「急げ急げ!!もう直ぐ始まるぞ!」
おっす、オラ学真。今本校舎の体育館めがけて全力疾走中でござる。月一度の全校集会のためだ。5時限目から行われるため、隔離校舎の我々E組は昼休み返上してきているのである。遅れたら(正確には集合が一番遅かったら)奉仕活動を行わないといけない。
「はぁ、たく…いつもこんな感じで嫌になるぜ」
岡島が愚痴ってやがる。
岡島 大河
一言でいえば変態。坊主で変態。どうしようもなく変態。手遅れな変t…
「さっきから変態しか言ってねぇじゃねぇか!」
だってそれ以外言いようがねぇし…
ま、岡島が言いたいことも分かる。E組にとってみれば、いい思いしねぇしな…
◇
「要するに、君たちは全国から選りすぐられたエリートです。この校長が保証します。ですが、慢心は大敵です。油断してr…」
どうにか間に合って校長先生のありがたい話(笑)を聞いているところだ。「ちょ、まだ話してる最t…」うるせぇ、てめぇの話に字数とる必要ねぇんだよ。まぁここでもE組の差別は凄まじく、同級生や教師、校長に至るまで陰険な悪口を言っている。これに約1時間も耐えるんだぜ?つらいなんてもんじゃない。
「それでは、生徒会による話を始めまーす」
生徒会の話が始まるんで暫く休憩時間だ。つってもやることねぇしな…
ん?あれ烏間先生じゃね?
「E組の担任の烏間です。別校舎なのでこの場を借りてご挨拶をと…」
「あ、はい、よろしく」
表向きだがな。殺せんせーを来させる訳には行かず代わりに来たということだろう。
「烏間せんせ〜ナイフケースデコってみたよ」
「かわいーっしょ」
「……可愛いのは良いがここで出すな!!他のクラスには秘密なんだぞ暗殺のことは!!」
「「…はーーい」」
…倉橋と中村がナイフケースを見せて烏間先生に怒られてる。ま、そりゃそうだ。
倉橋 陽菜乃
明るい色のウェーブがかかった髪が特徴で、生き物全般及び烏間先生に好意を抱いている。
中村 莉央
黄色の長髪でストレート。悪ノリが得意で男と一緒に遊びまくっているせいか下ネタは大抵平気。いやぁ、渚へのイジリという面ではカルマと同等じゃないか?
まぁそんなわけで烏間先生は女子から好感が高い。周りのモブどもも羨ましがる状態だ。
《カッカッカッ!》
お、このいかにも私はビッチよ!と言わんばかりの足音は
「……どんな足音?それ…」
渚よ、突っ込む前にキミは警戒したほうが良い。
「渚、ちょっと来なさい」
ほら見ろ、ビッチ先生の目的は渚だった。以前の大失敗から見返しを企んでるらしいし、その為には情報が必須だ。だから殺せんせーに1番詳しい渚からメモを取り出そうという考えだろ。
だが渚としてもメモを渡したくも無く、お互いに言い争いになり、渚を胸に沈めて強制的に従わせようとするビッチ先生、流石だ。
その後、烏間先生によってビッチ先生は引き下がらざるを得ませんでした、まる
◇
「はい、今 皆さんに配ったプリントが生徒会行事の詳細です」
前で放送部部長の…誰だっけ?あ、荒木 鉄平だ。がなんか言ってるが資料なんて貰ってねーぞ。
「すいません。E組の分まだなんですが」
…磯貝、言ったって無駄だ。コイツ、確信犯だ。
「え?ない?おかしーなぁ…ゴメンなさーい、E組の分忘れたみたーい。すいませんけど全部記憶して帰ってくださーい」
うわわざとらしい。しかしまぁこんな事しても笑って済ますなんてここの奴らはどうかしてるな…たく
《スパパパパパァン!!!》
ん?あれ、どっからか紙が出てきた…あれ?
「磯貝くん、問題無いようですねぇ。手書きのコピーが全員分あるようですし」
いつの間にか殺せんせーが来てる…
「あ、プリントあるんで続けて下さーい」
「え?あ…うそ!?何で…」
お、これは演技じゃなくてマジもんだな。表情が面白いくらいに変わってやがる。
それにしても…いいのか、アレ…本人は変装してるつもりかもしれないが、どう見たって不自然だらけだぞ。『どこが?』て言われれば『全部』て言えるくらい。
しかもビッチ先生が殺せんせーを殺そうとしてる…やめろよ、全校生徒の目の前だぞ。あ、烏間先生に連れてかれた。
「はは、しょうがねぇなビッチ先生は…」
先生たちの様子が可笑しかったのか、E組の生徒はみんな揃って笑っていられた。
◇
あ~~、愉快愉快。殺せんせーは最終的に追い出された。絶対裏で泣いてるよな。
「…周りの迷惑考えろよ」
「…E組らしく下向いてりゃいいんだよ」
なんかぼそぼそと聞こえるのでそこを見ると、渚が追い詰められてる。恐らく、今日の集会の時の逆恨みだろ。
「ったく…ボケが……」
止めようとすると、逆に止められた。触手に
「まぁ待ちなさい。君が出るまでもないですよ」
不満はあるものの、おとなしく引き下がった。その間も脅しは続く。
「…殺すぞ!!」
………あ、あの男ども、余計なことを
「殺そうとしたことなんてないくせに」
《ビクッ!》
渚が笑うと、その2人は黙り込んだ。
同じだ、あの殺気。俺が初めて渚に驚かされた時と…
「どうです。伊達に殺意磨いてないでしょう」
殺せんせーはそのままどこかに行った。
「あれ?学真くん」
殺せんせーに気を取られたせいで、渚が隣に来てたのに気づかなかった。
「…お前、なんて殺気持ってんだよ」
「いやぁ、学真くんやカルマくんに比べたら大したことないよ」
「…そうじゃねぇよ、あんなのお前が持つなんて思わねぇよ」
俺が言ってることは分かるだろ。だって渚はあんまり強そうには見えないんだぜ?穏やかそうで、警戒する点を見つけることが難しいくらいだ…
「全くだ」
……?なんか声がした…
的なことを考えると後ろから男が近づいてきた。黒髪でちょっと強面の男が、あれはA組にはいなかったが…
「………黒崎(くろざき)くん…」
「久しぶりだな、2年生以来か」
…どうやら渚の知り合いのようだ
「カルマが持つのは違和感ないが、お前が持つとは思わなかったぞ。俺も正直、驚きを隠せない」
…なんか堅苦しいなコイツ。恰好とか…しゃべり方とか
「お…おう、黒崎。言ってやれ!」
「E組のくせに生意気なんだよ!」
…まだいたのかモブ2人、しぶといな。
「………黙れ」
《ビクッ》←あれ?2回目?
「凄まれるだけで委縮する雑魚が、偉そうなこと語るなよ」
…怖ッ、モブ完全に黙って…あ、逃げた。
「なぁ渚、誰だ?カルマも知ってるみたいだが…」
「黒崎 裕翔(くろざき ゆうと)、僕は1,2年生のころカルマくんと一緒のクラスだったんだけど…彼も一緒だったんだ。正義感が強くて…
喧嘩だったら、カルマくんに劣らないと思う」
…カルマに?つまり物凄く強いということか。
「…ひょっとすると、君は浅野理事長の次男か?」
「…知ってるのか?」
「ここの生徒は全員知ってるぞ。『堕ちたエリート』とな…」
…何だよ、俺そんな感じで広まってんのか。
「まぁどうでもいい。お前がどういう人物だろうが、強き者が上に立つ構図は決して変わらない」
「…俺は上に立つ器じゃなかった、と?」
「察しがいいのは美徳だな。この学園は結果が全て。そしてもうじきそれが来る」
黒崎が言ってるのは何となく分かる。
もう直ぐ来る、中間テスト。この学園じゃ戦争もののイベントだ。テストが悪ければE組落ち、逆にE組から抜け出せる数少ないチャンスである。この学園のルールでは、1番に警戒しとかないといけないものだ。
あ?俺の答えだと?決まってんだろ。
「分かってるさ。結果は出す」
ハッキリ言ってやる。俺は全力でやるつもりだ。A組では無く、E組の生徒として
「それは良かった。既に諦めてる腰抜けなら挑むことすら許されないが、お前にはそれがあるようだ。
まぁ、精々がんばれ。勉強も…
暗殺も」
…!ハァ!?
「ちょっと待て!どういう…」
「騒ぐな、それを他に知られるとまずいんだろ?」
…何でだ?何でこいつが、暗殺のことを知っている?E組以外で知ってる奴なんていないのに…
離れていく黒崎の背中を見て、俺は呆然としていた。
黒崎 裕翔くんを登場させました。D組です。何で彼が暗殺のことを知っているのか、次回以降楽しみにして下さい。
次回『第2の刃の時間』