25話突入。
三浦の口調って案外難しい気がする。そして、葉山がイケメンです。
それではご覧ください。
京都修学旅行2日目。と言っても、京都の描写をするのは次話の風音とのデートだけだから、割愛するんだけど。
凛たちとあちこち観光した後、俺だけ一時外れて、由比ヶ浜以外の奉仕部が集合した。その奥には、葉山と戸部とおまけの2人。三浦たちが見当たらないが、どうしているんだ?
それを聞くために、葉山達の所へ行った。
八幡「三浦たちはどこにいんだ?」
隼人「ああ、君の言った通り、教えて向こうで隠れさせてる」
八幡「そうか。・・結局、戸部の考えってなんだろうな?」
隼人「分からない。でも、戸部もバカじゃない。きっとこの2日目で告白も、何か考えがあってのはずだ」
八幡「ほとんど戸部の考え次第で、左右されるって事か・・・」
隼人「・・もっと俺がしっかりしてれば、こんな不安になることも無かったのかもな」
何だこいつ。急に自虐的になったぞ。あのワンフォアオール(笑)な葉山はどこに行った?
隼人「お互い信用しきれてないからこそ、不安になって距離をとる」
八幡「お前らまだグループ形成して半年だろ?」
人と人が互いに信頼するなんて、かなりの時間を有するはず。・・・あれ?だったら俺は何だろうな?凛たちとは知り合って、1、2週間で信頼できることができたけど・・・。まぁ、そこは俺が特殊だったという事でいいか。
隼人「期間なんて関係ないよ。いかに自分を見せて、自分を主張できるかが、信頼への一歩だと思うんだ」
八幡「そう言う事を知っていながら、仮面をかぶるなんてなぁ・・・」
隼人「気付いたのは、この間だ。そして、気付かせてくれたのは君だ。比企谷」
八幡「だから俺は何も言ってないっつーの」
隼人「ふっ、俺が勝手にそう解釈しただけだ。そろそろだから、いったん離れようか」
風音「八くん、葉山君とずいぶん喋るようになったね」
八幡「ん?そうか?・・まぁ、でも最近話すな」
確かに最近何かと葉山達と関わりを持ってしまっているな。ほとんど業務連絡的なものだが。まぁ、俺は今でも犬猿の仲だと思うけどな。
数分後、海老名が戸部の前に現れた。さて、果たしてどうなるかな。ここから分かれ道が生まれる。壊滅か存続。もしくは、今以上の信頼が生まれるか。
そして、一世一代の戸部の告白が始まった。
戸部「ずっと前から好きでした。付き合ってください!!」
姫菜「・・ごめん。今は誰とも付き合う気がないの」
・・・結果が分かってるだけに、結構良心が痛むな。
姫菜「もう行くね」
戸部「あー、まだ話が残ってるんだわ。実は」
・・・なんだ?急にいつものムードメーカー、べーべー連呼の戸部に戻ったぞ。葉山達の方を見ると、何が何だか分からないような顔をしている。知らないという事は、おそらくこれが戸部が言ってた考えというやつか。
姫菜「何?」
戸部「いやぁ、ほら、これからも友達として仲良くやってこうってな」
・・・マジか。もしかして戸部の奴、最初からコレ分かってたのか?いや、でもだったら何で今告白を・・。ダメだ、あいつの意図がさっぱり分からん。
驚きすぎて、しばらくボーっとしていたが、冷静になって考えた。要は、気まずくなっても仲良くしていこう。という、葉山と似たことを思ってたっぽいな。
姫菜「無理だよ」
しかし、当の海老名は渋い顔をしている。
戸部「ど、どうして・・・」
姫菜「もう、今まで通りなんてできないよ。例えできたとしても、心の中まではそうはいかない。絶対にもやもやがあったりするし、変に取り繕うことになる。そんなの耐えられない。
私たちの関係はまだそこまで深くない!みんなもきっとそう!とべっちだって、隼人君だって!優美子だって!何で告白したの!今まで通り仲良くやっていきたかったのに!」
マズい!海老名は俺達が想像してた以上に追い詰められてたんだ。このままじゃ、余計酷くなる。けど、俺らが行ったって無駄だ。この状況を打破できる可能性があるのは、葉山だけだ。
葉山に行った方がいいと、分かりやすい合図を送り、向かわせようとしたその時
優美子「あー、もう!さっきっから聞いてりゃなんだし!?」
堪忍袋の緒が切れたのか、隠れていた三浦が後ろからツカツカと歩いてきた。・・いや、炎の女帝が君臨した。
戸部「え?優美子?」
姫菜「優美子?・・どうして」
うわぁ、かなり怒ってらっしゃる三浦嬢・・・。乱暴な口調がいい証拠だ。いや、普段からこうだっけ?とにかく、これ止める奴いないとダメなやつだ。葉山しかいないんだけどね。
優美子「姫菜!まずはとべっちに謝るし!」
姫菜「え・・・どうして・・」
優美子「男が勇気出して告白してきたのに、何で告白したの?は無いし!いくら何でも酷いし!」
姫菜「っ!・・ごめんとべっち。言い過ぎた」
戸部「あ、おう。・・え?何?」
三浦たちが見てたことはあの2人は知らない。戸部も何が何だかわけのわからない状態だ。・・それにしても三浦いいやつだな。
優美子「それに、さっきの何だし!あーしたちが告白程度で気まずくなるような関係だと思ったわけ?」
姫菜「そ、それは・・・」
優美子「あーしは、そうならないって信じてたし。姫菜は、そう思ってなかったの?」
姫菜「っ!?」
三浦の目はどこか悲哀に満ちているように見えた。三浦の怒号が終わると、途端に静寂が生まれた。
そして、その沈黙を破ったのは、葉山だった。
隼人「もう一度、やり直さないか?」
姫菜「・・・隼人君?」
優美子「隼人?」
隼人「もう、終わりにしてさ。また新しくやり直そう。もう上辺みたいな関係じゃなくて」
姫菜「・・・・できるの?」
隼人「ああ。できるさ。俺も、このグループが好きなんだ。皆も同じ気持ちなら、きっとできる」
雰囲気壊すようで悪いが、引くくらいイケメンだな葉山。
優美子「あーしも、このグループ好きだから、隼人に賛成だし。ずっと仲良くしてたい」
結衣「わ、私も・・・」
隼人「俺も、変に取り繕う事はやめにする。すぐにできるかは分からないけど、素の自分が出せるほどに、安心して、信頼できる。そんな関係に俺はなりたい」
・・・なんだろうなぁ。状況と環境は違うけど、昔の自分を見てるみたいだ。
優美子「じゃあほら、皆で手繋ぐし。もう一度、ゼロから始める友情の証!」
姫菜「うん!」
隼人「ははっ、なんか照れ臭いな。・・ほら、戸部も大岡も大和も」
戸部「ああ、おう!」
大和「なんか、よくわからないけど、こういうのいいな」
大岡「よし!」
状況が全く分かっていない男子3人だったが、これはこれでいいのだろう。下手に教えるよりな。
戸部「おーし!そんじゃあ明日も遊ぼうぜ!」
姫菜「うん!いろんなところ回ろう!」
もう大丈夫だろう。葉山も一皮むけた感じだし。
八幡「じゃ、風音。ホテル戻ろうぜ」
風音「うん。・・・あれ?八くん、葉山君何か用があるみたいだよ」
・・・・何で?そう思いながらあっちに視線を戻すと、確かに葉山はこっちに来ている。
隼人「比企谷、ありがとう」
八幡「ねぇ何なの昨日といい今日といい。俺何もしてないから」
隼人「いいや、君には返しきれないほどの恩がある。俺が今、ああやってできたのも、君のおかげだ」
うわぁ、なにこのありがた迷惑的なやつ。勘違いも甚だしいな。・・・でも、そこまで言うならあることに協力してもらおう。
八幡「なら、一つ頼みごとがあるんだ。どうしようか悩んでたが、お前なら十分だろ」
隼人「なんだ?」
頼みごとの案件を話すと、葉山と風音は目を見開いて驚いた。そういや、風音には教えてなかったな。誘うつもりだったから、今度詳しく話そう。
隼人「へぇ、君が・・・・。面白いね。いいよ、精一杯やらせてもらう」
八幡「おう。頼むぞ」
相談をし終えると、葉山は再び盛り上がっているグループ内に戻った。
風音「八くん、そんなこと考えてたんだ。言ってくれればよかったのに」
八幡「あー、悪かったよ。ほら、ふくれるな。可愛い顔が台無しだぞ。膨れっ面も可愛いけど」
風音「またそうやって・・・。今日は消灯時間まで一緒にいて」
八幡「お安い御用。ついでにホテル内のお土産とか見ようぜ」
風音「うん♪」
最後まで読んでいただきありがとうございます。
次回、京都デート。かなり甘くします。久しぶりな気がする。八幡と風音をいちゃつかせるのは。
また次回。