浅野 学真の暗殺教室   作:黒尾の狼牙

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かなり雑な気がします…不快に思った方ゴメンなさい


第5話 使い方の時間

「はい、これで処置は終了です。暫くの間はあまり動かさないほうがいいでしょう」

 

オッス、オラ学真。今保健室にいるよ。

 

やー、あの体育の時に挫いた手を殺せんせーに治療してもらった。医学の知識もあるんだな。

だがそれでも無茶に動かすことは出来ず、今日は右手を無理に使うなと言われる。まぁいいが…6限目が出れない分不安だよなー…

 

と思ったら俺の手に一冊のノートがあった。…てか俺のじゃねぇか。

 

 

「因みにそれには今日やる予定の事が書かれてあります。6限目の間にそれを読んでてください。更に、普段の学真くんの書く字の形やクセから、普段書く字とソックリにしてます」

 

…どんだけ準備いいんだ。てかマッハ20で書くノート、て破れない?摩擦とか筆圧とかで。

 

 

 

 

 

 

6限目がある間、俺はノートを一通り見た。てか俺にノートを記憶するという作業はそんな時間がかかるものじゃない。

 

 

言っとくが、記憶力が良いから成績が高いとか思ったら大間違いだぞ。覚えるのは内容じゃなく「画像」そのものだ。どういうものかを理解してるんじゃなく、本当に記憶してるだけだ。簡単に言えば、言葉の内容は分からん。例えば、『織田信長』とか『本能寺の変』などの「単語」は知ってるが、どういうものかは分かっていない。教科書やノートで書かれた説明を覚えてるだけ。だから問題の言葉がややこしければ、解けなくなる。

 

俺が苦労するのはどちらかというと記憶の処理。それがどういうもので、どうなるのかを考えるのはかなり難しい。ガキからの訓練で力はつけてるものの、完全に処理を競う数学は苦手だ。

 

俺は本当に、この教室でやっていけるのだろうか。

 

 

 

 

 

「学真くん、大丈夫?」

 

帰りのチャイムが鳴り、俺の様子を見に来てくれた奴らがいる。

 

「おお、渚と杉野に…

 

確か、茅野だったよな」

 

 

「うんそう。茅野 カエデ よ。よろしくね」

 

 

茅野 カエデ

渚に劣らないほど体は小さい。何より…いや、これは女性に話しちゃいけないな。長い髪を後頭部に束ねており、顔は小さいが目は大きい。どうでもいいが、渚と束ね方が似ているのは何故だ?

クラスでは渚の隣であるせいか、彼と仲が良い。明るいタイプであるため、気楽に付き合える。なんつーか、初めて会った気がしない。

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

「どうしたの?」

 

「いや……

 

 

あの隠れてるつもりのタコはなんだ?」

 

「にゅや!気づかれた!!」

 

 

俺が気づいた(体は透明にしてたが、服は見えてた)ことが分かった殺せんせーは直ぐに消えた。あ、気づかないフリして殺しにかかれば良かった。

 

 

どーせアレだろ?ゲスなこと考えてたんだろ?メモを持ってたし。『生徒たちのカップルを記録し、それを使って冷やかす。これぞ担任の先生の粋な計らい!!』みたいなこと考えてたんだろ。

 

「モノマネなかなか上手いね」

 

おう、センキュー。もう突っ込まんぞ。

 

 

 

 

「学真くん、調子はどうだ?」

 

お、ついでに烏間先生も来たか。

 

 

「大丈夫ですよ。もう治ったし」

「そうか。だが謝らせてくれ。咄嗟の事とはいえ、怪我を負わしてしまった」

「だから良いですって。ま、俺としては不意打ちをアッサリと看破されて悔しいて感じなんで」

 

空中で対処されるなんて誰が考えるよ。本当バケモノだわこの人。

 

「学真くん、て少林寺やってたの?」

 

あ、そこら辺話して無かったな。

 

「まぁな、親父に無理やり習わされた。親父曰く、『1つだけの強さを持ったところで何の意味もない。あらゆる強さを手に入れて初めて、力ある者になれる』だと」

「……本当に上手いね」

「モノマネは置いとけ。で、勉強だけついて行けても何の意味も無い。だから、武術を習わされた。他にも音楽、美術等の習得も義務付けられた」

 

何事にも頂点を取るのが必須。事実親父もそうしてる。だから俺たちもそうされた。

 

 

 

「だが、無理だった」

「……無理?学真くん、結構強かったよね」

「一通り出来るだけだ。道場の中では下の方だ。力をつけようとするも、他の奴らも更に上達する。常に勝てない状況。それがずっと続いてた。それに、どこに行っても頂点を取る男がいた」

 

俺が頂点を取れなかった理由。それは、常に『アイツ』がいたからだ。

 

「何をやってもソイツに勝てない。それが続いているうちに、俺は競い合うのが嫌になった。だから、中学に野球を始めた。チームで連携して戦うスポーツなら、そんな空気にさらされないだろう…と。

 

だがダメだった。チーム競技である筈のスポーツなのに、レギュラー争いが勃発する。どこもかしこも、俺の求めるものは無かった」

 

 

話していくうちに、気分が悪くなる。

 

 

「俺は、何も無い。あるのは生まれついたこの記憶力だけ。ここでも、上手くやっていけるか分からない」

 

 

…あれ?何でおれこんなベラベラ喋ってんだ?

 

 

「…悪りぃ、今のは忘れてくれ。それより…」

「歩くことは出来るか?」

 

話を逸らそうとすると、烏間先生が質問してきた。ていうかなんで歩けるかどうか聞いてくんだ?

 

「へ?まぁ、大丈夫ですけど…」

「なら放課後、生徒たちが補講練習をしている。参加は難しいかもしれないが、見学は可能だと思う。その形で見てみないか?」

 

早い話、見学だそうだ。ま、この後何かあるわけじゃないからいいけどよ…

 

「分かりました。いずれ参加することになると思いますし」

 

俺は、そのままグラウンドに行った。

 

 

 

 

 

そんなわけで只今、グラウンドに来ています。補講練習は個人練習が基本なようで、各々が自分のやりたい事をやっている。見所があるものばかりだが、俺が気になるのは…

 

 

 

射撃練習場だ。

 

 

 

 

 

《パァァン!!》

 

 

的に向かって射撃するシンプルな練習。それに熱心に取り組む生徒が2人

 

 

1人は、千葉 龍之介

髪が長くて周りから目が見えない、あと寡黙。なのに視力はかなり良い。将棋とかが得意なようで昼休みとかよくやってる。あと寡黙。

 

 

「2回も同じことを言うな」

 

 

 

 

 

 

もう1人は速水 凛香

髪を二つ編みにしている女子。千葉に劣らないほど寡黙だが…千葉より気が強そうだ。どっちかと言うとツンデレにちかいかもな。

 

 

「撃ち殺すわよ」

 

 

 

 

 

そんでもってその2人は射撃練習しているわけだが…見事百発百中だ。特に千葉はかなり離れてるのに……しかも…

 

 

 

 

 

 

「少し下にずれたな。距離感を甘く見すぎていたか」

「気も動転してるんじゃない?落ち着いたほうが良いわよ」

 

 

 

何アレプロの会話?本当に中学生かよ。『当たりの的の中』で何処に当てるかを考えるとは…

 

 

 

 

 

「…あの2人の練習にはついてこれないね」

「いつもあんな感じか?」

「うん、射撃練習ではトップクラスなんだ。あの2人」

 

だろうね。この上なんているのか?

 

 

 

 

 

続けて俺が見たのはクライミングの訓練場。この隔離校舎にはそういうのに打ってつけの岩山がある。

 

 

 

 

多くの生徒が苦戦してる中、軽々と登っているのが1人。

 

「よっ」

「さすがひなた〜あっという間だね」

「だんだんと慣れたからね」

 

岡野ひなた

ショートに切り揃えた髪が特徴の女子。体育系で、割と物を言う。この前のカルマとの時「サイテー」と容赦も情けも無い言葉を頂きました。畜生

 

しっかしまぁ身軽なもんだ。女性の方が身軽とはいえ限界はあるが…アイツは難なくこなす。羨ましいぜ。

 

 

 

 

「どうだ?生徒たちを見て」

「なかなか…いや、かなり上手ですね。こんなの…A組でもできない」

「そうだ、彼らは落ちこぼれとして蔑まれているが、その実はかなりの才能に満ちている」

 

烏間先生が意気揚々と(ハッキリとは分からんが大体そんな顔してるだろう)語る。

 

 

「スゲェな…こんな才能が…」

 

 

 

 

 

「君は、自分に無い物ばかりを見ているな」

 

烏間先生の言葉が胸に突き刺さる。全くもってその通りだった。俺は、俺に無い物を持つ人を、羨ましく思っている。

 

 

「それは当たり前だ。人間誰しも、自分に無い物を持つものに憧れる。

 

 

だが彼らは、それぞれの力に磨きをかけたのはここ最近だ」

「え…」

「知っての通り、このE組の差別は凄まじいもので、長い間劣等感に満ちていた。だが、暗殺という異様な教育に出会い、そこから自分の力に磨きをかけた。

 

真っ当な力だけが全てではない。悪知恵が働くもの、自分の好きな事に没頭出来るもの、他人を心配出来るもの…ここでは、そうした異様な力を持つものが、自分の才能を磨き上げれる場所だ」

 

 

確かに…暗殺に決まった才能は無い。特殊な才能でも充分武器になる。

 

 

 

 

だが…

 

 

「それでも…俺はここで、上手く出来るんですか?」

 

俺の取り柄は、記憶力…いや、瞬間記憶能力だけ。『見た』ことを記憶することのみ。それが上手く行った試しは無い。

 

 

 

 

 

 

 

「上手くやっていけるかどうかは、努力次第です」

 

 

すると、いつの間にか殺せんせーが現れた。今の話聞いていたのか。

 

 

「殺せんせー」

「正確には『努力の方向次第』、才能を磨くということは、才能の使い方を把握して初めて成り立つもの。今まで君は、才能が使えないあらゆる機会を学んできたでしょう。記憶は、ほぼ意味ない…そう感じてしまうのは無理もない。

 

ですがこの教室では、その才能をフルに発揮できる使い方を学んでいきましょう。教科書に書かれてないことを学ぶのも勉強です」

 

 

使い方…それを考えるなんて思わなかった。記憶力なんて持ってたって意味がないとだけ思って、伸ばそうともしなかった。

 

 

 

「だが…やり方が分からない」

 

 

「ご心配無く。自分の事に悩むのが生徒の役目なら、それに一緒に考えるのも先生の役目。私が手取り足取り付き合いましょう」

 

「お前の『手取り足取り』ほど嫌な響きは無いだろうな」

 

殺せんせーの言葉に烏間先生が突っ込む。まぁ確かに、この人は嫌にしつこいからな。手取り足取りどころか骨抜きされるまでやりそう。

 

 

 

 

 

だが、それでいいかもしれねぇ。もとより真っ当な生き方なんて出来ないんだ。異様な教室での勉強、付き合ってやる。

 

 

 

 

「分かった。俺は…自分を磨く。そして…あんたを殺すぜ」

 

 

「ヌルフフフ、そう出来ると良いですねぇ」

 

 

 

 

人を舐めてるのに過保護な殺せんせーに、俺は共に進むことを決意した。

 

 

 

その後の結末が、どんなものであったとしても…

 




取り敢えずこれで一旦オリストーリー終了
次回から原作通りに進んでいきます。



次回、『集会の時間』
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