クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 銀河の守護者 作:オービタル
では、どうぞ
陽弥は客室にいるエッジ達と面会していた。
「さてと、率直に話そう............あの反応炉にあったエクサリウム結晶は..........あれはお前達の物か?」
すると皆の表情が厳しくなり、固まる。
「ハァ~.......やっぱり......」
「"やっぱり"とは、どう言うことなんですか?」
フェイズが問うと、陽弥は答える。
「お前達は........未来から来たって言っていたなぁ?.......」
皆は驚くと、レイミが言う。
「まさか.....?」
「そのまさかだ.........俺も未来から来た人間だ」
《っ?!!》
「僕たちの他にも......あの地球にあなたも?!」
「そうだ.......正確に答えると、君の達のいる宇宙ではなく、さらに遠くの未来から来た.........別の宇宙の者だ」
「別の宇宙から?!」
フェイズが驚くと、陽弥は説明した。
「今.......俺の宇宙には......邪神軍団国家『ネオ・グリゴリア大銀河帝国』があらゆる星々を食いつくしている........それを打破するのは、俺の宇宙に存在する多種族同盟国家がある..........その中で俺は、護星神と呼ばれる、かつて邪神軍団を滅ぼしたかけた神の後継者........人間世界を護るミッドガンドの護星神でもある」
《っ!!?》
陽弥が神と言うことに、驚愕した。
「ミャミャ!!?ハルヤって.......神様なの?!」
「そういやぁ、言ってなかったなぁ........まぁ、それは置いといて........俺らの世界にも、エクサリウム結晶がある........何故あいつらに渡した?」
「それは「俺のせいだからだ......」」
レイミが答えようとした直後、落ち込んでいるエッジが説明した。
「地球を消滅させた.......全部は俺の.......判断が......」
「そうかぁ.......」
すると客室の扉が開き、現れたのは皆の分の紅茶をティーワゴンごと持ってきたレイナであっ。
「ハルヤお兄ちゃん」
「ん?」
「お茶持ってきたよ♪」
「お、ありがとう.....レイナ」
レイナは紅茶を皆の所に届けると、レイミがレイナを見る。
「妹さんですか?」
「まぁ、........正確に答えると、あの地球で軍に拉致されて実験台されていたんだ.......それで俺の事を実の兄と思っているんだよ.....この子もたぶん......親がいたと思うんだ」
「ごめんなさい..............私、つい」
「いや、良いんだよ......レイミさん.........向こうにも面倒見の双子の妹がいるので、大丈夫です......」
すると今度はリムルが陽弥に質問してきた
「ねぇ?ハルたんはどこから来たの?」
「第二の地球でもある"ヴェクタ星"ともう1つの"地球"だよ」
陽弥は自分の世界の事を説明した。
「地球は......環境汚染で文明は滅んだが、僅かな地球人達は、自らの姿を遺伝子操作で巨大なドラゴンへとなり、環境に適し、汚染物質の浄化し、色んな異星人と交流し、和解していった。ヴェクタ星は超科学で地球の文明を再生すべく、努力している........だけど、」
「だけど?」
「一部は.......それを認めない者達がいるんだ......」
「認めない者達?」
「.......嫌.....これは話さない........話すとややこしくなるから........それに、」
するとヴィクトルーが現れ、陽弥に報告する。
「マスター、まもなく惑星ロークに着きます.....皆様準備をしてください」
惑星ローク.......橙色に染まった星だが、オメガプライムスは光学迷彩のまま着陸すると、青い海、青い空、白い雲、緑の大地があり、オメガプライムスは森の奥に着陸した。
「ここが、惑星ローク.........。」
レイミがロークを眺めていると、バッカスが惑星ロークの情報を報告してきた。
「うむ、文明のレベルは......君達の地球で言えば中世紀といったところだろう.....無論、この惑星の人類にとって、我々の科学力は在りえない存在となる。」
「もう.........干渉は.......したくない.....。」
エッジはまだ、アナザーアースの件でネガティブになっていた。
「ミスタ・エッジ。その点は配慮し、カルナスとオメガプライムスは光学迷彩によって姿を隠しておいた。自分も同様に姿を見せないでおこう。」
「ああ、.......頼むよ.......。」
「俺も、この惑星に馴染むために、服装を替えよう......このアーマーは目立ちすぎる」
すると陽弥は指を鳴らすと、アーマーが粒子変換し始め、朱に染まった銃士の制服へとなった。
「服が一瞬で替わった!」
レイミが驚くと、フェイズは陽弥のテクノロジーに納得する。
「流石、僕達のテクノロジーを遥かに超越しています........」
「越えているか.......こんな物が.....」
「?」
陽弥の言葉にエッジは首を傾げる。
「さ、さぁ、周辺の調査に行きましょう!」
レイミが気を取り直そうと、掛け声をした。下り道を歩み、海が見えてきた。皆は感動していた。だがエッジのネガティブは晴れなかった。陽弥は惑星ホライゾンに存在するヴァランドール皇国の海を思い浮かべた。陽弥達は坂道を歩いていると、後方からピンク色をした大きなウサギが上がってきて、そのウサギの後ろに黒いマントを来た銀色の少女が笑顔で陽弥達に手を振っていた。
「あれ 何だろ?」
レイミが問うと、陽弥が答える。
「ウサギ?」
「大きなウサたん.......なのよ?」
リムルも言うと、メリクルは何やら口元から涎が垂れていた。
「丸々太って美味しそうだねェ」
「おい、止めろ.......ウサギが可愛そう......」
陽弥がメリクルに注意すると、レイミはうらやましそうな表情をしていた。
「でも、あれなら山道も楽だし うらやましいかな.......ねっ そう思わない?エッジ」
「.........あぁ」
エッジは素直に答えると、リムルとメリクルはウサギを追っていく。
「........ウサたん 待つのよ~」
「待ってよ~ほんの一口だけでいいから~!」
「だから、止めろ......ウサギが可愛そ過ぎる」
陽弥はリムルとメリクルの後を追っていった。
「エッジさん?」
フェイズがエッジに声を掛けたが、エッジは黙り混んだままフェイズと一緒に追っていき、レイミも続いて行こうとした直後、
「きゃっ!......何?」
突然、レイミが脚を抑えたが、エッジ達の後を追っていった。
坂道から橋を渡り、その先に町が見えてきた。陽弥達は町に入ると、たくさんの商店街が並んでおり、メリクルに似た種族もいた。
「商店街は.......アウラの都と同じ風景だなぁ.....」
「アウラの都?」
フェイズが問うと、陽弥は説明した。
「あぁ、俺の世界の地球にある大きな都なんだ。そこには多くの種族が皆平等に暮らしているんだ.......」
陽弥は商店街を眺めていると、エッジが後方からくる何かに反応した。
「?」
出入り口のほうから不気味なフードを着た3人が何やら念仏を唱えていた。
「何だ?」
エッジが首を傾げる。
「またずいぶん奇妙な風体ですね」
「(町の者達は気にしてないないようだが)」
フェイズや光学迷彩で姿を隠しているバッカスは不気味な集団の事や、辺りにいる町の人も見るが、皆は気にしていない様子であった。
「別にいいよ 僕たちが関わることじゃない」
「......ええ」
陽弥達は道から下がり、集団は陽弥達を横切った直後、陽弥の瞳が黄色と紫色から緑に変色し、光出すと、不気味な集団から禍々しきオーラが漂っていた。
「.......?!(何だ......この感じは?)」
そして気が付くと、陽弥の瞳は緑から、元の黄色と紫に別れたオッドアイになっていた。
そして皆は町を散会し、レイミも行こうとした直後、また脚を抑えた。
「つぅ........っ!?」
それに気づいたエッジはレイミに声を掛ける。
「........大丈夫か?」
「ううん 平気」
「気をつけろよ」
そして、エッジは皆の所へ行く。
「.....しっかりしなくちゃね」
レイミは前を向き、エッジの後を追う。
そして陽弥は店で食料確保の為、ビタミン系の多い果物を買っていた。
「え~っと.....林檎、蜜柑、桃.....「あと!苺!」うん 苺を箱ごと.........え?」
突然の割り込みに、陽弥は後ろを見ると、オメガプライムスで留守番しているシャーラ、ラフィ、レイナがいた。
「シャーラ!ラフィ!それにレイナも......何でここに?」
「シャーラちゃんがお兄ちゃんがいないとつまんないからと言って.......」
「付いてきちゃったんかぁ........しょうがない........それを箱ごとくれ.....」
「あいよ!」
購入した食料を陽弥は呪文を唱えたり
「転送」
たくさんの箱の下から魔方陣が浮かび上がり、オメガプライムスへの倉庫へ転送された。
「果物系はOKとして、残りは肉類、野菜.......それと医薬、後......本だ........ラフィは本を読むのが好きだよな?」
「うん」
「よし、それも買ってあげよう.........」
陽弥達は辺りを見回している直後、
「きゃ~」
何処からか、間抜けな悲鳴が聞こえてきた。
「何かしら?」
「きゃーって言っているから 悲鳴じゃないかな?」
「悲鳴にしては いささか緊張感に欠けますね」
「はわわわわ やめてください~ だーれーかー お助けください~」
さらに助けを求める声が聞こえてくると、光学迷彩で隠れていたバッカスが現れ、奥の角道を見る。
「これより奥に 声の発生源を確認した その周囲には複数の生命反応も感知」
陽弥とシャーラ、ラフィ、レイナも自分達の脳波を使い、確かめると、
「本当!いっぱいいる!」
「確かに複数いる......」
「やっぱり悲鳴だミャッ!」
「エッジ!」
「..........」
しかし、エッジは黙り混んだ。
「......理由はどうあれ、助けを求める声を無視できないわ」
レイミが皆と共に奥へ向かていき、一人残されたエッジは悔やんでいた。
「僕は........僕はっ.......!」
奥の角を曲がった先に、複数の黒い服装をした兵が翼を持つ少女を連れ拐おうとしていた。
「誰か~ 助けてください~」
そしてそこにレイミ達が駆け付ける。
「その人を話なさい!」
すると黒い服装をした兵達は、鞘からククリ刀を抜刀し、少女の首に突き付ける。
「ひゃあっ」
《ッ!》
「なんと卑劣な」
流石の皆も、黙って見てるしかないと思い、黒い兵達が人質を連れて行こうとしたその時、
「くっそおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
後方からエッジが叫び走りながら、ソードを振り回し、翼を持った少女を救出した。
「わ わ わ!?」
エッジは飛び上がり、倒れた黒い兵達に突き付ける。
「こんなこと.......本当はするべきじゃない! なのに.........くそっ!」
エッジはそう言いながら、黒い兵達に怒鳴る。
「.......さっさと行くんだ.......いいから早く行けよ! 行ってくれ‼」
黒い兵達は怯えながら、逃げていった。すると陽弥がエッジに問う。
「逃がして良かったんか?せめて、この惑星の治安機構に引き渡すべきでは?」
「何をしてんるだ僕は.......!関わらない.....干渉しない.......そう決めたのに......」
「エッジ........」
レイミがさらにネガティブになるエッジを見ていると、リムルがエッジに言う。
「助けてって言われたら、えーたんは助けるのよ、あたりまえなのよ なのに どうして泣きそうなのよ? えーたんは全然悪いことはしてないのよ」
「........エッジさんも、君のように単純に考えられればいいんですがね」
リムルはフェイズの言葉に頬を膨らます。
「むうう......バカにされてる気がするのよ」
すると翼を持った少女が慌てる。
「はわわ なんとしたことでしょう~」
翼を持った少女は皆の前で、名前を言う。
「わたくしときたら、助けていただいたお礼も申し上げずに........サラ・ジェランドです~ 危ないところをありがとうです~」
するとサラの背中にある翼が動いた。それを見たリムルは驚く。
「う 動いたのよ!本物の羽なのよ!」
しかし、メリクルの方は........
「鳥.......鳥.......おいしそうだね.......じゅるる.......」
「コラ、止めなさい」
「ミャッ!?」
サラを鳥と勘違いして、さらに涎を垂らしている所を陽弥に見られ、怒られた。
「いえいえいえ~ 鳥ではないのですよ~ おいしくないのですよ~」
「でも......この世界にはいたんだな........翼を持っている種族なんて........」
陽弥はサラの翼と展開してはいないが、自分の虫の羽を見る。そして、陽弥達は事情を説明すると、サラはあっさりと納得した。
「そうですか~ 皆さん 旅の途中でしたか~ でもでも 本当におかげさまで助かりました~」
「.........やめてください」
「はい?」
エッジは突然、サラの礼に否定した。
「僕はあなたを助けるつもりも......関わるつもりも......」
「ても結局助けてくださいました~ ですから、やっぱりありがとうなんですよ~」
「............」
エッジは黙り混むと、サラが何かに気付く。
「.........あら?」
突然、サラがエッジとレイミの顔を確認する。
「ふむふむ.......」
「あ あの 私の顔に何か .......?」
「まあまあ、わたくし思い出しました~」
「思い出したって......いったい何をです?」
フェイズが問うと、サラは答える。
「はい レイミちゃんとエッジ君........でしたっけ?お二人のお顔を何処かで見た気がしたのです......そうです パージ神殿で見たことがあるんです~」
「ほう それはなかなか興味深い話だ」
光学迷彩を解除したバッカスが興味津々になる。
「はい~ パージ神殿はこの大陸の北西にある最も歴史のある神殿です~」
サラはようやくバッカスの存在に気付く。
「まぁ こちらの方は巨人さんですか~?なんと大きいんでしょう~」
「むっ.....しまった」
バッカスは急いで、光学迷彩で姿を隠し、陽弥が呆れた表情をしながら、言う。
「消えた.....」
「あらまあ 突然消えてしまわれました~」
「反応が遅すぎます......お二人とも」
フェイズも呆れながら、バッカスとサラに言う。そしてレイミはサラの言葉に興味を持つ。
「それで、私たちを見たことがあるっていうのは?」
「パージ神殿の石像です~.....ムーア人の石像なんですけど、お二人によく似ているんですよ~」
「ムーア......?」
「ムーア人はわたくしたちの祖ともいわてますが、今や存在するするかも分からない 幻の種族なのです~.....ここの歴史を語る上で決して外せず、その名を冠した大陸もあるのですよ~」
「ムーア.....あぁ、思い出しました」
「.........」
するとレイミの表情が一変した。
「確かカルディアノン人が、エッジさん達をムーアの末裔と」
「........あぁ」
「ムーア人と地球人に繋がりがあるのら、このロークとも、何らかの関連があるのでは?」
「(なるほど それは確かに考えられる.....ミスタ・フェイズの言う通りならば、地球とロークの起源に近付けるかもしれないな)」
「ええ 考えるだけでワクワクするじゃありませんか」
フェイズとバッカス、そして陽弥も元の世界にいるソフィアの父"タスク"の母親の事とサムのもう片方の先祖の事を考える。
「ムーアかぁ........(タスクさんのお母さんや爺ぃのもう1つの先祖........どんな種族なのか、調べてみよう......これは良い土産話になりそうだ♪)」
「フェイズが何だか....えーたんみたいなのよ」
リムルがフェイズがまるでエッジ見たいになっている
「どうでしょう? そのパージ神殿とやら 調査する価値があるかと」
「「............」」
エッジはともかく、レイミはムーアの事で、焦っていた。
「エッジさん.........レイミさん?」
二人を見ていた陽弥は考える。
「(エッジはともかく.........レイミは何かを隠している)」
「そう.......ですね.......向き合わなきゃ.............いけないですね.......」
「皆さん....パージ神殿に行かれるんですか~? ならわたくしもお仲間に加えてほしいです~、助けていただいお礼に道案内をさせてくださいませんか~?」
「えっ....サラたんも一緒に来るのよ?わーい!」
「鳥........じゃない、サラが一緒だとあたしも嬉しいよ~」
「はう~リムちゃんはともかく、メリちゃんは少し怖いです~」
リムルとメリクルはサラが一緒に来ることに喜んでいた。
「どうでしょう?現地の方が一緒と言うのは 何かと助かりますが」
「ええ そうですね.......」
「ダメだ!」
突然、エッジが断固両断した。
「この星の人間と一緒に行動なんて....絶対にダメだ!......たとえ今.....僕に指揮権がないとしてもそれだけは絶対に認められない!」
「エッジ.......」
「僕達はこれ以上......君達と深く関わる気はない....だから.......用がないならもう.....どこかに行ってくれ.....」
「エッジさん....それは少し言い過ぎじゃありませんか?」
「..........」
フェイズが注意するが、エッジはまた黙り混む。
「理由はどうあれ、先に接触したのは僕たちです、それにサラさんはあくまでも厚意で.......」
するとサラが優しい声で、励ます。
「いえいえ お気になさらず~....ですが、一つだけお節介させてくださいね~.....バーニィちゃんに乗らないと、パージ神殿には行けませんよ~」
「バーニィ.......?何ですかそれは?」
「今、町の外にちょうど遊牧民さん達が来てます~.詳しいことは彼等に聞いてくださいな~」
サラはそう言うと、何処かへと向かって去っていった。
「.........行きましょう」
陽弥達は、町の外にいる遊牧民のキャンプへ向かった。
町から出た陽弥達は、遊牧民のキャンプでバーニィについて話し合っていた。
「ここまで来ては見ましたが.......バーニィとは何なんでしょう?」
「そうですね........乗ると言うからには乗り物だと思いますけど」
「あたし、知ってるよ!.....バーニィはフサフサで丸っこくて.....美味しそう~なんだよ!」
「フサフサ?」
「もしかして、あの山道で会ったウサギ見たいな動物のことかしら」
「うん!それそれ!」
バーニィが山道で見たウサギだと分かり、レイミはキャンプの外で座っている老人に尋ねた。
「す・み・ま・せ~ん!バーニィについて、教えていただけませんか?」
すると老人は皆も分からない言語を話し出した。
「むー、何言っているか全然分からないのよ」
「メリクルさんはどうですか?ここが故郷だとしたら、あるいは........」
「ダメダメ、全然分かんないよ~」
「(モーフィスの翻訳機も役に立たない、言語のシステムが相当に古いようだ)」
「困りましたね.........」
皆が困っていると、キャンプのドアが開いた。
「お客さん?....あら?あなたたち.......」
現れたのは、バーニィに乗っていた黒いマントを着ていた少女であった。
「あなたは、あの時の........」
「ええ、不思議な格好していたからよく覚えているわ......」
少女はそう言い、レイミは事情を説明すると、少女は祖父の事を話した。
「ごめんなさい.....おじいちゃんは古代語しか使えないの.....でも私が通訳できますから何でも聞いてください」
「実はパージ神殿に行きたいのですが.......街で出会った方にバーニィに乗らなければ行けないと言われて」
「確かに流砂の砂漠はバーニィでなければ越えられないわ........」
「じゃあ、ちょうだい 食べないから~」
突然の発言に、皆は慌てる。
「たっ!...........食べるなんてとんでもない?!」
「ごめんね....バーニィはあげられないの......」
「何故ですか?」
陽弥は質問すると、少女は答える。
「あの子は赤ちゃんの頃からずっと一緒で私たちにとっては大切な家族だから.....家族を人にあげるなんて できないでしょ?」
「家族.......」
陽弥が突然暗い表情をし、エッジは陽弥の言葉に首を傾げる。
「?」
「確かにそうですね.........非礼な申し出を許していただければ幸いです」
フェイズが代わりに謝罪すると、少女は怒らなかった。
「真面目なのね あなたは.........大丈夫 おじいちゃんも私も怒っていないから」
「そうですか」
「じゃあ、これからどうすればいいのよ?」
リムルが言うと、少女はある提案を思い付く。
「そうね.......野バーニィを捕まえてみたら?」
「野バーニィ?」
「そこの森とかに住んでいる野生のバーニィよ......捕まえて あなたたちだけのバーニィにするの」
「そんな事ができるんですか?」
「勿論よ、だって私のバーニィも 野バーニィだもの......今、見せてあげるね」
少女はキャンプから数メートル離れた所に手を翳すと、紋章が浮かび上がり、ピンク色の体毛を持つバーニィが出てきた。
「きゃっ!」
「この子が私のバーニィよ 普段は野に放しておいて、必要な時に呼ぶの......私が子供の時に初めて捕まえたバーニィで今も大事な友達........さぁ、もう少し遊んでらっしゃい」
少女はそう言うと、また手を翳し、バーニィを元の場所へ転送した。そしてレイミ達は、あることに気付く。
「..........これって、リムちゃんが使う召喚呪文.......?」
「(いや、これは少し違う ミス・レイミ)」
突然バッカスが話だし、少女は辺りをキョロキョロした。
「あれ? 今の声は?」
話を剃らそうとフェイズが説明した。
「え ええとですね レイミさん.....召喚とは、いわば契約なんです」
「契約?」
「別世界の特定少数の者のみが その対象となります.......リムルも特定の魔物しか呼び出せないでしょう?」
「そう言えば、いつもケルベロスばかり.....」
「俺のは、スペクトロブス.....」
「陽弥さんも使えるのですか?」
「ああ、俺はこのコスモバイルを使って、オメガプライムスから彼らを呼び出しているんだ.......」
陽弥は左の籠手に収納されているコスモバイルを見せると、フェイズは地面に描かれている紋章を見る。
「だとしたら、彼女の技は 実は召喚と言うよりも.........むしろ転送.....不特定多数の物体を自由に移動させる事ができるんです....例えばワープならば、空間の距離を伸縮する事で移動にかかる時間自体を短くはできても.......その距離によってかかる時間は大きくなります」
ワープの事で、エッジの表情がさらにネガティブになり、レイミはそれに気付き、フェイズを止めようとする。
「ダメですよ.....ワープだなんてそんな事.......」
「けれど 転送はそうじゃありません........タイショウブツノデータを分解し 任意の場所に移動させ、その地点で再構築を成し遂げる......つまり、限りなく0に近い時間で 瞬間的に物質の移動が可能なんです!エルダーでも、まだその域に到達していません、しかも、質量が大きい物体よりも、小さい物体の方が 調整は難しいんです......それを考えれば、こんな紋章だけで転送を実現してしまうなんて素晴らしい........としか言えません」
「確かに......俺も転送するときは魔方陣だが、紋章は初めてだ........今度元の世界に戻ったら、ココ叔母さんに教えて貰おう......」
陽弥とフェイズが興味津々になっていると、少女は笑いだす。
「フフ.......この術でここまで夢中になる人 初めて見た」
「あなた方は皆.....この術を?」
「この術は私達の一族にずっと伝えられてきてこれからも伝えていかなきゃいけないものなの」
「何か、理由でもあるんですか?」
「それが.......誰も知らないんです」
「知らない?」
「古くから私達の一族は『開く者』と呼ばれ 代々この術を受け継いできた事ぐらいしか......」
「『開く者』........ですか?」
「今となっては 何でそう呼ばれているのか、おじいちゃんたちも知らないんだけどね......」
少女はポケットから、変わった手綱を見せる。
「これは?」
「野バーニィを乗りこなす為の手綱よ.....これがあれば バーニィを手なずけられるわ」
「そんな大事な物.....貰っても良いんですか?」
「はい♪また作ればいいんですから」
「助かります ありがとうございます」
フェイズはバーニィ用の手綱を受け取ると、
「では、先程の術については.......」
「あれはダメです あなたが私達の一族になるなら別ですけど」
「........少し考えさせて下さい」
「それでは失礼します 色々とありがとうございました」
レイミは少女に礼をし、野バーニィのいる森へ向かった。
「バイバーイ!」
メリクルが手を振ると、少女も手を振った。
「あ!それと.......」
突然、少女がフェイズを呼び止める。
それから数分後、フェイズは少女から貰った黒いマントを着て、様子を見に行ったリムルと一緒に戻ってきた。
「お.......フェイズ、そのマント、似合っているぞ」
「レイミさんからも言われました」
「そうか......」
陽弥は皆と一緒に、野バーニィがいる森へ向かっていった。
そして森の奥にたくさんの野バーニィがいた。
「野バーニィ、めっちゃ居るなぁ」
「よーし、捕まえるのよ!」
「まるまる太って美味しそ~」
リムルはともかく、メリクルは何処に絞まっていたのか食事用のナイフとフォークを取り出した。
「お前、何処からナイフとフォークを?!」
陽弥は驚きながら、フェイズ達と一緒に野バーニィを捕まえている直後、後方にいたエッジが叫ぶ。
「どうしたんだ レイミ!?........レイミ!」
陽弥達は倒れているレイミの所に駆け付ける。
「れーたん どうしたのよ? ねぇ」
メリクルがレイミの額に手をやった。
「わっ!....どうしよう! す すごい熱だよ!」
「レイミ おまえこんな体で.......」
「大.........丈夫.......たいしたこと.......ないから.....」
レイミは立ち上がろうとしたが、その場で気を失う。
「一旦タトローイへ戻ろう あそこなら医者もいるはずだ!行くぞ!」
陽弥達は、野バーニィを捕まえるのを中断し、レイミをタトローイの宿屋へと運んでいった。
次回は とんでもないことになります。