浅野 学真の暗殺教室   作:黒尾の狼牙

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「ころきゅー」に最近ハマった。キャラクターが可愛いよねアレ。


第28話 球技大会の時間③

『試合終了〜!6対0!トーナメント野球3年は、A組が優勝です!』

 

放送部の部長が大きな声で語ると同時に、A組は歓喜している。黒崎が交代して以降、バンバン打たれて6点も取られた。対してD組は誰も塁に出る事なく試合が終わった。

 

「黒崎の投げたボールが打たれてから、A組の快進撃は止まらなかった…というわけだよね」

 

カルマの言う通りだ。窠山が黒崎のボールを打ってホームランにした後、黒崎が退出した事とA組の調子が上がった事が合わさって一方的な試合になった。

…おそらくは、窠山の描いた通りなんだと思う。D組の士気が下がるのも、最後に黒崎が焦る事も、そして…黒崎が下げられる事も。あいつの思い描いた展開通りに進んで、A組がD組に完全勝利した。

…さすがに、親父の『教育』を受けただけはあるよな…

 

 

 

◇窠山視点

 

今回の試合はA組の圧勝だった。うん、この結果なら学秀くんも文句無しでしょ。試合中に僕が言った通り、田中くんはこの試合のヒーローになってた。

 

「お疲れさま〜カッコ良かったよ田中くん。実は私ずっと前から田中くんのこと…ハッ!」

 

…あれは…口説き女の土屋さんだっけ?あの人に目をつけられるなんてモテモテだね〜、明らかに瀬尾くんに睨まれてるけど。

 

「あの時黒崎の投球をよく打ったな。正直、お互いに一点も取れずに延長戦になるかと思ってたけど…」

 

チームメイトから讃えるように僕を褒める。まぁ黒崎くんの投げたボールを打てるなんて誰も考えたりはしないでしょ。…でも、僕には分かってた。

 

 

「ピッチャーはさ、1番プレッシャーがかかるポジションだと思うんだよね。ボールを投げる時は完全に1人。自分の投げたボールによっては、チームに痛手を負わせかねない。その思考が、投手を焦らせるきっかけになる。実際田中くんも呑まれかけてたしね。

あの時黒崎くんは、尋常じゃ無いプレッシャーがかかってた。チームメイトの戦意が削がれ、誰もが勝てないと諦めていた。その雰囲気ではいくら頑張っても勝利に結びつかない。払拭するには、自分のプレーで意識を変えさせるしか無い。

その責任感が、黒崎くんのプレッシャーになった。その状態で投げるピッチャーのボールは、かなりの確率で狂う。かなり繊細に扱わないと、ボールは思い通りに飛ばない。まして、力任せに投げればスピードなんてそう出ないよ。だから打てた。もしチームの焦りが無ければ、もっと上手く行けただろうけどね」

 

最後の投球は、100kmだった。腕だけを大きく振るだけのフルスイング。それは案外スピードが出ないんだ。100kmでもかなり速いけど、僕なら打てる速さ。その一瞬のミスに対して情け容赦なくホームランを叩き出した。結果、黒崎くんは下げられた。

全て僕の描いた通りだ。チームが崩れるのも、黒崎くんが崩れるのも、全て僕の計画通り。あぁ、全てが描いた通りになる瞬間がもう…

 

 

 

 

最ッッ高…

 

 

 

 

 

 

 

◇学真視点

 

…今回、黒崎は不運だったとしか言いようがねぇ。チームが崩れ始めたんだ。そのままプレーを続行しても勝ち目が無かった。そのプレッシャーから、最後のミスをしてしまったんだろう…

 

「カルマ…黒崎はいつもあんな感じなのか?」

「…昔っからあの堅苦しさと正義感は変わらなかったよ。恐らくそれが原因なんだろうけど…アイツには友達が居なかった。クラスメイト全員がアイツを遠ざけててさ。あの硬い頭が原因だろうね。黒崎と話そうとする奴なんて、俺か渚くんぐらいだった」

 

カルマに黒崎のことを訊いた。…やっぱり、周りから浮いていたようだった。…殺せんせーの言う通りだ。間違ってはいない。けど、黒崎の言う事には誰も従おうとしなかった。だからこそ、チーム内で分裂し始めたんだろうな…

それを抜きにしても、あのD組は酷いと思う。全力を出し切らなかった事で叱る黒崎に逆ギレして、拒絶したんだ。恐らく、勝ちを諦めたって事だろうが、必死で訴えかける黒崎に対しての侮辱にしかなってない。

…言っては何だが、俺にとってはE組よりも本校舎の生徒の方が人間として堕ちているとしか思えない。自分らより下がいるって確信してるから、あんな態度が取れるんだと思う。だが、それは強気では無く、慢心でしか無い。俺には、そっちの方が努力する奴らより見苦しいとしか見えない。

 

 

D組が野球場から出て行く。その中から、黒崎が見えた。顔はハッキリとは見えないが、落ち込んでるとしか見えない様子だ。

 

余計な心配かもしれないが、アイツの事が心配になった。チームメイトの拒絶、リーダーとしての責任感…そして、完全敗北。ここまでやられるとなれば、心が折れてしまう。今後に傷を負ってしまうと…

 

 

 

 

 

 

《パァァァァァァン!!》

 

 

 

!?

 

なんか、突然破裂音が…

 

 

 

 

 

 

音源は…黒崎?自分の頬を両手で押さえるように思いっきり叩いた音なのか。

黒崎はその後、A組の…窠山の方を向いた。一体何を…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この敗北は、俺の失態だ。

 

 

 

 

 

 

 

次は負けん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……

 

心配する必要なかったみたいだ。

 

 

「あっはっはっは。あの黒崎が落ち込むだって?そんなの、タコが生徒を見捨てる並にあり得ないよ。じゃなきゃ、最初っから俺と対等に話そうなんて思わないし」

 

 

 

カルマが笑いながら話す。こいつは最初っから、黒崎が落ち込むとは思ってなかったみたいだ。見ると、渚も少し安心している様子だ。渚も心配だったんだろう。

…そうだな。ドSのカルマに色々と口出しするくらいだ。この程度で落ち込むはずも無いか。

 

とりあえず黒崎の事は心配無用だな。そんじゃ、俺は何も気にせず、俺のやるべき事を精いっぱいやるとしようか。

 

 

 

 

 

◇窠山視点

 

 

…アレだけボコスコにやられ、身も心もズタズタになってもおかしく無いのに、黒崎くんはその様子を全く見せずに切り替えやがった。

 

体だけじゃなく、心臓もバケモノかよ。

 

僕は今回で、黒崎くんの心をへし折る気で挑んだのに、気を取り戻すとか…つまんねー。ボキッといけよボキッと。

 

「あーあ、負けた負けた」

「成績でもA組には敵わないのに、運動も負けたら良いとこねーじゃねーか」

「言うなよ。アレ見て忘れようぜ。俺らより良いとこない奴らが、もっと恥ずかしい目に遭うのをよ」

 

後ろでD組…たしか、田中くんと高田くんだっけ?あ、信太くんの方ね…が喋っている。そういえば、決勝後はエキシビジョンだっけね。折角だし、僕も楽しんで見ようかね。

 

 

◇学真視点

 

 

『それでは最後に、E組対野球部選抜の余興試合を開始します!』

 

いよいよ始まった。俺らの出る試合が。グラウンドでは野球部が猛練習に励んでる。物凄い気合い入ってんな…まぁ、野球部にとってはここ1番の見せ場だしな。全校生徒に良いとこ見せる機会だし、E組相手じゃコールド勝ち(10点取って試合終了すること)で当たり前、最低でも圧勝が義務だから容赦なんてしないだろう。

 

「学真」

 

…うげ…進藤が来たよ。

 

「まさかこんな形で再会になるとは思わなかった。たった2ヶ月で辞めた腑抜けが、よくこの場に立とうとしたな」

「…自信満々だな、2年前以上に」

「当然だ。俺はこの2年で野球を極めた。お前はこの2年で堕落した。正に、選ばれた者と選ばれなかった者の違いだ」

「…テメェのボールは打ったことはあるがな」

「昔の話だ。今はバット一本触れさせる事すら出来ない。それだけの差がついてしまったのだ。この試合でそれを思い知らせて、そいつら諸共、二度と表舞台に立たせなくしてやる」

 

相変わらずだな。進藤は昔っから自信満々に物を言う。実際あのストレートで殆どの打者を三振してきたから、自分の実力に確信を持ってるんだろう。

言いたい事を言って満足したのか、進藤は野球部がいるところに戻っていく。背後からでも堂々とした感じが伝わる。あれこそ、スポーツマンって感じだな。

 

「…?そういや、殺せんせーは何処にいるんだ?さっきまで近くにいたけど」

「あぁ、烏間先生に目立つなと言われてるから、遠近法でボールに紛れてる」

 

殺せんせーは何処だろうなーと思ってると、渚が指を指しているのでそっちを向く。…あ、ボールの中に明らかに違和感のあるボールが。成る程、頭を野球ボールの模様にしておいて紛れているのか。

 

 

 

 

 

 

「てかバレんだろアレ」

 

 

 

 

 

不自然におかれたちょっと大きめの野球ボール、しかも目と口がついている。こんなの、野球ボールに擬態してないに等しいだろ。

無理があるんじゃないか?と思うのだが、現在E組以外で気づいているものは何故かいない。…まぁ、最後までばれない事を願うか。

 

 

 

 

 

 

 

「ワン(青緑)!ツー(紫)!スリー(黄土色)!」

 

 

 

 

 

野球ボール顔の先生が顔の色を変えた。アレは…サインか?色が変わるボールとか不気味でしか無いのだが…

 

「なんて?」

「あ、えーと…『殺す気で勝て』てさ」

 

殺せんせーからのサインをメモしている渚から、サインの意味を聞いた。殺す気で…か。

 

「確かに、俺らにはもっとデカいターゲットがいるんだ。アレに勝てなきゃ、あの先生は殺れないな」

「よっしゃ、やるか!」

 

杉野と共に、気合が入るのを感じる。此処にいる本校舎の生徒は、E組に期待などする人なんて居ないだろう。

だからこそ、この試合で目にものを見せてやる。俺ら、エンドのE組がな。

 

 

 

 

「ヌルフフフ…さぁ、見せてあげましょう。殺意と触手に彩られた地獄野球を」

 

 

 

 

気合十分、野球部もE組も戦意が高まり…

 

 

 

「プレイ!」

 

 

試合開始の合図が響く。

 




黒崎くんは自分で気を取り戻しました。精神力がバリバリ強いです。

さて、いよいよ原作にもあるエキシビジョンです。学真くんはどのような活躍をするのでしょうか。


E組ポジション及び打席順番

1番 サード 木村 正義
2番 キャッチャー 潮田 渚
3番 ファースト 浅野 学真
4番 ピッチャー 杉野 友人
5番 セカンド 前原 陽人
6番 センター 岡島 大河
7番 ライト 千葉 龍之介
8番 レフト 赤羽 業
9番 ショート 磯貝 悠馬

展開の都合で3番とファーストに学真くんがいます。それに伴い磯貝くんが9番に、菅谷くんはスタメンから外しました。

次回 『球技大会の時間 ④』
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