東方合気神   作:憂鬱な者

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今年ももうすぐ終わりですね

その時に思うと長く感じますが
思い返すと一年は短く感じますよね

人の寿命は短いものです


【第四十ニ話】武道の見方

稽古をしばらく続けていると、いつの間にか日が暮れて来ていた

 

障子を開け

半分以上沈んでいる夕日を見て呟く

 

「おや、もうこんなに暗くなって来ましたか」

 

彼女は集合をかけ、弟子達を集める

 

 

「皆さんお疲れ様でした

コロコロと稽古が変わってしまいましたが、よくついてこれましたね

大分暗くなってきましたので今日はこの辺で終わりにしますね」

 

彼女は一呼吸置き、話を続ける

 

「終わりにする前に、少しお話をしましょうか」

 

弟子達を座らせ、彼女も正座する

 

「これは私が元の場所にいた時にあったことでしてね

私が講演をしていた時、何人かの人が私にこう聞いて来たんですよ

『試合をやらず、形稽古だけやって実戦で戦えるのか?』って

皆さんもそう思っている人は何人かいるでしょう

まぁ、大抵の人はそう思いますよ

でも、そう言う人は『形稽古を何故やるのか』が理解出来てないのですよ

勿論、基本の動きを覚える為ですがもっと深い所を知らないのです

『形稽古をすることで、基本の動きを覚え、且つ理合を知ること』です

大抵の方は形にばかりとらわれてます

だから皆、動きがどうのこうの言う訳です

動きがどうこうはどうでもいいのです

大切なのは形ではなく、何故効くかを知ることです

形稽古を通じてそれを知るのです

合気道に試合が無いのは『試合をしたところで修行にならない』というのもあります

合気道は基本をとことん鍛錬することで成長します

実践したって合気道は磨かれないのです

基本、基礎、根本を理解することが合気道の修行なのです

体を鍛えたり、実践したりするのは合気道に『必要無い』ものなのです

基本さえしっかりやり、理解するだけでいいのです

地球と同じです

大地があるから様々なものが生まれます

大地が滅茶苦茶なのに地上を弄ったって地球は栄えないでしょう?

基礎を固めることで応用が効くのです

皆さんは表面ばかり見て、奥底のものを見ていないのです

武道をやる側の人も同じです

ただ、技ばかり練習しても成長しません

『何故やるのか、何の意味があるのか』を理解しないと駄目です

合気道の開祖の方は『基本技を教えたら後は個人の自由』という風に教えていたそうです

無責任に感じますが、これが武道の正しい教え方なのです

教わるのではありません

自分で発見していくのが武道の修行なのです

皆さんも、いちいち私に聞くのではなく

自分で見つけ出す、理解するようにしてくださいね

武道は工場じゃないんです

同じ人を量産するのではなく、個人個人を成長させるものなのです

武道をやる理由は自由ですが

武道をスポーツジムと勘違いするのはよしてくださいね」

 

言い終わると彼女は弟子に号令をかけさせ

全員で一礼する

 

《ありがとうございました!!》

 

「はい、皆さんお気を付けて帰ってくださいね」

 

彼女は玄関まで全員を笑顔で見送った




どうでもいいですが
これを投稿する前の日は私の誕生日です
歳はとりたくないものです(まだ若いですが)
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