上新粉氏と共通のキャラとテーマで間接的コラボを実現致しました。

島風と響の織り成す危険なラブロマンスをお楽しみに



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島風と響の真実を刮目せよ!!


ケッコン(本気)の代償

戦いだけが日常だった私の前に、突如舞い降りた天使の様な太陽……その快活な彼女は性別の隔てなく万人に愛され、不覚にも私は彼女の虜になってしまった。

 

「響ぃ!あの島まで競争だよー!アタシの速さに追い付けるかな~?アッハハ~」

 

「……いや、むりだって」

 

苦笑しつつもいつも通り私は彼女……島風の後ろをついて行くんだ。

 

いつもの事なんだ……

 

私は島風を後ろから見守る、島風には指一本だって触れさせないんだ!

 

そう思ってずっと一緒にやって来た私達の関係は、無慈悲にも音をたてて崩れ落ちる事になった。

 

 

ある日の夕方、日も傾き茜色の空が藍色に染まるのを二人で眺めてた。

 

勿論お互いに手を軽く握っている。

 

「ねぇ響?驚かないで聞いてね?」

 

「ん?どうしたんだ?」

 

日が沈み辺りは深淵の闇に包まれる、吹きすさむ風に何か嫌な予感の様なものを感じながらただ静かに島風の言の葉に耳を傾ける。

 

島風の心音が激しく鼓動している。

 

「島風?緊張しているのか?言い難い事なら焦らなくても良いよ?」

 

「だ、大丈夫……言うよ!」

 

「うん……」

 

正直この空気は重苦しい、ここで軽いノリのジョークが飛ばせる性格だったらどんなに楽なことか、残念ながら私にその様なスペックは備わってはいない。

 

「私……提督とケッコン(本気)することになったんだ!響は……祝福して……くれるよね?」

 

「……あはっ、モチロンダヨ、シマカゼの決めたコトナンダ……オイワイする……」

 

島風はその後提督の魅力について何か言っていたみたいだけど、全く耳に入ってこなかった……

 

「ごめん私……明日は早いしもう寝るね?」

 

「はっやーいのは良いことだね!おやすみ私の最高のお友達っ!」

 

「……」

 

イヤだ……嘘だ!無理だ!有り得ない!невозможно!

 

どうすれば?いやでも、別にケッコンくらいで私達の絆は轟沈したりしない!

 

そうと決まれば善は急げとも言う、今一度島風との絆を深める為に食事に誘わないといけない

 

私は息を切らせながら島風の寝室に向かった。

 

「ふふ、こんな事ではまた島風におっそーいと叱られてしまうな」

 

島風の寝室前

 

「おーぃ……ん?」

 

寝室から島風の声が聞こえる。

 

「……?」

 

いけない事とは知りつつも声をかける勇気が出ないから聞き耳を立ててみる……

 

「あんっ!提督ぅ~もっと……」

 

「っっ!!!」

 

なんだ!?この……ざわざわとした嫌な感情の隆起は?

 

「あっはっ!すごいっ!提督すごいよぅ~」

 

「うっ!おぇっ!!!げぼぅ!!」

 

私の中に渦巻き溢れでる得たいの知れない負の感情が身体中に警笛をならし、拒絶反応の如く胃の中のモノを全て吐き出してしまった。

 

「うぅ……じ、じまがぜぇ……」

 

胃液混じりの酸味の効いた臭いが漂う……

 

「いやだ、いやだよ!」

 

 

 

 

どうやら私は気を失ってしまったらしい、気が付いたら

自分の部屋のベッドで横になっていた。

 

「夢……なわけないよね……」

 

口内に広がる吐瀉物の風味を口一杯に感じ現実の世界であることを実感する。

 

「あっ?響ぃ!!!気が付いたの!良かったよー!!」

 

愛しの島風が私に抱き付いてくる、自然の摂理の様に私は島風の可愛らしい唇を強引に奪っていた。

 

「んんっ?」

 

「はぁ、島風ぇ、んちゅっ」

 

強引に奪った唇の更に奥に舌を滑り込ませ、島風の口内の隅々まで舐め回す。

 

「んふぅ!!や、やめて!」

 

島風は私の肩を思い切り押し離し距離をとってしまった。

 

「提督にはもっと凄い事……されてたんだよね?」

 

島風は私に恐怖心を抱いたのか泣きながら尻餅をついて後ずさる。

 

「私から離れていく島風の足は……もう、速くなくていいよ……」

 

「ひっ!た、助けて……提督ぅ!!!」

 

「うるさいっっ!!」

 

「………………」

 

「…………」

 

「……」

 

 

私の隣にはずっと島風が一緒だ。

 

「あ……あぁ……アタシの……足が……」

 

島風の足はズタズタに引き裂かれ修復不可能な迄に痛め付けられていた。

 

翌日この事件は提督の権限で隠蔽され、島風のケッコンは破棄された。

 

 

ふふっ……もう離さないよ、私の愛しい太陽……

 

提督に捨てられた心の傷は私の愛で埋めてあげるよ!

 

「島風ぇ~おーい!」

 

島風の部屋のドアノブに手をかける。

 

イヤにドアが重たい……

 

「立て付けが悪いのかな?」

 

思い切りドアを開ける。

 

「……!!!!!」

 

ドアノブにはタオルが結ばれてそのタオルは島風のか細い首に巻き付いていた。

 

「い……いやぁー!!!!!」

 

………………

 

…………

 

……

 

「うわぁあー!!!!」

 

「ん?どうしたの響?」

 

夢?なんて最悪な悪夢だろう……でも……夢で良かったぁ……

 

 

「ちょっと!響ぃ?聞いてる?」

 

「えっ?あぁごめん、なんだっけ?」

 

どうやら島風と話していて寝てしまったらしい、最近寝不足だったからな~

 

「だから!提督とケッコン(本気)のプロポーズされたんだ~返事は明日聞きにくるんだって?どうしたらいいかな?」

 

「……」

 

「……響?」

 

「提督はガチホモだからやめておきな」

 

「え?まじ?わかった、響がそう言うんならそうなんだね?危なかったぁ~、ガチホモはないわぁ」

 

 

 

トゥルーエンド




こんなこともたまにはあるさ


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