達也の周りは敵だらけ   作:黒以下

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九校戦編 後編 其の十

九校戦 九日目『無頭竜』の魔の手が迫る中 達也は美月達の協力の元 工作員を取り押さえるそして深雪は達也の用意した秘策で本戦『ミラージ・バット』の決勝に進む。一方、その裏でも響子達の協力により『無頭竜』のジェネレーターが確保されていた。

 

 

「調子はどうだ 深雪」

 

「万全です お兄様」

 

「そうか それは良かった」

 

「お兄様 今回は最初から飛行魔法を使いたいと思うのですが」

 

「分かったよ」

 

『ミラージ・バット』 決勝前 

 

深雪が会場に入ると他校の代表選手達からの敵意を向けられる。勿論、深雪がそんなものを気にする事はない。それは彼女も同じだった。

 

「約束が果たせて良かったわ」

 

深雪に声を掛けたのは一色愛梨。

 

「私も一色さんと戦える事を楽しみにしていました」

 

「そうね いい試合をしましょう」

 

堅い握手を交わす二人の眼には既に他校の代表選手の姿は映っていない。

 

「これより 本戦『ミラージ・バット』決勝が始まります。この決勝の順位次第で第一高校の総合優勝が決まります」

 

選手達が位置に着く そして試合が始まる

 

試合開始直後 選手達は一斉に飛び出し 誰も足場に戻って来なかった

 

「他校も飛行魔法!?」

 

「他校も飛行魔法を使うとなると深雪さんが有利じゃなくなるわ」

 

「そんな事はないですよ」

 

「どうして?」

 

「他校の連中は飛行魔法を使えば深雪と差が無くなると思たんでしょうけど 飛行魔法を使っても 深雪と違って連中は飛行魔法を完全に理解していない。まぁ 初めて使うんだから仕方ないでしょうけど・・・」

 

達也と真由美が話ていた頃 深雪は着々と得点を重ねていた だが他校の選手達は得点を重ねることができない。飛行魔法に慣れている深雪とでは勝負にはならないのだ。そして深雪の近くを飛んでいた選手の一人が足場に強制的に戻された 

 

「え! もうサイオン切れ?」

 

「それに 今のは?」

 

「飛行魔法はサイオンの消費が激しいですからね そしてCADに供給されるサイオンが半減すると安全装置が働くようになっているんですよ」

 

深雪が得点を重ねていく 一方 他校の選手は次々にサイオンの使い過ぎにより中半 強制的にリタイアしていく

 

「(お兄様の・・・シルバーの術式は基本的に誰にでも使える術式 だけどそれは誰もが同じ様に使えると云う事ではない。 そして私以上にこの魔法を使いこなせる者はいない)」

 

第三ピリオドを迎えた頃には既に 深雪と愛梨の一騎打ちになっていた

 

深雪は相変わらずペースを落とす事無く飛び続け得点を重ねる 

愛梨も得点を重ねるが少しずつ差が開き出す

 

「(司波深雪・・・試合開始直後から飛び続けるなんて どれ程のサイオン保有量だと云うの? まぁ兄の司波達也が『術式解体』を使えるのだから 妹である彼女もそれなりにあるのが当たり前なんでしょうけど でも実際に使って解ったけど この飛行魔法はサイオンの消費が激しい 幾ら 事前に練習を積んでいても彼女にも負担があるはず・・・実際 予選で第三ピリオドからしか使わなかったし・・・まさかアレも作戦のウチ?)」

 

試合も終盤に差し掛かり 更に点差が開いて行く

 

「(参ったな 本当に・・・私が全力を出しても勝てないなんて・・・)」

 

やがて 愛梨が足場に降りて来た サイオンが無くなる前に自分で降りたのだ

そして この瞬間 本戦『ミラージ・バット』の優勝者が決まる

 

本戦『ミラージ・バット』 優勝 第一高校 司波深雪

 

そして深雪の優勝により一校の総合優勝が決まる

 

試合終後

 

「負けたわ 完敗よ でも 貴女と競い合えて良かった」

 

「私もです」

 

「有難う そう言って貰えると嬉しいわ」

 

愛梨と別れた深雪が夕食を食べに行くと そこでは女子を中心にささやかな祝勝会が行われていた

 

「深雪さん 今日は本当に有難う 最終日を前にウチの総合優勝を決めてくれて」

 

「有難うございます」

 

「それで 達也君は一緒じゃないの? 達也君にもお礼を言っておきたかったんだけど」

 

「申し訳ありません 会長 あの後 直ぐに寝てしまいまして 明日の朝まで起こすなと」

 

「まぁ そうよね私達の所為で忙しかったでしょうから」

 

しかしその頃 達也は部屋で寝ていなかった。 達也は別の場所にいた

 

基地内士官用駐車場

 

「女性を待たせるなんてマナーがなってないわよ 司波君」

 

達也に声を掛けたのは 小野遥

 

遥は達也を車に招き入れる これから話す内容が人に聴かせられるものではないからだ

 

「本当に一日で調べが付いたんですね」

 

「まぁね それで地図データだけでいいかしら」

 

「構成員が分かっているならそのデータも欲しいです」

 

「分かったわ」

 

「じゃあ これが約束の報酬です」

 

「え!? こんなに?」

 

遥が驚くのは無理もない 達也の提示した報酬が異常な金額だったからだ

 

「足りませんか?」

 

「そんな事ないけど」

 

「それじゃあ」

 

「待って 司波君」

 

「何ですか?」

 

「保険なのよね」

 

「まぁ そんなものです」

 

達也の答えに遥は納得しなかったが それ以上は何も言わずに去って行った

 

「今の人は?」

 

遥が立ち去った後 現れたのは響子

 

「公安のオペレーターですよ」

 

達也は響子の車に乗り込みナビに地図データを打ち込む

 

「じゃあ 行きましょうか」

 

響子と達也が『無頭竜』のアジトへ向かっていた頃 風間の元に来客があった

 

「九島閣下 本日はどのような御用で」

 

「十師族嫌いは相変わらずだな」

 

「何度も言いますが それは誤解です」

 

「そう 構えないでくれ 今日は彼の事で話したくてね」

 

「・・・彼?」

 

「君の部下 司波達也君 三年前 君が四葉から引き抜いた 深夜の息子だよ」

 

「・・・」

 

「私が知っていても 不思議ではあるまい あれでも私の教え子なのだから」

 

「ならば 四葉が彼の所有権を手放していない事もご存知でしょう?彼は私の部下じゃない 彼は協力者に過ぎません」

 

「惜しいとは思わんかね」

 

「惜しい?」

 

「彼は将来 一条の息子と並んで我が国の魔法戦力の中軸となりえる。あれ程の逸材を私的なボディーガードにしておくなどもったいないとは思わんか?」

 

「・・・閣下は四葉の弱体化を望んでおられるのですか?」

 

「そうだな 今でも四葉は他の十師族より頭一つ飛び抜けている それなのに あの二人が

四葉の中軸になれば 四葉は強くなり過ぎる 他のナンバーズでも抑えきれない」

 

「『魔法師は兵器』 四葉は今でもその考えに疑念を抱いていないようですしね」

 

「確かに 魔法師は兵器として作られた だが今は時代が違う 兵器として在るだけでは

人の世界からはじかれる」

 

風間が烈と会談していた頃 達也は目的地にたどり着いた

 

場所は横浜ベイヒルズタワー

 

「ここの屋上からなら彼等のアジトが見下ろせるはずよ」

 

「でも屋上には外からいけませんよ。このドアも内側からしか・・・」

 

「それはお姉さんに任せなさい」

 

そう言うと響子は直ぐにドアを開けて見せる

 

「・・・流石は『電子の魔女』(エレクトロンソーサリス)ですね」

 

「さて それじゃあ 屋上に向かいましょうか」

 

そして屋上に着いた達也はシルバー・ホーンの銃口を横浜中華街のとある建物に向ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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