新人戦『モノリス・コード』に代役として出場した達也率いる第一高校は予選 準決勝を勝ち上がり遂に決勝に駒を進める。しかし決勝の相手は一条将輝率いる第三高校
『モノリス・コード』は九校戦で人気の競技だ リアルタイムで行われる
魔法の打ち合いが観客を魅了する。当然 実況にも力が入る
「これより 新人戦『モノリス・コード』決勝が始まります」
「対戦するのは急遽決まった代役でありながら此処まで見事に勝ち進み今大会で天才エンジニアとして注目を集めている司波達也選手率いる第一高校 対するは準決勝ですら一人で相手チーム全員を戦闘不能に出来る程の圧倒的な力の持ち主の一条将輝選手率いる第三高校です」
一校天幕
「遮蔽物のないフィールドで砲撃の得意な一条選手と戦うのは不利よね」
「達也君には例の最強の対抗魔法『術式解体』があるから大丈夫なんじゃないのか?」
「確かにアレはとても強力だけどそれだけじゃ一条選手は倒せないわよ」
会場 観戦者の反応
「どっちが勝つかな」
「流石に一条に勝つのは無理だろう」
会場 特別室 一部のナンバーズ及び一部の百家当主の反応
「まさか 決勝まで残るとは」
「しかし 司波達也が一条将輝に何もできずにやられる姿を見るのは楽しみだ」
会場 特別室 七草弘一の反応
「(司波達也 一条相手に何処までやるか・・・試合内容によってはウチに組み込む事も真剣に考えても良さそうだ。他の当主は彼等を嫌っている様だが、私はあれだけの才能をナンバーズで無いと云う理由だけで彼の血や遺伝子を家に向かえないなんて愚かな真似はしない。まぁ 彼が何者かは気になるが彼をウチに向かえる事が悪い結果にならない筈だ。彼がウチと関係を持てば司波深雪も関係者と云う事になる。本当なら私にもう一人彼女と同年代の息子がいれば良かったが、さて 彼の方はどうする 真由美には洋史君と克人君がいるし・・・そうなると やはり香澄か泉美のどちらかを嫁に・・・)」
横浜中華街 とある会議室
「なんとしても三校に勝って貰わなければ」
「大丈夫だろう 一校より 三校が明らかに強い」
『モノリス・コード』 草原ステージ フィールド内 一校サイド
「やっぱ 可笑しくねぇか?」
「使い方は分かったな 頼りにしてるぞ」
「なんで 僕達だけ」
「前衛の俺がそんな恰好悪い・・・じゃない 走りづらいのを付けてどうする」
「達也・・・てめぇ」
『モノリス・コード』 草原ステージ フィールド内 三校サイド
「なんだありゃ」
「ジョージの『不可視の弾丸』対策なんじゃ」
「確かにアレには貫通力は無いけど布一枚じゃ防げないよ。彼がそんな事知らない筈がない。彼の事だから何か考えあっての事なんだろうけど・・・」
「ジョージ 今更 考えても無意味だ。俺達は相手がどんな手段を用いても勝ちに行くだけだ」
「そうだね せめて『モノリス』の優勝ぐらいは僕達がしなきゃね」
「あぁ やってやるさ」
そして試合が始まった。試合開始と同時に 将輝が仕掛ける 彼のCADは特化型
「特化型? これまでは汎用型だったのに・・・まさか攻撃に専念するつもり」
将輝が繰り出すのは空気圧縮の魔法式 速度も威力も並みのものではない。しかし達也は将輝の攻撃を焦らず『術式解体』で一つ一つ打ち落とす
両者譲らぬ戦いに観客は大興奮 しかし 一校天幕内では
「あのプレッシャーの中であれだけ正確に魔法を放てるなんて」
「本当に彼は二科生なの?」
魔法の使用には使用者の精神面が大きく左右する。平常心で無ければ魔法を放つことはできない達也は魔法が上手く使えない二科生。だから目の前の光景が一科の上級生達には信じられない
「達也君の手数が減って来てる」
「一条は攻撃に専念してるが それに対して司波は防御しながらの攻撃」
「近づけば攻撃の手数が落ちるのは仕方ないかと」
「苦しいのは此処からだ」
この時 達也と将輝の攻防を暫く見ていた真紅郎も動き出す
「(そろそろ 僕も動いた方がいいね)」
真紅郎の動きは達也からも見えていた
「(吉祥寺が動いたか)」
達也も真紅郎が動いたのを黙って見過ごせない 達也も将輝との距離を詰める事にした。だが距離を詰めると云うことは達也にも危険が伴うこの時達也は既に将輝の攻撃を捌くことが難しくなっていた
「(仕方ないな)」
ここで達也の動きが変わる 達也はあらぬ方向にCADを向けた
「どこを狙ったいるんだ」
達也の行動に戸惑う実況や観客 しかし 達也のCADの先に魔法式が現れ達也はそれを打ち落とす
「なっ! 現れた瞬間に魔法式を打ち落とすなんて」
「なんて反応の速さだ」
会場 特別室 一条剛毅の反応
達也の行動には静かに観戦していた一条剛毅も驚きを隠せない
「(何だ? 今の動きは 早い等と云う話ではない。 彼には将輝が何処に魔法を放つのか分かったのか?)」
会場 観戦者 藤林と山中の反応
二人は観戦席から少し離れた処で立ち見していた。『モノリス・コード』の観戦者は
多い上に 二人の会話は簡単に聴かせられないものだからだ
「遂に誤魔化しきれずに『精霊の眼(エレメンタル・サイト)』を使いだしたな」
「この状況なら第六感と云う事でいい訳ができますよ」
「それは一部の奴等にだろ」
「それは・・・」
藤林と山中は達也が何をしたか知っている 勿論 深雪と真夜も 達也は本来 秘密にしておかなければならない ある能力を使ったのだ
『精霊の眼』 情報次元体(イデア)に直接アクセスし 更に『存在』を認識する力
一方 真紅郎は一校『モノリス』を目指していた そんな彼の前に
「此処から先はいかせねぇ」
「!! なぜ 後衛がここに?」
現れたのはレオ だが真紅郎が焦らない 彼は『不可視の弾丸』でレオを退けようとする
「そうはさせねぇ」
レオは持っていたマントを脱ぎそのマントに硬化魔法を掛ける すると
「マントが固まったまま広がった!?」
「この為のマントだったのか?」
「(クッ! マントを防壁代わりにするんて! これじゃ『不可視の弾丸』が使えない)」
真紅郎が見せた一瞬の隙にレオが反撃に出る それをギリギリで躱した真紅郎に新たに突風が襲い掛かる
「(!! 今度は 後方から?)」
突風を起こしたのは幹比古 真紅郎は攻撃対象をレオから幹比古に切り替えようとしが
真紅郎の眼には複数の幹比古が映る
「(!! 今度は幻術! これも照準を付けられないから『不可視の弾丸』が使えない)」
『不可視の弾丸』は攻撃対象を視認しなければならない。それをレオはマントに硬化魔法を掛けることで 幹比古には幻術で『不可視の弾丸』を防がれた
「(やってくれるね 司波達也)」
試合中にそんな事を考えてしまう真紅郎 そんな彼にレオの反撃が再度襲う
「!! しまった!」
真紅郎にレオの攻撃を防ぐ手立ては無い