九校戦 ルール説明 其の1
九校戦には、出場選手が一年生のみで行われる新人戦と学年制限がない本戦がある。
競技種目 1『モノリス・コード』 2『ミラージ・バット』 3『スピード・シューティング』 4『アイス・ピーラーズ・ブレイク』 5『バトル・ボード』 6『クラウド・ボール』
1は男子のみ、2は女子のみで行われる。残りは新人戦・本戦共に男女別に行われる。出場選手のエントリーは最大で2種目まで。
一年生エースの深雪は二種目掛け持ちは当たり前、深雪が選んだのは『アイス・ピーラーズ・ブレイク』と『ミラージ・バット』。
深雪が代表入りすれば 当然 代わりに選ばれていた生徒は強制的に代表から外される そんな事を簡単に納得できるはずもない。彼女達にとっても九校戦の代表と云うのは価値のあるものだ。深雪の代わりに『アイス・ピーラーズ・ブレイク』と『ミラージ・バット』に選ばれていた女子生徒はある行動を起こした。
「司波さんが成績がいいからって理由だけで代表選手に選ばれのは可笑しいです」
「そうです。ちゃんと適正も考えて下さい」
二人の女子生徒は深雪の適正審査を求め放課後に審査が行われた。
まずは『アイス・ピーラーズ・ブレイク』
この競技は 自陣の氷柱12本を守りながら相手の氷柱12本を壊す競技。審査方法は深雪と代表を外された女子生徒の一騎打ち。
結果は深雪の圧勝。一方的過ぎる程の展開だった。彼女は深雪に手も足も出なかった。深雪は強い魔法は使っていない。しかし彼女は深雪の干渉力を超えられなかった。
今回の急遽決まった適正審査には多くの観覧者がいた。深雪の圧倒的な実力に言葉も出ない。
適正審査は翌日も行われた。今日は『ミラージ・バット』の審査である
この競技は制限時間内に空中に投射されたホログラムを魔法で飛び上がりスティックで打ち、その打った数を競う競技。簡単な競技ではないホログラムは常に空中にある。現代魔法に飛行魔法はまだない。要するに競技中は常に跳躍し続けなければならないのだから。
審査方法は一騎打ちではない。『ミラージ・バット』は一対一ではないからだ。
今回の方法は複数の生徒が参加する。参加者は二人以外は上級生。その中に摩利の姿もある。摩利は常々深雪と勝負がしたかった。しかし学年が違う二人が勝負する機会は簡単に訪れない。今回の事は摩利にとって渡りに船である。その他の上級生は深雪の事が気に喰わない生徒のようだ。
そして、審査終了後。
珍しく摩利がへばっている。その近くには摩利以外の生徒と代表から外された生徒も倒れている。へばっている理由はサイオンの使い過ぎだ。
この現状に真由美は驚いていた。
「まさか、この学校の女子に摩利以上の体力バカがいるなんて」
摩利達がへばって動かない中、深雪は跳躍し続けていた。
「深雪さん、もういいわよ」
跳躍し続けていた深雪は跳躍を止め地上に降りる。
「お疲れさま、深雪さん。疲れたでしょう」
「いえ、まだ大丈夫です。最近は生徒会で忙しくて体を動かしていませんでしたから少々不安だったんですが」
その割には深雪は息を切らしていなかった。こうして、深雪の代表入りが決まった。
深雪が代表に決まってから時間の許す限り八雲の元で体を動かしていた。
「深雪そろそろ休憩した方がいいぞ」
「大丈夫です。お兄様。私は、まだやれます。先生、次をお願いします」
「うん、いいよ!処で達也君もどうだい?」
「結構です。どうせ、俺には・・・誰だ!」
「どうせ、俺には優しくしないくせに」と言いかけて止めてしまう。達也は茂みに向けシルバー・ホーンを構える。達也の眼は何かを捉えた。深雪もいつでも人を殺せる威力の魔法を待機させ達也の命令を待っている。
「おや、遥君。久しぶりだね」
どうやら八雲の知り合いらしい。しかし、その姿を見て達也と深雪も驚く。
「小野先生?」
八雲の知り合いだと云う人は二人も良く知る人物。第一高校、カウンセラー、小野 遥。
「まさか、司波君に気付かれるなんて」
「達也君に気付かれたくないなら気配を消すんじゃなくて偽るべきだったね」
「成程、勉強になります」
「あの、どうして、先生はここに」
「警戒しなくていいよ。遥君も僕の教え子だから」
「いきなり御免なさいね」
「大丈夫ですから此方の質問に答えて下さい」
「遥君、どうする?」
「ダメって、言っても、私のいない処で話すんでしょう」
「じゃあ、本人の許可も取れたことだし」
八雲は一呼吸おいて、
「遥君は公安の調査員なんだよ」
「ちゃんとカウンセラーの資格はあるしコッチが本職だからね」
「あぁ、成程」
「それと、私が九重先生に教えを受けたのは二年前から一年間だから司波君が兄弟子よ」
「一年?それにしては見事な隠形でしたけど」
「そりゃあ、私の魔法特性だもの」
「成程、BS魔法師ですか」
「その肩書は好きじゃないわ」
「すみません」
「まぁ、それより、私の身分は誰にも教えないでね」
「それくらいは分かってますよ。その代わり、ブランシュの様な事はもう懲り懲りですから何かあれば情報を下さいね」
「分かったわ。GIVE&TAKEで行きましょう」
二人は堅い握手を交わした。