「イテテテテ、歩くのしんど。」
夏は痛みを耐えながら歩いていた。
治療のおかげか痛みは多少はマシになっている。
「まさか悪魔なんかいるなんてな。」
独り言を言いながら帰り道を歩く。
自宅に着いて玄関を開けると、
「夏様お帰りなさいませ。今日はずいぶん遅かったですね。携帯に電話をかけたのですが?」
スペルビアが言うので携帯を見てみると壊れていた。
「悪いペル、携帯壊れてた。」
そう言うと、
「左様でございますか。ではなぜ壊れているのでしょうか?怪我もなされているみたいですし。」
スペルビアが聞いてきたが悪魔なんて言えるはずもなく、
「これはだな、えー、転けたんだ、めっちゃ激しく。包帯はたまたま近くに友達がいて治療をしてくれたんだ。だからこんなにも遅くに帰ってきたんだ。」
なんとかごまかす。
夏の様子が不自然でスペルビアはあることに気づく。
(夏様の体から魔力を感じる。)
スペルビアは思った。
そして1つの結論にたどり着いた。
「はぐれ悪魔とでも戦ったのですか?」
スペルビアが言う。
「なんでペルが悪魔のことを!」
夏が驚いた。
「やはりそうですか。」
スペルビアはそう言い少し考えてから、
「そろそろ話す時が来たようですね。夏様、とりあえずリビングまで来ていただいてもよろしいでしょうか。」
スペルビアは言う。
「わかった。」
夏はリビングに行く。
夏がリビングに1人で待っているとスペルビアが機械のような物を持ってきた。
「ペルそれは?」
夏が聞くと、
「これは通信機でございます。」
スペルビアが通信機を机の上に置いた。
スペルビアが通信機のスイッチを押すと立体的に映像が浮かびあがりアザゼルが現れた。
「夏、通信機で話すのは初めてだな。」
アザゼルが言う。
「父ちゃんなんだこのハイテクな機械は?それに父ちゃんも悪魔のこと知ってんのか?父ちゃんもペルも悪魔なのか?」
夏が聞くと、
「そんないっぺんに聞くな。まずはスペルビア。」
アザゼルが言うと、
「はい。」
スペルビアが返事をし背中から黒い翼があらわれた。
「俺達は堕天使だ。そして俺は堕天使どもの総督をやっている。」
アザゼルが言う。
「堕天使だって!」
夏が驚いた。
堕天使は聞いた話じゃ悪魔と敵対している。
いろいろ考えていると、
「今まで黙っていて悪かった。お前は人間だから人間として育って欲しいと思ってたんだが異形の者達のことを知ってしまった以上話さなくてはならなくなった。」
アザゼルが言う。
血縁関係がないのは聞いていたがまさか父ちゃんとペルが堕天使だなんて思いもしなかった。
いろいろ考えることはあるがとりあえず今日あった出来事に着いて話した。
「そうか、グレモリーの嬢ちゃんがスカウトをね。それに人間で悪魔を倒すなんてさすが俺の息子だ。」
アザゼルが笑いながら言う。
「そんなことよりペルや父ちゃんが堕天使なら悪魔がいるとこにいたら戦いになるんじゃないのか?」
夏が聞くと、
「それについては大丈夫だ。お前とスペルビアが住んでることと、俺が出入りしていることは悪魔側の魔王だけには伝えているからな。」
アザゼルが言う。
夏は少し安心した。
しかし、
(父ちゃん達が堕天使である以上俺が悪魔になるわけにはいかない。リアス達もわるいやつらじゃないが明日断ろう。)
と思っていると、
「夏、悪魔になるかどうかはお前次第だ。俺達に構わなくていい。なりたければなればいい。」
アザゼルが言う。
そんなことを言われたらどうしたらいいかわからない。
夏の目には涙が込み上げていた。
家族の関係が崩れるんじゃないかそう思っているからだ。
しばらく呆然としているとそれを察したのかスペルビアが優しく抱きしめて言ってきた。
「夏様、私達が堕天使で夏様が人間でしたが家族として暮らすことができました。夏様が悪魔になった所で私達は家族です。」
スペルビアも涙を浮かべながら言う。
しばらくそのままの状態で時間が流れた。
スペルビアが離れると夏は決心した顔になっていた。
「父ちゃん、ペル、俺は悪魔になる。そして悪魔も堕天使も仲良く暮らせる世界を作って見せる。」
夏が言うと、アザゼルとスペルビアは微笑み、
「夏、血が繋がってなくても俺の息子だ。お前のことを信じてる。強くなってこい。」
「これからもいっしょに暮らしていきましょう。」
アザゼルとスペルビアが言う。
こうして俺は悪魔になる決意をした。
少々強引ですけど夏は悪魔になることを決意しました。
これからみんなが仲良くできる世界を作っていけたらいいですね。