達也の周りは敵だらけ   作:黒以下

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オリジナル展開


九校戦編 中編 其のニ

懇親会の終了後、現れた正体不明の三人を捕らえようとした幹比古。彼は魔法を発動する。だが彼の魔法より彼等の銃の方が早かった。しかし、彼らの銃は突然バラバラになる。その直後に幹比古の攻撃が彼らを捉える。

 

「(いったい、何が? 誰かが、僕を援護した?)」

 

幹比古が彼らの反撃失敗の理由を考えていると後方に気配を感じる。

 

「誰だ?」

 

「俺だよ」

 

「達也!なぜ此処に?」

 

「作業帰りだよ」

 

話は少し遡る。

 

達也は作業車に五十里と共にいた。

 

「もう、そろそろ上がったら?」

 

「いいんですか?」

 

「根を詰め過ぎるのは良くないよ」

 

「分かりました。それでは、お先に」

 

「お休み」

 

達也は本当に帰えるつもりだったのだが、彼の眼は不審者を知覚した。

 

「数は三人か?」

 

彼の眼はそれ以外も知覚する。

 

「!! 幹比古?」

 

達也は現場に急ぐ。

 

「それでは遅い!」

 

現場では既に幹比古が魔法で彼らを捕えようとしていたが、達也には幹比古が使う魔法の弱点が視えていた。

 

「(仕方ない)」

 

達也は援護する事にした。銃がバラバラになり幹比古の魔法が彼らを捕らえる。そして、今に至る。

 

「相手に致命傷を与えず、一撃で無力化。流石だな」

 

「でも、達也の援護がなければ・・・」

 

「阿保か!」

 

「!!」

 

「もしもの事なんて考えるな。現実はお前のおかげでコイツ等を捕まえられた。それが事実だ」

 

「でも・・・」

 

「お前はいったい、何を本来の姿と思っているんだ」

 

「それは・・・」

 

「まさか、相手が何人いても、どんな奴でも自分一人で戦う事ができる・・・そんなものを基準にしてるんじゃ・・・」

 

「ッ・・・」

 

「そんなに今の自分を否定して何になる」

 

「君には分からないよ。もう、どうしようも無い事なんだ」

 

「どうにかなるかもしれないぞ」

 

「え!」

 

「お前が気にしてるのは、魔法の発動速度じゃないか?」

 

「・・・エリカに聞いたのか?」

 

「いや」

 

「じゃあ なんで?」

 

「お前の術式には無駄が多いんだよ」

 

「なん!」

 

「問題があるのはお前自身じゃない。あるとすれば術式の方だ」

 

「僕が使うのは吉田家が改良し続けたものだ!それを一度見たくらいで・・・」

 

「十分だ」

 

「何だって!」

 

「俺は一度見れば起動式を読み取り魔法式を解析できる」

 

「そんな事ができる訳・・・」

 

「できる。まぁ、無理に信じなくていい・・・」

 

達也は話を切り替える。

 

「今はコイツ等の処置が先だ」

 

「・・・どうするの?」

 

「見張ってるから、警備員を呼んできてくれ!」

 

「あぁ、分かった」

 

幹比古は跳躍の魔法を発動し現場を離れる。 

 

「容赦ないアドバイスだな」

 

暗闇から突然現れたのは、風間玄信。

 

「いたんなら仕事して下さいよ。不審者の撃退は高校生がやる事じゃなでしょ」

 

「いや~済まん。しかし、他人に無関心な君にしては珍しいな」

 

「そんな事は・・・」

 

「彼も君と似たような悩みを抱えている様だ」

 

「あの程度の事は卒業済みですよ」

 

「フフッ。経験はあるのだろう?」

 

「・・・あの、コイツ等の事を任せても?」

 

「分かっている。君はもう帰って寝るといい」

 

「そうさせて貰います」

 

翌日 7月3日

 

今日から九校戦が始まる。一般客も多いが魔法関係者も多い。人気がある為実況中継も行われる。

 

「今年も始まりました。全国魔法科高校親善魔法協議大会」

 

既に中継が始まっている。

 

「なんと言っても、今年は第一高校に三連覇が掛かっており、一校は連覇なるか。それとも他校が阻止するか見所です」

 

開会式も終わり、会場は満席である。

 

「今回、解説に魔法大学の講師の方を御呼びしています。宜しくお願いします」

 

この日に行われるのは、本戦スピード・シューティングとバトル・ボードの予選。

 

スピード・シューティング ルール説明

 

規定エリア内に射出されたクレーを破壊しその数を競う。

 

バトル・ボード ルール説明

 

全長3kmの人口水路を三周する。

 

本戦 スピード・シューティング 予選会場

 

達也は、まず真由美の参加する『スピード・シューティング』を観戦しに来た客席は既に超満員。達也と深雪は少し離れて観戦していた。

 

「中々に観戦者が多いな」 

 

「会長が出るからでしょう」

 

そして 予選が始まる。

 

予選は制限時間 五分間に100個のクレーをどれだけ撃ち落とせるかのスコア戦。真由美は危なげ無く予選を通過する。

 

真由美の予選が終わると直ぐに、今度は摩利のバトル・ボード。達也と深雪は予選会場に移動した。

 

「何とか間に合ったな」

 

「見逃すのは勿体無いですものね」

 

「見なくてもいいじゃない」

 

こっそりと見に来ていた二人に声を掛けたのは、

 

「エリカ!何故、此処に?」

 

「それはコッチのセリフよ。皆で見るんじゃなかったの?」

 

「イヤ・・・それは」

 

「そう言う。エリカは見なくていいの」

 

「何で アタシがあんな奴の試合なんかを見なくちゃいけないのよ」

 

「何故 そんなに委員長のことが嫌いなの?」

 

「いいでしょ そんな事 それより 皆 アッチで待ってるよ」

 

「俺達は此処で見るよ」

 

「そう 私は会長の本戦まで部屋で休むわ」

 

「そうか」

 

「じゃあね」

 

エリカは去っていく

 

「どうします?」

 

「何が?」

 

「皆と一緒に見ますか?」

 

「止めた方がいい 色々と皆に聴かせられない話もあるだろ」

 

「そうですね 分かりました」

 

二人は今日 只 競技を見に来た訳ではない ある目的の為の協力者を品定めしているのだ 

 

摩利の予選が始まる 試合が始まると摩利は直ぐに先頭に立つ

 

「硬化魔法と移動魔法の『マルチ・キャスト』か

 

硬化魔法は物質の強度を高める魔法ではなく パーツの相対位置を固定する魔法である

 

「委員長は自身とボードを一つの物として何があってもブレない様にしているんですね」

 

「それだけじゃない 振動魔法も使ってるな 常時 三種類~四種類の魔法の『マルチ・キャスト』か」

 

「戦術家ですね」

 

「相手にしたくないな」

 

「お兄様が 言っても説得力に欠けますね」

 

「さて 見る物は見たし そろそろ行くよ」

 

「響子さんに会いにですか?」

 

「違う! 昨日の件の事だよ」

 

「私も行きます!」

 

「お前は来るな 面倒な事になるから」

 

深雪はムッとしながら達也を見送る

 




原作の九校戦スケジュールはきつそうですね
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