円卓系弓兵の願い   作:彰吏

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どうも、円卓ピックアップで大爆死した作者です。バサスロットよ、お前がきても爆死だと俺は言うんだ。
爆死の怒りにまかせて書いたものなので文章が死んでますが許して。



第10話

私の目の前、ちょうど私の歩幅1歩分のところに突然矢が刺さった。それによって私は目の前に迫っていた影っぽい何かに気づいた。

その影っぽい何かの攻撃はどうやら目の前の矢によって防がれたようで、影っぽい何かは既に私ではなく矢を放ってきたほうを見ていた。私はというと目の前の矢の奇妙さに目がいっていた。

その矢は地面に刺さった瞬間に半透明な盾になり、私を影っぽい何かからの攻撃から守ってくれていた。

私が目の前の矢に目を奪われてる間に戦闘は進んでいたらしく、目の前にいた影っぽい何かはいつの間にか遠くにおり矢から逃げるように移動していた。

どうやらあの矢は敵を認識して追尾するものらしく、影っぽい何かがいくら逃げても追っているようだ。

影っぽい何かも追尾してくることに気づいて、矢を切り落とそうと手にしていた釘のような短剣を構えた。

 

 

壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)

 

 

その声に合わせて影っぽい何かを追っていた矢が全て同時に爆発した。その爆破の威力は凄まじく、私の立っている場所にも爆発の余波が襲ってくるほどだった。それも目の前の盾が防いでくれたようだ。

だけど私にはもうそんなことどうでも良くなっていた。敵がいてまだ倒せているのか確認さえできていないのに、私はどうしても聞こえてきた声のほうに気がいってしまった。

私の目に入ってきたのは赤い髪を後ろで一つにまとめた背の高い男だった。その人は鋭い目つきで爆発のあった方を睨み付けていた。

私はその目を見て違和感を感じた。なんていうのかな。知らない人のはずなのに、この人がこんな鋭い目つきをすることが信じられない。そんなふうに感じた。

 

 

「助けに来たぜ」

 

「えっ・・・」

 

 

その言葉は聞いたことがある。彼が昔、私をナンパしてきた男から助けられた時。

 

 

「あ、ありがとう」

 

「うん、素直なのはいいことだな」

 

 

さっきまでの真剣な顔とは打って変わって人懐っこい笑顔でそんなことを言ってきた。

バカにされた感じがしてすこし腹が立ったが、助けられたばかりなので何も言わない。それにそれよりも大事なことがある。

 

 

「あなたは何者」

 

「英霊だよ。分かるだろ、マスターなら」

 

「なんで・・・」

 

「手の甲」

 

 

そいつは私の右手を指さした。そこには聖杯戦争のマスターの証である令呪がある。

なるほど、これほどわかりやすいものはないわね。

 

 

「納得しているところ悪いが話を進めても」

 

「あ、ごめん」

 

「それで俺はサーヴァントってことになるんだが、マスターがいなくて困っててな。だから俺と契約してくれないかと」

 

「えっと・・・」

 

 

正直、今の状況についていけてない。こんな状況で、いくら助けてもらったからと言ってほいほいということを聞いてしまっていいのか。

 

 

「俺を疑うのはいいけどひとまず契約して、俺のマスターになればその令呪がある限り安全だと思うが」

 

「わ、わかってるわよ」

 

 

やばいやばい。いろいろなことが起こりすぎて、思考がまとまってない。今のだってこいつに言われる前に気付くべきでしょ、私。

 

 

「とりあえず、家の中に来て」

 

「わかったよ、マスター」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これでよし」

 

 

満足気に頷く凛を見ながら俺は心配になっていた。

俺はある程度落ち着いてるつもりだが、どうやらまだ凛のほうが万全ではないらしい。

さっきもいつもならすぐに言うようなことを俺が言うまで気付かないとか。

それでも頑張ってもらわなければならないのだが。

 

 

「ともかくお互いの情報のすり合わせからでいいか」

 

「いいけど・・・」

 

 

なぜか不満げな顔である。

 

 

「いいけど、なんだよ」

 

「マスターである私を差し置いて、話を進めるのはどうなのかなって」

 

「そんなこと言われてもな」

 

 

いや、マジで。

確かに昔から俺にリードされるのを嫌がっていたふしがあったけど、今言わなくてもと思うんだが。

 

 

「わかったよ、君がマスターで俺はサーヴァントだからな。君を支えるのが俺の役目だ」

 

 

まただ。さっきもそうだがなぜかよくわからないタイミングで驚いたような顔するんだよな。

わざわざ今ツッコむことでもないからスルーするけど。

 

 

「よくわかってるじゃない。でも減点ね」

 

「なんでだよ」

 

「あなたさっきから私を君って言ってるからよ」

 

 

あー、これは本当にやばいな。自分のミスに気づいてないよ。どう教えたもんか。いいか、普通に教えれば。めんどくさいし。

 

 

「それは君が名乗ってないからなんだけど」

 

 

今度はしまったって顔してるよ。昔のように感情豊かで俺はうれしいよ。

 

 

「遠坂凛よ。好きに呼んで」

 

「それじゃあ凛で。やっぱりしっくりくるな」

 

「?」

 

「何もない、気にするな」

 

「あなたは?」

 

「俺はいちおうトリスタン」

 

「いちおうってなによ。普通にトリスタンでいいじゃない」

 

 

そうもいかないんだけどな。ここで昔の俺の名前を言ってもよかったんだけど、なんとなく言わないほうがいいと思ったんだよね。

なので、凛が一生懸命契約の準備してる間に考えておいたことを喋るとしよう。

 

 

「俺は記憶がなくてね」

 

「トリスタンと言えばそうよね。それで記憶がないまま円卓の騎士として遠征に出て、確かフランスで死んだのよね」

 

「お、おう」

 

 

よかった。俺がトリスタンとして生きた生涯が語り継がれていて。

もし俺の知っているトリスタン、本物のトリスタンって言うと俺が偽物みたいになるが、いや俺は偽物だけども、そのトリスタンが語り継がれていたらと思っていたが杞憂だったな。

 

 

「なんで驚いてるのよ。もしかしてなんで私がそんなに詳しいのかとか思ってるの」

 

 

なんかよくわからん方向に勘違いしてるけど、ドヤ顔してる凛ちゃんかわいい。

 

 

「そんなところだ。自分ではそんなに大それたことした覚えがないからな」

 

「英霊なんだから謙遜なんてしないほうがいいわよ。それにあなたの話しは結構有名よ、記憶がなくなっても最後まで円卓の騎士として民のために戦った英雄だって」

 

 

あれれぇーおかしいぞぉ?確かに話を広めるように頼んだのは俺だけど、ここまで尾ひれがついて広がるとは思わんなだ。

 

 

「トリスタンってことはアーチャーよね」

 

「まあ、そうなるな」

 

「そっかー」

 

「なんだ、不満でもあるのか」

 

「いや。それでアーチャーはこの世界のこと教えてくれるのよね?」

 

 

凛のセイバーに対する思いがここでもでてるよ。どんだけセイバーがいいんだよ。確かに最良だと思うけど。

それよりも何言ってるんだ。

 

 

「どうゆうことだよ」

 

「えっと、てっきりこの状況を理解してると思ったんだけど」

 

 

それはこっちのセリフなんだけど。

 

 

「俺は少し前に召喚されたんだが」

 

「え、私だって朝起きたらとつぜんこの場所に家ごと来ててよくわからない状況なんだけど」

 

 

これは詰んでますわ。

 

 

 

 




お互い相手がこの状況を理解してると思っていた残念な2人である。
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