「ぬふふ、今日も可愛い艦隊娘ちゃん達と楽しく遊びましょうね~」
ばばあの財布から抜き取った金でDMMカードを大量に買った俺は早速チャージを済ませて艦隊これくしょんを始める。
「ぐへっ、今日の秘書艦ちゃんは誰にしようかね?」
それはいつもの日常な筈だった……その時が来るまでは……
「はれ?おで、寝ちまったのか?フヒヒっ!」
目が覚めると目の前には見馴れた執務室があった。
まるで本物の様な陳列されたダンボールも俺の艦これの執務室そのものだった。
「ど、どういうことだ?」
夢でも見ているのかと思ったがその発想はすぐに頬に走る衝撃で否定される。
「ひでぷっ!いたいなり!」
いきなり現れた不届きものに両の頬を激しくビンタされたのである。
「いえ、なんか夢でも見てるのか?って顔をしていたものですから、現実だと言うことを教えてあげたまでです」
半開きの様な瞳、何故か片方だけのサイドテール、バッチリと胸部をカバーされたチェストプレート……
「え?加賀さんでふか?ふがふが」
「1航戦である私に醜いブダが話しかけて良いと、本気で思っているのですか?」
「申し訳ねっす、ふひ」
夢でもない、本物の艦娘……
「もしや!おでは艦これの世界に入り込んでしまったと言うのかーー!!」
「おで!提督ですか?」
非常に間の抜けた質問は加賀さんには全く相手にされず、代わりに答えてくれたのは薄紫のショートカットの猫娘だった。
「てめぇが提督のはずないにゃ?気持ち悪っ!」
有難う御座います!!!
「あ、あの!!朝潮型二番艦!大潮です!!あのっ!お掃除ご苦労様です!!」
「え?お掃除?」
「おい!清掃員?私の46cm三連装砲をちゃんと磨いておいてくれよ?」
「私の艦載機に手ぇだしたら手を落とすことになりますよ?」
どうやら俺は清掃員としてこの世界潜り込んでしまったらしい……
「おで……どうしたら、ひぐっ!」
「うわっ!こいつ泣いてるにゃっ?きったな!!」
自分の置かれた状況に不安と寂しさが溢れて涙が自然と流れる。
「ひっひぐっ!!お母……さん……」
「あの!!清掃員さん!!元気出して下さいっ!!」
「ふひ?お、大潮……さん?」
「きっと元の世界に帰れる時が来ますよ!それまでは私達……私とずっと仲良くして貰えませんか?……なんて!!恥ずかしいよぉー」
救われた気がした……不安やホームシックは彼女の笑顔で和らいでいくのがわかった。
「うぅ……大潮さん!おでっ!頑張る!!頑張って提督になるよ!!」
何故その決断に至ったのか自分でも解らなかったが、いま思うとこれは自堕落的な生活を送っていた俺に対する天罰だったのではないかと思う……
「私も精一杯頑張る!頑張って貴方を提督にしてみせるよ!!!」
彼女……大潮の太陽よりも眩い笑顔が俺の脳裏に刻まれる。
それから一年後……
「お?新生提督カッコカリの就任だな?正式な提督になるために精進するのだぞ?」
武蔵は豪快に俺の背中をバシバシ叩く、背骨が破壊されているのか強烈な痛みが全身を駆け巡った。
「にゃあ!おめでとう提督ぅ~よろしくにゃ」
「……まさか本当に提督カッコカリになるなんて……人類の命運ここに尽きたようですね?」
愛くるしい多摩と辛辣な加賀さんのバランスは今日もパーペキである!
「司令官カッコカリ、大潮も草葉の陰から見守っているよ……」
いや、大潮は入渠にいるだろうに、まぁ可愛いから別にいいか
お母さんお元気ですか?
辛いことだらけだけど……
私は元気です!!
完っ!!!
後に最強と謳われる無敵艦隊誕生の瞬間であった。