比古だ!」

 

「初めまして 司波深雪です」

 

「は 初めまして 吉田 幹比古です」

 

「吉田君って この間のテストで 魔法理論 三位だったよね?」

 

「え? あぁ うん」

 

「達也さんのお友達だったんですね」

 

「仲良くなったのは最近だが」

 

「初めまして 北山 雫です 宜しく」

 

「光井ほのかです 宜しくお願いしますね」

 

「えっと 此方こそ 宜しく」

 

「幹比古 顔 赤くないか?」

 

「まさか この格好で挨拶する事になるなんて」

 

「ホテルの従業員なら普通だろ」

 

「大丈夫ですよ 可笑しく見えませんよ?」

 

「自意識過剰なんじゃない?」

 

「なぁ レオと美月は?」

 

「レオに接客が務まると思う?」

 

「それくらい別に・・・」

 

「美月はこの格好が嫌だって 厨房でお皿洗ってる」

 

「僕もレオと一緒に裏方仕事のはずだろ」

 

「だから 手違いがあったって言ったでしょ!」

 

「説明になってないよ!」

 

「一々 騒がないの! ほら アッチのテーブル お皿が空いてるわよ!」

 

「後で覚えてろよ~」

 

去っていく 幹比古を見て雫が

 

「自己紹介も終わった事だし 私達はスバル達の処にでも行くよ」

 

と言ってほのかと去って行く 一方のエリカは

 

「・・・八つ当たりし過ぎたかな?」

 

「少しは手加減してやれよ」

 

「ミキがこう云うの苦手なのは知ってるけど・・・」

 

「でも誘ったのは理由があるんでしょ?」

 

「今のミキを見てると イライラするのよ」

 

「優しいんだな」

 

「ヤメてよ アタシ達が此処にいるのは自分達の意志じゃない。親の命令 それに優しいんじゃなくて 似たもの同士憐れんでるだけ」

 

「まぁ何があったか事情は聴かない 聞いても どうしようもないからな」

 

「立ち入られても困るでしょうし」

 

「・・・アンタ達って 基本 冷たいよね」

 

「今更 だな」

 

「同情されたくもないんでしょ?」

 

「でも それが 今の私にとっは有り難いかな。優しすぎないから安心して愚痴も溢せる。同情しないから惨めに成らない ありがとね 2人とも」

 

そう言ってエリカは去って行った。この時 深雪は確信した エリカは達也に好意以上の感情を寄せていると そしてそれと同時に達也がそれに気付いていない事も 

 

懇親会は出会いと再会の場である 二~三年生はライバルとの再会 一年生はライバルとの出会い

 

会場の一角 肩の校章は八芒星 赤い制服に身を包む第三高校の一年生も出会いを楽しみにしていた しかし 此処にいるのはお年頃の学生。何もライバルに出会う事だけを楽しみにしている訳ではない

 

「おい! あの子ちょー可愛くないか?」

 

その発言者の三校 一年生の目線の先には深雪

 

「隣にいるのは彼氏か?」

 

「なんで あんな奴」

 

「まぁ ルックスはマシな方だと思うけど」

 

「いいよな~ あんな子が彼女なんて」

 

「本当に付き合ってんのか?」

 

「でも 周りにアイツ以外の男子はいないし 彼女以外に女子もいないぜ」

 

「と云う事は 本当に アイツ等 付き合ってる?」

 

「マジかよ~」

 

三校生は深雪と達也の関係を知らない 少なく共 兄妹には見えていない あれだけ仲の良い兄妹も珍しいだろう

 

三校生達は 只々 達也を羨ましそうに見ていた その連中の傍に達也以上のルックスを持つ者がいる

 

十師族が一つ 『爆裂』の二つ名を持つ一条家の跡取り息子 一条将輝

 

「なぁジョージ お前 あの子の事知ってるか?」

 

将輝は隣にいる親友に声をかける 彼の名は吉祥寺 真紅朗

 

「!! 将輝 略奪は良くないよ」

 

「ち、違う! そんなんじゃない」

 

「そうだね 将輝の立場じゃ自由な恋愛できないもんね 剛毅さんは まだ 何も言わないの?」

 

「そんな事はいいから」

 

「分かったよ えっと あの子は 確か 司波深雪 出場種目は 『ピラーズ・ブレイク』と『ミラージ・バット』 一校一年のエースみたいだね」

 

「司波深雪ねぇ」

 

「彼氏の方はエンジニアか作戦スタッフじゃないかな? 見覚えがないし」

 

それを聞いて 他の男子が

 

「もしかしたら アイツ 彼氏じゃないかも」

 

「?」

 

「作戦の打ち合わせなんじゃ」

 

「こんな処でするか?」

 

「普通は作戦決めてから来るだろう?」

 

「それに明らかに談笑してるだろ?」

 

「じゃあ CADの調整について話してるんじゃ」

 

「バカ 女子が男子に調整なんてさせるかよ!」

 

「残念ながら彼女は彼氏持ちだな 諦めろ!」

 

「くっそー 羨ましいなー」

 

一方 三校男子の隣 女子の集団でも深雪の容姿が話題になっている。その中の一人は深雪の余りに暴力的な美しさに驚いていた

 

「あの子 いったい?」 

 

一色 愛梨 ナンバーズ 一色家のご令嬢

 

そんな彼女が動き出す 彼女の目線の先には深雪

 

「喧嘩でも 売りに行くの?」

 

「違うわよ!」

 

彼女は深雪に声を掛ける

 

「そこの貴女 お時間宜しいかしら?」

 

「私ですか?」

 

深雪はまさか自分にナンバーズが話し掛けて来るとは思わなかった

 

「初めまして 私 第三高校一年の一色愛梨と申します。失礼ですがお名前を 伺っても?」

 

「えーっと 第一高校 一年の司波深雪です」

 

「司波?」

 

愛梨は深雪の苗字に心辺りがない 仕方がない この国で司波と云う有名な家は無いのだから

 

「貴女 まさか ナンバーズの方ではないの?」

 

「ウチは両親共に一般ですけど」

 

「何かの大会で優勝経験は?」

 

「大会に出るのもこれが初めてで」

 

「・・・そう 一般 どうやら 無駄な時間だったわね まぁ せいぜい頑張りなさい」

 

そう言い残して 彼女は去って行った

 

「何も あんなに厳しく当たらなくても良かったんじゃない 元は愛梨の勘違いでしょ?」

 

「でも 彼女には話す価値は無かった だって格下と話しても強く成れないでしょ」

一方の深雪は

 

「あれが一色の・・・お兄様にはどのように視えましたか」

 

「安心しろ 彼女は今のお前にすら敵わない 深雪が気にする価値も無い相手だ」

 

愛梨はまだ本当の深雪を知らない

 




次から中編と云う事で
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