ウゥゥゥゥゥゥゥーーーーーー
最初に聞いた音は不快なサイレンの音。目を開けるとビルが倒壊しているのが見える。そして私を中心に地面がクレーターのように削り取られている。
いったい何があったのだろうか・・・
私はクレーターの斜面を上がり、クレーターの外に出る。ビルが倒壊しているからだいたい予想がついたが街の風景は酷いものだった。
アスファルトは砕け、電柱や標識は倒れている。倒壊したビルからは煙が漏れて中で火事になっている。
「こんな状況では調査ができないな・・・、調査・・・?何を?」
無意識に出てきた言葉について思案する。いったい何の調査を?何かを思い出そうとするが何も思い出せない。いや、正確には何か出てきそうなのだが寸前の所で消えてしまう。わからない。
「記憶処理?違う、何かの影響下に入ってしまったの?」
焦らなかった。この程度、取り乱すほどでもない。まずは周りの状況を確認しないと。周りを見渡すと遠くの方から車が何台か走ってきて停車する。
「空間震の発信源に到着。前方に精霊を確認!」
「早い・・・空間震の観測とほぼ同時に現界したというの?本部応答せよ!」
停車した車から何人か出てきた。その出で立ちから軍人と思われるが一部場にそぐわない格好をしている人もいる。ピッチリとしたダイバースーツ?いや、露出度の高いバニースーツみたいな格好。うさ耳はなしだ。
「対象の精霊にデータなし!新種だ!」
通信していた軍人の声を聞くとバニースーツの人達が銃を構える。銃口は勿論私に
「・・・どんな行動をしてくるかわからないわ。みんな慎重に」
「はい!」
バニースーツの隊長らしき人が発砲したら残りの人達も発砲してきた。
「えっ、ちょっといきなりっ!」
無駄だとわかっているが腕で顔を隠して身構える・・・が、肝心の衝撃がこない。薄く目を開けると不可視のバリアのようなもので守られており、弾が私の所まで届いていない。
「あのっ?いったいどうして?」
訳がわからない。相手も私の声は銃声で聞こえないか、無視されているのか答えを言ってくれない。
どうすればいいのだろう・・・
そう考える私にこの状況を打破できる力があることを思い出す。そうだこの力があるから私は誰の助けも借りずに数多くの実績を上げることができた。この哀れな敵対組織に絶望を与え速やかに任務を遂行しなければならない。
「だって私の活動は正常性を維持するためのものであり、世界中の一般市民が異常に対する恐怖や疑念を抱くことなく日常を生きることができるよう、地球外、異次元、その他の超常的存在が及ぼす影響からの独立を維持しないといけないから」
そうだ。何も考える必要はないさっさと使おう。邪魔物を消したら調査開始だ。世界には我々の理解知り得ないものが溢れている。私はそれを確保、収容、保護しなければならないのだからだから・・・
「・・・収容違反」
◯◯◯◯年◯月◯日
空間震と同時に現れた新種の精霊はシェルターに逃げた避難民の失踪とAST隊員の全滅を引き起こし。現界した地域を人の住めないような環境に作り変えてしまった