クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 銀河の守護者 作:オービタル
灼熱の炎が吹き出る世界『ムスペルヘイム』…コモンは上半身裸で50キロもある溶岩石を引っ張っぱりながら山山路を走り登っていた。ムスペルヘイムの高熱に身体から大量の汗が流れており、気温は80℃以上まで上っていた
「ハァ!ハァ!ハァ!ハァ!ハァ!ハァ!」
コモンと共に登っているバルトはコモンの先頭を走っていた。
「オラァ!どうした!!?疲れたか!!?」
元気溌剌なバルトにコモンは唖然する。こんな熱い中で張り切るバルトの姿を見て、どうも思わないのかと…。コモンは毎回水分補給をしながら、山路を歩き、ようやく山頂まで登り着くと、バルトが待っていた。
「お〜!ようやく戻ったか!対した奴だなぁ♪」
バルトはそう言い、山から見えるムスペルヘイムの景色を眺める。
「そう言えば…陽弥の奴もお前と同じ屁ばっていたからなぁ…この熱さ、どうにかならんのか?って…俺に質問して来やがったんだよ」
バルトが陽弥の過去の出来事を話すと、コモンが問う。
「陽弥さんが?」
「そう…それからアイツは、幾段の修行を乗り越え、対にはこの灼熱のムスペルヘイムや極寒のヨトゥンヘイムの熱さと寒さも全く感じなくなってしまったんだ……それ程にとてつもないハードなトレーニングをやったと思う。そうしなければ、こんな熱い中をどうやって軽々登ることが出来る?」
「……精神を清めたから?」
「そう!アイツはあそこにある山」
バルトの指差す方向に水が溜まっている山を見る。
「あれって……温泉!?」
「そう、此処には温泉があって…陽弥の奴はそこでサウナの様に熱さを完全克服するまで粘ったんだろう……因みにあそこの温泉は温かいがサウナはここより20℃も高くなっている♪」
「それってつまり……」
「つまり…この山の気温は80℃。彼処の温泉と言うよりサウナの気温は100℃と言う事になる。…付いてこい!温泉へ行くぞ!」
バルトはそう言い、コモンも一緒に山を下りていき、温泉のある温泉郷へと向かった。
温泉用の水着に着替えたコモンは温泉に漬かる。
「ハァ〜〜!一汗かいた後に風呂に入るの……何日振りなんだろう………ん?」
コモンは、巨人用の温泉に漬かるムスペルヘイムの巨人達を見る。
「皆、デカイなぁ……僕もあんな風に巨大化できたらなぁ……」
コモンは巨人に憧れ、温泉の温かい泉に癒やされるのであった。
一方、アストラは小人の世界"ニルヴァーナ"でドミニカにこっ酷く扱かれていた。
「オラァッ!!どうした!動きが鈍いぞ!」
ドミニカは小さな体で槍と盾を駆使し、大剣を構えたアストラを翻弄する。さらに槍と盾、大剣がぶつかり合う。
「クッ!速すぎる!しかも頑丈だ…!」
アストラの額に汗が流れ、慎重にドミニカの動きに気を付ける。
「何処だ!……出てこい!!」
アストラが叫んだ直後、3時の方向からドミニカが目にも止まらぬ速さで、槍を突き付ける。
「フッ!!」
アストラはそれに気付き、回避する。鋭く尖った槍の矛先がアストラの頬を掠り、傷から血が流れる。
「ヤバイなぁ…これ…カロスの野郎やベイボルス以上だ!」
そしてドミニカの槍がアストラの目の前にまで来ており、大剣で何とか振り切るのであった。
その頃、別の宇宙では……
「バカ…な…………たった…13機の機…体に…俺達シャンドゥア艦隊が全滅ッ!!!」
艦長が死に際に言おうとした直後、ジスタードのフレシキブルブレードアームが、艦橋を突き刺し、撃沈した。500隻も浮遊していたシャンドゥア艦隊が、火を吹きながら、爆発する。そして爆炎の中から12機のロブを連れて飛翔する陽弥のジスタードが出てきた。それを見ていた共和国艦隊の兵士達が陽弥の戦闘を見て唖然していた。
「嘘だろ……」
「シャンドゥア艦隊が……全滅?アイツ……あのジスタードと無人戦闘機を操っているの……一体何処の誰なんだ?」
誰もがそう思い、陽弥のジスタードが格納庫へ戻って来た。陽弥はジスタードから下りると、共和国兵士達が喜びながら陽弥を持ち上げ、胴上げする。
「何何何何何!?!?」
すると陽弥の所に共和国移民護衛艦隊を率いて、共和国旗艦アネモネス級二番艦『ウンディーネ』艦長"アリマルド・ヘルツ"が現れた。
「先程の戦闘、見事でした。貴方は…一体?」
「艦長…民間人リストによれば、名前は"ゾンネ・シュリーフォークト"と名乗っていました。」
「ゾンネ・シュリーフォークト……まるで貴族の様な名前だな……まぁ、良い、民兵として君に頼みたい事がある…我々、共和国軍の力を貸してくれ。」
「……えぇ、謹んでお受けしましょう」
陽弥はそう言い、共和国本部がある惑星ライラックへと向かうのであった。