達也の周りは敵だらけ   作:黒以下

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次から新人戦です


九校戦編 中編 其の六

九校戦 三日目の今日は本戦 『バトル・ボード』『アイス・ピーラーズ・ブレイク』の優勝者が決まる

 

達也は皆と女子『バトル・ボード』 エリカは女子『アイス・ピーラーズ・ブレイク』を観戦している

 

女子『バトル・ボード』 準決勝 第二レース

 

一校からは摩利が出場 他には 七校 九校の代表

 

「去年の決勝カードが準決勝で見れるとは」

 

「此処で勝てば優勝は確実ですね」

 

「九校は兎も角 七校は強いよ」

 

レース開始のブザーが鳴る開始直後に摩利が飛び出す。出遅れた九校の選手と違い七校選手はしっかり摩利についてくる

 

「手強いですね」

 

しかしレース最初のカーブで事件が起きる 

 

「!! この場面で加速?」

 

「あの速度で曲がれる訳・・・」

 

「オーバー・スピード?」

 

七校選手がカーブ手前で加速したのだ このままでは確実に彼女は壁にぶつかる事になる 摩利もその光景を見ていた

 

「(何を考えているんだ?)」

 

摩利は七校選手を助ける事にしたが

 

「(何?)」

 

だが摩利は助けられず巻き添えを喰らってしまい、二人は壁に激突した

 

裾野基地病院

 

摩利達は直ぐに病院に運ばれた 

 

「気が付いた 私が誰だか分かる?」

 

「真由美 何を言ってる」

 

「良かった 頭は大丈夫みたいね」

 

「だから 何を・・・痛っ」

 

摩利は反射的にベッドから起き上がろうとする

 

「ダメよ 動いちゃ」

 

事故の衝撃で肋骨が折れていた 治癒魔法の発展で大した事にはならないが

 

「動くにはどれだけ掛かる」

 

「一日寝てれば日常動作に支障はないけど、念の為に十日間は激しい運動は禁止」

 

「おい! それじゃあ」

 

「『ミラージ・バット』は棄権よ」

 

「・・・レースはどうなった?」

 

「七校は危険走行で失格 決勝は三校と九校よ」

 

「そうか」

 

「七校の選手は大したケガじゃないって 庇った甲斐があったわね」

 

「しかし自分がケガしていては・・・」

 

「でも 貴方が庇ってなかったら 彼女は大怪我をした上で魔法師生命を絶たれていた・・・これは達也君も同意見よ」

 

「? なんで いきなりアイツが出てくる?」

 

「だって 摩利を運んだのは彼だから」

 

「は?」

 

「誰より先に駆け付けて 骨折を見抜いて応急処置を指示したらしいから」

 

「・・・」

 

「大丈夫よ 彼がしたのは運ぶまでだから」

 

摩利が何を気にしているのか分かった真由美は笑って言った しかし 彼女の顔は直ぐに真剣になる

 

「ねぇ 摩利 貴女 あの時 第三者から魔法の妨害を受けたんじゃない?」

 

「どう云う事だ?」

 

「摩利が彼女を止めようとした時 貴女がバランスを崩したのは 誰かが水面に干渉したからじゃないかって」

 

「まぁ 不自然だとは感じたが それが実証できるのか?」

 

「達也君が大会委員からビデオを借りて検証してみるって」

 

「そんな事 できるのか?」

 

「でも 何もしないよりマシでしょ?」

 

「しかし 第三者か・・・いったい誰が何の為に」

 

九校戦 選手宿舎 達也の部屋

 

「お兄様 先輩がお見えに」

 

部屋に来たのは 啓と花音

 

「態々 済みません」

 

「構わないよ 手伝うと言ったのはコッチだし」

 

「こんな時になんですが 優勝おめでとう御座います 千代田先輩」

 

「うん ありがと 摩利さんがあんな事に成って優勝しない訳にはいかないよ」

 

「それで何か分かったかい?」

 

「じゃあ チェックお願いします」

 

「分かった・・・う~ん これはかなり面倒だね」

 

「なんで?」

 

「知ってると思うけど 九校戦では不正防止の為に各会場に魔法師がいて監視装置もある 僕は監視網の外から何か仕掛けたと思ったけど

 この分析結果を見る限り水面に働いている力は水中から発生してる でも水中に工作員・・・なんて考えられないし」

 

「分析が間違ってるんじゃないの?」

 

「それはないよ この結果は十分納得できる その分 答えを出すのが難しいけど」

 

そこに新たな訪問者が来る 

 

「あのお兄様 美月と吉田君が」

 

「入って来ていいぞ」

 

「お邪魔します」

 

「紹介します 吉田幹比古と柴田美月です」

 

「初めまして」

 

「知ってると思うが 五十里先輩と千代田先輩だ」

 

「宜しく」

 

「2人にも協力して貰おうと思って」

 

「それで僕達は何を?」

 

「美月 レースを見ていて何か不審な物は見えなかったか?」

 

「御免なさい 眼鏡を掛けた状況では・・・」

 

「そうか まぁ いいや じゃあ 二人共これを見てくれ」

 

達也が見せたのは摩利が七校選手を止めようとしている映像

 

「先輩が態勢を崩す直前 水面が不自然に陥没した これは水中からの干渉があった証拠だ コース外から気付かれる事無く魔法を仕掛けるのは不可能 遅延魔法の可能性も低い だとすれば 魔法は水中に潜んでいた何者かによって仕掛けられらと考えられる しかし それはない なぜなら そこまで完璧に姿を隠す魔法は現代魔法にも古式魔法にも存在しない なら 人間以外の何かが水路にいたと考えるのが妥当だ」

 

「達也は精霊魔法の可能性を考えているのかい?」

 

「なぁ 幹比古 数時間単位で特定の条件に従って水面を陥没させる遅延発動魔法は精霊を使って可能か?」

 

「可能だよ」

 

「お前にも?」

 

「地脈と地形が分かっていれば地脈を通じて精霊を送り込むことはできる しかも場所は毎年同じだから簡単だ でもそんな術の掛け方では 水面を荒らす事はできてもそれだけで先輩のバランスを崩せる大波は作れない 七校選手のオーバースピード事故が無ければ子供の悪戯だ」

 

「あれも事故ならな これをみろ」

 

映し出されたのはカーブでの七校選手の動きを解析した映像

 

「本来なら減速するべき場所で加速している」

 

「確かに 去年の出場選手が起こすミスじゃない」

 

「恐らくCADに細工されていたのでしょう 減速と加速をすり替えれば最初に減速を使うのはこのコーナーですから しかも上手くいけば 優勝候補を二人潰せる」

 

「そりゃ 理屈は通ってるけど CADの細工は大問題だよ」

 

「七校のスタッフの裏切り?」

 

「それも否定はしませんけど大会委員に工作員がいる可能性が大きいと思ってます」

 

「だとしても いつCADに細工を? CADは各校で厳重に保管されていますが?」

 

「CADは必ず大会委員に引き渡されるだろ」

 

「!!」

 

「(だが方法が分からないのは厄介だ)」

 

その夜 深雪と達也は呼び出しを受け 大会委員から一校に割り当てられた会議室に向かう そこには生徒会役員と克人 摩利がいた

 

「失礼します」

 

「御免ね急に」

 

「二人に大事な相談があります」

 

「現在 三校が想像以上に点を伸ばしています 明日新人戦で大差が着くと本戦『ミラージ・バッド』の成績次第で逆転されて総合優勝が危うくなります。そこで私達としては新人選をある程度犠牲にしても本戦の『ミラージ・バッド』に戦力を注ぐべきだと思っています」

 

「深雪さんには摩利の代わりに本戦に出て貰います。それに伴い達也君もエンジニアとして九日目も会場入りして下さい」

 

「なぜ 私が本戦に? 先輩方の中には一種目にしかエントリーされてない方がいます。私でなく先輩に~」

 

「練習も無しに本番はきつい 新人でも経験者の方が見込みがある それにお前なら優勝もできると思うが」

 

と言って摩利は達也をみる

 

「そうですね 問題ないですよ」

 

「ちょ!お兄様?」

 

「諦めろ 深雪」

 

深雪は仕方なく承諾する事にした

 




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