浅野 学真の暗殺教室   作:黒尾の狼牙

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期末テスト編〜
生徒なら絶対通る試練という名の試験です。力を入れて編集しまーす!予定4話です。


第51話 目標の時間

さて皆さんに質問です。テスト前にする事はなんでしょうか。その通り、テスト勉強です。(自己完結)

ところで、テスト勉強はどのようにするだろうか。クラスメートと話しながら勉強する派もいるだろうし、1人で黙々と勉強する派もいるだろう。どっちが良いとかはないし、テスト勉強のやり方も色々と個性が出る。

俺は1人で勉強する派だ。というより、1人でした事しかない。だから別にクラスメートと一緒に勉強する事は嫌いではない。

 

けど…このメンバーだとなかなか緊張する。

 

俺と一緒に勉強しようとしているのは…霧宮と、矢田と、倉橋と…黒崎だった。

 

 

 

 

 

 

時は数刻前に遡る。野外で勉強をしていた時だった。

 

「ヌルフフフフ、皆さん、この1学期の間で基礎がガッチリ出来てきました。この分なら期末の成績は大きなジャンプアップが期待できます」

 

相変わらずの殺せんせーの分身圧迫授業を受けながら、殺せんせーが楽しそうに話しているのを聞いている。基礎がついたのは確かだと思う。苦手だった数学も、ある程度は理解できるようになったし。まぁ…この先生のおかげといえばおかげだな。

 

「殺せんせー、期末もまた全員50位以内を目標にするの?」

 

渚が殺せんせーに尋ねた。中間テストの時、この教室では大きな目標を掲げていた。いわゆる、全員50位以内を取ること。親父の妨害のせいで達成は出来なかったけど。今回のテストも、同じ目標を掲げるつもりなのだろうか。

 

「いいえ、先生はあの時総合点ばかりを気にしてました。生徒それぞれに見合った目標を立てるべきかと思い至りまして。

そこで今回は、この暗殺教室にピッタリの目標を設定しました」

 

どうやらそういうわけでは無いらしい。この教室に相応しい目標というのが何なのかは分からないが、単語カードで『LUCKY CHANCE』と飾っている辺り、相当自信があるように見えた。

 

「さて、前にシロさんが言った通り、先生は触手を失うと動きが落ちます」

 

確かに、シロが初めてこの教室に来て、リングの中でイトナと殺せんせーが戦っていた時に言っていた。

すると殺せんせーは対せんせー弾を込めた銃を持って、自分の触手を落とした。

 

「1本失っても影響は出ます。ご覧なさい。分身の質を保てずに子どもの分身が混ざってしまった」

「分身ってそういう減り方するっけ!?」

 

言われた通り、殺せんせーの分身の一部が、3分の1ぐらいの大きさになっている。…分身の数が減るとかじゃねぇんだな。相変わらず、分かりづらい構造だ。

 

「更に1本減らすと、子ども分身が更に増え、親分身が家計のやりくりに苦しんでいます」

「なんか切ない話になって来た」

「更に1本減らすと、今度は父親分身が蒸発し、母親分身は、女手1つで子どもたちを養わなくてはなりません」

「「「重いよ!!」」」

 

…あいかわらず分かりやすいような分かりづらいような説明だな。不思議と印象に残るから、反応に困る。

 

「色々と実践してみたところ、触手1本を失った時に、先生が失う運動能力は、ザッと20%」

 

…20パーセント失う、つまり8割になるという事だな。速度で言えばマッハ16だから、速いのは変わらないけどかなり減る事が分かる。

 

「そこで本題です」

 

…どうやらここからが本題のようだ。シッカリと聞いとかないといけない。

 

「今回は総合点以外にも、各教科の点数で一位をとった者には、触手を1本破壊する権利を進呈します」

 

殺せんせーは、とんでもない事を言った。1教科につき1本って事は…上手く言えば5本…総合点を合わせれば6本落とせる事になる。つまり、80パーセントの6乗だから…26パーセント落とせるってことだ。

30パーセント弱ってのは大きな減少だ。いつもマッハ20だったのが、マッハ6程度…それなら、暗殺できる確率がかなり上がる。

 

「これが、暗殺教室のテストです。賞金100億に近づけるかどうかは、みなさんの努力次第なのです」

 

…この先生は、殺る気にさせるのが本当に上手いな。

 

 

 

 

 

 

 

 

教室で、みんなと色々喋っている。当然、期末テストの話だ。あの報酬がある以上、取ろうとしない訳がない。奥田もかなり張り切っている。

 

こうなった以上、俺も頑張るほか無いだろう。総合では難しくても、一教科だけなら可能性はある。

 

いつも通り、家に帰る支度をしていた。

 

「学真くん。少し良いでしょうか」

 

すると、殺せんせーに呼び出された。一体どうしたんだろうかと思いながら、殺せんせーについて来て、とある小部屋に来た。

そこには、霧宮もいた。なんでコイツもいるんだ?

 

 

 

「学真くん。単刀直入に言います。彼の勉強の手伝いをしてください」

 

 

 

……は?

 

 

 

 

 

 

殺せんせーに言われた通り、霧宮の勉強に付き合っている。

前に話したと思うが、霧宮はかなり学力が低い。寺坂とどっちが低いのかが分かんないほどに。

今までに霧宮が受けて来た小テストの紙を見てみると、確かに酷い。かなりレベルが低いテスト(小テストは、殺せんせーが生徒のレベルに合わせて問題を作っている)であるにも関わらず、丸が3個ぐらいしかついていない。『三大権力のうち国会がつかさどる役割は何か』に対して『税金の搾取』って答えている。いつの時代の話だよ…それしたの国会でもねぇし。

これでもまだマシな方で、最初に受けていたテストでは問題文の意味を捉えるのに時間がかかっていたらしい。そこを達成できたのは、流石殺せんせーって感じだ。

 

けどいまつまづいているのは、分からないところがあると言うよりも、霧宮の中にある固定概念に縛られている故に理解出来ていないって感じだ。さっきの国会の役割も、それに近い。

それは殺せんせーの教え方どうこうより、霧宮自身がその難関を乗り越えないといけない問題だ。恐らく殺せんせーも分かっているんだろう。だから、自分で考えるために、殺せんせーじゃなく同級生の俺に教えてもらう形になったんだろう。同級生の中でなんで俺が、て気にもなるが、このあいだの事件があるし、俺が良いと考えたんだろうな。

 

「霧宮、とりあえずこのあいだの百人一首の小テストを見せてくれ」

「…これだ」

 

俺はとりあえずこのあいだクラスで共通して受けた百人一首のテストを見せてもらうように言った。

今度のテストは、百人一首の問題が範囲に出されている。百人一首ってのは、100人の歌人が作った和歌の内から1つずつ選んでまとめたものだ。古文にまだ慣れていない時はまず最初にこの百人一首から勉強を始めた方が良いと言われた記憶がある。

問題の出し方としては、その和歌の意味を答えるものもあるにはあるが、出されている上の句に対する下の句を答えろと言うものもある。暗記さえしていればそれなら解けるだろ…う……

 

 

 

 

 

【問題】

問1

次の上の句に対する下の句を答えなさい。

 

 

秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ

 

(答え: 我が衣手は 露に濡れつつ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

 

 

 

 

我が衣手は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鮮血に染め上がる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何があった秋の田で!!?」

 

 

 

 

 

「秋の田で一騎打ちがあったのだろう。そのとき衣は返り血で真っ赤に…」

「勝手に物語を作るな!これは刈り取られた稲の見張り小屋で夜を過ごしている様子を描いた歌なんだよ!」

 

 

 

 

…これは酷い。自分の妄想と事実がゴチャゴチャになってやがる。この状態だと何を教えても捏造した事を書きかねないぞ。字余りも多いし。

 

「教科書に書いてあった内容をそのまんま覚えろ!オリジナルを加えるとややこしくなるから!」

「…個性があったほうが面白いのでは?」

「一般教養の内容に個性があるか!」

 

…精神力がゴリゴリ削られる感覚が残る。何か話すたびに新たな問題が浮き彫りになる感じだ。

 

霧宮は仕方ない、というような顔をして紙を見る。俺が赤い字で書いた答えを覚えようとしているのだろう。

 

「…とりあえず頑張れよ。俺も協力はするから」

 

頑張れ、と言う事を伝えるために言った。テストは個人戦だ。テスト中に助かることはできない。協力できるのは、テストが始まるまでの間だ。その間応援できる時は応援しとかないといけないだろう。

 

「ああ。頑張る。みんなと協力するには、勉学にも励んでおかなければならないからな」

 

霧宮はそう言って、勉強に取り掛かった。

それにしても…素直に聞くようになったな。最初にここに来た時は、あの暗殺を辞めろと言われても聞かなかったのに。あの時の出来事が影響してるんだろうか。

 

「場所を変えようぜ。環境を変えると良い刺激になるぞ」

 

霧宮に場所を変えようと提案した。これは俺のやり方なんだけど、ずっと同じ状態で勉強すると退屈になる。たまには場所を変えて脳に刺激を与えた方が、モチベーションが保てる。まぁ、一種の気分の切り替えだ。

とりあえず荷物をまとめて部屋を出る。この近くに良いカフェがあった筈だ。そこに向かうために廊下を歩いて玄関へ…

 

「…ん?アレは…」

 

すると霧宮が何かに気づいたみたいで、視線がある場所に向かっている。その視線の先を辿っていくと、実験室で話している人がいるのが見えた。

 

「聞くときはなるべくこだわらない事よ。流れるように読まれるんだから、英単語を読み取ろうとしたら、遅れてしまうわ」

 

…ああ、ビッチ先生だ。どうやら英語…特にリスニングを教えている最中のようだな。

 

「…誰だ?あの人は…」

「ビッチ先生だよ。俺らの英語教師で、殺せんせーと交代で教えているんだ」

 

…そういや霧宮はビッチ先生の授業を受けたことなかったな。

 

「世界を舞台に仕事をしている実力暗殺者ではあるから、いろいろな話が聞ける。次の英語では…ってどこ行った?」

 

ビッチ先生について詳しく説明しようとすると、霧宮がいなかった。一体どこに…

 

 

 

 

 

 

 

…ん?アレ、ビッチ先生のところに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「御機嫌麗しゅう、ご婦人。よろしければあなたのお話を聞かせていただきたい」

 

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

 

 

コツ、コツ、コツ(歩いている時の音)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バコン!!(霧宮の頭を叩いた音)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「失礼しました」

 

 

ペコリ(一礼)

 

 

 

 

 

ズルズルズル(霧宮を引きずっている音)

 

 

 

 

ガラガラガラ(扉を閉める音)

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだったの?いまの…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前は何を考えてんだ!」

 

 

教室に戻って霧宮を叱りつけている。いきなりあんな事しでかすとは思ってもいなかった。

 

「いや、想像以上に美人だったからつい…」

「なんだその理由は!いきなりにも程があるだろ!」

 

…忘れてた。コイツ、年上好きって言ってた。だからビッチ先生がコイツの好みストライクだったのか。

けどいきなりあんな事を言えるか?話しかけるにしてももう少し話す内容を考えて欲しい。『ご婦人』とか初めて聞いたよ。

 

「それにしてもあの様な方から教えてもらうとは…かなり楽しそうだな」

「…そうかよ。じゃあ次の英語の時間を楽しみにして…」

 

 

 

 

 

 

「ちょっと待ちなさい。そこの2人」

 

 

 

 

 

 

…うげ、ビッチが来たよ。

 

 

 

「なんでそんな嫌そうなのよ」

「嫌な予感しかしないから」

「嫌な予感ってなによ」

 

なによと言われても答えにくい。ビッチ先生が俺らに何か用事があるようなんだけど、それだけで嫌な予感を感じるには十分だろ。ビッチの頼みごとなんて、聞いただけでも嫌なフレーズだわ。

 

「まぁいいわ。頼みがあるの」

 

いや俺を無視されても…

 

 

 

 

…え?

 

 

 

なんで矢田と倉橋もいるの?

 

 

 

 

「さっきこの2人に教えてたんだけどね。わたしこれから用事があるから。あんたこの2人の勉強を手伝ってあげなさい」

 

 

………

つまり、勉強を見てやれよと言うことか?

 

「…なんで俺が?」

「さっきその子の勉強を教えてたんでしょ?だったらついでにこの2人の勉強も見てやってもいいじゃない」

 

…つまり、霧宮と一緒に勉強を教えてやって欲しいと言うことか。

なんで霧宮に勉強を教えている事を知っているんだとは思うけど、まぁ知る機会ぐらいはあるだろう。けどついでに、てなんだよ。

 

「…凄いぞ。このような美人に頼みごとをされるなんて機会はそう無いだろ」

 

霧宮(コイツ)が凄いとか言ってるけど、この人が言っているのは頼みじゃなくて押し付けだ。ちっとも嬉しくない。コイツだったら喜ぶかもしれないけど。

 

「じゃ、そう言うわけでよろしくね」

「いやちょっと待て。やるなんて一言も」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《ムチュ》

 

 

 

 

 

…ん?……ん!?…ッ!!?!?

 

 

 

 

 

 

「ッ〜〜〜!?ッ!〜ッ!……ッ」

 

 

40hit!FANTASTIC!!

 

 

《ボテーーン!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇第三者視点

 

「ガキのくせに抵抗なんて100年速いわ。もっとスキルを身につけてから出直してきなさい」

 

何か言おうとする学真を、お得意のディープキスで気絶させる事で黙らせた。E組の生徒に『ビッチ』と言われるだけはある。

学真はいま床に倒れている。アニメで回転し続けたキャラがするような、渦巻き状の目をしている。暫くは目が覚めないだろう。

 

「学真をああも容易く…姿だけでなく能力も群を抜いている…」

「ありがと。褒め言葉が得意な奴はキライじゃないわ」

 

一連の流れを見ていた霧宮は何か感動しているようだが、倉橋、矢田はそこに感動するのは間違っていると思った。無論、大抵の生徒はそう思うのだが…

 

「と言うわけで、一緒に勉強してなさい」

「了解した」

「よろしくね〜霧宮くん」

 

先ほどまで反対していた学真を黙らせて、話を進めた。事の進め方はかなり手馴れているようだ。

霧宮と倉橋が話しているとき、イリーナは矢田に近づく。

 

「それじゃ、頑張りなさいよ。桃花」

 

コソリと矢田にエールを送った。イリーナは桃花の気持ちに気付いており、学真がまだ教室にいることが分かったため、先ほどの話を持ちかけたのである。

 

「…本当に良いの?ビッチ先生…強引な気がするけど」

 

矢田は心配しているようだった。そう思うのも無理はない。学真に話を通さずに勝手に決めるのは流石に嫌な気がするだろう。

 

「良いのよ。押しは大事よ。こう言うのは自分から押していかないと先に進まないわ。特に学真は、自分から話しかけるタイプじゃないし」

 

イリーナは気にしなくても良いと言っている。確かに、押しは大事だ。黙っていたら仲良くなるのはかなり難しい。仲良くなりたいなら、自分から話しかけるのが1番だ。ビッチ先生のやり方が良いとは矢田は思わないが、ビッチ先生なりのやり方なのだろうと納得せざるを得なかった。

 

「応援してるから。顔は世界の中でもかなり良い方だし、性格も悪くないわ。何より、あの理事長の息子なんていいじゃない。玉の輿よ」

「ちょっと!話が発展しすぎているよ!」

 

イリーナがいろいろな事を矢田に言っている。イリーナから見ても学真は悪い男ではないようだ。いつの間にか結婚の話になっており、矢田の言う通り話が発展しすぎているとしか言えなかった。

それだけ言って、イリーナは教室を出た。何か仕事をするのだろう。

修学旅行の時、イリーナは言った。危険と程遠い国に生まれた生徒たちに、全力で女を磨けと。

そして恋愛は、若い女性の権利であり、女を磨く最高の方法だ。だから矢田を応援している。

 

「…クソ、あのビッチが…」

 

先ほどまで倒れていた学真が起き上がった。気絶から立ち上がったようである。

 

「あ、その…」

「…ビッチ先生はどっかに行ったみたいだな」

「うん…あの、もし迷惑だったら…」

 

ビッチ先生はああ言ったものの、矢田はどうしても心配してしまう。霧宮の勉強を教えていたのに、そこに更に人が増えると邪魔になるんじゃないかと。もし迷惑だったら合わせなくても良い、そう言おうと思っていた。

 

「いや、迷惑じゃない。ビッチ先生には文句言いたかったけどな」

 

だが学真は迷惑ではないようだ。

 

「…え?」

「勉強するなら人数が多い方が良い。俺や霧宮以外の視点からの助言が出るかもしれないし、何より情報を共有する方が、テスト対策には良いだろう。

まぁ…ビッチ先生には文句言いたかったけどな。一方的に決められるのは好きでは無いから」

 

なるほど、と矢田は思った。そういうメリットがあるなら人が居ても迷惑では無いだろう。

 

「うん。じゃあ、よろしく」

「……ああ、そうだな。

けど場所を変えようぜ。教室じゃないところの方が気分切り替えれるだろうし。近くに良いカフェがあるから、みんなでそこに行こうぜ」

 

とりあえずは、この4人で勉強することになった様だ。

そして学真に言われた通り、カフェに行って勉強することになった。4人は荷物をまとめて、学校から出た。

 

 

 

 

◇学真視点

 

と、いうわけで。

とりあえずは俺の知っているカフェに来た。店の中は、特に目立つ飾りがなく、黒一色の壁。暑くもなく寒くも無いちょうど良い温度で、流れている音楽も心地いい。

 

「すご〜い。オシャレというよりも落ち着くって感じ」

「そうだろ?知り合いに紹介されて以来、俺もここによく来てるからな」

 

店の様相の感想を言っている倉橋に話した。思った事を素直に言う奴だし、話しやすい。

この店は、多川のイチオシの店だ。多川は『リラックスできる場所』をかなり知っている。医者の息子だからだろうな。不調な時に調子を取り戻す為の術を心得ているし、そういう場所を好んでいる。

 

とりあえずは注文して、商品を待つ。1番最初に俺の商品が出来上がったので、席を取るために移動する。

どこが開いているだろうかと、店の奥の方に移動した。

 

 

 

 

 

すると…

 

「………ん?」

「うげ………!」

 

目の前に、黒崎がいるのが見えた。

 

「…『うげ』とは失礼だな。相変わらずマナーがなってない男だ」

 

いきなり酷評をされる。なんかもう慣れて来たな。コイツの言い方に。

つーか店に行ったらコイツに会うのが定番みたいになってね?定食屋でもハンバーガー店でもコイツに会ったような気がするんだけど。

 

「…テスト勉強か」

「当たり前だ。他の用事をしているように見えるか」

 

いや分かるよ。机の上にノートと問題集広げているのを見れば、勉強しに来たんだなってのは分かるよ。でも言い方ってものがあるだろ。

 

「…そこで何をしている、学真」

「どしたの〜?」

 

すると、霧宮たちも来たようだ。ここでずっといると『どうしたんだろ』て気にはなるよな。

 

「いや…ちょっと知り合いがな」

 

何が起こったか。それを説明しようとしていた。

 

 

「…………!」

「あれ?」

 

すると後方と倉橋から何か反応があった。一体何が…

 

 

 

 

 

「あの人って…あの時の…?」

「お前…」

 

 

 

 

 

 

 

………へ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




とうとう黒崎と再び会わせました。過去に投稿した小説を見た人なら、倉橋さんと黒崎くんが会った事を知っているはず。(これを宣伝と言います)

次回『対決の時間』

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