キーパーさんの金庫1つぐらい欲しいな。
永遠亭から逃げて大分経った。
だが、幾ら走っても竹林が続く。
いや、同じ場所をぐるぐる回っているようだ。
「……。」
日が暮れてきた。
「このまま永遠に出られないかもしれない。」そう思い肩を落とすキーパー。
そこで、ふとアイディアが浮かぶ。
「ハンマーで竹に傷を付けて目印にすればいい。」そう思い浮かんだ。
早速実行しようとしたその時。
「こんな所で何をしてるのよ?」
背後から突然声が聞こえる。
見るとそこには白髪の少女がいた。
彼女は「藤原 妹紅」
この竹林の案内人だ。
彼は直ぐに身構えるが。
「そんなに警戒しなくていいよ。
迷ってるみたいだったからさ。よければ案内するよ。」
そう言われ少し困惑する。
「……。」
「ここを脱出出来るならついて行こう。」そう思い彼は彼女について行く。
「何しに此処に来たの?」
「……。」
「もしかして喋れないの?」
「……。」
そう、彼に声を発する器官など無いのだ。
「何か色々持ってるみたいだけど、竹取…じゃないみたいね。」
それはそうだ。
竹取が金庫を被ってハンマーや何かが入った頭陀袋なんか持たない。
「大分暗くなってきたわね。ちゃんとついてきてる?」
「……。」
もう日が沈んできている。
もう数分もすれば夜だろう。
「貴方のその格好、もしかして外来人かしら?」
「……?」
「外来人」初めて聞いた言葉だ。
色々話を聞いているうちに夜になった。
「暗いけど大丈夫?見失わないでよ?」
「……。」
彼にとってこの程度の暗さは普通なのだ。
彼は何時も薄暗いところにいたのだ。
夜の暗さなど大した暗さではなかった。
しばらく歩いていると。
「ガツッ」
「きゃっ!!」
「バタン」
彼女が何かに躓いたようだ。
目を凝らしてよく見てみるとそれは金庫だった。
「いてて、誰よこんなところにゴミなんか捨てたのは〜。」
「……。」
少しイラッとした。
「あれ?この箱、貴方が被ってるものとそっくりね。」
そう、その金庫は彼の「本体」なのだ。
「ごめんなさい、別に貴方のことじゃないのよ。でも、なんでこんなところに?」
確かに不思議だ。
彼だけが来るならまだしも、彼のいた世界にあるものがあるのだ。
だが、深く考えることをしない彼は直ぐやめた。
だが、彼は奇妙な気配を感じた。
その金庫と同じ気配が近くに何十とある。
「……。」
やはり、気になる。
だが、再び考えるのをやめ、脱出に専念する。
だが、彼女が急に止まった。
「随分と珍しい奴等が来たものね。」
そう言うと彼女は身構える。
身構えた先から出てきたのは…。
迷子の迷子の金庫さん。
そんなキーパーさんに救いの手が!!
しかし、キーパーさん達を襲うものが!?
次回、処刑執行!?