クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 銀河の守護者 作:オービタル
第一宇宙……見事にアリアードが率いる秩序軍は見事にガイラスの艦隊を撤退へ追いやり、秩序軍万能戦闘母艦『スペースノア』では、アリアードがスペースノアや護衛艦を指揮をしていた。
「通信を見失うな!信号をブーストしろ!」
そしてモニター画面にノイズが酷いが、銀河大統領が映る。
「何処からともなく現れた!………宇宙帝国ディアヴォリアスと名乗る軍事組織の侵略だ!!………秩序軍加勢の組織がことごとく潰されて行く!……それ程長くは持たない!」
「銀河大統領!」
「第九宇宙へ向かえ!そこに帝国に抗う共和国が存在する!」
大統領の言葉を聞き入れたアリアードは敬礼し、そして映像が途切れた。
「第九宇宙に…奴等に抗う共和国が……」
一方その情報は、第三宇宙や第八宇宙、第十一宇宙にまで広がっていた。
第三宇宙で、カロルの部隊の侵攻を防いだメリダは、行政府から第九宇宙への航行せよとの命令がくだされていた。
「私が貧相な第九宇宙へ行けと?言っておきますが、私はあんな貧相な軍に、そんな戦力があるとは思いませんわ!」
「ですが、その共和国に…500隻のシャンドゥア艦隊がたった一気の真紅の機体によって全滅したとの情報もありまして……」
「500隻のシャンドゥア艦隊が?」
メリダが兵士の言葉に興味を持つと同時に、兵士の顔に近付くと…。
「フンッ!余裕だね!500隻の艦隊なんて!だいたい、何で共和国にそんな力がありますの?」
「何でも、その500隻の艦隊を沈めたのが…『仮面を付けた白銀の守護者』"ズィルヴァーン"と名乗っていまして……」
「ズィルバーン?誰ですの?」
「えぇ、ズィルバーンと言う方は…あらゆる戦況を打破し、帝国によって故郷を奪われ、行き場所を失った戦士達を拾い、隠密部隊を引き連れている謎の人物なのです。ズィルバーンにはリーラと言う女の子を養子として育てていると……。」
「へぇ〜、結構普通な人物なのですね、そのズィルバーンと言う人は……。」
「えぇ、ですが…中には彼についての噂が広まりつつあるのです……。」
「……噂?」
メリダは首を傾げ、兵士の話を聞くのであった。丁度それは、第八宇宙にいるシーラも聞いていた。
「"奴には元の宇宙に愛する妻子と家族"がいると……なるほど、一度相手したいものだ……。」
シーラはそう言い、狩りを終えると洞窟内に隠していたシーラの機体『ルティエラ』が空の彼方へと舞う。
第十一宇宙……孤児を引き取り、親代わりを務めるエルネアは被災地での救護ボランティア活動をしていた。すると彼女の元に聖府軍直属諜報員が、情報を持ってきた。
「各部のエリート兵士が第九宇宙の共和国へと向かっている……何故ですの?」
「何でも、そのズィルバーンと言う方は26人の孤児を一人で、弟妹の様に育てたとの……」
「まぁ!それは本当ですの!それだったら、同じ親代わりとしての血が高ぶりますわ♪こうしてはおれません!私達も急いでそのズィルバーンと言う方がいる宇宙ヘ行きましょう♪」
エルネアは急いで荷物をまとめる準備をすると、諜報員がある事を言う。
「後、もう一つ……そのズィルバーンには妻子がおりまして、その妻子が………エルネア様と同じ"クアンタ人"との不確かな情報を見つけたのです。」
「えぇっ!?私と同じ……クアンタ人!?まぁ!もしかしたら、生き残った従姉妹かもしれませんね!」
「あ…は〜……」
その頃、隠密部隊前線基地では…陽弥がある物の開発に取り込んでいた。
「良し、後はこのチップをニューロデバイスに取り付ければ、コイツは蘇る…」
陽弥はそう考えていると、扉からノック音聞こえ、カイエンが入ってきた。
「頭領、第一宇宙の秩序軍艦隊から通信が入りましたよ」
「秩序軍が?」
「はい、何でも……アリアードと名乗る人物が貴方様と話がしたいと……」
「誰だろう?……」
陽弥は仮面を付け、客室へと向かう。客室にアリアードや彼女の側に秩序軍の護衛もいた。
「お前がズィルバーンか?」
「……そうだ、他に誰が言うか?」
「いえ、失礼……本人なのか確かめたかったので……」
「言われなくとも、私は正真正銘『仮面を付けた白銀の守護者』ズィルバーンですよ♪」
「そうか……なら、率直に貴殿に言う、隠密頭領……我々秩序軍の傘下に入ってくれないか?」
「……何故、我らにそのような事を?」
「無理を言ってすまない…だが、共和国政府から許可は下りている。」
「別に構いませんよ、同じ宇宙帝国を打倒する同士となら、喜んで尽くしましょう♪」
「おぉ!なら、共に戦ってくれる…「一つだけ、お伺いしてもよろしいでしょうか…」?」
アリアードは首を傾げると、陽弥は言う。
「何故……貴女の機体は…私の"001"(シグムディア)と同じ外見なのでしょうかねぇ……アリアンロード・ヴェルデ・クアンタ姫殿下♪」
「え?」
すると陽弥から異常な電磁波が放たれ、空間が歪んでいく。
「これは!?」
アリアードは驚くと、護衛や隠密部隊の人の動きが止まる。
「っ!?」
「さて……この空間なら、お互いの知っている事が話せるでしょう♪」
「ズィルバーン、お前は……一体何者?」
「ズィルバーン……この名は偽名であり、姫殿下の従姉妹のレグレシア家の夫でもあります……」
陽弥はそう言い、仮面を取り外した。
「お前は……?」
「俺の本名は陽弥・ギデオン……レグレシア家の次女『エミリア・レグレシア・クアンタ』の夫であり、護星神だ!!」
「護星神!?それにレグレシア家の夫と言うことは!?」
「俺はアンタの従姉妹であるエミリアの夫で、アンタの従弟であるんだ。そしてアンタの先祖と言うより、クアンタの遺物を調査している種族大銀河連合の王様と言う事になるな……」
「種族大銀河連合の…王」
「まぁ、星を守る神様と言ってもいいが、この空間内では普通に"陽弥"と呼び捨てでも良いぞ」
「……」
「?」
陽弥はアリアードに手を振る。
「もしも〜し?」
「!?……すまない、貴殿の言葉が衝撃すぎて、何と言えば……」
「仰天?」
「えぇ……無理もない、本来なら本当の姿で話したいんだがな……」
「本当の姿?」
「えぇ、カオスが宇宙帝国に囚われている俺の為に……擬似体を生み出してくれたんだ……」
「囚われている?何故?」
「アリアード姫殿下…帝国はどうやってあんな戦力を維持できているのか、知っていますか?そしてどうやって兵隊達を増殖させる事が出来るのかを……」
「え?」
「かつてクアンタの祖先が作り出してしまった四大エネルギー…"インフィニティソウル"、"クアンタニウムハート"、"グリゴリ(ダークマタージュエル)"、"アーククリスタル"は俺やエミリア…三人の子供にも宿っている……」
「何ですって!?」
「俺のその力は……宇宙帝国軍の本拠地でも言える『デススフィア』のエネルギーコアとして囚われているんだ…そして宇宙帝国の大皇帝であるドレギアスは、俺の娘であるマナの力を奪い、ザ・コアを探し、完全体へなろうとしている……そうなれば、全神々でも……打つ手が無くなってしまう。しかも奴は…ギガオロチの力も手にしている…」
「ギガオロチ!?かつて私の祖先や…」
「エミリアの祖先や残りの王家の祖先が必死に封印した災禍の超魔獣…一回相手したけど、あと一歩のところでドレギアスに邪魔をされた………既に多くの種族や神々が消されて行っている……今、残っている神はエジプト神族とティタン神族、オリュンポス神族、アースガルズ神族となってしまった……共に刃向かっていた神族達はドレギアスに吸収された…その中にはブラムと微かだがベリトの力も感じた……一刻も早く、囚われている俺と一緒に囚われている勇人の世界の地球人を本来あるべきのオリジナルに戻さなければ、全宇宙が滅びる……。」
「どうすれば!?」
「……解決策は一つ、奴より先にザ・コアに願いを叶える。先ず、勇人の世界の地球人をクローンからオリジナルへと遺伝子を書き換え、次に暗黒の狭間から囚われている地球人をグランドスフィアに保護する。最後に俺の体とこの体、そしてブラムとベリトを解放させ、ブラムと融合し、スペクトロブス達や仲間を呼び、一気に宇宙帝国を叩く。」
「ザ・コア?」
「アリアードは知らないのですか?ザ・コアと言う存在が……かつて俺と共に戦ってくれる友の世界で、聞いたのだ。『星と星が融合し、二人の歌奏でる時、ザ・コアは姿を現すと……』それが現れし時、願いを叶えられる……その友の名は、レオン・マクライト……ドレギアスを一度倒した戦士だ」
「一度倒した!?」
「倒した、が……奴は死ぬ前に大破した武器に、一部を残し、俺が追放したマッドサイエンティストに拾われ、復活したんだ……分かるのは俺の善良な心と不注意のせいで、アリアードの住む宇宙や全宇宙に生きる種族、あの娘の親を殺してしまったと言う事だ……犯してしまった罪の罰、それを償う為に、カオスから神の称号を没収され、こうやって隠密頭領として活動しているんだ……。」
「そんな事が……」
「やり直せるんだ…俺の体が戻れば、戦況が大きく流れを良くなり、俺達の国家連合軍が動きだし奴等へ反抗の狼煙を上げてやる!」
「おぉ!何か陽弥が逞しく見えて来た!良し!私も全力で支える!」
「ありがとうございます、アリアード姫殿下…それともう一つ、各宇宙から……クアンタ皇家の末裔達が集結しようとしています」
「真か!?」
「えぇ、そして……」
陽弥はモニター画面に映し出された全宇宙の星図をアリアードに見せた。
「これは!?」
「俺の祖先やクアンタの祖先達が残した"オムニバース"だ……コーパスの奴等やドレギアスはこれを欲しがっていたんだ。そして……」
陽弥がザ・コアがある『惑星リィボラ』のアイコンが表示され、まだ時空の狭間に存在と判明した。
「クアンタ皇家の末裔達が集まり次第、クアンタのテクノロジーでここへ向かいます…良いですか?」
「えぇ」
陽弥とアリアードは互いに握手で交わし、客室に戻ると、オムニバースからある文書が表示された。
『長月の十五夜、血に染まりし紅き月と闇に染まりし漆黒の太陽が会い間見えた時、大厄災へと覚醒し、全てを喰らおうぞ、因果を捕食する厄災の大蛇......紅き月と漆黒の太陽を解放する黄昏の歌姫と共に核と種を喰らい、真なる絶望に覚醒し、究極にして最凶の混沌へと進化を遂げる……古の如く荒神、無限の体を得て、本来の姿へと覚醒し、大蛇を討ち取る……。』
その頃、デススフィア中心部の核融合炉で……洋介が囚われている陽弥を近づく。
「テメェの力……俺の物にしてやる!」
洋介はそう言い、陽弥に触れる。すると洋介の触れた手が黒く変色していく。
「グッ!!……ううっ!!……」
力と強欲を求める洋介の遺伝子が書き換えられいき、姿が急速に変わっていくのであった。