SCP財団とデート・ア・ライブ   作:arc00

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ルビがうまくいかない・・・


第2話

「えっ?」

 

さっきまで敵対組織と戦っていたのにいつの間にかどこかの部屋にワープしてしまった。

 

「さっきもそうだけどいったいどこ?」

 

その部屋はかなり広く四方の壁一面にブラウン管のテレビが置かれ様々なチャンネルが写っていた。

 

「ってドアがない?閉じ込められた?」

 

どこかのテレビの後ろにドアが隠れているのだろうと思いテレビに近づくこうとしたとき

 

『役目をはたせ・・・』

 

頭の中に声が響く。

 

『監視せよ・・・』

 

「ちょっと何これ?」

 

 

 

 

 

『役目をはたせ。監視せよ。役目をはたせ。監視せよ。役目をはたせ。監視せよ。役目をはたせ。監視せよ。役目をはたせ。監視せよ。役目をはたせ。監視せよ。役目をはたせ。監視せよ。役目をはたせ。監視せよ。』

 

 

 

 

 

 

『役目をはたせ』『監視せよ』の2つの言葉が頭に響く。あまりにもうるさいので頭痛がしてきた。

 

「役目って何よ!誰を監視するのよ!」

 

私は叫ぶ。相手がいるかどうかわからないのに。

 

「いや、落ち着け私」

 

私自身自分で特異の影響下に入ったと考察したではないか。まずは情報収集だ。

頭に響く声を無視して辺りを探索する。しかし、耳から聞こえるのならやりようがあるが頭に直接響くのだ。無視できようもない。

 

「もー。うるさい!」

 

怒りに任せてテレビの画面を力まかせに殴りつける。

 

「んっ!?」

 

テレビはびくともしない。女性なら当然なのだが私は自身の能力の関係上1人で戦い押さえつける必要があるため戦闘力はかなりある。その私が手加減なしで殴ったのだからせめてヒビぐらいはするはずだ。

そしてテレビに注意が向いていると頭に響く声が消える。

 

「役目はテレビを見ることで監視対象はテレビの内容ってことかぁ」

 

何をさせたいんだ。テレビを見せることを強制するなんてダメ人間製造機か!

 

「とりあえず役目の監視をしますか・・・あ、食事とトイレどうするんだろう?まさかここで垂れ流し?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所:アメリカニューヨーク州

 

ここは財団のサイトがある。私はそこに向かって走る。

あの後何度もテレビの部屋との往復でだいたいのことがわかってきた。まず私は食事や睡眠が必要なくなり、新陳代謝がなくなった。あくまで予測だが一種の不老不死状態ではないかと推察している。不死については試していないので不老だけかもしれないが。

 

「こっちの方に走って行ったぞ!」

 

後ろから私を追う声がする。

チッ!気づかれたか。だがこのサイト周辺はよく来て道もよく知っている。私は行き止まりに出る。だが止まらない。そのまま壁を蹴り登る。身体能力の大幅な向上。クレーターからここまで走り、数十メートルの壁を走り上っても息切れしない。そしてこれがもっとの大きな変化。敵対組織をまくために罠を仕掛ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

「行き止まり?」

「確かここに万魔殿〈パンデモニュウム〉が入って行くのを見たはずだが・・・」

 

行き止まりを隅々まで見て誰もいないことを確認する。当然ながら誰もいない。

 

「早く補足しないともうすぐ避難区域から出てし・・・」

 

後ろの隊員の言葉が途中で途切れる。

 

「どうし「グシャラボラス」」

 

言葉が震えていた。どうやら見てしまったようだ。小さいが唸り声が聞こえる。

 

「自決を許可するぞ」

「その言葉、お返しします。今バディンが現れました」

 

その言葉で確信する。はめられたのだと。振り向くとグシャラボラス。振り向かないとバディン。どちらにせよ我々の命はなくなった。後ろや横で銃声が鳴る。まだあいつらには許可を出してないのだがな。

 

「隊長早くしてください。もう目が限界です」

「自決はしない」

 

私の言葉が言い終わる前に銃声が鳴った。その瞬間視界が強制的に真横になるのと同時にグギッと体から鳴ってはいけない音が聞こえた。体に力が入らずに倒れる。顔はあいつらの方向に向く。私は隊を全滅させた2匹の悪魔。いや、万魔殿〈パンデモニュウム〉の天使を睨んだ。腕が妙に長い人型の怪物と不気味なゴーレムを・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「地上部隊からの通信が途絶えました」

 

地上部隊との通信が途絶えたことに私は舌打ちで答える。ここはトレーラーの荷台に作られた移動拠点。私達はここで部隊運営。情報の報告を行っている

 

「上はバカか?前みたいに監視で止めておけば良かったものを」

 

万魔殿〈パンデモニュウム〉に攻撃的な対応をした現場部隊の生還率は限りなく低い。生還できても後方の転属願いを出して現場に出ることを拒否するようになる。

 

「最高クラスの危険度ですし監視のみというのは不味いのでしょう」

 

隊員の誰かが答える。万魔殿〈パンデモニュウム〉は消界〈ロスト〉しても天使は残り、我々人類に敵意を向け続ける。今回のように散発的に展開した場合は問題ないが全力展開?した場合は回収を忘れるのか天使が残ってしまう。

 

「ビジネスウーマンなら仕事はちゃんとやれ」

「ちゃんと仕事をされたらダメですよ」

 

それもそうか。よし!仕事をするな。休め。もうここには来なくていいぞ。

 

ガチャ________バタン

 

私が考えつく限りの解雇する時のセリフで罵倒しているとドアが開きゆっくりと閉じる音がした。今は作戦中で私達以外誰も入ってこないだはずだ。

 

「誰だ」

 

私はドアの方向に振り向く。そこにはここには不釣り合いな格好をした人間がいた。

そいつは全身を覆うローブと手袋をして肌の露出が全くない格好をしている。

そいつはカラスのように嘴が尖った仮面をつけている。

万魔殿の天使の1体だ。

 

「・・・ガミジン」

 

この場所は知られていないはずなのに、いったいどうやってここに・・・

ガミジンはゆっくりと歩き近くにいた者に触れる。触れられた者は力なく椅子から崩れ落ちる。報告書にあった通り触れられたら即死。

 

「う、うわぁぁぁぁぁ」

 

目の前でいとも簡単に殺す姿を見せられ意識が戻ったのか隊員達がガミジンから距離をとる。逃げようにもドアはガミジンの後ろだ。俺達は篭の鳥。もう死ぬしかない。ただただ訪れる死を待つしか他にない。俺の前にいた隊員は全員後ろに逃げた。2番目の犠牲者は俺のようだ。ガミジンがゆっくりと近づく。近づく確実な死を前に俺は目を閉じ呟く。

 

「このまま意識が戻りませんように・・・」

 

死ぬ前の祈り。神よ、いるのならこの願いだけは叶えてください。そして私の頬に触れる感覚。それと同時に意識が闇の中に落ちてゆく。ああ、これが死ぬ感覚か・・・

 

「こちら航空部隊αもうすぐ現場に到着する。おい、聞こえているのか!」

 

生きている者がいなくなったトレーラーに通信の声だけが響く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠くの方で銃声が聞こえた。連続して聞こえないので自決したのだろう。なぜ私があんな危険な2体を平気で解き放ったというと私を介して呼び出した場合、私を襲わず、命令を聞いてくれるようになったからだ。それにどのみちこの辺は敵対組織しかいないから二次災害の被害者は敵対組織だ。

 

「しかし、サイト周辺まで敵対組織のテリトリーになっているとは」

 

もしかしたらサイトは敵対組織に占拠されているのかもしれない。そうなった場合は私が解放しなくては・・・

 

ゴォォォォォォォ

 

ジェット音。敵対組織のテリトリー内でジェット音ということは

 

「万魔殿〈パンデモニュウム〉発見。攻撃します」

 

空飛ぶバニーガールだ。最近地上ではバニーガールを見ることは少なくなり飛ぶようになった。5人編隊のバニーガールは一斉にミサイルを撃ってきた。着弾。爆発。土煙が辺りに充満する。

 

「やったか?」

「残念。やってない」

 

土煙から伸びる巨大な爬虫類の尻尾。1人回避しきれずに命中。そのまま地面に叩きつける。

 

「う・・・あぁぁ」

 

バニーガールは強い衝撃等が加わるとバリアみたいなものが発生装置を身につけている。この程度ではバリアで守られ死なないが、痛みで満足に動けないようだ。

 

「ヒッ」

 

私は巨大な足で踏みつけるように指示を出す。最初こそバリアが邪魔したが再度踏みつけるとあっさりと破れて現代アートに早変わりした。

 

「・・・アガレス」

 

怒りが湧く。どうも敵対組織は財団がつけた名称を使用せずに悪魔の名前を当てはめているようだ。だとしたら私への執拗な攻撃もある程度は理解できる。さしずめ私は悪魔を召喚する悪魔使い?

 

「こいつらの母体もしかして宗教関連?」

 

そんなことはないはずだ。収容するにあたり、宗教関連には協力と強いコネがあるはずだ。新興宗教の可能性もあるがこんな巨大な組織は情報にない。私が考えている間に戦いの火蓋が切られる。バニーガールは最強クラスの戦闘力を持つこいつに勝てるはずもなく、まるでゾウとアリの戦いのようにあっさり勝負はついた。こんなことに時間を使っている暇はない。早くサイトに向かわなければ

 

「どういうこと?」

 

私はサイトがあった場所を見て言った。そこはダミー企業の地下に作られた施設。緊急時でも一部の管理者が残るのがルールだ。

 

「っていうかなにもない」

 

もぬけの殻。職員も収容するための機材も。空調が効いていないので空気が気持ち悪い。敵対組織に全て持ってかれた?いや、全ての痕跡を消すのは不可能だ。

 

トントン

 

後ろで壁をノックする音。私は少しの期待を持って振り向く。

 

「なんだお前か」

「なんだとは失礼な。院長。せっかく一仕事終えたのに労いの言葉はないのかね?」

「あー。ハイハイお疲れ様」

 

肩をすくめ「最近の若者は」と小声で呟くのが聞こえる。こいつ全然喋らないのに最近はかなり饒舌だ。

 

「それより院長。今回も素晴らしい指示のお陰で迅速に患者の元にたどり着けたよ。ありがとう」

 

救えてない。こいつブレないなぁ。

まともな人と接触できず、会話がうまくいっていない私にはこういう会話でも癒される。敵意だけでは人は生きられない。様々な感情に晒されて初めて平常でいられる。

 

「それはそうと外にいる者を早く収容した方がよいのではないか?」

 

物思いにふけっていた私はその言葉で意識が戻される。他はともかくこいつは逃げる術がなかったんだった。

 

「それにしても彼のシャイが治ったのならそう言ってくれ。彼と目を合わせた時は心臓が止まったよ」

「えっ・・・ちょっと待ちなさい」

 

私の静止を無視して私の中に入る。呼び出そうとしても出てくる気配がない。

シャイが治った?外にいる中でシャイと言ったらやつしかいない。

 

 

「襲う相手を選んでいるというの?」

 

過去の実験で彼が殺し損ねた存在は1例のみでその存在は今はサイト前で待機している。

私の能力?それとも変異した?わからないことがどんどん増える。頭がパンクしそうだ。

 

「と、とりあえずこのサイトにあった物がちゃんと財団に管理されているか確認しないと」

 

このサイトに収容されていて危険性が低い物を出す。問題なく出てきた。これも特異性がなければ普通に美術館に展示されているのに。

 

「全て奪われたわけではない。敵対組織の危険性からサイトを移動させた?」

 

それにしては何もなさすぎるがこういう時、人は希望にすがる。わかっているが私もすがりたい。

 

「ここから近いサイトは」

 

記憶の中からここから近いサイトの場所を思いだしながらサイト跡地から出る。建物の前では3体が主人を待つのかのように佇んでいる。この状態も絶対におかしい。収容を完了させ、私は逃げるように次のサイトに向かって歩き出した。




普段喋らない彼が饒舌なのは心労困憊状態のオリ主の気をまぎらわすためです
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