浅野 学真の暗殺教室   作:黒尾の狼牙

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メリークリスマス!
残念ながら、クリスマス回は出来ませんでした…なので本編投稿です。さて、いよいよイトナくん登場です!


第24話 イトナの時間①

「それで、ピンチになった時にその男の顔面にサッカーボールが直撃して、男は気絶したの。凄かったんだ。コントロールも良かったし」

 

……えーと、登校して教室の前に立ってみると中で楽しそうな会話してるんだが…あの声は、女子か?

 

《ガラガラガラガラ》

 

「おはよ…どうしたんだ?こりゃ…」

「おう、学真」

 

教室ではクラスメイトがなぜか集まっている。特に女子が多いな…

 

「なんか…倉橋さんが、昨日物凄く強い男にあったらしいんだ」

 

渚から聞いた事によると、どうやら話しているのは倉橋のようだ。昨日っていや…おれが道場に久々に行った時か。

 

「本当に凄くカッコ良かったんだから。声も良かったし」

「へぇ〜…どんな人だったの?」

「うーん、身長は大きく体格も良くって…髪は黒色で、顔つきがちょっと怖めだけど、結構優しかったな〜」

 

体格が良くて黒髪で顔つきが怖め…

 

 

 

 

 

 

 

 

……該当人物が1人いるんだけど…アイツのことじゃねぇだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

「あ…アレ?それって…」

 

やはり渚も気づいたよ。だって今の特徴は見事あいつを指してるだろ?カルマに至ってはなんかニヤけてるし…

 

 

ま、まぁ…断定するにはまだ早いだろ…

 

 

「みんな、そろそろ朝礼だぞ」

 

我らがイケメン委員長、磯貝の声掛けにより、俺らは席に着いた。

 

 

 

 

「お早うございます皆さん。今日も全員出席ですねぇ」

 

朝礼が始まり、いつも通りの出欠確認(あの一斉射撃のこと)が終わり、殺せんせーは満足そうに言っている。顔が丸だ。ここまではいつも通りの朝の様子、だが今日は…そうならない出来事がある。

 

「さて、今日は転校生が来る日でしたね」

「まぁ、ぶっちゃけ殺し屋だろうね」

 

そう、転校生が此処に来る。それも律と同じ、転校生暗殺者だろう。教室に入った時にどデカイ箱とかが無いから機械では無いんだろう。…人間であって欲しい。

 

「律さんの時にはナメて痛い目に遭いましたからねぇ。今度は先生も油断しませんよ。それに、皆さんに仲間が増える事はとっても喜ばしい事です」

 

殺せんせーは相変わらず嬉しそうだ。自分を殺す暗殺者が増える事も、生徒が増える事くらい嬉しいんだろう。本当に教師バカだ。

 

「そういえばさ、律。詳しくは聞いてないの?同じ転校生暗殺者として」

 

原さんが律に聞く。烏間先生が言うには、今回の転校生暗殺者は調整に時間がかかったため、律より遅れてこの学校に転校させたという事らしい。それならなんか知ってるんじゃ無いだろうか?

 

『はい、少しだけ。初期命令では私と彼の同時投入の予定でした。私が遠距離射撃、彼が肉薄攻撃。連携して殺せんせーを追い詰めると。

ですが、2つの理由でその命令はキャンセルされました』

「へぇ、理由って?」

『1つ目は、彼の調整に時間がかかったから。もう1つは、私の性能では彼のサポートには力不足。私が彼より圧倒的に劣ってたから』

 

…マジか…律は殺せんせーの指を弾き飛ばした。その律が力不足…いったい何が出てくるんだ…?

 

 

 

 

《ガララ!》

 

!!!

 

扉が開いて中から…

 

 

 

 

 

 

白衣の装束をした人が現れた。

 

…へ?あれが転校生?それにしてはデカくない?てか装束とか不気味なんだけど

 

《スッ》

 

…っ!?その白い装束をした人は手を伸ばしてきた。一体何を…

 

 

まさか、仕込み銃とか…!?

 

《ポン!》

 

うぎゃああああ!鳩が、鳩がぁぁぁ!あ、あれ?鳩?

 

 

 

「ごめんごめん。驚かせたね。転校生は私じゃないよ。

私は保護者。まぁ白いし…シロと呼んでくれ」

 

 

 

い…いや、ちょっと待て。そんな事より…

 

 

 

「何やってんだ学真?」

「机から思いっきり下がって…」

「後ろの壁にぶち当たったね…」

「オーバーリアクションすぎんだろ」

 

うぎゃああああああああ!!!やっぱり突っ込まれたァァァ!!

シロとやらが鳩出した瞬間、俺は発砲でもしてくんのかと思って椅子ごと思いっきり後ろに下げてたんだ。おれ1番後ろの席だから後ろの壁にぶち当たって大きな音を立ててしまったんだよ!なんでみんなちょっと驚くだけで済んだの⁉︎

 

「まぁ…白装束を着て、いきなり手品をやったらビビるよね」

「うん、殺せんせーでもなければ誰だって…」

 

お、おお…茅野と渚がフォローを入れてくれる。そうそう、あのタコじゃないと…

あれ?そのタコは何処に…?

 

 

 

「…………」

 

 

 

…あ、いた

 

 

 

 

「ビビってんじゃねーよ殺せんせー!」

「奥の手の液状化まで使ってよ!」

「いや…律さんがおっかない話をするもんで」

 

天井近くにあのタコは張り付いていた。…体がドロドロになる液状化を使って…

 

殺せんせーの弱点15 噂に踊らされる

 

「は…初めましてシロさん。それで、肝心の生徒は?」

「初めまして殺せんせー。ちょっと性格とかが特殊な子でね。私が直で紹介させようと思いまして」

 

なんつーか、不気味な人だな。何か変って訳じゃないけど…挨拶も普通だし、イヤに社交的だ。勿論ああいう人は社会には結構いるんだろうけど…なんか、ぎこちない。

 

「…!」

「…何か…?」

 

…?何か、一瞬生徒の方を向いたな。なんか…渚の方を…

 

「いや、皆良い子そうですな。これならあの子も馴染みやすそうだ。それでは紹介します。おーいイトナ、入っておいでー」

 

…!いよいよか…!シロの声掛けに、俺らは教室の扉を注視してる…

 

 

 

 

 

 

 

 

《ドゴォォォォォン!!!》

 

…へ?なんか、左の方から大きな音が…?

 

あ、なんかカルマの左隣の席に、壁をぶち抜けて座った男が1人いる…

 

 

 

「俺は…勝った…この壁よりも強い事が証明された…」

 

 

 

 

 

「「「「「いや、ドアから入れよ!!」」」」」

 

 

何してんだオォイ!こんな雨が土砂降りな時に壁ブチ抜いたら雨が中に入っていくだろうが!壁修理にどれだけ予算が必要と思ってんだよ!これ以上烏間先生の心臓にダメージを与えないであげて!

 

「それだけで良い…それだけで良い…」

 

…なんかまた、面倒くさそうな奴が来やがったぞ…殺せんせーもリアクションに困ってる。笑顔でも真顔でもなく、何だその中途半端な顔は!

…えーと、白い髪でボサボサ?て感じで、背丈は小さめ。目はなんか物凄く開いていて怖いし、何故か知らんけどマフラーしてる。

 

「堀部 イトナだ。名前で読んであげてください。あと、私も少々過保護でね。近くで彼を見守らせてもらいますよ」

 

…なんかとんでもねぇ事になってんな。白装束の男に、壁をぶっ壊した転校生…今までよりとんでもない波乱が巻き起こりそうだな。

 

「ねぇイトナくん。ちょっと気になったんだけど、いま手ぶらで外を歩いてきたんだよね。外土砂降りの雨なのにどうしてイトナくん、一滴も濡れてないの?」

 

カルマがイトナに聞いている。言われてみればそうだよな。こんな土砂降りな雨の中、全く濡れずにいるのはなんか不自然だな。

イトナはその質問を受けて…なんかキョロキョロし始めた?あ、カルマの方を向いた。

 

「お前はたぶん、このクラスの中で1番強い。けど安心しろ。お前は俺より弱いから、俺はお前を殺さない」

 

あれ?質問ガンスルーですか?てか言ってることも訳わからんのですが…

 

「俺が殺したいと思うのは、俺より強いかもしれない奴だけ。この教室では殺せんせー、あんただけだ」

「強い弱いとは喧嘩のことですか?イトナくん。力比べなら先生と同じ次元には立てませんよ」

 

イトナは殺せんせーに近づく。それに対して殺せんせーは…あれはようかんか?…を食べながらそう言い返した。いつの間にようかんが出てきたんだよ…

 

「たてるさ。だって俺は…」

 

イトナすげえ自信満々だな。何を根拠にして…

 

「あんたと血を分けた兄弟だから」

 

 

 

 

 

 

 

………………へ?

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「き…兄弟ィ!!?」」」」」

 

 

え!?なに!?イトナくん、兄弟って言ったの!?てか何で同じようかん取り出してんの!?

 

「負けたら死亡な、兄さん。兄弟どうし、手加減いらない。兄さん、お前を殺して俺は証明する。放課後この教室で勝負だ」

 

イトナくんはそう言って教室を出た。暫くの間、沈黙して…

 

「ちょっと先生!兄弟ってどういうこと⁉︎」

「そもそも人とタコで全然違うじゃん!」

 

生徒が殺せんせーに問い詰める。そりゃそうだな。

 

「全く心当たりありません!先生生まれも育ちも一人っ子ですから!昔、両親に兄弟欲しいってねだったら、家庭内が気まずくなりました!」

「そもそも親とかいるのか!?」

 

まぁ両親の事は置いといて、妙だな。殺せんせーはイトナを全然知らない。弟も居ないとも言う。しかしそれだとイトナの言ってる事は筋が通らない。一体どうなってるんだ?

 

 

 

 

昼休み、イトナは大量の甘いものを食べている。

 

「物凄い勢いで甘いもの食ってんな」

「甘党なのも殺せんせーと同じだ」

「表情が読み取りにくいところとかな」

 

うーん、考えれば考えるほど信憑性が増してくる。

 

「兄弟疑惑でやたら私と彼を比較してる…なんかムズムズしますねぇ…気晴らしに今日買ったグラビア読みますか。これぞ、大人の嗜み」

 

オメーはなんでエロ本を読むんだよ。それも教室で。聖職者としてそれはダメだ…ん?

 

 

 

 

 

…あ、イトナくんも同じグラビアを読んでる。

 

 

(((巨乳好きまで同じだ!)))

 

「これは…がぜん信憑性が増してきたぞ…」

「そ、そうかな、岡島くん」

「そうさ!巨乳好きは、みんな兄弟だ!」

「3人兄弟!?」

 

話をややこしくするんじゃねぇ!

 

「仮に兄弟だったとして、でもなんで殺せんせー分かってないの?」

「うーん、きっとこうよ」

 

〜〜

 

生き別れた兄弟

著:不破 優月

 

時は19XX年、タコ星人対イカ星人との大戦争が勃発していた。だが、イカ星人の戦力はタコ星人のとは比べ物にならず、タコ星人はいまや絶体絶命のピンチとなっていった。

 

「陛下!敵がもうそこまで迫っております!」

 

王室にて幹部からの報を受けてるタコ2世、彼の目は焦りと絶望が混ぜあっていた。

 

「むぅぅ、止むを得ん!息子たちよ!お前たちだけでも逃げろ!」

 

タコ2世はその息子、殺せんせーとイトナを逃すことを決意した。願わくば共に生きていこうと思ったが、この王国を見捨てるわけにはいかない。タコ2世は王国に残って共に死に、息子たちを人間界へと逃すことにした。

 

 

「先に行け!弟よ!私も後で行く!」

 

王宮から遠くまで走って行った殺せんせーとイトナ。目の前の橋を渡れば戦争から遠く離れる人間界に着くことが出来る。だがしかし、彼らのすぐ後ろにはイカ星人らがすぐそこまで迫ってきている。殺せんせーは、イトナを先に渡らせ、後でついて行く事を決めた。

ある程度イトナが渡りきったところで殺せんせーも橋を渡ろうとする。だがしかし、殺せんせー目掛けて弓矢が放たれる。

 

「にゅや!」

 

その矢は殺せんせーに当たり、殺せんせーは川に落ちた。

 

「兄さん!にいさーん!」

「構うな!行け!」

 

流される殺せんせーを追いかけるイトナ。しかし、殺せんせーは構わず行けと言う。殺せんせーはどんどんと遠くに流される。

 

「弟よ、生きろーー!!」

「ニイサーーーーン!!!」

 

〜〜

 

「…で、成長した2人は兄弟と気づかず、宿命の対決を始めるのよ」

「うん、で…どうして弟だけ人間なの?」

「それはまぁ…突然変異?」

「肝心なところが説明されてない!」

「キャラ設定の掘り下げが甘いよ不破さん!もっとプロットをよく練って…」

 

…アレは無視しよう。『タコ星人とかイカ星人って何?』とか『2世かよ、じゃあ1世は?』とかいろいろと突っ込みたいことはあるが…

しかしまぁ…考えてみれば俺らは殺せんせーについてあまり知らない。当然家族情報もだ。もしイトナが殺せんせーの本当の弟ってことなら…殺せんせーと同じ『アレ』を持ってる可能性が高い。さて…答えは放課後か…

 

 

 

「ただの暗殺じゃつまらないでしょう?此処は1つルールを決めないかい?このリング上で戦い、リングの外に足がついたらその場で死刑」

 

放課後、俺らの席を移動させ、机で四角に囲まれたフィールドが設置されてある。中には殺せんせーとイトナがいる。これからバトル勝負をしようという事だ。

一見、そんな口上のルールなんて誰が守るか、て話だが殺せんせーの場合は別。生徒の前で決められたルールを破る事は、生徒の信頼を失墜させ、殺せんせーにとって死と同じ。これは守らざるを得ない。

 

「いいでしょう。そのルール受けましょう。ただしイトナくん、観客に怪我を負わせても失格ですよ」

 

やはり了承のようだ。殺せんせーは1つだけルールを追加した。まぁ、それをしてくれないと俺らがオチオチ観戦出来ないからな。

 

「それでは始めようか」

 

シロの言葉に緊張が高まる。もし…俺の推測が正しければ…

 

「暗殺…開始!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《ズドン!!》

 

 

 

 

 

 

シロの開戦の合図と共に、殺せんせーの触手が一本斬り落とされた。その瞬間、クラスは全員の視線は、ある1点を見ていた。斬り落とされた殺せんせーの触手…ではなく

 

 

 

 

「イトナくんに…触手!?」

 

イトナの頭から、殺せんせーと同じ触手が伸びていた。みんなはそれに視線を集めている。イトナの触手はムチのようにしなりながら動いている。ブンブンと風を切る音がなり、その触手が途轍もない速さで動いている事を物語っている。

思った通りだ。もし弟と言うなら、体の性質も同じでないとおかしい。だとすれば、殺せんせーにとっていの一番の武器である触手をイトナが持っている筈だ。

人間の姿とタコの姿…全く違う姿ではあっても共通する部分はある。それが、あの触手。それなら、カルマが言った『手ぶらで外にいて何で濡れてないのか』に説明がつく。触手で雨を全部弾き飛ばせるからだ。

 

 

 

 

 

「…こだ…」

 

…⁉︎殺せんせー…?何か、様子が…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何処でそれを手に入れた!その触手を!」

 

 

 

 

殺せんせーの顔は、真っ黒になっていた。渚から聞いたんだが、殺せんせーは最も怒った時…所謂、キレた時には顔が真っ黒になるらしい。俺が此処に入る前、寺坂が渚に自爆で殺せんせーを巻き込むよう指示したらしい。その事によって殺せんせーが激怒し、顔の色が真っ黒になった。

 

 

 

 

 

「君に言う義理はないね、殺せんせー。だが、これで納得したろう。両親も違う、育ちも違う、だが、この君は兄弟だ。

しかし、怖い顔をするね。何か嫌なことでも思い出したかい?」

 

…殺せんせーはいま、イトナが触手を持っていた事に怒っている。…てことは、あの触手を手に入れるという事は、それなりのリスクがあるという事か…?それとも…手に入れられる場所に問題があるのか…?

 

「どうやら、あなたにも話を聞かなきゃいけないようだ」

 

…殺せんせーはシロに向かってそう言った。殺せんせー…本気だ。

 

「聞けないよ、死ぬからね」

 

シロは、殺せんせーに向けて手を伸ばした。シロの袖から紫色の光が灯される。すると、殺せんせーの動きが止まってしまった。

 

「この圧力光線を至近距離で照射すると、キミの細胞はダイダナント挙動を起こし、一瞬全身が硬直する。全部知っているんだよ。君の弱点は…全部ね」

 

そして、イトナが触手を動かした。

 

「死ね、兄さん」

 

その触手が、殺せんせーに向かって叩きつけられた。




とりあえずここまで。イトナくんのあの回は2回に分けます。それでは、次回もまた〜
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