アルドノアグール   作:柊羽(復帰中)

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やっとこさできました(汗
最初はスラスラ書けましたが、最近はなかなか進みませんでした。どうやって戦うとか、伊奈帆たちとスレインたちの進行をどう進めるかなど、悩んでおりました

では、続きをどうぞ


Episode.6 強者の刃

「抜刀」

 

その言葉と共に形成されたそのビームサーベルは、これまた不気味な音を放っている。青白い光が街頭しかない夜の中ではより際立つ。

 

「あれが.....あの”光を放つ喰種”なのか」

 

「なんだよあれ.....」

 

捜査官たちは呆気にとられる。

 

無理もない。こんな摩訶不思議な物を前にして驚かない方が少ないだろう。普段表情に変化のない不見咲も口が開いたまま動かない。

 

だが、すぐに冷静さを取り戻し、軽く深呼吸する。

 

――これが奴の力.....アルドノア?と言っていたか。ヴァースの一員、ということはそれが喰種組織の名称か。...いや、今はこの状況をどうするかが優先だ。

 

不見咲は両クインケをグッと握ると、ゆっくりと口を開く。

 

「全員、距離を取れ。近づきすぎるな、あれは危険だ」

 

「ああ、だがどうする?」

 

背の高い男性捜査官が不見咲に声をかける。

 

「とりあえず相手の様子を見ます。見る限り、斬撃に特化していると思われるので、どの程度の威力か図ります」

 

「「「「了解」」」」

 

声を揃えて返事をする。

 

「さて、作戦会議は終わったかな」

 

ブラドは言うと、腰を低くして構える。

 

 

 

 

 

「行くぞ」

 

瞬間、ブラドは地面を踏みしめ、不見咲たちのところに突っ込む。そのスピードは変わらず速い。

 

ブラドが到達する前に捜査官全員周りに散会する。

 

標的を定めるため、一旦ブラドは立ち止まる。

 

ここで先ほどの鱗赫クインケの1人を標的にして襲いかかる。それを見たもう1人の鱗赫使いの捜査官が動く。

 

ブラドがアルドノアをまとった甲赫を斜めに振り下ろす。それを捜査官はうまくかわす。そこにもう1人がクインケをブラドの背中に向かって振るう。

 

だがそれはお見通しのようで、ブラドはすぐに甲赫を回転しながら横に振る。

 

「……!」

 

ブラドの攻撃を見て、とっさにしゃがみ、甲赫はそのまま横にからぶる。

 

「くっ!」

 

ブオンと音を立てて過ぎた甲赫は止まることなく上に上げ、相手に向かって振り下ろす。

 

これもすぐさま反応して左に飛び退く。振り下ろされた甲赫は捜査官のギリギリのところを過ぎて地面に叩きつけられる。地面はいとも簡単に砕ける。

 

それとほぼ同じタイミングで、今度は槍状のクインケを持つ捜査官が参戦。その素早い突きをブラドの左肩にお見舞いする

 

 

 

 

 

 

 

のだがそれも読めていたのか、甲赫を軽々と上げ、体を素早くひねり、槍クインケをあっさり斬る。

 

「え?……あっ!」

 

彼に残されたのは持ち手のみ。これではどうしようもない。すぐに退避する。すぐにブラドもそれに標的を移し、接近する。

 

それを防ごうと、不見咲は羽赫クインケを二つ同時に連射する。しかも二つ違うところに発射した。片方は上半身、もう一方は両足だ。アルドノアによってブラドの甲赫の面積が増えている。とはいえ、体全体を守れるほどではない。片方を守ればもう片方に被弾する。まともに受けたくはないはず。そうならないためにステップで避けるだろう、と思ったが.....。

 

 

 

 

ブラドは甲赫にまとうアルドノアを変形する。それはすぐに前方を覆う膜のようになり、不見咲が放った銃撃はすべてその膜に触れ、バチッと音をたてて消えた。

 

「なに!?」

 

「……ぁ」

 

再び剣状に形を戻しそのまま距離を詰め、彼の上半身に横切りを放つ。あっという間に腹部から上、下、とれた両腕の4セットの()()()()()()になった。

 

「2人目」

 

ブラドは静かに、そして残りの者に殺気を放つように呟く。

 

不見咲は目の前で仲間が死ぬことより、アルドノアの変形に驚いていた。

 

ーーあの甲赫、いや、あの力は相当危険だ。クインケを軽々と斬った。あれに触れただで終わりということか。そして、形状変化で盾にもなる、厄介だ……。

 

攻防どちらもこなせるが一斉攻撃ならどうだ、と確かめてみる。

 

不見咲は両クインケを同時連射する。

 

ブラドはすぐ反応し、再び膜を形成して防ぐ。だが後ろから鱗赫クインケの2人が攻め込む。

 

ーーさあどうする。選択肢としては上に飛ぶか、背後の攻撃を弾が当たらないように避けるか………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

否、どれでもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

突如、膜が大きさを増し、剣状に形態変化する。形状を保っている時の不気味な音も比例して大きくなる。

 

「……まずいっ!」

 

そう不見咲が言う時には既にブラドは体を回転し始めていた。

 

「はああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

力強く出された叫びと共にビームサーベルの攻撃は放たれた。甲赫は円を描くように振られ、同時にエネルギー波が発生する。それはすさまじいもので、まわりにあった家やビルを簡単に貫通し、破壊した。

 

そしてそれらは轟音と共に崩れ去っていく。

 

不見咲は攻撃を止め、地面に這いつくばるようにしたため、衝撃はを受けずに済んだ。すぐ近くにいた捜査官も避けることができた。

 

だが、ブラドは上から見て時計回りに回転した。そのため、不見咲から見て左側から攻撃しようとした捜査官は反応が遅れたか、顔が吹っ飛ばされていた。もう1人は右肩あたりに当たったか流血していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは……まずいな……」

 

珍しく、彼女は少し恐怖を覚えた。圧倒的な強さを前にして。

 

まわりは敵の攻撃のおかげで、より遠くのビルやタワーが見えるようになってしまった。所々ギシギシ音をたてている。

 

まともに戦えるのは、私と隣の……あぁコイツはビビってダメだ。彼は負傷してる。私ひとり、少なすぎる。ワンマンでどうにかなる相手ではない。しかし増援がいつ来るか、連絡できる余裕はない。

 

どうする、どう粘る……?

 

そうこう考えているうちにブラドが元の大きさにアルドノアを戻し、鋭い視線を不見咲に送る。

 

さっきので破片やら何やら道に散らばり、ブラドが一歩一歩歩くたびにパキッと鳴る。

 

 

 

その時、折れる音の一定のリズムが崩れた。いや、崩れたというより後ろ、ブラドの背後から音が鳴った。

 

ブラドが振り返る間に、高速で光る物体がいくつも飛んでくる。

 

それを再びアルドノアを変形させて防ぐ。だが、それのせいでか、ブラドから右横数十センチのところに四角く地面のコンクリートが割れていることに気づけなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バギガガガガガガ!!

 

 

 

 

 

 

「?!」

 

ブラドが気づいた時には既に遅く、()()、瞬時に斜めに突き出た地面によって遙か十数メートル先へ吹っ飛ばされた。

 

「これは!」

 

 

「よっし!命中!」

 

聞き覚えのある声。

 

「大丈夫ですか、不見咲准特等」

 

命拾いした、こういう時に少しか弱い乙女を演じて見るものでしょうか。……いえ、そんな場合ではないと言うでしょうね、マグバレッジ特等。

 

「あぁ、助かったぞ、界塚上等、界塚一等」

 

2人が不見咲のもとに駆け寄る。不見咲はゆっくりと立ち上がる。

 

「一旦ここから離れましょう。ある程度は喰種たちを倒して対策局あたりの防御にまわっています」

 

「わかった」

 

他にも捜査官が数人駆けつけ、負傷した捜査官を補助するかたちになった。

 

「あ、あの!さっきの、光を放つ喰種の力は一体……」

 

目的地へ移動しているとき、ユキが不見咲に尋ねた。不見咲たちしか戦闘していないので、これは重要な情報だ。

 

「ヤツは”騎士”と呼ばれている喰種。甲赫だ。見えていたと思うが、力はその甲赫全体を覆い、ビームサーベルのようになった。あの攻撃は防ぎきれない、クインケが軽く一発でへし折られた」

 

さっき起こった出来事を落ち着いて淡々と話す。

 

「ビームサーベル……。防御不可。全方位攻撃は……」

 

「全方位同時攻撃を仕掛けたら、剣が巨大化して一気に返り討ちだ。2人も聞こえただろう、あの爆発音だ。もっと人員がいれば破れそうだったが……」

 

「………」

 

伊奈帆は難しい表情のまま移動する。ひたすら考える。どうやって相手を駆逐するか。そのために何かキーポイントはないか。人数からできる策を………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうこうしているうちに、防衛ポイントまで来た。そこには21区の捜査官全員ではないが、各々準備や話し合いをしていた。どこも緊迫した雰囲気で、ここにいるだけで無駄に重力がかかっているかのように体が重い。

 

ここに到着する前に、久保田にブラドの情報をあらかた話していた。

 

「こちら界塚、3人とも到着しました」

 

『よし、不見咲から聞いたことを踏まえて一応作戦はたてた。だが、確実ではない。それでも、これが一番の手だ』

 

そう言って、久保田は全員に無線をつなげ、作戦を話す。

 

 

 

作戦ーーと言っても駆逐できる可能性は高くないものだ。とはいえ、まだ情報が足りない。故に高確率の作戦がたてられない。ヤツと戦いつつ、探っていくしかない。

 

すると、対策局の上で監視をしていた人が無線を全員につなぐ。

 

『目標、北東より接近!』

 

その言葉により、捜査官たちの緊張が走る。まだはっきりとは見えていない。先ほど戦ってきた者もいれば、まだ見てすらいない者もいる。

 

伊奈帆はクインケをグッと握る。そして、見えてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザッ…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブラドが姿を現す。前衛組と一定の距離を保ったところで立ち止まる。それと共に異様な空気が流れる。そして殺気がこもった視線も感じる。捜査官たちはブラドの出方を見る。

 

「フッ、この人数だけか、それかもっといるか。まあ良い、これだけいれば楽しめそうだ」

 

「……!」

 

まず口を開いたのはブラドだ。50はいるだろうか、この人数を前にして嬉しがっている。

 

ブラドは自信の右足を少し後ろの下げる。それと共にアルドノアをまとった甲赫、右腕も後ろにして、構える。左手は前に突き出し、手のひらを捜査官たちに向ける。独特な構えだ。

 

捜査官たちも構える。ヤツの動きに最新の注意を向ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

少しの間。どこかで音がした。何かはわからない。さっき壊された建物か、どこか戦闘が行われたところか定かではないが、何かが落ちる音が、した。

 

 

ダッッ!!

 

それが合図のように、ブラドは走り出した。と同時に後衛の羽赫クインケの攻撃が開始された。6人くらいか、同時に連射される。前衛の近戦武器の捜査官たちはブラドを囲うように移動する。

 

ブラドはすかさずアルドノアの膜を前方に張る。弾はことごとく遮断される。

 

それでも撃ち続ける。それには理由があった。

 

『今だ!』

 

久保田の指示の声が無線で飛ばされる。それによって、ブラドの後ろあたりのビルなどの建物から捜査官たちが現れる。こっちは20人くらいいる。

 

こちらも同時発射しようとする。それに感づいたか、ブラドは先の戦闘のようにアルドノアを増やし、大剣のようにする。一気になぎ払うつもりだ。

 

 

 

 

だが、()()()()()()()()

 

『界塚上等!』

 

突然、ブラドの立っている所が割れる。丁度踏ん張っていたのだ、バランスを崩す。

 

そう、ユキのクインケ、アーマチュアαだ。ヤツの踏ん張っていた右足あたりの地面を破壊。小さいクレーターができるそれによって、右回転しようとした体は倒れ、なぎ払いを地面に向かって打つような形になる。

 

そこに羽赫クインケ組は、それぞれ渾身の一発を放つ。いまのヤツの状態では千弾防ぐことはできないだろう。

 

また、それでは仕留めることもできない。そこで、撃ったと同時に近戦クインケ組の何人かが攻め込む。なぎ払いを地面にたたき込むため、そのポイントあたりは破壊で動きにくくなる。なのでそこは避けてある。

 

反撃は怖いが、絶妙なタイミングで走り出した。おそらく大ダメージ、あわよくば殺せる。

 

 

 

 

 

 

 

ブラドは流石に少し驚く。先ほども何故飛ばされたかわからなかったが、これで納得した。

 

ーーそうきたか。うまい連携だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、こんな程度では………!

 

 

「オッラアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

ブラドは甲赫を地面にたたき込む。だが、それで終わりではない。そのまま地面を切り裂き、体を回転させ、続ける。甲赫は地面を出て斜めに振り上げ、背後狙撃組のいる場所から広がった近戦組のところに青白い衝撃波が飛んでいく。

 

衝撃波の範囲は上から見て、約200°の弧を描いて飛んでいく。

 

「!!!!!」

 

飛んできてから反応するのは遅い。接近していた捜査官はもちろん、狙撃組がいた建物は衝撃波によって破壊され、全員叫び声を上げながら消えていった。

 

その他の近戦組も十数人やられたが、伊奈帆たちがいたのはブラドの真ん前にいたのでそこには助かった。また、辛うじてしゃがんで避けられた者もいた。

 

 

 

その攻撃で、一気に形勢が変わった。人数はこっちの方が明らかに上だ。けれど、今のを見て恐怖を植え付けられた捜査官はどのくらいいるのだろうか。

 

まわりには顔を真っ青にしている者、恐怖で震えている者がいる。意気消沈、しかし相手は闘志にあふれていた。

 

「……さぁ、どうした?さっきまでの勢いはどうしたんだ?かかってこい、私はまだ全然戦えるぞ」

 

ブラドは右腕を一回持ち上げ、そして斜めに振り下ろす。アルドノアをまとった甲赫はブオン、と音をたてる。

 

これだけで、捜査官の何人かは小さく悲鳴を上げた。

 

 

 

 

伊奈帆は周囲をチラッと見る。

 

ーーざっと見ると、半分くらいの捜査官が恐怖で戦える状態じゃない。これは………まずいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーこれは………まずいな。

 

こう思ったのは伊奈帆だけではなかった。

 

ほぼ同時刻、場所は飛んで20区。

 

どこにでもあるような喫茶店「あんていく」。しかし本当は喰種の組織、”ヴァース”のアジトのひとつでもある。

 

 

 

 

1人の男性と1人の女性がお互いに手をつなぎ、アジトの地下通路を必死に走っていた。

 

「オラ待てやコノヤロ-!」

 

「手間かけさせんじゃねェよ!」

 

後ろから手下の喰種が追ってくる。5人ほどだ。

 

「はっ、かっはっ、!く、まだ追ってくるのか!」

 

彼、スレインは焦っていた。さっきからずっと追っ手から逃げていた。性格からか、殺すのをとても嫌っていた。けれど、アセイラム姫を守るためだ、と追ってくる喰種を倒していた。

 

だがいくらやっても手下が減ることがない。さらに、スレインはいいとして、アセイラム姫だ。スレインほど体力は無いのだ。もうヘトヘトになっている。今にも倒れそうだ。

 

 

 

ここで追い打ちと言わんばかりに、逃げている方向を遮るように数人の喰種が一つ目の角から現れた。

 

「あぁ、そんな………」

 

アセイラムが萎むような声で、そう言った。ここは通路だ、他に逃げられそうなところが無い。

 

「アセイラム姫、僕の手を、ちゃんと握ってください」

 

「は、はい!」

 

アセイラムはスレインの手をギュッと握る。すると突然スレインは立ち止まる。勢いをつけて一気にアセイラムを引き寄せ、抱きしめる。

 

そして全身に力を入れる。目は見開かれ、赫眼はピキピキと血管が瞳の周りに浮き出る。肩あたりから、羽赫を出す。黒く、炎のようにユラユラしている。

 

その羽赫は刹那、トゲのようなものが大量に作られ、一気に追っ手たちに放たれる。

 

「なっ!!まだそんな力がっ」

 

攻撃は見事にきまり、全員倒した、とスレインは思った。

 

 

 

 

 

 

だが、生き残っている者もいた。主に甲赫持ちの喰種だ。

 

喰種の赫子には得意不得意がある。尾赫は鱗赫に強く、鱗赫は甲赫に強く、甲赫は羽赫に強く、羽赫は尾赫に強い。

 

「くっ!」

 

「さてさて、スレイン君。いい加減逃亡はよせ。死にたくは、ないだろ?」

 

手下の1人が口を開く。

 

「関係ない!ぼ、僕は、アセイラム姫とここから出る!」

 

「黙れよ能なし混ざりモン野郎が。今この状況がわからねぇのか?」

 

ガラッと口調が変わる。コイツは手下の中でも一番強い。そしてクルーテオにはいい顔で接し、他の手下、特にスレインには厳しくあたるようなヤツだ。

 

「まあいい。特別に死ぬ寸前まで、で勘弁してやるよ」

 

先が鋭く尖った甲赫を地面に引きずりながら迫ってくる。

 

ーークッソ。もう、ここまで………

 

 

 

 

 

 

 

スレインが諦めようとした、そのときだった。

 

 

 

 

 

 

「スレイン」

 

そっと、スレインの顔に手を添える。

 

アセイラムはスレインにキスをした。

 

 

「?!ア、アセ、イラム姫……」

 

そのまま顔をスレインの耳元へやり、小声で話す。

 

「今、アルドノアをスレインの体内に少し送りました。これくらいなら、スレインでも制御できるはずです」

 

こんな場でファーストキスをしたスレインは最初は慌てたものの、すぐに意図を察する。

 

再び、体全体に力を込める。先ほどとは比べものにならないほどの力が漲ってくるのをすぐに感じた。

 

羽赫を出す。今度はまるでダイヤモンドのように尖って、艶のある羽赫だった。大きさも増し、作り出すトゲも数も大きさも普通以上だ。

 

第二撃、発射。

 

「ハッ、またか!いくらパワーアップしてもこの甲赫には無d」

 

防げて当然、のようにガードしたが、ことごとくスレインの攻撃が甲赫を貫通、そのままそいつの頭を吹っ飛ばす。他の生き残りも倒した。

 

力が増した分、そのあとの反動もキツイものだった。だが、また追ってが来るかもしれないのだ、そのまま立ち上がり、2人は再び走り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、誰とも遭遇せず、2人は「あんていく」1階に着き、スレインのロッカーから隠していた少し古びたマントを取り出す。また、スレインとアセイラムのマスクも持ち、裏口から出た。

 

 

 

 

 

またしばらく歩き、建物の間のところで腰を下ろす。2人、ホッとため息をする。

 

「……あ、アセイラム姫。そ、その、さっきはありがとうございます。僕が守らなければならないのに、逆に手助けしてもらって」

 

「いえ、そんなことはありません。スレインのおかげで追っ手を倒して、ここまで逃げて来れたんです。私1人では無理ですもの」

 

スレインは申し訳なさそうに言うのを、アセイラムは優しく、笑顔で言う。

 

その時、2人同時にキスのこと思いだし、揃って顔を赤くした。

 

 

 

 

 

 

少し冷たい風がなでるように吹き、空はすっかり黒く染まっている。けれどそこには無数の星が広がっている。

 

 

 

 

これからどんな過酷な目に遭うのかとスレインは考える。でも今は、アセイラム姫を、この笑顔を守りたい、と胸に刻む。そしてしばらく2人は星を眺めていた。




次回でブラド戦が終わると思います

また、スレインサイドもこういうふうに頑張って進めていきますので、よろしくどうぞ
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