では、1話をどうぞ
Episode.1 激戦の幕開け
東京10区
物静かな場所だが、今日は違かった。
ダダダダダダダダダダッッ
「おらおらおらぁぁぁ!!!」
喰種捜査官が羽赫クインケで連射する。
が、喰種は傷一つ付かない。
「クソッ、何なんだあいつ!近接武器でもダメだぞ!」
仲間の捜査官が息を切らしながら言う。
「うーむ、そろそろ飽きましたねェ。」
その喰種は赫子を出す。
「そろそろ終わろうか、ムシケラ共」
「ヒッ、」
「うわあああぁぁぁぁぁあ」
東京12区
ここは比較的CCGの力が行き届いていた
はずだった。
ズブシャァァァァァァッッッ
喰種の赫子によって捜査官の体が縦に真っ二つになる。
この赫子、甲赫は腕に巻きつき、形はまるで大剣のようだ。
「ああああああっっっ!!」
「ひ、怯むな!総員距離を取れ!近づくと斬られるぞ!」
上等捜査官が指示を出す。
が、それも虚しく次々と捜査官が殺されていく。
「そんな、馬鹿なっっ!!」
あっという間に喰種が接近する。
「鈍いな、人間」
「この強さ、そして赫子から出るこの光、まさかキサm...........」
「これで10、12区は概ね制圧できたということか?」
「はい、私の優秀な部下が成功させました」
「へぇ、ではあの実験も順調に進んでいるってコトかしら?」
「はい。ですがまだ仮のものです。現段階では少量をコントロールするのが精一杯です。」
「流石にあのオリジナルまで行くのは無理じゃろうな。だが、今後技術革新やより優秀な人材が手に入れば、近づけることも可能であろう」
「これからも頑張ってくれたまえ、クルーテオ」
「はい」
「お帰りなさいませ、クルーテオ様」
「私が出ている間に何かあったか、スレイン」
「いえ、特にありません」
「なら、今日も続きだ」
スレインは驚く。
「お、お言葉ですがクルーテオ様。昨日も長時間実験を行っています。それにもかかわらずあまり休みを取らずにまた実験を行うとなると、アセイラム姫の体……ガッッ!!!」
スレインの腹にクルーテオの強烈な拳が入る。
「気安く姫の名前を言うな。それに、研究成果次第で我々喰種の存亡に関わるのだ。つべこべ言うな、愚民」
「は、はい…………」
――この人は、姫をただの道具としか見ていない。自分の地位が上がればそれでいいと思っているんだ…………。
スレインはクルーテオに疑念を持つとともに、何も出来ない自分が悔しかった。
『…………より10区、12区は突然の喰種の襲撃により、壊滅状態とのことです。これによりCCG捜査本部は……』
テレビからニュース内容が流れる。
速報で出てからずっとこれで話題が持ちきりだ。
ここ、喰種対策局の食堂でもそうだ。
「いきなりどうしたんだろうな。今までこんなことなかったのにな」
カームがカレーを食べつつぼやく。
「そうだね。ホントに突然。」
網文韻子がラーメンを啜る。
「何かのきっかけで動き始めたんだと思うけどね。」
伊奈帆がカツ丼をほおばる。
「今まで喰種集めてて、組織が完成したから攻めてきたとか?」
ニーナ・クラインがスパゲティをフォークで巻く。
「どっちの区も単体で来たって言ってっからそれは正しいとは言えないっしょ。あとは……」
箕国起助はサンドイッチを完食すると、カームの方を少し見て
「あの光る喰種が出てから10年たったから、とか」
「そういえば、12区の喰種も赫子が光ってたって報告があるけど、それが本当に関係してるのかしら」
ライエ・アリアーシュはタンメンのスープを啜る。
「それよりも今後の喰種の動きの予測と対策案を出すのが先決だ」
伊奈穂がコップの水を飲みほし、言った。
その後本部が出した命令により、普段よりも多い人数を街の監視として出すことになった。どこかのグループが見つけ次第他にも連絡を取り、近くのグループと合流して戦う。
要は数で押す作戦なんだろうか。
どちらの区も大人数で向かったにも関わらず、一体にやられたのだ。
安易なものだと思うが、こちらもあまり詳細な情報がないからしょうがないのだろう。
伊奈帆は姉の界塚ユキとタッグを組んで監視にあたる。
「ナオ君、体調は大丈夫?」
「大丈夫だよ。ユキ姉こそ疲れてないの?」
「大丈夫よ。私はいつも元気いっぱいだもの」
いつものように何気ない会話をかわす。
両親を失ってから互いに支えあってきた2人だ、息はぴったりである。
「けど、嫌な予感はするのよね。突然始まった逆襲。これはあくまで序章にしか過ぎない気がして」
このユキの発言は、奇しくも現実と化してしまう。
「クックックッ、ここが次のターゲットの場所か。ここにはどんな奴らがいるんだろうなァ、せいぜいこの私を楽しませてくれよ」
クルーテオの部下、トリルランは高層ビル屋上から伊奈帆たちのいる21区を見渡していた。