ラブライブ!裏方は辛いよ   作:亀亀

6 / 9
有言実行の難しさを知りました。
6月中にもう何回か投稿するはずだったのに、気づけば7月も終わりかけていました。すみませんでした。
時間を見つけてホントにちょっとずつ書いていたので、ヒドイ内容、文章だと思います。ご注意ください。


たった1人の後輩

.+*:゚+。.☆

 

ーーーにこsideーーー

 

 

 

 

 

にっこにっこにー♪

みんなのアイドル、矢澤にこニコっ♪

…………コホン。

今日は理事長からこの学校が廃校になるという報告があったわ。

私が通っている高校がなくなるのは確かに残念だけど、今はそれよりも大事なことがあるの。

それは……一刻も早くスクールアイドルとしてデビューすることよッ!!

だからこんな大変な時でも練習は休むわけにはいかないの。

という訳で今日も『アイドル研究部』でもう1人の部員が来るのを待ってるんだけど……

 

「遅っそいわねぇ……。」

 

練習開始時刻を過ぎてるっていうのに全然来ないじゃない!!

私の方が部長として早く来るのはいいとして、時間を過ぎても来ないってどういうことよ!

そういえばあの子遅刻の常習犯だったわ……。

ここは先輩としてガツンと叱っておくべきね!

 

コッコ コッコ コン

 

とか考えてたらやっと来たみたい

独特なノックの音が聞こえるとさっきまでの苛立ちが嘘みたいに消えて、私は軽い足取りで扉の前に向かった。

じゃあ、いつものヤツをやらないとね!

 

「らぶ?」

『にこ』

 

「世界の?」

『YAZAWA』

 

「にっこにっこ?」

『にー♪』

 

どうやら本物みたいね。

なんでこんな面倒くさい事をしてるかっていうと、矢澤にこスクールアイドル大作戦は水面下で行われているからよ!

全くの無名なのに歌もダンスも完璧にした状態で突然デビューする。そしたら周りは……

『凄い新人が登場した!』・『スクールアイドル界の革命児現る?!』・『A-RISEにライバル出現か!?』・A-RISE「矢澤にこ……侮れないわね。」

ってなるはず!そしてにこの人気は瞬く間に全国区へ……っていう作戦よ!

だからこの作戦を成功させる為にデビューするまでは他の人にバレるわけにはいかないの!

……まぁ、1年生の頃に少しだけスクールアイドルやってたんだけど。

と、そろそろ中に入れてあげないと。

 

ガチャ

 

「遅かったわね。」

 

「ごめんなさいぶちょー!

ちょっと猪に追いかけられてました!」

 

「わっかりやすい嘘ついてんじゃないわよ!」

 

まったくこの子は……。

でも何故か憎めないのよねぇ。

確かにアイドル研究部唯一の部員で大切な後輩なんだけど…

それ以上に何か特別な………う~ん。考えてもよく分からないわね。

 

「まぁ、とにかく入りなさいよ。」

 

いつまでも入口に突っ立ってる訳にもいかないので、碧を部室に招き入れる。

 

「で、遅刻した本当の理由はなに?」

 

「…………分からないです。」

 

「ぬぁんでよ!!!」

 

「いや!ホントなんです!

私自身も何がなんだか分からないんです!」

 

遅刻した理由が分からないって一体どういうこと?!

この子ホントに大丈夫なの?

 

「と、とりあえず放課後の行動を思い出してみなさいよ!」

 

「えっとぉ~、まず穂乃果…あ、幼馴染みに話しかけられて少し話しました。それから部室に向かおうとしたんですけど、先におトイレに行きました。で、教室に鞄を取りに戻って……。そう!トイレにポーチを忘れている事に気がついたんです!だから、鞄を持ってポーチを取りに行きました。それで鞄に仕舞おうと教室に戻りました。でも鞄を一緒にトイレに持って行ってたことを忘れていたので、またトイレに行きました!それからーーー」

 

…………長いわッ!!!!

途中もう何言ってるか聞いてなかったわよ!

教室とトイレを何往復もした事だけは分かったわ。

なんでこれで遅刻した理由が分からないのよ……。

最早、怒る気も起こらないわね。

怒りより心配の方が強いわ。

 

「ーーーそれで、教室に戻ると何処から入ってきたのか分からないんですが、猫が私のポーチを加えて走って行ったんです。それを捕まえようとして追いかけていると、私が猫を虐めてるものだと勘違いした【柔道部の暴れ猪】こと猪瀬先輩に追い掛け回されました。」

 

「……ハァ。もういいわよ。

大体わかったから…………イノシシぃ!!!」

 

ホントに追い掛けられてたのね……。

 

 

 

 

.+*:゚+。.☆

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで私は今、碧のダンスを見ている。

情報交換の時に碧の熱い思いを聞いた時は思わず目頭が熱くなっちゃったわ。流石にあの帽子はどうかと思うけど……。

でもまぁ、にこのファッションセンスをもってすれば完璧に着こなせるはずよ!……今度バーガーショップにでもかぶっていこうかしら。

 

「…ヨッ!……ホッ…!」

 

碧が踊っているのはA-RISEの『Private Wars』のサビと間奏の部分。

フルで踊っている訳じゃないのにA-RISEの3人を幻視してしまう程のクオリティ。それだけならまだ良かったんだけど、そこに碧のアレンジが加わって本家を超える程の圧倒的パフォーマンスになってるわ。

ちょっと嫉妬しちゃうくらい凄いわね。

 

…………。

 

「……最後はこうッ!」ビシッ

 

………………。

 

「…ハァハァ。ぶ、ぶちょー…ゴホッ 私の…ダンス。ハァハァ……ど、どうでしたか?」

 

……ハッ!!

私としたことが完全に見蕩れてたわ!

どうでしたか?って……凄いとしか言いようがないわね。

キレのあるダンス・ダンス中の表情・そして天性の才能とでも言うのかしら、彼女の持っている人を惹き付ける魅力……完璧じゃない!

……ただその全てがどこか儚げに感じるのよね。まぁ、それが碧の魅力を更に引き立ててるんだけど。

結果、私の目指すアイドルの完成形といっても過言じゃないレベルね。

このにこにーがココまで褒めることは滅多にないんだから!

でもこの事をそこまま伝えるのは恥ずかしいから言わないでおくわ。

 

「……あんたバカァ?」

 

「ハァハァ……ど、どうしてですか?私…頑張りました…よ?ゴホッ」

 

「頑張ってたのは分かるけど……アレンジしすぎて原型が分からないのよ!PV通りの振り付けが見たかったのに、何の参考にもならないじゃない!」

 

照れ隠しで本音は隠しちゃったけど、私が今言った事も事実だからね。

そこはちゃんとしてもらわないと!

 

「…………ハァハァ……ゼェゼェ…ゴホッ ゲホッ……フゥ~…。

……………………(๑>؂•̀๑)テヘペロ」

 

あら可愛い。

……じゃなくって!

 

「しっかり反省しなさいよ!」スパァーーーンッ!!

 

あ、焦ってつい手を出しちゃった…!

なんなのよこの可愛さ!

希あたりにコレをされたらイラッとするかもしれないけど、碧にされても可愛いとしか思えないわね。

やっぱり元々の容姿がいいからなのかしら。それを言ったら希も容姿はいいんだけど……。

 

「……」ジトー

 

肌は真っ白でシミ1つないし、目は大きくてぱっちりしてる。

セミロングの綺麗な黒髪に、線の細い体。

身長は私より少し高いってところかしら。

文句の付けようのない見た目ね。

あ!でも胸はないわ!!

所謂、ひんにゅーってやつね!ひんにゅー!

え?人のこと言えないって?何のことだか分かんないにこッ♪

 

「…ハァハァ…すいませんでした。」

 

あら、珍しく言い訳なしに謝られたわ。

勢いで叩いちゃっただけなんだけど効果があったのかしら。

 

「まぁいいわ。それよりバテすぎでしょ!さっきからハァハァって。相変わらず体力が無いわね〜」

 

「……。だって私運動ほとんどしませんから!引きこもってアイドル鑑賞とゲームに浸る毎日ですよ?体力がつくはずないでしょ?!強いて運動と呼べるものを挙げるならサイリウムを振るのとゲームセンターのダンスゲームやドラムの達人ぐらいですよ!」

 

最初の変な間に少しだけ違和感を覚えたけど、特に気にすることも無いと会話を続ける。

 

「そんな自慢げに語ることじゃないと思うけど……。」

 

これだけの才能を持ちながら、それを自分でダメにしてしまっているような碧が面白くないからイジワルしてやるわ!

 

「それよりもう一回踊りなさいよ。」

 

「……話聞いてました?聞いてましたよね?だって感想貰いましたもん!」

 

「当たり前でしょ!ほら早く!」

 

「いや、ちょっと休憩を…」

 

「何言ってんの?練習時間なくなっちゃうじゃない!早くしなさいよ!」ニヤニヤ

 

フフフッ

動揺してる碧を見るのはなかなか楽しいわね。

 

「でも……」

 

「でもじゃないわ!碧が勝手にアレンジしたからこうなってるのよ?自業自得ってやつね」ニヤニヤ

 

普段、私の方が先輩なのに揶揄われる事が多いから偶には仕返ししてもバチは当たらないはずよ!

 

「分かりました!踊りましょう!ぶちょー音楽かけて下さい!」

 

「さすが碧ね!今度はしっかり頼むわよ!」カチッ

 

「大丈夫だ、問題ない。」

 

「それ大丈夫じゃないやつよ。」

 

問題だらけの台詞じゃない!!

これは心配ね…。

まぁ、にこは鬼じゃないから無理そうだなって思ったら止めてあげるわ♪

 

「……ハッハッ!!……フッ!……ゴホッ」

 

早速キツそうね。

ちょっと可哀想なことしちゃったかしら。

 

「……ハァハァ……ゼェゼェ。……ッ!」

 

そろそろ限界ね。

そう思った私が碧を止めようとしたその時…

 

「……ホッ……ヨッ!」

 

碧の動きが見違えるほどによくなった。

徐々にダンスのキレがよくなって、今は1回目の時より動きがいい様な気がするわ。

っていうかまたアレンジが加わってるんですけど……。

不安が的中しちゃってるんですけど……。

 

「みwなwぎwっwてwきwたぁぁあああwww」

 

スパァーーーーーーンッッッ!!!!

 

2回目は流石に怒っていいわよね?

 

 

 

 

 

.+*:゚+。.☆

 

 

 

 

 

「ぶちょー今日はなんかすいませんでした。ぶちょーは明日の朝UTX学院行くんですよね?」

 

「………。」

 

前からこの子がダンスが上手なことは知ってた。

知っているからこそ、何度も一緒にスクールアイドルをやらないかって勧誘してきたわ。

結果は全て惨敗だった。

だけど…今日の碧のダンスを見て思ったわ。

やっぱり碧と一緒に踊りたい!一緒にアイドルしたいって!

 

だから……

 

「ねぇ碧…。」

 

しつこいと思われるかもしれないけど

 

「…やっぱり私と一緒にスクールアイドルやってみない?」

 

もう1度だけ勧誘させて貰うわ!

 

「…え?」

 

「さっきのダンスを見て確信したの。やっぱり私の隣に立てるのはアンタしかいないって。」

 

「……。」

 

「碧は歌も上手いしルックスだって……かなり可愛い…と思うし。ま、まぁ?にこには劣るけどね!体力の無さはこれから鍛えていけば補えるし!」

 

「……あ、ありがとうございます。だけどごめんなさい!」

 

……ッ!

案の定断られちゃったわね。

それにやっぱり碧は本音を話してくれなかったわ…。

私が誘う度に碧は適当な理由をつけたり、今回みたいに素直に謝るだけだったり、のらりくらりとかわされて本当の理由は1度も話してくれなかった。

それが先輩として頼りにされてないみたいで悲しくて、悔しくて、つい語気を荒らげてしまう。

 

「私と碧が組めばきっと最強だよ?!きっとA-RISEだって目じゃないくらいに!どうしてもダメなの?」

 

A-RISEの名前を聞いた瞬間、碧の体がピクリと反応した。

少しして、いつもと雰囲気が変わった碧が話し出す。

 

「はい。何度も誘って貰って申し訳ないのですが…。それにぶちょーが思っているほど私は立派じゃないですよ。だって…アイドルとして致命的な問題がありますから。」

 

明らかに今までと違う真剣な表情の碧に動揺しつつ私は話を進める。

 

「アイドルとして致命的って……?」

 

「……実は私…トラウマがあって人の視線が怖いんです。仲のいい人や少ない人数なら平気なんですが、アイドルとなると当然全く知らない沢山の人達に見られるじゃないですか。情けないんで話したくなかったんですけど……。」

 

そんなッ……!

……衝撃的だったわ。

いつも明るくて元気な碧にそんなトラウマがあったなんて……。

なんて声をかけていいか分からなくて言葉に詰まってしまう。

 

「………。」

 

そんな私の様子を察したのか碧が笑顔で話し出した。

こんな時に気ぃ使うんじゃないわよ……。

 

「大した理由じゃなくてすみません。でも人前に出れないのは致命傷でしょう?だから私は裏でぶちょーをサポートすることにしたんです!」

 

大した理由じゃないなんて思わない!

だってそんなのって……悲しすぎるじゃない。

この子はにこに匹敵するぐらいアイドルが大好きな筈なのに!

 

「…アンタはそれでいいの?アイドルが好きなんでしょ!?」

 

「アイドルが大好きだからこそ…これでいいんです。私はアイドルになれないけれど、誰かをアイドルにしてあげることが出来ればいいなって!

さ、こんなつまらない話は終わりにしましょう!

ではぶちょー、私こっちなので!またあした〜!」

 

「ちょっと……ッ!」

 

一気に捲し立てて碧は走り去っていった。

 

「……だったら、なんでそんなに泣きそうな顔してるのよ。」

 

 

 

 

 

 

.+*:゚+。.☆

 

ーーー矢澤家ーーー

 

 

 

 

 

あれから一晩私なりに色々考えてみた結果……

 

 

 

やっぱり碧をアイドルにすることに決めたニコッ☆

 

 

 

本当にサポーターでいいって思ってる人間があんな表情をする筈がないものね!

トラウマなんて乗り越えちゃえば問題ないし!

 

……でも今のままだと断られるのは目に見えているわ。

実際、昨日だって碧のことを知れたのはほんの一部な訳だし…。

だからまずは碧との関係をさらに深めることに決めた!

その第一歩目として碧の家に迎えに行くことにしたわ!

この宇宙No.1アイドルにこにーが直々に迎えに行ってあげるんだから感謝しなさいよね!

 

「碧……待ってなさいよ!!!」

 

 

「お姉様が燃えてらっしゃる!」

「ねぇちゃんかっこいぃ〜!」

「ふぁいぁ〜。」

 

 

 

 

 

.+*:゚+。.☆

 

ーーー望月家ーーー

 

 

 

 

 

碧のお母さんによって家に招き入れられた私は今、碧の部屋の前で待たされているんだけど……

 

「だ、ダメだー。【ぶちょーに会ってはいけない病】が発症したよー。苦しいよー。申し訳ないんだけど帰ってもらってー。」

 

「あら〜。それは大変ねぇ。でもせっかく来てくださったんだから顔ぐらい合わせたらどう〜?」

 

……何なのよこの状況は!!

私が想像してたのと全然違うんですけど!!

『え?ぶちょーわざわざ来てくれたんですかっ?!ありがとうございます!大好きですっ!』

ってなりなさいよ!

 

「私もそうしたいけどねー。無理なのー。ぶちょーの顔見たら蕁麻疹出ちゃうからー。」

 

「それはしょうがないわね〜。部屋の前で待ってもらってたのに〜」

 

「残念だよー。あー、顔を思い浮かべただけで痒くなってきたよー。熱もあるかも…………え?部屋の前にいるの??」

 

……この反応はあまりにも酷くないかしら!?

これは頭にきちゃったわ。

 

「あ〜お〜い〜……全部聞こえてるわよ!!」

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

あの後おばさんの天然が炸裂したり碧に拳骨をくらわせたりして、漸く落ち着いて話が出来ている。

 

「で?どうして私を避けようとしたのよ?」

 

「いや昨日私、逃げるように帰っちゃったからぶちょー怒ってるかなって……」シュン

 

「…やっぱり昨日の事だったのね。私はもう気にしてないから碧も気にしないでいいわよ。」

 

「……じゃ、じゃあ今日は何しに来たんですか?」

 

「一緒にUTX学院に行こうかと思って誘いに来てあげたのよ。このスーパアイドルにこにーが直々に出向いてあげたのよ?感謝しなさいよね!」

 

まったく……わざわざ説明させるんじゃないわよ!

でもまぁ、これで私の株は上がったわね♪

 

「そうだったんですね!ありがとうございます!それではお引き取り下さい。」

 

「は〜い…………ってぬぁんでよ!!」

 

いい加減にしなさいよっ!

どうやらお仕置きが足りなかったみたいねぇ……!

もう一度、私が拳を握りしめたところで碧が話し始めた。

無駄に長かったから要約すると、昨日の練習で筋肉痛になったから動きたくないとのことだった。

 

……ハァ。

なんてくだらない理由なのよ!

 

「筋肉痛ぐらいでへばってるんじゃないわよ!っていうかどうして動かないという結論になるのよ!進級出来ないわよ?」

 

「ぐらいってなんですか!これはただの筋肉痛じゃないですよ!フツーの筋肉痛の痛みがぶちょーの左前髪だとすると、私の筋肉痛はぶちょーの右前髪ぐらい痛いんですからね!?」

 

「例えがわかりにくいのよ!全然ピンと来なかったわ!」

 

なんで逆ギレしてるのよ!

っていうかさり気なく私の髪型バカにされた?!

絶対バカにしてるわよね?!

 

「……しかたないわね。こうなったら強硬手段よ!」

 

そう言って私は碧の布団を引っ剥がした。

その瞬間、フワリといい香りが部屋中に拡がった。

な、なによこの子……すっごくいい匂いするじゃない!

シャンプー?それとも柔軟剤かしら?

うぁ……。なんだか脳がトロけそう。

 

「ちょ!いた……痛い!ぶちょー…痛!痛いですって!ちょっと!」

 

ッ……!ダメダメ!

一瞬トリップしてた!!

碧が過剰に痛がってくれたお陰で帰ってこれたわ。

ふぅ……この部屋は危険ね。

さっさと起きて貰いましょ!

 

「いい加減……起きなさぁーいッ!!」

 

私は力いっぱい碧を引っ張った。

すると以外とすんなり碧の身体が起き上がった。

 

「ふぅ、やっと起きたわね。ほら!起きたんならボサっとしてないでさっさと着替えなさいよ!」

 

「いや、私が起き上がったのはぶちょーの引っ張り攻撃から逃れる為であって着替える為じゃないですから!今の私は梃子でも動きませんよ!」ドヤァ

 

…………はぁ。

呆れてモノも言えないわね。

ただ、こんなしょうもない理由で渾身のドヤ顔をキメてる碧をとても愛おしく感じたわ。

ま、それ以上にイラっとしてるんだけどね。

なんだか今日、この家に来てから怒ってばっかりな気がするんだけど……。

それも全部碧のせいで。

これは一度私を本気で怒らせたらどうなるのか教えておくべきだわ。

 

「アンタは本当に私を怒らせるのが得意なようね……。」

 

「いや、これは違くて!えっと…えっとぉ……」

 

「もうなにも聞きたくないわ。アンタさっき梃子でも動かないって言ったわよね?じゃあ絶対に動くんじゃないわよ?」

 

「ぶ、ぶちょー?な、何をするつもりですか?」

 

「何って、決まってるじゃない。

アンタを…………着替えさせるのよ!!」

 

「いや、ちょっ!キャッ!自分で、自分で着替えますから!本当です!」

 

「もう何を言っても遅いわよ!アンタは私を怒らせた……!!」

 

こういうセリフ1回言ってみたかったのよね!

フフフ……まずはどこから脱がしてやろうかしら。

あら?下ばっかりガードしてるから上半身がガラ空きね。

じゃあ遠慮なく上からいかしてもらうわっ!

そうして私は碧のパジャマのボタンに手を掛けて、一つづつボタンを外していく。

 

……ちょっとドキドキするわね。

妹たちの服は何度も着替えさせた事があるけど、同年代の女の子を着替えさせるのは初めてだし。それに布団を捲った時とは比べ物にならないくらい、甘くていい香がするし。

なんだか変な気分になってきちゃった……。

 

ーーーーー

 

……もっと碧の匂いを嗅ぎたい。白くてスベスベな肌にもっと触れたい。

じゃあどうすればいいのか?

邪魔な下着を剥ぎ取って、その妙に親近感を感じる胸に直接顔を埋めればいいじゃない!

上のパジャマを脱がし終えた頃にはもうまともな判断が出来なくなっていた。

 

「WRYYYYYYYYYYYY」

 

「……へ?ちょ、ちょっと!これ別にナイトブラじゃないですから!下着は脱がさないでいいですよね?!何してるんですか?!?!」

 

碧可愛い。碧可愛い。碧可愛い。碧可愛いーーーーー

 

「ぶちょぉ…。や、やめてくださいぃ。んっ……。」

 

「……ハァハァ」

 

自分でも信じられない力を発揮して、抵抗する碧の腕を払い除ける。

あと少しで楽園に辿り着ける……。

自然と胸の鼓動が加速する。

 

「……んんッ、も、もう煮るなり焼くなり好きにして下さい!」

 

抵抗する事をやめた碧の姿と表情がどこか扇情的で、私の興奮は一気に頂点に達した。

 

「……フーッ、フーッ」

 

さっきとは打って変わって、優しく丁寧にブラジャーのホックを外す。

そして次に左肩の肩紐を外した。

後は右の肩紐だけ……。それを外せば碧の産まれたての姿を見る事が出来る!

私は焦る気持ちを必死に押さえ付けて、ゆっくりと肩紐に手を掛けた。

その時!

 

『ガチャ』

「碧ちゃん朝ごはん出来ましたよ〜」

 

「「!!」」

 

「あらあらあらあら!まぁまぁまぁまぁ♪」

 

「お、おばさん!あの、えっと…これは……」

 

「いいのよいいのよ〜!私はいいと思うわよ〜?女の子……ど・う・し♪」

 

「いやお母さんまた勘違いしてるよ!違うから!ぶちょーとはそういうのじゃないから!」

 

「はいはい♪フフフ…私お仕事行ってくるからごゆっくり〜♪あ、朝ごはんはテーブルの上ですからね〜」

 

……な、なな、なんてことをしちゃったのぉ!!

完全に変態だって思われたわ。……もう終わりよ。にこのアイドル生命は絶たれた。

でも、あの時の碧キレイだったわね。

…………裸見れなくてちょっと残念だったかも。

ハッ…!!私は一体何を考えて!

 

「「…………/////」」

 

にしてもすっっごい気まずいんだけどっ!

そりゃそうよね。被害者と加害者が2人っきりなんですもんね。

と、取り敢えず何か言い訳しないと!

 

「「ねぇ!(あの!)」」

 

ぬぁんでかぶらせてくるのよっ!!

余計気まずくなっちゃうやつじゃない!

 

「あ……。ぶ、ぶちょーからどうぞ?」

 

「……あ、アンタから話しなさいよ!」

 

「いや、ぶちょーから話してくださいよ!」

 

「碧からでいいわよ。」

 

「いやいやぶちょーからお願いしますって!」

 

「碧からでいいって言ってるでしょ?!」

 

何なのよコイツ……。

いい加減しつこいわね。

 

「もーしょうがないですねー。

…………いやでもやっぱりぶちょーから!」

 

「しつこいわよ!!」

 

「えへへ、すみません!

それじゃあぶちょーからお願いします!」

 

「………。」

 

……そういえば、碧が『アイドル研究部』に入部届けを持ってきた時も、今みたいな押し問答をしたわね。

入部させて下さいの一点張りの碧と、それを断る私。

その時も「しつこいわよ!」って追い返した記憶があるわ。

…この子だって、一緒にアイドルやってたあの子達みたいに私を見捨てるかもしれない。あんなに悲しい思いをするくらいなら最初から独りでいた方がマシだ。ってあの頃の私は思ってた。

 

「…………ふふっ。」

 

でもそんな考えは直ぐに消えてなくなったのよね。

だって碧が約束してくれたから。

 

ずっと傍にいるって。

 

あの日の事は全部覚えてるわ。天気も時間も音も匂いも碧の表情も、そして言葉も。一語一句違わずに覚えてる自信がある。

それだけ私にとっては大切な出来事だったの。

だから碧には感謝してるわ。

……出会ってくれて本当にありがとう。

今日は気分がいいから、ちょ〜っとだけ素直になって感謝の気持ちを伝えてあげるわ!

 

「碧と一緒だと本当に毎日退屈しないわね」

 

ふふっ。混乱してるわね。

でもそれでいいの私が気持ちを伝えたいだけだから。

 

 

 

「……いつもありがと。」

 

 

 

 

 

 

.+*:゚+。.☆

 

ーーー部室ーーー

 

 

 

 

 

「はぁー。

………………退屈ね。」

 

今日、碧は委員会の仕事で部活には来ていない。

その連絡はお昼休みの時にメールで届いた。

朝だって急に『日直だったので先に学校行きます』とか勝手なこと言うし……。いつも突然すぎるのよ!

前もって言う事を覚えて欲しいわ……。

 

「……ハァ。静かね。」

 

碧がいないのは嫌。

独りだったあの頃に戻ったみたいに感じるから。

フフッ…あの頃の私が聞いたら笑っちゃうようなセリフよね。

 

ふぅ……。なんだか今日は練習する気にもならないし、この雑誌呼んだら帰ろっと。

 

 

ーーーーー

 

 

パタン

 

雑誌を閉じて顔を上げると窓から夕日が差し込んでいた。

 

「あら、もうこんな時間なの?

集中し過ぎて全然気付かなかったわ。」

 

雑誌を読んでいる途中に、碧の断末魔が聞こえた気がしたけど流石に気のせいよね……?

 

今日は練習着に着替えてもいないので、そのまま鞄をもって部室を後にした。

 

ーーーーー

 

 

校門までたどり着くと、仲の良さそうな3人組が楽しそうに話しながら誰が来るのを待っていた。

なんなのよコイツら。こんな所で集まってんじゃないわよ。

どうせ後から『あの子、1人だったねw』とか陰口言ったりするんでしょ?

フンっ!なんとでも言いなさいよ!

わ、私だっていつもなら碧と2人で帰ってるんだから!

そんな事を考えながらも出来るだけ目立たないように、俯きながら足早に校門を抜ける。

 

碧、明日はちゃんと部活来るわよ…ね?

なんとも言えない一抹の不安を感じながら私は帰路についた。




上司があまりにもウザすぎてノイローゼになりかけていました。
大した理由もないのに罵られる理不尽w
その事を同僚に話すと、
「そのストレスを溜め込んでいるのが良くないんだよ!」
って言われました。
その子が言うには、部屋に引き篭もってないで運動でもしてストレス発散をしろ、とのことでした。

なるほど!確かにその通りだ!!

とは全く思いませんでした。
でもストレス発散は大切だと思いました。
部屋に引き篭もってストレス発散するにはどうすればいいのだろう……。
暫く考えた結果、呂布で三國無双をプレイすることにしました。
気持ちよかったです。
何かとストレスの溜まりやすいこの時代。
皆さんも自分に合ったストレスの解消法を見つけてみてください!
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