東方合気神   作:憂鬱な者

8 / 48
植芝さんが弾丸を避けて相手を投げ飛ばすまでかかった時間がわかればもっとハッキリ証明出来るんだけどな〜。


【第八話】タネ明かし②

ナイフ止めの秘密がわかって御満悦の美鈴。

そこで彼女はもう1つ聞いた。

 

「では、あの瞬間移動はどうやったのですか?」

 

「あれも大したことでは無いですよ?」

 

「はぁ。」

 

「ここに石ころがあります。

これを投げるとどんな軌道を描くでしょう?」

 

「放物線を描きますよね?」

 

「これをウンと速く投げるとどうなるでしょう?」

 

「遠くに飛びますよね?」

 

「速く投げるたびにどうなります?」

 

「直線に近くなりますよね?」

 

「はい、ナイフも同じですよね?」

 

「はい。」

 

「つまりどうなります?」

 

「え、え〜っと、狙った所に真っ直ぐ飛びますよね?」

 

「正解。

では、もし『軌道が見えたら』避けられますか?」

 

「え?それはそうですよ。

その軌道の線に当たらなければいいのですから。

も、もしかして。

見えるんですか?」

 

そう言われ彼女はニヤリと笑う。

 

「えぇ、見えますよ。」

 

「う、嘘ですよね?」

 

「嘘じゃありません。

物が飛んでくるときに『光の玉』が飛んでくるんですよ。」

 

「光の玉?」

 

「えぇ、それが何かはわかりませんが、その光の玉が描いた軌道を通って物が飛んでくるのです。

ですから、その軌道を避ければナイフは当たりません。」

 

「で、でも、ナイフは何十本とありましたよ?」

 

そう言われ彼女は手を出す。

 

「ナイフは両刃でした。

この手の縁を刃だと思ってください。」

 

「え?は、はい。」

 

「では私の手をナイフだと思って摘んでみてください。」

 

「こ、こうですか?」

 

「今、何処に触れてます?」

 

「手の甲と手の平です。」

 

「これをあのナイフに例えると?」

 

「あ!!ただの刀身ですよね!?」

 

「正解!!

刃物は刃の方から見ると鋭利な物体ですが、横から見ると『ただの板』です。

ただの板を触っても切れませんよね?」

 

「え、つまり、先生はナイフの側面を触っていたのですか?」

 

「はい、あのナイフの群れの中を『掻き分ける』ように進んでました。」

 

「な、なるほど。

確かにナイフの向きは全部揃ってましたから、両手を揃えて蛇のように進めば簡単に進めますよね。」

 

そう、おまけに彼女は小柄なので尚更簡単である。

 

「で、でもあの瞬間移動はどうやったんですか?」

 

「瞬間移動?

私はいくらなんでも瞬間移動なんて出来ませんよ。」

 

「え?」

 

「ボールを蹴るとどうなります?」

 

「飛んでいきます。」

 

「ボールは遠くに飛ぶ度に速度はどうなります?」

 

「落ちていきますよね?」

 

「では、ボールを蹴った瞬間は?」

 

「凄く速いですよね?」

 

「では走る時は如何でしょう?」

 

「え〜っと、結構速いですよね?」

 

「では、その『瞬間』をずっと続けたらどうなりますか?」

 

「すごく…速いです…。」

 

「はい、物体が動く際に『初速』というものがあります。

この初速というのは物体を飛ばす際に『1番速い』瞬間です。

徐々に加速するものは除きますけどね。

人間が走り出す瞬間の速度もかなり速いものなんです。」

 

※あのウ○イン・ボルトのトップスピードは42〜48km/hと言われています(これはイエネコの走る速度に匹敵します)

因みに平均速度は37〜8km/hです。

 

「私と彼女の距離は5mほどでした。

仮に私が時速40kmで動いたとしたらどれくらい時間がかかると思います?」

 

「え、え〜っと。」

 

「0.55秒かかります。

瞬きにかかる時間は0.1〜0.2秒です。

間をとって0.15としましょう。

ものを見てから反応するまでの総度は平均で0.2秒程です。

つまり、0.55-0.35=0.2秒です。

人間の反応速度は今言った通り、0.2秒程です。

私はもっと速く動けますからこの結果より速いでしょうね。」

 

「え、え〜っと。

それってどれくらい凄いのですか?」

 

「食べ物を食べようとした時に溢して、それを地面に落ちる前にキャッチするくらいです。」

 

「何それ凄いです。」

 

「まぁ、簡単に言えば、『人間の反応速度に入る前に相手に到達した』ってことです。

つまり、視認出来ないわけですから『瞬間移動』したように見えるかもしれませんね。」

 

「ち、ちょっと待ってください!!

あの、人間の反応速度に入らない速度で動くって、先生も人間じゃないですか!!」

 

「ふふふ、言うと思いましたよ。

美鈴さん、『条件反射』って知ってますか?」

 

「え?なんですかそれ?」

 

「ものを見ただけで『勝手に反応する』反射神経の一種です。

例えば、梅干を見ると唾液が出ますよね?

あれも条件反射です。

つまり『無意識』に反応するものなんです。

動く際に、視認及び反応→脳→思考→決定→脊髄→筋肉と信号が送られますが。

反射神経などは、視認及び反応→脳→脊髄→筋肉と2つの工程がカットされるのです。

そのため、反射神経は反応速度がとても速いのです。

私は反射的に動きました。

つまり反射神経で動いたわけです。

それに加え、私は特別なことをしてさらに速く動いてます。

ですから私は常人ではありえない速さで行動出来るわけです。」

 

「な、なるほど、つまり先生は『反射神経と特別な動き方で相手に反応される前に倒した』ということですね?」

 

「正解!!

謎は解けましたか?」

 

「はい!!ありがとうございます!!」




この理論は私が考察したものです。
こうでもしなければ不可能ですから。
一応、理論上可能です。
【条件】
①40km/h以上で動く
②距離が5m以下
③速度を落とさない
④見ている人が丁度瞬きをする
⑤見ている人が絵に描いたほど凡人
これらの条件を全て満たせば貴方私も「瞬間移動」ができます。

次回、特別な動き方とは?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。