達也の周りは敵だらけ   作:黒以下

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中編をもう少し増やします


九校戦編 中編 其の十

九校戦 新人戦 二日目 女子『クラウド・ボール』で激戦が行われている頃 

別会場では 女子『アイス・ピーラーズ・ブレイク』の予選が行われていた

 

一校代表は 明智瑛美 北山雫 司波深雪の三人 担当エンジニアは達也

 

女子『アイス・ピーラーズ・ブレイク』選手控室

 

「おはよ~ございま~す!」

 

達也が深雪を連れ控室に入るとそこには第一試合に出場するエイミィーがいた

 

「早いのね」

 

「私 早起きだから」

 

「なら 早速 CADのチェックをしてくれ」

 

「は~い」

 

暫くして

 

「流石は 司波君 ばっちりだよ」

 

「・・・」

 

達也はじっとエイミィーを見る その視線に耐えられなくなったエイミィー

 

「な 何?」

 

「お前 早起きしたんじゃなくて 眠れなかっただけだろ」

 

「うっぐ! 何よこの人 ウチの親より鋭いよ」

 

「CADのフィードバックを強めるが我慢しろよ」

 

「我慢しますからお願いします もし負けたら皆の玩具にされちゃうよ」

 

達也は無言で深雪を見る

 

「ちょ!無言はやめてください お兄様 私達は何も変な事はしてませんからね」

 

「じゃあ 行ってきます」

 

達也はエイミィーを送り出す そして

 

予選 一回戦 第一試合 勝者 明智瑛美 

 

エイミィーの次は雫の試合

 

「なぁ 雫 本当にその恰好で出るのか?」

 

「そうだけど 似合わないかな この振袖」

 

「イヤ 似合ってるしとても可愛いよ」

 

「・・・」

 

「・・・? どうした 雫」

 

「達也さん ストレート過ぎるよ」

 

これから競技と云うのになぜ 雫が振袖かと云うと この競技は唯一服装に規定がない 公序良俗に違反しなければ選手が一番気合の入る恰好と云う事で大抵の服装が許される

 

因みに エイミィーは乗馬服

 

「じゃあ 行って来る」

 

雫は新人戦『スピード・シューティング』の優勝者である

注目度はかなり高い 多くの人が観戦している

 

実況者も期待している様だ

 

「『スピード・シューティング』の優勝者はどのような戦いを見せてくれるのでしょうか?」

 

「さて 今回はどんな事をするんだろうな」

 

「『スピード・シューティング』とは戦い方が違うからね」

 

一校天幕では真由美や摩利がモニターを通して観戦していた

 

試合開始直後に雫がしたことは

 

「情報強化 外部からの改変を受けにくくなる」

 

「今回は正攻法ね」

 

そう言う間に相手の氷柱が三本一気に砕ける

 

「!! 今のは?」

 

「多分 共振破壊の応用かな?」

 

振動系魔法 『共振破壊』 対象物に無段階で振動数を上げていく魔法を直接かけ

固有振動数に一致した時点で出力を上げ破壊する

 

「情報強化はその為の時間稼ぎね」

 

第五試合 勝者 北山雫

 

エイミィー 雫の試合が終わり いよいよ午後から深雪の出番だ

 

控室には真由美 摩利 啓 花音が応援に来ていた

 

「緊張し過ぎるなよ 深雪」

 

「大丈夫です お兄様がいて下されば」

 

「じゃあ 行って来い」

 

「はい!」

 

「女子『アイス・ピーラーズ・ブレイク』を再開します」

 

このアナウンスが流れている時 女子『クラウド・ボール』で優勝した愛梨が現れた

 

「何とか間に合ったわね」

 

「愛梨 此処 空いてるわ」

 

愛梨に声を掛けたのは既に一回戦を勝ち上がった 栞だった

 

昼食を挟んだので実況者も元気である

 

「次の試合は 第一高校代表 司波深雪選手と 第四高校代表 清水綾香選手の戦いです。司波選手は負傷した渡辺選手の代役として本戦『ミラージ・バッド』に出場が決まっています この試合で司波選手の実力が明かされます」 

 

「両選手入場です」

 

深雪がステージに現れると会場が歓声に湧く

 

「流石に 驚くわよね」

 

「一瞬で会場を引き付けるとは」

 

「相手選手 完全に飲まれてるわね」

 

深雪の衣装は緋色袴

 

試合開始のブザーが鳴る そして 会場の歓声が大きくなる

 

深雪は試合開始直後 自分のエリアを極寒の冷気で 相手エリアを灼熱の蒸気で覆う

 

深雪の魔法に真由美達を始めとする一部の人間は覚えがあるようだ

 

「これは・・・氷炎地獄(インフェルノ)?」

 

「Aランク魔法?・・・新人戦だぞ これ」

 

振動系Aランク魔法 氷炎地獄 

 

対象エリアを二分し 一方の空間内は全ての振動・運動エネルギーを減速し、その余剰エネルギーをもう一方の空間に逃がす魔法 高難易度魔法でありA級魔法師を目指す者が受けるライセンス試験に出題され 多くの受験者を泣かせてきた魔法

 

「清水選手 立て直しの冷却魔法を放ちますが 全く効いていません」

 

そして 深雪が魔法を切り替えると 轟音と共に相手エリアの氷柱が全て砕ける

 

「試合終了 司波深雪選手 相手に一切の反撃を許さず完封勝利を上げました」

 

一方 男子『アイス・ピーラーズ・ブレイク』の会場にも その轟音が響いた

 

「女子の方 騒がしいな」

 

「おい! 司波深雪って奴が氷炎地獄を使ったらしいぞ」

 

「それ 本当か? 氷炎地獄ってAランク魔法だろ」

 

この話は三校にも届く

 

因みに 新人戦 男子『ピーラーズ・ブレイク』の代表に一条将暉がいる

 

担当 エンジニアは吉祥寺真紅郎の様だ

 

「なぁジョージ 彼女は一般だよな」

 

「まぁ 一般の出身である魔法師がAランク魔法を使えない訳じゃないけど 一年生では本当に稀な事だよ」

 

「何者なんだろな」

 

「直ぐに 分かると思うよ ナンバーズが放ってはおかないだろうし」

 

「そうかもな」

 

「それに問題なのは 司波さんがAランク魔法を使った事じゃない」

 

「何が問題なんだ?」

 

「いくらソフト面に制限がないからってAランク魔法をプログラムするなんて」

 

「いいじゃないか 違反じゃないだろ」

 

「問題なのは彼女と担当エンジニアがAランク魔法の起動式を知っている事だよ」

 

「!! そうか 確か Aランク魔法は 特定以上のライセンス所持者にしか公開されないのか!」

 

深雪の試合は各当主達もモニターで見ていた

 

「まさか 一般出身者が Aランク魔法を成功させるとは」

 

「ふん! 偶々 だろ」

 

「皆さん 問題はそこじゃ ないと思いますが」

 

発言者はなんとこの場で最年少であろう智一 彼は真紅郎と同じ事を指摘した

 

「確かに 彼女と担当のエンジニアはなぜ知っていたのだ」

 

「これは二人を調べた方がいいかもしれん」

 

「選手は司波深雪 担当エンジニアは誰だ」

 

彼らは手元のエントリーシートに手を伸ばす

 

「司波達也・・・彼は彼女の兄妹なのか?」

 

「まぁ 名前を見る限りそうなのでしょう」

 

「なら 早速 彼らに付いて調べましょう」

 

一方  深雪の力を間の当たりにした愛梨はショックを受けていた

 

「本当に何者?」

 

「愛梨 大丈夫?」

 

「大丈夫! 私が競技で負ける訳ないじゃない」

 

「そう(競技では 負けないねぇ~)」

 

確かに どんなに強くてもルールのある競技では必ずしも強い魔法師が勝つ訳ではない しかし 今の愛梨の言葉では競技に勝てても実戦では勝てない と言っているのだが 彼女は気が付いただろうか

 

女子『アイス・ピーラーズ・ブレイク』会場外

 

名倉はまた弘一に連絡をとっていた

 

「あれから 何か 進展はあったか?」

 

「本日 女子『アイス・ピーラーズ・ブレイク』で昨日話した司波達也の妹と見られる司波深雪がAランク魔法『氷炎地獄』を成功させました」

 

「本当か?」

 

「はい! それと今回の事で二人に他のナンバーズ御当主が興味を持ったようで各家で調べるようです」

 

「そうか なら 私は会場に戻った方が良さそうだな」

 

「左様ですか お待ちしております」

 

達也と深雪はナンバースの動きを知らない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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