浅野 学真の暗殺教室   作:黒尾の狼牙

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第12話 修学旅行の時間②

今俺たちは駅に来ている。行き先は当然京都。全校生徒が駅に集合している。

 

「うわ…A組からD組までグリーン車だぜ」

E組(うちら)だけ普通車……いつもの感じね」

 

グリーン車ねぇ……そういう豪華車、俺嫌いなんだよなぁ。

 

「うちの学校はそういう校則だからな。入学時に説明しただろう」

「学費の用途は成績優秀者に優先される」

「おやおや君たちからは貧乏の香りがしてくるねぇ」

 

相変わらずE組差別は凄まじいもので…ったく……

 

「ごめんあそばせ」

 

ん?この声は……

 

「御機嫌よう生徒達」

 

「……やっぱあんたかビッチ先生。何だよそのハリウッドセレブみたいなカッコはよ」

 

毛皮のコートにどう見たって高そうなサングラス、皮のブーツに毛作りのキャップ……どこのお嬢様だよ。似合ってる分恐ろしい。

 

 

「フッフッフッ女を駆使する暗殺者としては当然の心得よ。狙ってる暗殺対称(ターゲット)にバカンスに誘われるって結構あるの。ダサいカッコで幻滅されたらせっかくのチャンスを逃しかねない。良い女は旅ファッションにこそ気を使うのよ」

 

…いや正しいだろうがよ、時と場合を考えろよ。

 

「目立ち過ぎだ着替えろ。どう見ても引率の先生の格好じゃない」

 

…あれ、カラスマさんちょいキレてない?

 

「堅いこと言ってんじゃないわよカラスマ‼︎ガキ共に大人の旅の…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……脱げ、着替えろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

……怖えぇ……

 

担任が()()だから俺たち生徒を叱っているのは基本烏間先生なんだが、ものっそい怖いんだよ。ビッチ先生もビビったようで素直に寝巻きに着替えて隅っこで泣いてやがる。…誰が引率なんだか……

 

あれ?引率といや殺せんせーは?

 

「うわっ!」

 

ん?渚の声……?

 

「何で窓に張り付いてんだよ殺せんせー‼︎」

「いやぁ、駅中スウィーツを買ってたら乗り遅れまして……次の駅までこの状態で一緒に行きます」

 

ええええええ!!?

あの人…じゃなくてあのタコ何してんの!?新幹線に張り付いてたら不自然に見えるだろうが‼︎

 

「ご心配なく、保護色にしてますから服と荷物が張り付いてるように見えるだけです」

 

「「それはそれで不自然だよ‼︎」」

 

 

 

「いやぁ、疲れました。目立たないよう旅するのも大変ですねぇ」

 

次の駅に着き殺せんせーを車の中に入れた。言っとくけど目立ってるからな。

 

「そんなクソでかい荷物持ってくんなよ」

「タダでさえ殺せんせー目立つのに」

「てか外で国家機密がこんなに目立っちゃヤバくない?」

「その変装も近くで見ると人じゃないってバレバレだし」

「にゅや!?」

 

言われたい放題の殺せんせー。言っちゃあなんだけどその通りだ。今まで穏便に済んだのが不思議なくらい。…あ、付け鼻取れた。

 

「……殺せんせー、ほれ。まずそのすぐ落ちる付け鼻から変えようぜ」

 

お、菅谷が付け鼻を作ってくれたようだ。

 

「おお!凄いフィット感!」

「顔の曲面と雰囲気に合うように削ったんだよ。俺そんなん作るの得意だから」

 

成る程な。人間の鼻にするんじゃなくて丸めを帯びる事で殺せんせーの顔にフイットするよう作ったわけか。流石だな菅谷。

 

 

 

 

色々有りまして旅館に着きました。あ?速い?移動中も実況なんて出来るわけねぇだろ。

 

まぁとにかく…その旅館の中では……殺せんせーがぶっ倒れてる。新幹線とバスで酔ってグロッキーとは…

 

殺せんせーの弱点⑧ 乗り物で酔う

 

「大丈夫?寝室で休んだら?」

「いえ…ご心配なく。先生これから1度東京に戻りますし。枕を忘れてしまいまして」

「あれだけ荷物あって忘れ物かよ!」

 

殺せんせーの弱点⑨ 枕が変わると眠れない

 

 

 

「どう神崎さん?日程表見つかった?」

「ううん」

 

……?神崎さんと茅野がなんか困ってる…?

 

「……どうした?」

「神崎さんがね。日程表が見当たらない、て」

 

日程表…?

 

「神崎さんは真面目ですからねぇ。独自に日程をまとめてたとは感心です。でもご安心を。先生の手作りのしおりを持てば全て安心」

「それ持ち歩きたくないからまとめてんだよ!」

 

相変わらず妙なところが抜けてんなこの人…じゃなかったタコは……

 

「なんか心当たりがないか?」

「うーん……確かにバッグに入れといたのに…どこかで落としたのかなぁ」

 

どこかで落とした…?

 

 

〜回想

 

 

「ね、皆の飲み物買ってくるけど何飲みたい?」

「あ、私も行きます」

「私も!」

「それじゃ僕はサイダーお願い」

「カフェオレよろ〜」

「コーラよろしく」

 

 

…あん時か?いや、確定すんのはまだ早いか……嫌な事が起きなきゃいいけど

 

 

 

◇渚視点

 

 

3ーEは暗殺教室。そんな僕らの修学旅行の行き先の京都。一見暗殺とは無縁そうだけどそうでもない。坂本龍馬が暗殺された近江屋の跡地、織田信長が暗殺された本能寺…このわずか1kmぐらいの範囲の中でもものすごいビッグネームが暗殺されている。知名度の低い暗殺も含めればまさに数知れず。ずっと日本の中心だったこの街は暗殺の聖地でもある。

 

そして、暗殺の対称(ターゲット)になってきたのはその世界に重大な影響を与えるだろう人物ばかり。地球を壊す殺せんせーは、典型的な暗殺対称(ターゲット)だ。だからこそこの暗殺旅行は、かなり有意義だ。

 

2日目の班別行動、国が雇った狙撃手(スナイパー)が狙撃しやすいスポットに殺せんせーを誘い込む。この旅行が始まる前に設計していた狙撃スポット。僕たちは神崎さんの意見に従った。

 

「へー、祇園って奥に入るとこんなに人気無いんだ」

「うん、一見さんお断りの店ばかりだから目的もなくフラッと来る人もいないし、見通しが良い必要もない。だから私の希望コースにしたの。暗殺にピッタリじゃないかって」

 

さすが神崎さん。徹底した下調べで計画立てている。確かにここなら人通りも少なく殺せんせーが狙撃手を見つけ辛くなる。絶好の狙撃スポットだ。

 

僕たちはその場で殺せんせーを待つことにした。

 

 

 

 

 

 

 

「ホントうってつけだ。なんでこんな拉致りやすい場所歩くかねぇ」

「え……?」

 

すると、僕らの前に男たちが近づいてくる。櫟ヶ丘の生徒ではない。黒い学ランに大きな身長…まさか……

 

「…何お兄さんら?観光が目的っぽくないんだけど」

「…こんな所で何しに来た?」

 

カルマくんと学真くんはその男たちを睨みつける。2人とも、直感的に危険を感じたみたいだ。

 

「男に用はねぇ。女置いておうち帰んな……ゲフゥッ!?」

 

一番大きな男の腹に蹴りを入れる2人。……なんだかんだで息あってる…

 

「ホラね渚くん。目撃者居ないとこならケンカしても問題ないっしょ」

 

カルマくんが笑って言う。笑顔で怖いこと言わないでよ……

 

 

 

「そーだねぇ」

《ドゴゴン!》

 

 

 

「うっ!?」

「が……!?」

 

え…?脇道から同じ服装の男が現れて2人を殴りつける。後頭部を殴られた2人はそのまま倒れた。

 

「ホント隠れやすいなココ。おい、女攫え」

 

「ちょっ何…ムググ」

 

男たちは女子たちをさらっていく。

 

「おい!何すん…」

 

《ズド!》

 

杉野は腹を蹴られる。この人たち…高校生だ。一回り大きい彼らは、僕一人では全く太刀打ち出来なかった。

 

 

 

 

 

「み…皆!大丈夫ですか!?」

 

どうやら数分気絶したようで、奥田さんの声で意識を取り戻した。

 

「良かった。奥田さんは無事で」

「…ごめんなさい。思いっきり隠れてました」

 

どうやら奥田さんは隠れて難を逃れたようだ。だけど…残りの2人はあの高校生たちに攫われてしまった。

 

「……車のナンバー隠してやがった。多分盗車だしどこにでもある車種だし。犯罪慣れしてるよあいつら。通報しても直ぐ解決しないだろうね。……ていうか、俺に直接処刑させて欲しいんだけど」

 

…カルマくん怒ってる。でも…一体どうしたら…

 

 

「……『クラスメイトが拉致られた時、1243ページ』」

「…え?学真くん」

「殺せんせーがわざわざ渡してくれたあのしおり…困った時の対処法が記されていた。本当に手厚いよな…あのタコ」

 

言われてしおりを見てみる。すると確かにあった。困った時の対処法。『京都で買ったお土産が東京のデパートで売ってた時のショックからの立ち直り方』、『鴨川の縁でイチャつくカップルを見た時の淋しい自分の慰め方』……結構マメだ。

 

でも、少し落ち着いた。今すべきことがちゃんと書いてある。これなら2人を助けに…

 

 

 

 

 

 

「あーあ、だから甘いんだよ。あのガキども」

 

突如大勢の集団が現れた。今度は高校生ではない…?

 

「行かせねぇよ。せっかく面白そうなことやってるしな」




原作には無いこのシーン。一体彼らは何者だ?そして神崎さんたちを救えるのか?
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