東方異形頭   作:憂鬱な者

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【第十話】悪夢

「ん……ふぅ…」

 

夜中、こころは何度も寝返りをうっていた

 

寝つきが悪いのであろうか

 

 

……………………

 

 

しばらくして彼女は目を覚ました

 

「ん……ふわぁ〜」

 

大きく欠伸をして、何気なく周りを見渡した

 

「……あれ?」

 

少し間が空いて彼女は異様なことに気づいた

 

彼女の目に映っていたのは神社の寝室ではなく

 

薄暗く、ボロボロなところだった

 

「どこ、ここ?」

 

彼女は何も無い床に横たわっていた

 

そして起き上がって周囲を調べる

 

「石の壁?窓はガラスで、天井の棒は何だろう?」

 

天井の棒

 

彼女が見ているのは『蛍光灯』のことだ

 

「えっと、この雰囲気…あ、あの館に似てるかも

ていうことはここはどこかの館なのかな?」

 

そう言い、彼女は探索を始めた

 

 

 

 

 

 

しばらく適当に歩いていると、広い所に出た

 

「わ〜、結構広いな〜」

 

周りを見渡す

 

そして彼女がふと視線を横に向けると

 

「ん?誰かいる?」

 

彼女が出ていたのはホールだった

 

そこには大きな椅子がいくつもあり、その中の一つから人の頭が少し見えた

 

それに彼女は気づき、その人影に歩み寄る

 

「あの〜、ちょっといいかな?」

 

人影のすぐ後ろまで近いて彼女は聞く

 

しかし、反応は無かった

 

「寝てるのかな?」

 

そう呟きながら彼女はその人の前に回る

 

そこで彼女が見たものは

 

「あの〜…ひっ!?」

 

死体だった

 

全身血塗れの男の死体だった

 

「な、何これ…?」

 

少し動揺しながら、何気なく周りを見渡した

 

「ひぃ…!?」

 

死体死体死体

 

さっきまでは誰もいなかった椅子にはいくつもの死体が並んでいた

 

血塗れのものや、部位が変形したものなど

 

様々な人間の死体が並んでいた

 

「な、何これ…どうなってるの…?」

 

目の前の悲惨な光景を目にして、彼女は震えだした

 

その時、彼女は背後に気配を感じた

 

気配を感じ、彼女はゆっくり振り向いた

 

そこにいたのは

 

「だ、誰…?」

 

「……」

 

いたのは白い服か何かを着た男がいた

 

顔は酷くボロボロで、縫い合わせている所が所々見えた

 

そしてその男の目は上目遣いで彼女をじっと見つめている

 

「あ、あの…これは一体…」

 

「……」

 

男に話しかけてみるが男は黙ったまま彼女を見ている

 

「(なんなの…この人?

あっ!!こ、この人は!!)」

 

彼女は彼をしばらく見て、あることを思い出した

 

「(白い服に傷だらけの顔

この人がルヴィク!?)」

 

そう思い、彼女は彼に聞く

 

「貴方ってルヴィクって人?」

 

「……」

 

「私を知ってる?」

 

「……」

 

何を聞いても、彼は反応しない

 

そして彼女は諦めたのか、彼に背を向けた

 

「反応してくれないし、他をあたってみよう」

 

そう言って、彼女は彼がいるのとは逆の方向に歩いていった

 

そこで何となく振り返ると

 

「…!?」

 

彼はいなかった

 

彼どころか死体も無くなっていた

 

不気味に思いながら彼女を再び前を向くと

 

「ひっ!?」

 

彼女のすぐ目の前に彼がいた

 

彼は彼女の顔に手を近づけ、彼女の顔に触れた

 

すると

 

「へ?」

 

何かが潰れる様な、千切れる様な音と共に、彼女の視界には彼女の身体が映っていた

 

 

 

 

 

 

「はっ!?」

 

気がつくと彼女は神社の布団の上に汗塗れで寝ていた

 

「ゆ、夢…?」

 

上体を起こして、汗をダラダラと垂らしながら頭を抱えこんだ

 

「な、何だったんだろう…今の…」

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