達也の周りは敵だらけ   作:黒以下

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中編の予定は十五まで


九校戦編 中編 其の十一

ナンバーズが二人を調べていた頃 深雪は大会委員会から食堂として割り当てられた場所で一校生と共に夕食を取っていた。因みに立食式だ 上級生は試合がないので気楽に食事をしているが 新人戦期間中の一年生 特に 成績不良の男子グループは空気が重い 比べて女子グループは賑やか その光景を他人事の様に達也は見ていた

 

「(適当に見繕って 部屋に戻るか)」

 

達也はテーブルに並べられた料理を適当に取ったらその場で食べず部屋で食べようとした

此処での食事は初めてではない しかし 毎回 居心地が悪かった。本戦中は『なぜ お前の様な奴が此処に・・・』と云う様な視線を上級生から向けられ新人戦 初日の昨日は 上級生の視線は無くなったが逆に一年男子からの強い視線を向けられた

 

達也が料理を取り終えた時

 

「お兄様は此方を」

 

「み 深雪?」

 

達也は深雪に依ってお皿を交換させられた。渡された お皿には 達也が適当に盛った物と違い 見ただけで栄養バランスの取れた物だと分かる

 

「お兄様 バランスを考えて食べて下さい。これ以上は許す訳には参りません」

 

「済まない」

 

「お兄様の食事管理は私の義務ですから」

 

「別に義務じゃないだろ」

 

そんなやり取りをしている二人に

 

「ねぇ 二人共そんな処じゃなくてコッチで皆と食べない?」

 

声を掛けたのは雫

 

「いいよ 俺は」

 

断った達也だが雫に無理やり引っ張られてしまう 一方の深雪は達也が嫌がる事はさせたくなかったので深雪は女子グループの真ん中に入った こうする事で達也に群がる現金な女子達を自然に遮る事が出来る 

 

女子は食事より会話が多い 勿論 内容は新人戦の結果

 

「三人共 予選突破 おめでとう」

 

「明日は決勝リーグだね」

 

「上手く行けば 『スピード・シューティング』みたいに上位独占できるんじゃない」

 

「エイミィー 二人の足 引っ張っちゃダメよ」

 

「え! ちょ 酷い」

 

「だって エイミィーの試合 凄くハラハラさせられたもん」

 

「雫は流石に落ち着いてたね 振袖可愛かったし 戦い方もクールだった」

 

「でも一番は深雪よね~ アレは凄かった」

 

「インフェルノっだっけ 皆 驚いてたね」

 

「深雪も凄いけど インフェルノをプログラムできる 司波君も凄いよね

 

『インデックス』に載るような魔法まで開発しちゃうし 尊敬しちゃうよ」

 

女子達の会話の流れが変わる

 

「はぁ~あ 私も司波君に担当して貰えれば優勝できたかもしれないのに 残念だな」

 

発言者は春日 菜々美

 

「菜々美 貴女 自分が何を言ってるか 分かってる?」

 

「・・・あ!」

 

エンジニアは達也以外 皆 上級生 菜々美は達也の担当ではない。つまり 菜々美の担当は上級生で 菜々美は自分の担当エンジニアの腕が達也より下だと言ったのだ  

 

菜々美は咄嗟に担当エンジニアを探した だが その人物には菜々美の発言は聞こえていない様だ

 

「はぁ~焦った 焦った」

 

「ナナ 自分の未熟をCADの所為にしないの」

 

「でも そう言っちゃう気持ちは分かる」

 

「そうだね 司波君の調整の御かげで調子良かったし」

 

「なんか急に魔法が上達したのかって錯覚しちゃった」

 

「ちょっと何よ 今更 皆 最初は達也さんの事 信用してなかったでしょ」

 

「だって CADの調整はある意味自分の内側をさらけ出すものだし~ でも今は司波君で良かったって思ってる」

 

「有難う 司波君」

 

「別に俺は何もしてないよ」

 

「謙遜しなくていいじゃない」

 

そんなセリフを聞いて

 

「おい いい加減にしろ」

 

「何よ アンタ達」

 

会話に割り込んだのは 男子グループ

 

「試合に勝ったのは 相手が弱かっただけで コイツの調整は関係ないだろ。

それに称賛されるのは選手だけでいいだろ エンジニアが評価されるべきじゃない」

 

「ちょっと 森崎 アンタいい加減にー」

 

「まぁ 確かに エンジニアが選手以上に称賛されるのは間違っているが、流石に全力でサポートしてくれた先輩に失礼だろ」

 

「俺が言いたいのは お前が調整しても結果は変わらなかったと云う事だ。

 見てろよ お前の調整なしでも『モノリス・コード』は必ず僕達が優勝してやる」

 

「無理だな」

 

「何だと ふざけるな お前が決めるな」

 

「ちょっと 達也君 折角の意気込みに水を指さないの」

 

「じゃあ 会長は本気でコイツ等が優勝できると思ってるんですか。新人戦の『モノリス・コード』で優勝すると云う事は一条将輝を相手に勝つと云う事ですよ」

 

「そ それは・・・」

 

「黙れ!お前みたいな奴に何が分かる」

 

「分かるさ 俺でも お前達が一条に勝てない事ぐらいは、分かる。今年は三校に当たった時点で終わりだよ」

 

「お前が決めつけるな」

 

「強がるなよ 森崎 安心しろ 一条に負けても誰も責める奴はいないさ」

 

「ッ・・・お前みたいな出来損ないが 僕を見下すな!」

 

「事実を言っただけだろ 相手と自分の力量の差くらい分れよ。そんなに俺の言葉が気に喰わないなら 少し言い方を変えてやる」

 

「達也君 もう その辺に」

 

険悪な空気に成るのを恐れ止めようとした真由美だが

 

「今の一条に勝てる奴は 一校にはいない・・・ どうだ 少しは気が晴れたか?」

 

「おい! 一年 どう云う意味だ」

 

今度は上級生が口を挟む

 

「言葉通りの意味ですが まさか 先輩達も勝てると思ってるんですか?」

 

「なぜ 俺達が一年なんかに負けるんだ」

 

「彼は実際の戦場で魔法を使って人を殺してます。先輩は魔法で人を殺した事がありますか」

 

「ッ・・・それは でも それがどうした」

 

「魔法の発動に躊躇しない その経験が 差として出ます」

 

「なぁ 達也君 さっきの言葉は私達もかい?」

 

「そうですよ 言ったでしょ 今の一校に一条に勝てる奴はいない。 それは 委員長も 会長も 会頭も含めてです」

 

「なぜ そう言える」

 

「まず一条は中距離からの砲撃が得意なので近接戦闘になれた委員長では相性が悪い。

間合いに入る前にやられるでしょう」

 

「なら 真由美は?」

 

「会長は射撃が得意でも攻撃力に欠けますね」

 

「なら十文字は?」

 

「決め手に欠けるかと」

 

「『ファランクス』を使えば」

 

「防御力で勝てても反撃できなきゃ意味無いでしょう」

 

「森崎の『クイックドロウ』は?」

 

「『クイックドロウ』なんかで勝てませんよ 現に『スピード・シューティング』で

吉祥寺に負けてます 吉祥寺に負けてるのに一条まで相手にして勝てる訳ないでしょ」

 

「・・・っ クソっ 不愉快だ」

 

森崎はそう言って 出て行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




森崎との口論に一体 何文字使っただろう
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