大変長らくお待たせいたしました。やっと更新できた。数日前にスランプ抜けた。
それではご覧ください。
温泉を堪能した俺達は一度部屋に戻り、これからどうするかを考えた。温泉に入ったはいいもののまだ昼を少し過ぎた時間だ。これからホテルの周りにある色々な所に行く余裕がある。これからどうしようか話し合おうとしたが、凛が部屋に入った途端いきなり布団を敷き始めた。
「え、いきなり寝るの?」
「そりゃ温泉で疲れ取ったら眠くなるでしょ。というわけでお休み飛鳥」
凛は枕に顔を埋め、うつぶせ状態で眠ってしまった。てっきり外に行こうと元気を出すと思っていたが、予想外の行動に出られ少し困っている。
「もう、折角の旅行なのに。けど正直私も少し休みたいから部屋にいようかな。三人はどうするの?」
「俺と風音は下の販売店に行く予定だ」
「僕はゲームコーナーで遊んでくるよ」
彩加の口から予想できない言葉が発せられて寝ている凛以外の全員が顔を向かせた。確かにこのホテルにはレトロゲームとか並んでいるコーナーは見かけたけど誰もいなかったぞ。そもそも彩加ってゲームするのか。
「え?やだなぁ。僕だってゲームするよ」
「…彩加、私も行っていい?」
「でも休むんじゃ」
「ゲームコーナーあること知らなくて、私もゲーム好きだから一緒に行こう!」
「うん。対戦とかしよっか」
◆
〈八幡と風音の場合〉
「お土産でも買うの?まだ早いと思うけど」
「ああ、小町へのお土産もそうだが折角の旅行だ。菓子類を大人買いしてパーティと洒落込もうぜ」
「でもお金大丈夫なの?」
「心配無用だ。この理事長から貰ったチケットには商品券にも使えるんだ。それも五千円分」
「…理事長、本当にこれ私達にあげて良かったのかな?」
「そこは俺も同意見だ」
今まで見たこともねえよこんなチケット。一枚だけで10人以内のグループに商品券にも利用できるなんて、ショッピングモールの抽選会の賞品にするレベルを遥かに超えている。黄金賞と言っていたがしっかり的を射ていたか。
「風音、このチケット渡すから菓子類適当に頼む。俺はお土産見てくる」
「任された」
〈飛鳥と彩加の場合〉
「結構あるなー」
「こういう昔のゲームって他じゃあまりないから、目移りしちゃうね」
ホテルの一角に聳えるゲームコーナーに並んでいるのは昔懐かしの格闘ゲームやアーケードゲーム等々、UFOキャッチャーも置いている。
「ダライアスも置かれてる!まだあったんだ」
「う~ん、これは知らないなぁ」
「30年も前のやつだから、知ってる方が珍しいよ。僕やったことあるから、一緒にやろ」
「うん♪」
小町へのお土産を一通り買い終えた俺は先に買い物を終らせた風音が待つロビーに足を運ぶ。取り敢えずあいつが喜びそうなストラップとお菓子を購入した。
「待たせたな。…すげえ買ったな」
「うん。ピッタリ五千円使ってやりました♪」
ピッと右手で可愛く敬礼する風音。そして左手には袋から溢れるお菓子の数々。今ここで風音の主婦力を見せつけられたような気がした。
「俺らの用事終わったし、彩加達の所行ってみるか?」
「うん、私もゲームしたい。と、その前にこの荷物部屋に置いていこう」
そう言って俺の裾を掴み、隣を歩き始めた。そういえば最近、いや多分ずっと前から風音のスキンシップが控えめになっている。高2の始まりの時はとことん俺に甘えていて、まあ俺も結構甘えてたけど風音ほどではない。奉仕部の部室でも普通に抱き着いて、小学生の林間学校や修学旅行も然り。けど三年生になってからはそんなことを外ではあまりしないようになった。肩をくっつけて歩くぐらいだ。単純に大人になってきたという事かもしれない。
「ふぅ、結構重かっ……。えぇ!?」
「ど、どうした?」
「八くん待ってて!入らないで!」
「え、お、おう」
風音は部屋の扉を開けるや否や大声をあげて俺に見られまいと勢いよく扉を閉めた。一体凛が寝ているこの部屋がどんな状態になっていたんだ?気になるが俺が見ちゃいけないものなら詮索するのはよそう。めっちゃ気になるけど。
「さ、ゲームコーナー行こっか」
「なんだったんだ?」
「八くん、知らぬが仏だよ」
「なんだそりゃ……。まあいいや」
知らない方がいいなら、このままにしておこう。
「(凛の寝相が悪すぎてはだけてたなんて言えない。言ったら想像するかもしれない。八くんも一応男なんだから)」
八幡の交友関係が広がるにつれ、風音の愛も少し重くなってしまったようだ。
◆
彩加と飛鳥が遊んでいるゲームコーナーにやってきた八幡と風音。ゲームコーナー自体そこまでの大きさではないため、すぐに二人の姿が確認できた。八幡たちは声をかけようとしたが、躊躇った。
「また負けた~!」
「僕の五連勝だね♪」
「次はあれで勝負!」
「受けて立つよ」
2人プレイのゲームで遊んでいる二人がとても楽しそうに遊んでいる姿を見たから。互いに教え合って競っていていい雰囲気を醸し出している。
八幡と風音は目を合わせる。お互い何かを察したようでゲームコーナーを後にし、ホテルのロビーに向かった。二人とも邪魔してはいけないという気持ちがあった。そして察したのはそれだけではない。
温泉で受けた相談、学年一位と二位という優等生の勘の鋭さで二人は一つの答えに辿り着こうとしていた。
「(もしや彩加の好きな奴って……)」
「(ん~?飛鳥の好きな人ってもしかして…)」
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この先、更新しても雑だと思われるかもしれませんが、どうか完結までよろしくお願いします。
このシリーズ完結させたら引退します。
また次回。