達也の周りは敵だらけ   作:黒以下

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夏休み編 会長選挙 其のニ

達也が遥の元から帰って直ぐに 1-Eに来訪者が現れた それは真由美と鈴音 

 

「達也君 ちょっと時間を貰いたいんだけど」

 

「・・・」

 

「大丈夫よ、生徒会の公務って事にすれば原点されないから」

 

達也が連行された場所は生徒会室

 

「授業中にすみません。ですが もう 日が無いので」

 

「別に構いませんよ」

 

「フフッ 有難う、それで、早速なんだけど、実は今度の選挙ー」

 

「深雪にはまだ早いですよ」

 

「深雪さんにー・・・なんで分ったの?」

 

「少し考えれば分かります。時期が時期だし、選挙の話なのは直ぐに分かります、しかも休み時間じゃなくて授業中となれば・・・」

 

普段なら真由美相手に此処までのことはしない しかし 鈴音が同行しているので、余り自分が不利になりそうなリスクは減らしておきたかった。

 

「今のアイツに組織のトップは無理ですよ」

 

「中学時代に経験は」

 

「俺が辞めさせました」

 

「なぜ?深雪さん、しっかりしてるじゃない」

 

「俺の世話の焼き過ぎなのかもしれませんが、アイツは良く暴走しますから、自分のコントロールも上手くできない内はやらせませんよ」

 

「でも困ったな~候補者がいないなんて 深雪さんがダメとなると・・・」

 

「お二人共 深雪に拘り過ぎじゃないですか? そもそも中条先輩が立候補すれば全て丸く収まる話でしょ。服部先輩が時期会頭なら、時期会長は深雪じゃなくて中条先輩でしょ」

 

「それはそうですが・・・」

 

しかし実際にこの状況が出来上がっているのは あずさが首を縦に振らないから。

 

「・・・なら説得してみましょうか?」

 

「え? ホント? 流石は達也君 頼りになるわ」

 

その日のランチタイムにあずさは来なかった。今日中にこの案件を片付けたい達也は仕方なくあずさのクラスに乗り込む事を決めた。早速 達也は深雪と共にあずさのいる教室に向かう。到着して直ぐに中の様子を覗う。幸いあずさは帰り支度をしている最中だ。即座に踏み込む。突然現れた達也と深雪に驚いた上級生だがそれはわずかな時間 達也の目線の先があずさなのでなんとなく二人の来訪理由を察した

 

「中条先輩」

 

「な なんですか? 司波君 こんな処まで来て」

 

さすがのあずさも二人の来訪には直ぐに気が付いたが後輩相手に逃げる訳にもいかない。

 

「少しご相談したい事がありまして」

 

「はぁ~ 相談ですか? 明日じゃダメですか?今日は私 時間がー」

 

「直ぐに済む事ですから」

 

「で、でも~ え?え~」

 

渋るあずさを達也は強引に抱えて教室を後にした。教室を出る際 一部の女子生徒等が『以外に強引』などの色んなセリフが聞こえたが達也がそれを気にするはずもない。

あずさが連行されたのはカフェだった。

 

「手短にいいます」

 

席に着いてすぐに達也が切り出す

 

「選挙に出て下さい」

 

「説得の依頼でも受けたんですか?」

 

「そうですね」

 

「私には無理ですよ~」

 

「先輩が首を縦に振るまで返しませんよ」

 

「え!!そんな~」

 

「さて、時間が掛かりそうだから飲み物を持ってくるよ」

 

そう言って立ち上がった達也の懐から何かが落ちた。あずさは仕方なく自分の足元近くに落ちた、それを拾おうとして固まる

 

「こ、これって」

 

「あぁ、御免なさい。それ、再来週発売になるFLTの飛行デバイスなんですよ」

 

「シ、シルバーの最新作!? なんで持ってるんですか?」

 

「会長の就任祝いにしようかと思ったんですけど無駄になりましたね」

 

その達也の発言を聞いて

 

「やります。 私やっぱり選挙に立候補します」

 

 

その後あずさの立候補届け出は即座に受理された

 

会長選挙 前日 お昼休み 生徒会室

 

「でも 一体どんな手を使ったの?」

 

「別に何も」

 

「怪しい。まぁ、でも良かったわ。これで本番まで何の問題もないわね」

 

「イヤ あるでしょ。本番の生徒総会」

 

「あれだけ春に大見得切ったからから 今更引っ込める訳にもいかんしな」

 

「引っ込めるつもりはありません」

 

「暴走者が出ないか心配してたんですが 杞憂でしたね」

 

「ウチの生徒に、コイツに挑むバカはいないだろ」

 

「用心に越したことはないでしょ」

 

「しかし 急にどうした 君がそんな事言うなんて」

 

「急ですか。一部の生徒が会長の提案を潰そうとしてるみたいですよ。勿論 今の処 失敗してるようですが」

 

「その噂は聞いてはいるが」

 

「反対派にとっては今日と明日しかないんだから、会長は今日 一人にならない方がいいんじゃないんですか?」

 

「達也君 流石にそれは大袈裟すぎじゃない?」

 

「一体 どんな情報を掴んでいるんだ」

 

「何も掴んでないから忠告してるんです」

 

昼休みももうすぐ終わるので教室に戻ろうとしていた達也と深雪だが摩利に呼び止められた

 

風紀員会本部

 

「実はさっきの話 私も達也君と同じ懸念を抱いている」

 

「生徒会役員一科生限定廃止案の反対派の?」

 

「あぁ 私も アイツ等が大人し過ぎると思っている。裏工作が思いの他 成果が上がらないから、最終手段として暴力行為に走るかもしれん」

 

「かもしれませんね」

 

「真由美は人の悪意に疎い処があるからな。現に君の忠告も真面目に聞いてなかったし、いくら『マルチ・スコープ』を持っていても警戒心が抜けてるんじゃ意味がない。・・・そこで君達にアイツの護衛を頼みたいんだ」

 

「護衛?」

 

「イヤ アイツと一緒に下校してくれと云う事だ」

 

「それで家まで送れと」

 

「何もそこまで・・・イヤできればそこまで。取り敢えず、学校にいる間は私が何とかする。アイツ 下校の時は必ず一人だから、奴等が何か起こすとしたら下校中のハズだ。だが『術式解体』が使える君がいるなら大丈夫だろ」

 

「お任せ下さい 兄でしたら間違いはありません」

 

生徒会室

 

「これで明日の準備は完璧かな?」

 

「はい。資料も全部揃ってます」

 

「会場もチェック済みです」

 

「じゃあ 皆 上がっていいわよ」

 

しばらくして 服部とあずさが部屋を後にする

 

「深雪さんもリンちゃんももういいから」

 

「宜しければ 此方でもう少し待たせて戴きたいのですが」

 

「・・・達也君?」

 

「はい」

 

しばらくして 深雪が立ち上がり ドアの前で姿勢を正す 何事かと真由美は思ったが 直ぐに理解した

 

「待たせたな 深雪」

 

「いえ そのようなことは」

 

「(なんで 達也君が来ることが分かるのかしら?)」

 

「・・・会長 良ければ手伝いましょうか?」

 

「え! いいわよ 別に」

 

「そろそろ暗くなりますし、作業が残ってるなら手伝いますよ」

 

「あぁ 気を使わせたのね でもいいわ 私も 帰る事にするから」

 

「そうですか・・・なら 会長 駅まで御一緒しても?」

 

「いつものあの子達は?」

 

「アイツ等 皆 先に帰ってますよ」

 

「そう じゃあ 一緒に帰ろっか」

 

達也は真由美と一緒に下校する事に成功する。しかし、問題はこれからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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