達也の周りは敵だらけ   作:黒以下

28 / 107
九校戦編 中編 其の十三

新人戦 女子『アイス・ピーラーズ・ブレイク』決勝前 

会場に向かう途中 達也と深雪の前に来客があった

 

「第三高校 一年 一条将輝だ」

 

「同じく第三高校 一年の吉祥寺真紅郎です」

 

「第一高校 一年 司波達也だ・・・しかし こんな処に『クリムゾン・プリンス』

と『カーディナル・ジョージ』が何の用だ」

 

「俺だけじゃなく ジョージの事も知っているのか」

 

「同世代なら常識だと思うが・・・さて 此方の質問に答えてくれないか」

 

「顔を見に来ました 九校戦始まって以来の天才と云われる兄妹のね。昨日はタイミングを逃しまったので、試合前に失礼かとは思いましたが 此方も時間が取れなさそうなので 」

 

「成程・・・深雪 先に行ってろ」

 

「はい」

 

「・・・お前達も決勝があるんだろ?」

 

「では 最後に」

 

「何だ?」

 

「僕達は明日の『モノリス・コード』に出場します。君はどうなんですか?」

 

「そっちは担当しない」

 

「そうですか 残念です。いずれ君の担当した選手と戦ってみたいものですね。勿論 勝つのは僕達ですが」

 

「勝手にしろ それと俺が調整したCADを使ってもお前達を相手に勝てる奴はいないだろ」

 

「・・・フフッ そうですか」

 

「時間を取らせたな 司波達也 次の機会を楽しみにしている」

 

選手控室

 

「すまん 待ったか?」

 

「構いませんよ お兄様」

 

「しかし アイツ等 今更 何しに来たんだ? 偵察にしては少し遅い気がするが」

 

「何を言ってるんです。 宣戦布告に決まってるじゃないですか」

 

「あの二人が俺なんかに興味を持つとは思えないんだが」

 

「はぁ~ 昨日 叔母様から言われたではありませんか。ナンバーズは既に動いているんです。いい加減にして下さい。自己評価が低すぎるのは良くありません。お兄様と私は警戒されているんです」

 

アイス・ピーラーズ・ブレイク』決勝 会場

 

第一高校 北山雫 VS 第一高校 司波深雪

 

エリカ達は余りの観戦者の多さに驚いていた

 

「流石に 観客 多いわね」

 

「仕方ありませんよ 深雪さんと雫さんの戦いですもの」

 

一方の達也はエリカ達とは離れた場所で真由美と摩利と共に観戦していた

 

「しかし 観戦者が多いな これじゃ 男子の方は がら空きじゃないのか?」

 

「ねぇ なんだか 関係者が多くない?」

 

「仕方ないだろ あんなもの 見せられれば 中継ではなく近くで見たいと思うのも仕方ないさ」

 

「ねぇ 達也君 この決勝戦 本当は深雪さんに付きたかったんじゃないの?」

 

「そうですね」

 

「・・・何だ? イヤにあっさり認めるんだな」

 

「・・・達也君 シスターコンプレックスって言葉の意味わかる?」

 

「なぜ 身内を応援するのがシスコンになるんですか?」

 

「・・・どうするの摩利 この子 開き直ったわよ」

 

「これは もう手遅れだ 私達には治せないな」

 

試合開始のアナウンスが流れる

 

「只今より 新人戦 女子『アイス・ピーラーズ・ブレイク』の決勝戦を行います」

 

注目の高さもあり実況にも力が入る

 

「さぁ これより決勝戦が始まります 予選と変わらず 圧倒的な魔法力で司波選手が北山選手を退けるか。それとも 北山選手が『スピード・シューティング』に続きこの競技も優勝するのか。それでは 両選手の登場です」

 

そして 決勝開始のブザーが鳴る

 

開始直後に雫の陣を深雪の『氷炎地獄』により発する熱波が襲う

 

「やっぱり凄い Aランク魔法をこんなに何度も成功させるなんて」

 

「これは 司波深雪の圧勝か?」

 

しかし 雫の氷柱は持ちこたえていた

 

「(そう簡単には壊れないよ)」

 

「北山選手 『情報強化』で氷柱の温度改変を阻止しています」

 

「(それだけじゃないよ)」

 

雫は次の行動に移る

 

「共振破壊か!」

 

「でも 深雪さんのエリアではすべての運動が減速してしまう」

 

会場は二人が見せる一見ハイレベルな攻防に魅了される

 

「互角の勝負と言った処でしょうか?これはどちらが勝っても可笑しくありませんね」

 

雫はこの発言に呆れていた

 

「(互角・・・どこが? コッチが圧倒的に不利なのに・・・ッ 氷柱の表面が溶け出してる)」

 

雫の使う『情報強化』は氷柱の温度改変には有効でも『氷炎地獄』で発生した熱波は防げない このままではいずれ 氷柱が崩れてしまう

 

「(仕方ない)」

 

雫の次の対策に誰もが驚く 雫は右腕を大きく空に向かい振り上げた そして その反動で振袖の袖口から舞い上がる 何かをタイミング良くキャッチする それは

 

「!! 二つ目のCAD?」

 

「まさかCADの同時操作ができるのか?」

 

「大丈夫なのか? 失敗すれば終わりだ」

 

雫の魔法が発動する そして発動魔法に更に驚く

 

「!! フォノン・メーザー!」

 

フォノン・メーザー 超音波の振動数を上げ量子化して熱戦とする高等魔法

 

「司波選手の氷柱が初めて崩れた」

 

「CADの同時操作 しかも 高等魔法の『フォノン・メーザー』を成功させるとは

これは大変素晴らしい 北山選手の実力の高さが覗えます」

 

「司波選手はどうするのでしょうか?」

 

深雪は雫の魔法を見て 驚いたのは ほんの僅か イヤ 一瞬だった。

深雪は魔法を切り替えた 

 

「今度はフィールド全体に氷の霧・・・? まさか『ニブルヘイム』か?」

 

ニブル・ヘイム 振動 減速系の高等魔法

領域内の物質を均質に冷却する領域魔法

 

そして深雪が再度『氷炎地獄』に切り替える

 

急激な温度変化に耐えられず 雫の氷柱が全て一気に消え去った

 

深雪の優勝が決まる

 

勝利者インタビューでは多くの記者が深雪に群がる。深雪は多くを語らなかった

 

特別会議室

 

あれから深雪の件もあり 人数が少し増えていた しかし それでも 全員集合ではない 

 

「『氷炎地獄』に続き『ニブルヘイム』まで成功させるとは いったい 何者なのだ 司波深雪」

 

「これだけの家が調べていると云うのに」

 

「もはや 一般で無いのは事実」

 

「しかし いったい 誰が データの改ざんなど」

 

「データの改ざんは簡単に出来るモノではない」

 

「出来るとすれば 相当な権力者だぞ」

 

「しかし 改ざんの理由は何でしょう?」

 

「分からない事ばかりだな」

 

「兎に角 これ以上の二人の活躍は困るな」

 

「彼らは世間的には一般扱い。その一般の活躍が過ぎるとナンバーズの価値が下がる」

 

「まさか 二人の後ろにいる権力者の狙いは我々ナンバーズの価値を下げる事では?」

 

「二人の後ろにいる権力者は何者だ?」

 

「ナンバーズの価値を下げるのが目的なら それは我等ナンバーズに恨みがある者だ」

 

「だと すれば 非魔法師か? それとも国防軍? イヤ 古式魔法師か?」

 

「あの兄妹は 我々ナンバーズへの当て付けか?」

 

「この先 どうしましょう」

 

「やはり 圧倒的な力と才能を 見せつけるべきでしょう?」

 

「確か 司波深雪は 本戦の『ミラージ・バット』に出るのでしたね」

 

「それで?」

 

「一色殿のご令嬢も一年生ながら 本戦に出るのでしょう?そこで 一色のご令嬢が司波深雪に勝てば 彼らの目論見はそこで終わりだ」

 

「成程 それでは お願いできますかな? 一色殿」

 

「勿論 ウチの娘なら 簡単でしょう」

 

勝手に盛り上がるナンバーズ当主達 その光景を 真夜は笑いを堪えながら見ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。