東方合気神   作:憂鬱な者

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達人の合気道は痛くないらしいけど不思議です。
本当に合気道には現在の人智が通用しません。


【第六話】和合入門

対決が終わり、昼になった。

 

瀬賀は紅魔館の庭を散歩していた。

美鈴と一緒に。

 

「ふん、ふ〜ん♪」

 

「……。」

 

幻想郷も丁度春で、とても気持ちのいい天気だ。

彼女はご機嫌で鼻歌まで歌う。

 

そんな彼女を見つめる美鈴。

 

そして彼女は突然背後から瀬賀に殴りかかったのだ。

 

「せいっ!!」

 

「ほいさっ。」

 

ドタン!!

 

彼女の拳はあっさりと避けられ、腕を捕られ、軽々と投げられる。

 

「くっ…。」

 

悔しさで言葉を失う。

 

そして彼女は突然瀬賀の前に土下座をし、叫ぶ。

 

「私を弟子にしてください!!」

 

突然の弟子入りに少し驚く瀬賀。

 

「いきなりどうしたのですか?」

 

「貴女の素晴らしい武術を学びたいのです!!お願いします!!」

 

「……。」

 

彼女は美鈴に背を向け、呟く。

 

「貴女は何故闘うのですか?」

 

「え?」

 

彼女に質問される。

 

「それは…。」

 

少し間を置き、答える。

 

「仲間を守る為です。」

 

「では貴女は平和とは何かわかりますか?」

 

「争いの無い世界のことです。」

 

「えぇ、確かに間違ってはいません。ですが…。」

 

彼女の方に振り向き、こう言う。

 

「貴女は敵を傷付けて平和が生まれると思いますか?」

 

「そ、それは…。悪はあってはいけないので多少の怪我は…。」

 

すると彼女は溜息を吐き、こう言う。

 

「それは駄目です。それでは貴女は憎まれ、敵は再び悪事を働くでしょう。」

 

「え?ではどうすればいいのですか?」

 

彼女はにっこりと微笑み彼女の肩に手を置き、答える。

 

「それは、敵とお友達になればいいのです。」

 

「そ、そんなこと出来ません!!敵の仲間になるなんて!!」

 

「そうじゃありません。自分を殺しにかかってくる敵に「憎しみ」を生ませないようにするのです。」

 

「そ、そんなことどうやって…。」

 

「貴女は既に経験している筈ですよ?」

 

「え?」

 

彼女は困惑する。

そんな様子の彼女に瀬賀はこう答える。

 

「貴女が私に投げられた時、痛かったですか?」

 

「え?…そ、そういえば全然痛くなかったです。」

 

「貴女はその時、私のことをどう思いましたか?

恨もうと思いましたか?」

 

「そ、そんなことありません!!」

 

その答えに彼女は微笑む。

 

「そう、相手を傷つけずに相手を感服させる。それが武術において「敵と友達になること」なのです。

傷付け、痛めつけて負かすなど、それは「和」から外れています。

相手を傷つけずに相手を負かす。そうすることで相手は憎もうとは思わなくなるのです。」

 

そう言われ彼女はハッと気付く。

 

「力で相手を迎撃するのではありません。

相手の「心」を受け入れ、それを受け流すのです。

そうすれば相手に「悪い心」を生まさず、相手の憎しみを「解消」出来るのです。」

 

「瀬賀さん…。」

 

「痛いというのは「心」に邪念が入るから感じるのです。

邪念を捨て、優しい心を攻撃に使うことで「傷付かない攻撃」になるのです。」

 

「つ、つまり、合気道というのは「誰も身体に、心に傷が付かない武術」ということですか?」

 

「正解!!」

 

すると彼女は美鈴の頭を撫でて褒める。

 

「合気道は「和合」の為の武道。

相手を叩きのめす為のものでは無いのです。」

 

「瀬賀さん…。いえ、先生と呼ばせてください!!」

 

「合気道を学びたいですか?」

 

「はい!!」

 

「誰も傷付けたくないですか?」

 

「はい!!」

 

すると彼女は笑顔で美鈴に手を差し伸べる。

 

「弟子入りを許可します。」

 

「—————っ!!ありがとうございます!!」

 

彼女は瀬賀の手を両手でギュッと握り、涙を流す。

 

紅 美鈴、合気道入門である。




遂にめーりんが合気道に入門!!

和合の武術「合気道」

その真髄を彼女が学んで行く物語の開幕である。

次回、タネ明かし?
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