俺と彼女のハイスクールライフ   作:”アイゼロ”

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はい、どうも、アイゼロです。

8話突入。

10話ぐらいから、原作改変させる予定です。

それではご覧ください。


8話:俺と彼女の不良化シスター

《昼休み》

 

 

≪2年F組教室≫

 

昨日の葉山からの依頼で、俺達は自分のクラスで調査を始めようとした。

 

結衣「よし、やるぞー!」

 

何故か由比ヶ浜は燃えていた。若干引いてる俺ガイル。

 

八幡「なんか、やけに気合入ってるな・・」

 

結衣「ゆきのんにお願いされたからね。全力で頑張るよ!」

 

八幡「そうか。ま、健闘を祈ってるぜ」

 

あまり期待はしないが・・・・。

 

 

案の定でした。あいつドストレートすぎる。『あの3人最近アレだよねー』ってへたくそか!おかげで金髪ドリルに警戒されてるし、眼鏡の女子はテンション上がって、噴水の如く鼻血出してるし。

 

しゃあねぇ、俺も始めるか・・。

 

俺は文庫本を開き、周囲の会話に耳を研ぎ澄ました。

 

・・・ん~・・・しばらく経っても特にこれといった情報は入ってきてないな。もうちょい範囲広げるか。【ロットア「ちょっといいかい?」

 

【ロットアイ】の発動を阻止してきた奴は、葉山だった。なっ!何をするだァーーーーーッ、ゆるさ・・・やっぱ許そう。

 

八幡「・・・なんだよ?」

 

隼人「ああ、何かわかったかなと思ってさ」

 

八幡「いや、まだだ。そんなすぐわかるわけ・・・・」

 

と葉山の質問に対して否定しようとしたが、窓際のあの3人の光景を見て、それは遮られた。

 

3人とも携帯をいじり、だるーっとしていた。そして時折葉山の方をちらっと見ている。

 

・・・成程な。そういう事か。

 

隼人「ん?どうしたんだ?」

 

俺は自信に満ちた顔で、言い放った。

 

八幡「わかったぜ。何もかもな。今日の放課後、奉仕部に来い。その時話す」

 

葉山にそう言った後、俺は読書に耽った。おそらく葉山は腑に落ちない顔で元の場所に戻っただろう・・。

 

 

 

《放課後》

 

 

≪部室≫

 

 

部室には、葉山含め、奉仕部全員がそろっていた。

 

雪乃「どうだったかしら?」

 

結衣「ごめん。いろんな女子に聞き回ったけどわからなかった」

 

雪乃「いいえ構わないわ。それにチェーンメールに関して話題が出ていないのならそれは男子だけの問題ってことがわかったもの。ご苦労様」

 

結衣「ゆきのん・・・」

 

風音「八くんはどうだった?」

 

おう、謎はすべて解けたぜ。ここからは俺の推理ショーの始まりだ。

 

八幡「ああ、すべて分かった。ついでにその事態を穏便に収拾させる方法もな」

 

俺の言葉に、ここにいる全員が驚愕していた。顔に出過ぎだぞ。ババ抜きしてるとき言われなかった?俺は小町と風音としかやったことないからわからんが・・・。

 

隼人「それじゃあ、説明してくれないか」

 

八幡「まず、チェーンメールに関してだが、これは問題ない。なんなら犯人云々とかもうどうでもいい」

 

雪乃「放っておいていいの?」

 

八幡「ああ、あんまり騒ぎにもなってないみたいだしな。・・・それじゃ葉山に聞く。お前はお前がいないときの3人を見たことあるか?」

 

隼人「いや、見たことないが」

 

結衣「そんなん当たり前でしょ。いないんだから見えるわけないじゃん」

 

八幡「だから葉山は気付かないんだ。あいつらが3人の時、傍から見たら全然仲良くないぞ。携帯いじったり、ポケーッとしてるだけだ。分かりやすく言えばあいつらにとって葉山は『友達』でそれ以外は『友達の友達』なんだよ」

 

結衣「あー、それわかる。会話を回してる人がいなくなると一気に気まずくなっちゃうんだよね・・・」

 

由比ヶ浜の気持ちが風音もわかるのかそうだね、とうなだれながら同意していた。一方雪ノ下は、よくわからない、と顔に出ていた。さすが雪ノ下だ。交友関係をもったことないから、わからないんだな。俺もだけど。

 

風音「それで、八くんが考えた解消法は何?」

 

隼人「・・ヒキタニ君、俺は何をすればいい?」

 

この事態の原因が自分自身にもあったことに責任を感じてんのかわからんが、こいつにはやることがある。

 

八幡「なーに、簡単なことだよ。これはお前にしかできないことだ」

 

隼人「・・なんだ?」

 

八幡「葉山・・・・お前がハブられろ」ニヤッ

 

俺の一言にこの場にいる全員が「え?」と声に出した。

 

 

 

《翌日》

 

 

≪2年F組教室≫

 

俺は今、戸t・・彩加と2人で職場体験について話し合っている。あと1人、どうしようか・・。誰かいたかな?

 

俺は後ろに黒板に目をやり、誰が残っているか確認した。そこには

 

『戸部、大和、大岡』

 

と書かれていた。あれ書いた時の3人は照れ臭そうに笑いあってたな。

 

そこには『葉山』という名前は書かれていなかった。

 

昨日俺が提案した「ハブられろ」っつーのは、原因の一つである葉山を取り除くということだ。そして、職場体験のグループを利用してあの3人が友達(笑)になれるように仕向けたのさ。ドヤァ・・・。

 

隼人「戸塚、ヒキタニ君。ここ、いい?」

 

噂をすれば葉山が来た。俺達の返事を待たずに、戸塚の隣に座った。

 

隼人「君のおかげで丸く収まったよ。ありがとな」

 

そう朗らかに感謝の意を言葉にした葉山。

 

八幡「別に俺は何もやってねぇよ」

 

隼人「いや、君がああ言ってくれなきゃ、酷い揉め事になったかもしれないし。

それに、俺のせいで揉めることもあるんだな、と少し痛感したよ。ま、あの3人がこれで本当の友達になれればいいなと思っているよ」

 

正直ここまで友達想いだと逆に不気味に感じる。病気なのかとも疑うな・・。千葉でも有数の博愛主義者じゃないのか?

 

隼人「それでさ、俺まだグループ決まってないんだけど、よかったら2人の中に入れてくれないか?」

 

彩加「うん、ちょうど僕たちも3人目を探してたとこなんだ。僕はいいよ。八幡は?」

 

八幡「彩加がいいなら俺も構わねぇよ」

 

隼人「ありがと。それじゃあ名前書きに行こうか。行きたい場所はある?」

 

八幡「どこでもいいぞ」

 

彩加「僕も、決まってないからお任せするよ」

 

俺と彩加の返答に葉山はそうか、と言って後ろの黒板に書きに行った。

 

『葉山、戸塚、比企谷』

 

あ、漢字だと間違えずに書けるんすね。ワーイハチマンウレシイナー。ならついでに、呼ぶときも名前間違えないようにしろよ・・。

 

隼人「あ、そうだ、ヒキタニ君。君の作った龍をみんなに見せたら、作ってほしいって頼まれたんだけど」

 

ぅおおおいぃ!何してくれちゃってんのー!?アレ作るのかなり疲れるんだぞ!どれくらいかというと、帰宅部が校庭5週走り終わった直後ぐらいだ。それを何回もやらせる気か?それに目立ちたくないからやりたくない。お断りしよう。

 

八幡「ハァ、ヤだよめんどくさい。疲れるし」

 

隼人「そうか。そうだな、アレは簡単に作れる物じゃないし、潔く諦めるよ」

 

意外とあっさり退いたな・・。もうちょっと粘られるかと思って身構えてたが、その必要はなかったな。よかったよかった。

 

彩加「え?八幡が龍を作ったって、どういうこと?」

 

隼人「ああ、これだよ。これをヒキタニ君が作ったんだ」

 

葉山はそう言って、俺が折ったドラゴンを彩加に渡した。なんで持ち歩いてるんだよ・・。思わず笑っちまうところだったぞ。

 

彩加「わぁ!すごいね八幡!どうなってるんだろう、これ・・。」

 

彩加は折ドラゴンを不思議そうに眺めた。ちなみに、どういう構造になっているかは、企業秘密だ。ていうか【ロットアイ】状態じゃなきゃ、ほぼわからない。

 

八幡「それで、どこにしたんだ?職場」

 

隼人「マスコミ関係のとこだよ。気になっててね」

 

マスコミか・・。

 

報道機関―マスコミュニケーションで情報の発信側となる機関; 報道 - 出来事を取材し、マスメディアで公表する仕事だ。

 

八幡「・・意外だな」

 

隼人「そうか?まぁ、親の仕事と深い縁がある職業だからね。興味はあったんだ・・」

 

マスコミと縁がある仕事ね。っつーことは、政治とかに関係する仕事か。ボンボンじゃねぇか・・。

 

隼人「じゃあ、俺はもう戻る」

 

彩加「うん、またね」

 

彩加は手を振って葉山を見送った。

 

 

 

《翌日の朝》

 

 

≪八幡の部屋≫

 

葉山君のチェーンメール事件が解消された日の翌日。私、新島風音は今、八くんの部屋にいます。

 

八くん寝坊です。もうすぐ出ないと学校に遅刻してしまいます。

 

風音「八く~ん、起きて。遅刻するよ」

 

呼びかけるが、ビクともしない。体を揺らしても、起きる気配はない。

 

風音「・・・起きたらいいことしてあげるよ?」

 

ダメもとでそう耳元でつぶやいた。

 

八幡「嬉しいねぇ、何してくれるんだ?」ムク

 

風音「え?」

 

私がつぶやいた途端、八くんは起きだした。まるで図ったかのように・・。

 

八幡「で、いいことって・・何してくれるんだ?」ニヤ

 

風音「えっ!そ、それは、八くんを起こすための言葉の綾というか・・」アタフタ

 

八幡「なんだ・・そうだったのか」

 

八くんは再び布団を被った。・・ってちょっとちょっと!遅刻する!

 

風音「八くん起きて~!」

 

八幡「つーん」

 

完全に拗ねちゃったよ・・。

 

風音「・・八くん!」

 

八幡「ん?なんdムグッ!」

 

私は八くんに顔を近づけて、自分の唇を八くんの唇に重ねた。

 

風音「ほ、ほら!行くよ//」

 

八幡「え、あ、おう//」

 

うぅ、ちょっと恥ずかしい・・。けど、嬉しさの方が勝ってるな、エへへ//。

 

 

 

 

《放課後》

 

 

朝の出来事で浮かれてたから、時間が速く感じた。

 

特に授業は問題なく進み、部活もないため俺ら奉仕部はサイゼで勉強会を開いている。

 

俺と風音は黙々とシャーペンを走らせ、由比ヶ浜は雪ノ下に教えてもらっている。

 

・・・・ん?なんかこの問題頭につっかかるな・・。どうするか・・。

 

風音「ああ、それはここをこうしてこうすれば解けるよ」

 

八幡「成程。ありがとな」

 

風音は俺の苦悩を察知し、ヒントを教えてくれた。俺達は、わからないところは教え合うが、答えは言わない。お互い分かりやすいヒントを与えて自分で解かせるのだ。

 

と説明をしていたら、風音の手が僅かに止まった。

 

八幡「それはそこを重点的に読めば解けるぞ」

 

風音「あ、ほんとだ。ありがとう♪」

 

とまぁ、こんな風に、何も言わずに通じ合っている。

 

小町「あれ?お兄ちゃん?それと風姉・・」

 

声のした方を振り返ると、そこには中学の制服を着た妹がいた。

 

風音「あれ?小町ちゃんどうしたの?」

 

小町「いやー、実はちょっと相談されたことがあって・・・」

 

小町はそう言って、後ろの男子を前に出した。

 

?「お、同じクラスの川崎大志っす。よろしくっす。」

 

名乗った男子はぺこりと一礼をする。

 

八幡「それで?場合によっちゃ、【ロットアイ】酷使してでもこいつを八つ裂きにするが・・・」

 

俺は殺気を放って、低い声音で警告した。その俺を見て男子は怯えた表情になる。

 

小町「ちょっ!ストップストップ!お兄ちゃんそれマジでシャレにならないから!?ただの友達だよ!」

 

風音「八くん抑えて!私も問い詰めようとしたけど、小町ちゃんああ言ってるし!」

 

八幡「・・・そうか。すまなかったな、大志とやら」

 

俺が謝ると大志は安堵の表情になった。え?そんなに怖かったの?今度鏡見てみよう。

 

雪乃「あなた、かなりのシスコンなのね」

 

八幡「家族思いと言え」

 

小町「ん?お兄ちゃん、そこの2人は誰?」

 

八幡「同じ部活の人だよ。ほら、この前話したろ。奉仕部」

 

小町「そっか。始めまして、妹の小町です。お兄ちゃんとお義姉ちゃんがお世話になってます!」

 

雪乃「初めまして、雪ノ下雪乃よ。奉仕部の部長をしているわ」

 

結衣「は、初めまして、ヒッキーと同じクラスの由比ヶ浜結衣です。・・・え?お義姉ちゃんって?」

 

小町「はい!風姉の事です!将来の私の義姉ですからね!」

 

風音「こ、小町ちゃん!みんなの前でそれは・・・///」

 

小町ェ、それをファミレスで大きい声で宣言しないでくれ。恥ずかしい。

 

結衣「へ?それって」

 

八幡「あまり詮索しなくていい。それで、俺らに何か用があったのか?」

 

小町「あ、実は大志君から相談受けてて・・・そうだ!お兄ちゃんたちも聞いてくれない?そういう部活でしょ?」

 

八幡「だとよ。どうする?一応今は部活動停止期間だが・・・」

 

ルールに厳しい雪ノ下のことだ。一度決めたことは曲げないだろうし。勝手に受けてもいい思いはしないだろう。

 

雪乃「そうね。受けたいのはやまやまなのだけれど・・」

 

結衣「いいじゃん!受けてあげなよ!」

 

由比ヶ浜は急に笑顔になって、雪ノ下を説得していた。お前勉強したくないだけだろう・・・。

 

雪乃「由比ヶ浜さんは勉強したくないだけなんじゃなくて?」

 

どうやら雪ノ下もそう思ってたらしい。その言葉に由比ヶ浜は、悪事がバレた少年のような表情をしていた。

 

風音「まあ、相談だけでも聞いてあげたら?実行するかは置いといて。ね、八くん」

 

八幡「まぁ風音がそう言うなら、俺はいいが・・」

 

雪乃「私もいいわ。このまま言われ続けるよりかはマシだろうし」

 

雪ノ下も渋々了承した。

 

八幡「それじゃ大志とやら、相談というのは?」

 

大志「あ、はい。俺の姉ちゃんの事なんですが・・総武の2年で名前は川崎沙希って言うんすけど、最近になって不良っぽくなったっていうか・・」

 

結衣「あー、川崎さんでしょ。ちょっと怖い系の」

 

その名前に心当たりがあるのか由比ヶ浜が反応した。

 

八幡「知ってるのか?」

 

結衣「いや、そもそもF組だし。・・今更か」

 

由比ヶ浜は呆れた顔で溜息を吐いた。うむ、確かに今更だ。どうでもいいからな・・。

 

風音「それで、その不良化?したお姉ちゃんがどうしたの?」

 

大志「は、はい。なんか2年になってから、姉ちゃんそういう感じになって・・・・・前はすごく優しくて、下に妹と弟がいるんすけど、結構面倒見てて、飯も作ってくれてたんす」

 

雪乃「成程ね。2年になって学校では変わったことってあったかしら?」

 

結衣「今のところクラス替えだけだけど・・」

 

雪乃「それだと、事情があるのは家ということになるわね」

 

雪ノ下の言い分に、大志も大きく頷く。

 

大志「あとそれだけじゃないんす。帰りもすごく遅くて・・・」

 

八幡「具体的には何時くらいだ?」

 

大志「5時くらいっす」

 

八幡「むしろ朝じゃねぇか。相当深刻だなこりゃ・・」

 

高校生がそんな時間まで帰らないのは、結構な問題ごとだ。犯罪にだって巻き込まれるかもしれねーし。大体親とかに連絡とかされないのか?

 

風音「それで、両親とかには何も言われないの?」

 

大志「そっすね。うちは両親共働きだし、下に妹と弟がいるんであんま姉ちゃんをうるさく言わないんすよ。それに時間も時間何でめったに顔が合わないし・・・・それに俺が聞いても『関係ない』の一点張りなんす」

 

八幡「成程な。察するに家族にばれたくないことでもしてるんじゃねぇか?」

 

雪乃「そうね。それに彼女は優しいと言われてるのだから、心配を掛けたくないという思いがあると思うわ」

 

大志「あと、家に電話がきたんす。エンジェル何とかっていう場所から・・」

 

結衣「エンジェル?」

 

雪乃「・・・・おそらくバイト先じゃないかしら?家族には内緒にしてるのだから知らなくてもおかしくないわ」

 

風音「確かにそれはあるかも。・・ていうことは深夜バイトしてるって事じゃん!」

 

八幡「おいおい、労働基準法破ってるじゃねぇか。こんなんばれたら大事だぞ」

 

ハァ・・・面倒なことに巻き込まれちまったな。こんなこと聞いてしまった以上なんとかしなきゃいけないだろうし。まぁ、小町からのお願いじゃ仕方ないな・・。

 

八幡「大志。この件はこっちで考えとく。それと途中でお前に聞きたいことがあるかもしれない、だから連絡先教えろ。そんでもう夜遅いから帰れ」

 

大志「え?あ、はい!ありがとうございます!よろしくお願いします!」

 

八幡「それと風音。少し話したいことがあるから風音の部屋に泊まらせてくれ」

 

風音「え?うん、分かった!」

 

風音との約束を取り付けた俺は、雪ノ下達を送って帰った。何故か由比ヶ浜が声にならない叫び声を出していたが、無視した。いつものことだし・・。

 

 

 

≪新島家≫

 

八幡&風音「「ただいま」」

 

「あ、おかえり~。あら八幡君、うちに来るのは久しぶりね」

 

俺達を出迎えてくれたのは、風音の母である。

 

八幡「ええ、いつも来てもらってた側なので、たまには風音の部屋に入りたいなと思って」

 

「そうなのね。ところで八幡君、別に敬語じゃなくていいのよ?昔からの仲じゃない」

 

八幡「いえ、そういうわけにも・・」

 

「いいじゃない?遠慮しなくていいのよ?そんな他人行儀だとお義母さん寂しい・・」ツンツン

 

風音の母ちゃんは、俺の頬をツンツン突いて、寂しげな表情をした。

 

風音「ちょっとお母さん!」

 

「あらやだ♪実の娘に嫉妬されちゃったわ、うふふ♪」

 

風音「もう!//」

 

「ふふっ、幸せそうで何よりだわ。お父さんもいるから会ってあげたら?喜ぶわよ?」 

 

八幡「はい。そうさせt」

 

「・・・」ジ~

 

八幡「わ、わかった。そうさせてもらう」

 

「うん、よろしい♪」

 

まだ玄関なのに疲れちまった。風音ママのスキンシップは相変わらずだったな。まぁいっか、リビングに向かおう。

 

リビングに着くとそこには日本酒を飲んでる風音パパがいた。俺を見つけると、嬉しそうな顔で

 

「おおー!八幡君じゃないか!久しぶり、元気してたか?」

 

と歓迎してくれた。

 

八幡「はい。風音のおかげで毎日元気に過ごせてますよ」

 

「そうかそうか。上手くやってるんだな!それと玄関でのやり取り聞こえてたからな。俺にもタメ口でいいぞ。拒否権はない」

 

八幡「ハハ・・わかったよ」

 

「まぁ立ち話も何だ。少し話したいことがある。座ってくれ。今飲み物持ってきてやる」

 

そう言って、冷蔵庫から取り出してきてくれたのはMAXコーヒーだった。え?何で準備されてるんだ?この飲み物は俺と風音ぐらいしか飲まないのに・・・。

 

「娘の要望でな。いつ八幡君が来てもいいときに備えてたんだ」

 

義父ちゃんは、俺の心を読み取ったかのように説明した。それを聞いた俺は風音の方を向くと笑顔を俺に向けてきた。俺は無言で頭を撫でる、なんでだろう・・風音の笑顔を見ると頭を撫でたくなるのなんでだろ~?古い。

 

「おうおう、見せつけてくれるねぇ。ま、お前らが幸せならそれでいい。俺らの幸せでもあるからな。頑張れよ!」

 

なにこの人超カッコいいんだけど・・。今すごいジーンときた。しまいにゃ泣くぞ?

 

「それで、孫はまだかね?俺は早くおじいちゃんと呼ばれたいぞ」

 

八幡「ブフッ!?」

 

前言撤回。いきなりすぎる、マッカン吹いちまったじゃねぇか!

 

八幡「い、いきなりなんだよ!ていうか、そういうのは高校生の俺らにはまだ早い!」

 

「何!最近の若者は、高校生でもう初めてを捧げる人が多いと聞くぞ!」

 

八幡「それどこ情報だよ!確かにいるかもしれんが、俺達はまだそういうことはしない!」

 

「そんな!俺は死ぬ前に孫の顔を拝みたいぞ!」

 

八幡「あんたまだ35だろ!死にゃしねぇよ!俺達は純粋に愛し合って生きてくんだ!」

 

「うーん、しかし!やはり1分1秒でも早くおじいちゃんと呼ばれたい!」

 

八幡「我儘すぎるわ!そうかそこまで孫が見たいか?ならあんたが40になる前に拝ませてやるよ!」

 

「それは本当か!?」

 

八幡「男に二言はねぇ!」

 

「そうか!期待してるぞ!」ガシッ

 

八幡「おう!」ガシッ

 

俺と義父ちゃんはがっしり握手をして、男と男の約束をした。

 

風音「アワワワワワ/////」

 

風音の方を見ると、顔を真っ赤にして目を回していた。やべっ、口論に夢中で忘れてた。

 

取りあえず、風音の部屋に行こう。

 

八幡「じゃあ俺達は部屋に行きますね」

 

「おう。久しぶりに話せて楽しかったぜ」

 

 

≪風音の部屋≫

 

八幡「落ち着いたか?」

 

風音「うん//」

 

八幡「その、悪かったな。熱くなってて、変なこと口走っちまって・・」

 

いくら熱くなってもアレは失言だったな。不快にしちまったかもしれない。

 

風音「別に不快だったとかじゃないんだよ。ただ、いきなり言われて恥ずかしかっただけ//それにお父さんの発言が火種だったんだから・・。」

 

八幡「いや、それでも俺の気が済まないんだが・・・」

 

風音「八くんはやっぱり優しいね。それなら・・・今日はこうしながら寝たいな♪」ギュウ

 

そう言って風音は、俺に抱きついてきた。あれ?風音ってこんな積極的な彼女だったっけ?

 

八幡「・・わかったよ、お安い御用だ。眠れない熱~い夜を過ごそうぜ」ギュウ

 

風音「なんでそんな意味深に解釈するの!?//純粋に愛し合っていくんでしょ!///」

 

八幡「アッハハハ。あまりにも可愛いから、からかいたくなるんだよ」

 

風音「うぅ~//わ、私だって、やるときはやるよ!」

 

風音は抱き着いた状態で、俺をベッドに押し倒し、強引に、強くキスをした。

 

八幡「お、おい。さすがの俺も予想外だったわ」

 

風音「たまにはやり返さないと、気が済まないの!今日はこれで寝よう!」

 

風音は、自分の身体を俺の身体に乗せた状態で、現状維持を宣言した。

 

別に嫌というわけではない。むしろ、柔らかくて気持ちがいい、至福のひと時なまである。ただ、俺が安眠できるかどうかなんだ。

 

八幡「風音」

 

風音「」zzz

 

もう寝ちゃってるし。きっと、恥ずかし疲れたのだろう。ならしょうがない、俺もさっさと寝よう。

 

この状態のまま、彼女の腰に手を回し、目を瞑った。

 

 

 

翌朝、お互いの寝相のせいか、態勢が逆転していて、俺がのしかかってる状態で、目が覚めた。その時の風音の反応が、面白くて、わざと動かないでいたら、案の定怒られた。

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

また次回。

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